04 レイアウトの法則

広告、デザイン、レイアウトの法則
デザインの良い広告とはどの様な物なのでしょう。自分で作成して、どうしても他の物より見劣りするとか、何となく変な感じがする。依頼した広告が今一つ納得出来ないなどの経験が有るでしょうか?それは、何が原因なのかレイアウトの法則に沿って検証してみてはいかがでしょう。
プロのレイアウトにはいくつかの法則があります。暗黙の物も有れば、印刷上の技術的な標準規則は「組版ルール」(ページネーション)として存在しますので、そちらを検索してください。ここではデザイン面での法則を解説いたします。

1)延長線上の法則(レイアウトグリッド)→
2)対比の法則(ジャンプ率)→
3)空間把握の法則(カウンタースペース)→


レイアウトはじめの一歩
レイアウトを考える前に制作物の目的を確認しましょう。例えばあなたのお店のオープン告知や新商品のお知らせなどは、直接売り上げに繋がる物では無く、お店の取り扱い商品や特徴、新商品の新機能や特性などがチラシを見た人に伝われば良い物と、キャンペーンやDM系の広告では、直接の反響を求めます。言い換えるとチラシを見た人が「良い商品だなぁ」と覚えて購入時の選択肢に入れてもらえれば良いのか、直接メールや電話で問い合わせてくれたり、そのチラシから、予約を入れてくれたらよいのか、はっきり目的を決めて制作にかかるべきです。
次にレイアウトテクニックですが、技術的到達目標は視線の誘導が最終の目的に添っているかが一番重要です。上手い広告、綺麗なレイアウトとはチラシを手に取ったユーザーが制作者側の意図を自然に受け取れる物なのです。


情報の分析をしよう
折り込まれたチラシを良く観察してみると、紙の質や、両面印刷と片面印刷など、いくつかの種類に分かれるかと思います。その中で気がつくのは、殆ど同じ大きさなのだけれど微妙に大きさの違う広告がある事に気がつきませんか。さらに良く観察すると紙の四方が白く抜けている折り込みと、写真や地色が隅まで全部塗られている物があるはずです。
これは袋断ち印刷と化粧断ち印刷の違いで、印刷用データ(版下と呼ぶ場合もあります)作成方法も違うので注意も必要です。袋断ちの場合は紙の中に3〜5mm程度余白を残しその内側に印刷します化粧断ちは3mm外側に印刷用のデータを大きく作り、印刷後四辺をカットして仕上げる方法です。袋断ちに対し化粧断ちは四辺をカットする分小さく仕上がり、裁断分のコストがかかります。どちらを使っても自由ですが、袋断ちは情報を中心とした広告や、比較的安価な物を作るの向いています。化粧断ちはイメージ重視でどちらかというと高級感を求めるのに向いています。

実際の印刷物での確認


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4-01 延長線上の法則(レイアウトグリッド)

まず、デザインレイアウトは見出しや、本文の文章テキスト、写真、イラスト、図版などの情報を組み合わせて、コンセプトとしての狙い通りに受け手に伝える事です。そして、文字には大きさ色、書体。写真の扱いは(1)角版と(2)抜き版があり、文章のレイアウトには(1)左揃え(2)右揃え(3)センター揃えがあることを基礎として覚えておいて下さい。

◆練習として、商品ロゴ、角版写真大小2点、キャッチコピー5〜10文字、小見出し適量、ボディコピー文字サイズ行間はこのイメージのまま文字BOXのサイズの微調整はOKとしましょう。商品は新発売の食品か飲料水のイメージで、考え作業してみましょう。

デザインのレイアウトを決める際にはこの様にブロック状の図形を置いて、イメージを確立します。これを割り付けと呼び、割り付けを決めてから、素材を作成する先割と、素材が既にあってレイアウトをする後割りがあります。Webのワイヤーフレームと同じ考え方です。

