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2011-05-21

04 レイアウトの法則

広告、デザイン、レイアウトの法則

デザインの良い広告とはどの様な物なのでしょう。自分で作成して、どうしても他の物より見劣りするとか、何となく変な感じがする。依頼した広告が今一つ納得出来ないなどの経験が有るでしょうか?それは、何が原因なのかレイアウトの法則に沿って検証してみてはいかがでしょう。

プロのレイアウトにはいくつかの法則があります。暗黙の物も有れば、印刷上の技術的な標準規則は「組版ルール」(ページネーション)として存在しますので、そちらを検索してください。ここではデザイン面での法則を解説いたします。

1)延長線上の法則(レイアウトグリッド)→

2)対比の法則(ジャンプ率)→

3)空間把握の法則(カウンタースペース)→


レイアウトはじめの一歩

レイアウトを考える前に制作物の目的を確認しましょう。例えばあなたのお店のオープン告知や新商品のお知らせなどは、直接売り上げに繋がる物では無く、お店の取り扱い商品や特徴、新商品の新機能や特性などがチラシを見た人に伝われば良い物と、キャンペーンやDM系の広告では、直接の反響を求めます。言い換えるとチラシを見た人が「良い商品だなぁ」と覚えて購入時の選択肢に入れてもらえれば良いのか、直接メールや電話で問い合わせてくれたり、そのチラシから、予約を入れてくれたらよいのか、はっきり目的を決めて制作にかかるべきです。

次にレイアウトテクニックですが、技術的到達目標は視線の誘導が最終の目的に添っているかが一番重要です。上手い広告、綺麗なレイアウトとはチラシを手に取ったユーザーが制作者側の意図を自然に受け取れる物なのです。


情報の分析をしよう

折り込まれたチラシを良く観察してみると、紙の質や、両面印刷と片面印刷など、いくつかの種類に分かれるかと思います。その中で気がつくのは、殆ど同じ大きさなのだけれど微妙に大きさの違う広告がある事に気がつきませんか。さらに良く観察すると紙の四方が白く抜けている折り込みと、写真や地色が隅まで全部塗られている物があるはずです。

これは袋断ち印刷と化粧断ち印刷の違いで、印刷用データ(版下と呼ぶ場合もあります)作成方法も違うので注意も必要です。袋断ちの場合は紙の中に3〜5mm程度余白を残しその内側に印刷します化粧断ちは3mm外側に印刷用のデータを大きく作り、印刷後四辺をカットして仕上げる方法です。袋断ちに対し化粧断ちは四辺をカットする分小さく仕上がり、裁断分のコストがかかります。どちらを使っても自由ですが、袋断ちは情報を中心とした広告や、比較的安価な物を作るの向いています。化粧断ちはイメージ重視でどちらかというと高級感を求めるのに向いています。

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実際の印刷物での確認

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4-01 延長線上の法則(レイアウトグリッド)

まず、デザインレイアウトは見出しや、本文の文章テキスト、写真、イラスト、図版などの情報を組み合わせて、コンセプトとしての狙い通りに受け手に伝える事です。そして、文字には大きさ色、書体。写真の扱いは(1)角版と(2)抜き版があり、文章のレイアウトには(1)左揃え(2)右揃え(3)センター揃えがあることを基礎として覚えておいて下さい。

◆練習として、商品ロゴ、角版写真大小2点、キャッチコピー5〜10文字、小見出し適量、ボディコピー文字サイズ行間はこのイメージのまま文字BOXのサイズの微調整はOKとしましょう。商品は新発売の食品か飲料水のイメージで、考え作業してみましょう。

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デザインのレイアウトを決める際にはこの様にブロック状の図形を置いて、イメージを確立します。これを割り付けと呼び、割り付けを決めてから、素材を作成する先割と、素材が既にあってレイアウトをする後割りがあります。Webのワイヤーフレームと同じ考え方です。