それぞれの素材を紙面にレイアウトした、AとBがあります。どちらが優れたレイアウトか分かりますか?Bは左に寄りすぎているように感じますが、Aのレイアウトはデザインの方程式には当てはまっていません。算数で言えば、答えは合っているのですが式が全く違うと言った所でしょうか。上手なレイアウトの第一歩は「グリッド」の整列にあります。グリッドとは方眼の分割線のことですが、ここで言うグリッドとは水平垂直に走らせた補助線と考えていただいた方が分かりやすいでしょう。デザインのレイアウトでは袋断ち、化粧断ちの印刷方法に関わらず、四辺にマジーンを取ります。このマージンガイドの線を利用して紙面を整えるのが法則の1です。



グリッドガイドを表示していますので分かるでしょうか、左のマージンに合わせているから右が空いてレイアウトがおかしく感じるのですね。しかし、角版写真1と2の左の辺が延長線上で整列していることが分かりますか?さらに角版写真2と小見出しの頭も揃っています。角版写真1を左のグリッドに合わせてしまった為に起きた不具合です。写真を拡大して右部分を埋める事も出来ますが、レイアウトグリッドにはセンターグリッドという絶対安定のグリッドが存在しますので、それを利用したレイアウトに修正してみます。









全体をセンターグリッドに合わせました。いかがでしょう。これだけで綺麗なレイアウトになった事が分かるでしょうか。この段階で最初のType-Aのレイアウトを見ると、写真や、文章のブロックから延長線を出してみるとガタガタで、修正が難しい事も分かるでしょう。


それぞれに補助線を引いてみると一層延長線上を共有する意味が理解出来るかと思います、レイアウトの第一法則は次の段階で崩しのレイアウトになり、さらに上級者になると、基本は抑える物のわざとずらして視線誘導を強調したりしますが、まずは「揃える」事から始めましょう。


同じような条件の広告を探してみました。上記の解説を読んだ後に参考の折り込み広告がどのように延長線を共有しているのか分析してみると、作り手の苦労や工夫がとても良く分かると共に、良い広告はデザインの方程式にしっかり添った物である事が十分に理解できます。









いくつかの優れた広告を分析して、その要素を取り入れて見ましょう。大きな角版写真は拡大して紙面より断ち切りにして、写真とキャッチコピーを重ねてみました。いかがでしょうか。だいぶ綺麗なレイアウトの折り込み広告らしくなって来ましたね。この段階が理解出来ましたら、第二、第三法則と合わせてさらに良い広告制作を目指しましょう。



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4-02 対比の法則(ジャンプ率)

ジャンプ率という言葉はデザインでは大きさの比率や対比の事を示します。同じ大きさの写真を二つ並べるより、大小に分けて紙面を分割した方が視線誘導に効果的だからです。その他には文字のレイアウトにも使います。タイトルや見出サイズの対比によって紙面の強弱が付き、強烈な印象と躍動的なイメージを与えるからです。スポーツ新聞の一面のタイトルを思い起こしていただけるとよく分かるかと思います。文字のジャンプ率を高めると元気で活力のある楽しいイメージを作りますが、スポーツ新聞の様に内容が嘘くさい下品な印象を与えてしまいます。ジャンプ率が低いと真面目で格調高く上品な印象なイメージを作りますが、インパクトが弱く、デザイン性が低く印象に残らない読みづらい広告になります。


タイトルのジャンプ率を変えてみましたいかがですか?同じ幅ですが強弱が付いた方が印象に残りやすいこと実感できたでしょうか。逆にジャンプ率が低いとデザインされた見出に感じないことは残念です。


今までは大きな文字は太く、小さな文字はシャープにのような不文律がありましたが、女性雑誌の見出などを中心に、最近ではこの様に小さな文字を太くしてボールド処理し、大きなタイトルはシャープなウエイトを使うことで意外性とデザイン性が高く感じるようになります。文字の大小は違うのですが、ウエイトで全体のバランスを取って調和させているのです。結果強弱が弱いと指摘を受ける傾向もあります

さらに文字を飾り、イメージを強く伝わるようにすればかなりデザイン処理した事が分かります。文字回りの飾りについては別の項で説明しますので、まずは、ジャンプ率の必要性を実感してください。