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それぞれの素材を紙面にレイアウトした、AとBがあります。どちらが優れたレイアウトか分かりますか?Bは左に寄りすぎているように感じますが、Aのレイアウトはデザインの方程式には当てはまっていません。算数で言えば、答えは合っているのですが式が全く違うと言った所でしょうか。上手なレイアウトの第一歩は「グリッド」の整列にあります。グリッドとは方眼の分割線のことですが、ここで言うグリッドとは水平垂直に走らせた補助線と考えていただいた方が分かりやすいでしょう。デザインのレイアウトでは袋断ち、化粧断ちの印刷方法に関わらず、四辺にマジーンを取ります。このマージンガイドの線を利用して紙面を整えるのが法則の1です。

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グリッドガイドを表示していますので分かるでしょうか、左のマージンに合わせているから右が空いてレイアウトがおかしく感じるのですね。しかし、角版写真1と2の左の辺が延長線上で整列していることが分かりますか?さらに角版写真2と小見出しの頭も揃っています。角版写真1を左のグリッドに合わせてしまった為に起きた不具合です。写真を拡大して右部分を埋める事も出来ますが、レイアウトグリッドにはセンターグリッドという絶対安定のグリッドが存在しますので、それを利用したレイアウトに修正してみます。

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全体をセンターグリッドに合わせました。いかがでしょう。これだけで綺麗なレイアウトになった事が分かるでしょうか。この段階で最初のType-Aのレイアウトを見ると、写真や、文章のブロックから延長線を出してみるとガタガタで、修正が難しい事も分かるでしょう。


それぞれに補助線を引いてみると一層延長線上を共有する意味が理解出来るかと思います、レイアウトの第一法則は次の段階で崩しのレイアウトになり、さらに上級者になると、基本は抑える物のわざとずらして視線誘導を強調したりしますが、まずは「揃える」事から始めましょう。

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同じような条件の広告を探してみました。上記の解説を読んだ後に参考の折り込み広告がどのように延長線を共有しているのか分析してみると、作り手の苦労や工夫がとても良く分かると共に、良い広告はデザインの方程式にしっかり添った物である事が十分に理解できます。

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いくつかの優れた広告を分析して、その要素を取り入れて見ましょう。大きな角版写真は拡大して紙面より断ち切りにして、写真とキャッチコピーを重ねてみました。いかがでしょうか。だいぶ綺麗なレイアウトの折り込み広告らしくなって来ましたね。この段階が理解出来ましたら、第二、第三法則と合わせてさらに良い広告制作を目指しましょう。



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4-02 対比の法則(ジャンプ率)

ジャンプ率という言葉はデザインでは大きさの比率や対比の事を示します。同じ大きさの写真を二つ並べるより、大小に分けて紙面を分割した方が視線誘導に効果的だからです。その他には文字のレイアウトにも使います。タイトルや見出サイズの対比によって紙面の強弱が付き、強烈な印象と躍動的なイメージを与えるからです。スポーツ新聞の一面のタイトルを思い起こしていただけるとよく分かるかと思います。文字のジャンプ率を高めると元気で活力のある楽しいイメージを作りますが、スポーツ新聞の様に内容が嘘くさい下品な印象を与えてしまいます。ジャンプ率が低いと真面目で格調高く上品な印象なイメージを作りますが、インパクトが弱く、デザイン性が低く印象に残らない読みづらい広告になります。


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タイトルのジャンプ率を変えてみましたいかがですか?同じ幅ですが強弱が付いた方が印象に残りやすいこと実感できたでしょうか。逆にジャンプ率が低いとデザインされた見出に感じないことは残念です。


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今までは大きな文字は太く、小さな文字はシャープにのような不文律がありましたが、女性雑誌の見出などを中心に、最近ではこの様に小さな文字を太くしてボールド処理し、大きなタイトルはシャープなウエイトを使うことで意外性とデザイン性が高く感じるようになります。文字の大小は違うのですが、ウエイトで全体のバランスを取って調和させているのです。結果強弱が弱いと指摘を受ける傾向もあります