次に写真のジャンプ率について考えます。大きな写真と小さな写真を並べましたが、しっくり来ません。何故でしょう。子供の大きな写真と小さな商品写真、実際に広告に写真を入れ込んでみました。いかがですか。


写真のトリミングを変えて見ると写真のジャンプ率の意味が分かりやすいでしょう。もっと強いイメージを作り出していることが理解出来たでしょうか。レイアウトグリッドにジャンプ率が加わり、広告の完成度が高くなって、臨場感が出ているでしょう。

実はジャンプ率はもう一つ隠れた役割があるのを披露しましょう。右側の広告は子供の写真をクローズアップしただけではないもう一つの工夫があるのです。ハンバーガーの写真をキリヌキで使い人物と重ねています。この様な使い方をする事で手前、奥の空間が作れるのです。商品写真のバーガーは小さな扱いですが、空間的には一番手前にあり、広告を見たユーザーの最後の印象づけが完成します。左の広告は個々が独立した印象に対して、右側は最期にバーガーが記憶に残るようにデザインがされています。ジャンプ率と言うと文字や写真の大小を気に掛けるのが普通ですが、この様に写真や文字を重ねて大小と共に手前、奥の空間を作り出す目的もあるのです。

ここまでの完成段階を並べています。いかがですか。プロであるのならどちらが「好き」と言ってはいけません。どちらも広告の目的が違うのです。それぞれのレイアウトが自分の引き出しにあって、いつでも目的に応じたデザインを表現出来る事が大切です。ここまでがレイアウトの第二法則です。



ジャンプ率に関して参考になる広告資料を探してみました。文字の強弱と写真の手前奥、理解出来たでしょうか。




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4-03 空間把握の法則(カウンタースペース)

レイアウトテクニック空間把握の法則

ルビンの壺をご存じでしょうか。左側と右側の図形は同じ物ですが、視点をどちらに当てるかで壺に見えたり、向かい合った人物に見えたりするだまし絵です。デザインでは紙面にレイアウトすると、物が置かれた空間と置かれなかった空間、両方を意識するところから始まります。普通は物を置けば、置いた物に注視するのは当然ですが、それでは優れたレイアウトは出来ないのです。


鉛筆を紙の上に置いたと想定してみます。シルエットにした鉛筆は簡単に認識できるはずです。中央の図のように少し鉛筆を曲げてみると「動き」を感じるでしょうか。右側では鉛筆を拡大して画面よりはみ出させてみました。何故、動きを感じるのでしょうか。

赤の線で囲ったスペースが分かりますか。鉛筆を少し傾けることで二つの四角形が微妙な三角〜五角形へと形が変わりました。鉛筆だけ注視すれば余白などと言えそうですが、この置かれなかった空間の意味がとても重要です。置かれた物と置かれなかった空間両者は互いに影響を及ぼしながら、空間に意味を持たせようとします。そして物が置かれることで新たに生まれた領域をカウンタースペースと呼びます。
このカウンタースペースを上手く使うことで広告の目的地へユーザーを誘導することがレイアウトの第三法則空間把握なのです。
普通文字を書くと、書いた文章は気になりますが、書かれなかった部部を気にする人は少ないでしょう。下の図は12ポイントの文字と行間の関係を示しています。右側の文字部分をグレーのラインとするとラインの隙間が行間となります。


PCのソフトによっては欧文のデフォルトとして文字間を120%程度に設定している物があります。上図をご覧いただくと分かるかと思いますが、白の隙間ラインが詰まりすぎで苦しく見えます。この白の隙間もカウンタースペースです。どの程度の空間が綺麗か、物を作る人間であればいつでも考えていたい部分です。読めるからいいやなどとは間違っても言わないはずです。

次にカウンタースペースによる視線誘導です。左は第一法則で綺麗に揃える事を理解して揃えましたが、視線は左側のスペースで壁が出来てしまい下まで直行してしまいます。よほど文章で興味をひかないと本文をまでたどり着いて貰えません。
中央は小見出しを少し突き出させています、段落毎や、各章ごとに視線は止まり次に本文へと誘導されます。しかし、見出だけ視線を移し全体を読んだ気になりがちな事もあります。
右はヘッドにアンカーイメージやリストを置き、一つずつ中へ誘導しています。デザインのレイアウトでは余白とは考えず、カウンタースペースとして、見る人が無意識に誘導される空間として利用します。




レイアウトの法則に沿って制作した日本初上陸の本格ハンバーガーショップのチラシが出来上がりました。視線誘導からすると左の上にCIを置きたい所ですが、商品知名度が低く、まだお客様になじみが薄いお店はゴールにロゴを置いて最後に印象づけを狙います。



以上が広告チラシ作成の第一段階です。皆様の制作に何かお役に立ったでしょうか。そんな物にだまされるか。と強い意志のある方にお叱りを受けてしまいそうですが、上手い広告と感じた物を三つの法則に当てはめて検証してみてはいかがでしょう。ご意見ご希望のある方は下のコメントよりお便りください。
次は、制作実践編を用意しています。




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広告資料館 2014年4月

ダニエル東京

今月も質量共に豊富な折り込み広告が毎朝届きました。
今月取り上げさせていただいた折り込み広告は、ダニエル家具です。ビジュアルはとても高級感あふれる老舗家具店を想起させます。一言で高級感と言いますが、高級な物を高級に伝えるデザインテクニックはとても難しい部類です。輸入車や都内のマンションの広告に見ることが出来ますが、購入後に手元にするパンフレット類と違い、折り込み広告では、購買意欲の増進が重要ですから、「高級そうだから敬遠しまよう。」と言う方向にならないよう気を付ける必要があります。また、ここで重要なのは「高級」では無く「高級感」なのです。高級に感じるデザインとは、どの様な要素を含むのか整理して考える必要があります。
今月取り上げた折り込み広告は間違い無く高級感の有る広告だと言って良いかと思います。一番最初に感じるのはトーンです。全体を支配するのはダークトーンで、「落ち着いた」「伝統的」等のイメージを想起させます。図は同じ色相に墨(黒)を混色して得ることができるトーン変化を表しています。同じシアン系の色に80%程度黒を混ぜるだけで高級なトーンが出来上がります。しかし、トーンを揃えただけでは色に情報が埋没してしまし、伝えるべき内容が伝わらなくなってしまいます。そこでレイアウトの工夫が必要になります。今回の広告は垂直軸を中心に左右対称のシンメトリーの構図を用いています。シンメトリーは、対称性一般のことで、デザインでは左右対称を主にシンメトリーとして解釈しています。2012年12月伊勢丹「大歳の市」でシンメトリーに触れていますが、左右対称の構図はデザイン的に安定していますので色々な場面に多用されます。しかし、動きが無く、使い方を間違えると「ただそれだけ」のモノになってしまいます。
ここで上手く使われているのが「光」です。まとまり過ぎた構図に対して、右上からイスの座面に照らした光が床に落ち、見事にバランスを崩し、視線を動かす事に成功して、空間の把握を与えています。それが一番高級に感じる要因でしょう。

広告資料館 2014年3月

KINOKUNIYA「佐賀フェア」

このKINOKUNIYの折り込みは、毎回とても良い写真を使っていることを感じます。デザインは「佐賀」フェアからS字を描いたカーブで手前の「きんかん」「でこぽん」まで綺麗に視線を誘導しています。所々画像合成で、まとめていますが基本は1枚の画像を中心に構成しているが分かります。全体のトーンもイエローのグラデーションの背景で統一されています。今まで、直線的な視線誘導には何回か触れていますが、曲線的な視線誘導はとても恣意的な構成になり、自然に見せるのは難しく、とても参考になる広告だと思います。
バラバラに物撮りした画像を切り抜いて合成するにしても、自然な仕上がりに見せる事は難しく、大きなプロットが無くてはカメラマンも撮影できませんし、効果的な成果物にはなりません。その点この広告はとてもデザインの意図通り撮れている様に感じます。しかし、逆にビジュアルに頼りすぎた広告は訴求ポイントがずれてしまいます。ここにも少し訴求ポイントのズレが顔を出しています。柑橘類の名前の表示の置き方や、したの情報への繋ぎ方に丁寧さに欠ける部分が有ります。特にタイトルロゴの作成に意味不明なルールがあり、デザインを壊しているように見受けます。とてもまとまった広告ですが、文字の周辺の意識は最後までデザインに影響することを教えてくれています。

広告資料館 2014年2月

2014年2月 小林音楽教室

今月は東京都内にある音楽教室の新聞折り込みです。線描のピアノのイラストを中心にキャッチを縦書きにして、情報をL字型に置いた優しく見やすい広告です。ただ、明るいブルーの背景に白い筋の様な物が見えます。これは印刷の「裏写り」と言う現象です。原因は、印刷用紙の厚み不足と、各面印刷色の濃さの問題です。今回はレイアウトやデザインの話では無く、印刷、特に紙に付いて触れたいと思います。
印刷の際、広告作成前に考え無くてはならないのが、紙の大きさ、紙質、紙の厚み、印刷部数、印刷方法等です。制作に際して、まずは印刷条件を決める必要があります。
紙のサイズについては、新聞折り込みは四つ折りした新聞紙の中に収まればどの様な大きさでも良いのですが、新聞折り込みは「B4版257mm×364mm」を標準としています。大きさやページ数によって料金が違うので気を付けたいところです。
本日のテーマ紙の厚みですが、紙の厚みを表示する方法が2種類存在していて、混乱を招く結果になっています。一つは純粋に紙の厚みをマイクロスコープで測り0.05mm(トレーシングペーパーなど)〜0.5mm(ボール紙など)です。インクジェットプリンタの用紙などこの厚みの表示が多いのでは無いでしょうか。次の方法が印刷で使われている「連量(れんりょう)」と言う方法です。これは、4/6版(しぶろくばん)788mm×1091mmの紙を1,000枚重ねた時の重さで厚みを表示しています。(一部例外もあります)50Kgと表示がある紙と200Kgと表示のある紙とでは数字が大きい方が厚みがあることになります。折り込み広告の印刷で使われる紙厚は50Kg〜130Kg程度が主ですが、50Kg〜70Kgではかなり紙が薄く今回の広告のように裏のデザインが干渉してしまいます。大量に印刷をする際に紙の厚が薄ければ印刷料金を押さえる事ができますし、あまり厚い紙では二つに折れないなどの問題も出ます。厚ければ良いのでは無く、目的に合わせた種類や厚みの紙を知る事もデザインの大切な要素です。

広告資料館 2014年1月

2014年1月 日産自動車 エルグランド

新年あけましておめでとうございます。
昨年末から今年に掛けて、新聞折り込み広告の数が増え、日本の景気回復が見える様です。さらにここ数ヶ月の折り込みの傾向は、国内の自動車メーカーの折り込みが増えてきたことも景気回復を感じる一因になるでしょう。
今月の折り込みは日産自動車です。見本の画像の下にはまだ半分情報が隠れていますが、折り込みとして目にするファーストビューを中心に、上部半分を取り上げさせていただきます。昨年までは自動車の折り込みと言えば、外国産高級車のイメージ戦略が主でしたが、ヨーロッパメーカーの紙面デザインが徐々にリーズナブルなイメージを前面に出していることと反対に、日本の自動車メーカーの高級戦略を感じさせます。今月の「エルグランド」も全体に重厚な茶色系統の黒を中心に重厚な支配色のトーンで構成されています。紙面中心に光りから延びる閃光を主商品エルグランドが遮り手前、奥の空間を作っています。斜めに置いた車の側面の光からフロントグリルのデザインへ視線が誘導され、「新型エルグランド誕生」へと上手い流れを作っているのが分かります。下半分に情報があるのでこの半分だけで広告全体を判断する事は難しいですか、新聞折り込みを開いて視覚に飛び込んでくるレイアウトとしては十分な効果と言えるでしょう。
新聞折り込み広告に、日本の各自動車メーカーが、ファミリー向けのリーズナブルな広告だけでなく、大人向けの高級路線が出てきた事は新しい展開として楽しみでは有ります。