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さらに文字を飾り、イメージを強く伝わるようにすればかなりデザイン処理した事が分かります。文字回りの飾りについては別の項で説明しますので、まずは、ジャンプ率の必要性を実感してください。

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次に写真のジャンプ率について考えます。大きな写真と小さな写真を並べましたが、しっくり来ません。何故でしょう。子供の大きな写真と小さな商品写真、実際に広告に写真を入れ込んでみました。いかがですか。

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写真のトリミングを変えて見ると写真のジャンプ率の意味が分かりやすいでしょう。もっと強いイメージを作り出していることが理解出来たでしょうか。レイアウトグリッドにジャンプ率が加わり、広告の完成度が高くなって、臨場感が出ているでしょう。

実はジャンプ率はもう一つ隠れた役割があるのを披露しましょう。右側の広告は子供の写真をクローズアップしただけではないもう一つの工夫があるのです。ハンバーガーの写真をキリヌキで使い人物と重ねています。この様な使い方をする事で手前、奥の空間が作れるのです。商品写真のバーガーは小さな扱いですが、空間的には一番手前にあり、広告を見たユーザーの最後の印象づけが完成します。左の広告は個々が独立した印象に対して、右側は最期にバーガーが記憶に残るようにデザインがされています。ジャンプ率と言うと文字や写真の大小を気に掛けるのが普通ですが、この様に写真や文字を重ねて大小と共に手前、奥の空間を作り出す目的もあるのです。

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ここまでの完成段階を並べています。いかがですか。プロであるのならどちらが「好き」と言ってはいけません。どちらも広告の目的が違うのです。それぞれのレイアウトが自分の引き出しにあって、いつでも目的に応じたデザインを表現出来る事が大切です。ここまでがレイアウトの第二法則です。



ジャンプ率に関して参考になる広告資料を探してみました。文字の強弱と写真の手前奥、理解出来たでしょうか。

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4-03 空間把握の法則(カウンタースペース)

レイアウトテクニック空間把握の法則

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ルビンの壺をご存じでしょうか。左側と右側の図形は同じ物ですが、視点をどちらに当てるかで壺に見えたり、向かい合った人物に見えたりするだまし絵です。デザインでは紙面にレイアウトすると、物が置かれた空間と置かれなかった空間、両方を意識するところから始まります。普通は物を置けば、置いた物に注視するのは当然ですが、それでは優れたレイアウトは出来ないのです。

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鉛筆を紙の上に置いたと想定してみます。シルエットにした鉛筆は簡単に認識できるはずです。中央の図のように少し鉛筆を曲げてみると「動き」を感じるでしょうか。右側では鉛筆を拡大して画面よりはみ出させてみました。何故、動きを感じるのでしょうか。

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赤の線で囲ったスペースが分かりますか。鉛筆を少し傾けることで二つの四角形が微妙な三角〜五角形へと形が変わりました。鉛筆だけ注視すれば余白などと言えそうですが、この置かれなかった空間の意味がとても重要です。置かれた物と置かれなかった空間両者は互いに影響を及ぼしながら、空間に意味を持たせようとします。そして物が置かれることで新たに生まれた領域をカウンタースペースと呼びます。

このカウンタースペースを上手く使うことで広告の目的地へユーザーを誘導することがレイアウトの第三法則空間把握なのです。

普通文字を書くと、書いた文章は気になりますが、書かれなかった部部を気にする人は少ないでしょう。下の図は12ポイントの文字と行間の関係を示しています。右側の文字部分をグレーのラインとするとラインの隙間が行間となります。

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PCのソフトによっては欧文のデフォルトとして文字間を120%程度に設定している物があります。上図をご覧いただくと分かるかと思いますが、白の隙間ラインが詰まりすぎで苦しく見えます。この白の隙間もカウンタースペースです。どの程度の空間が綺麗か、物を作る人間であればいつでも考えていたい部分です。読めるからいいやなどとは間違っても言わないはずです。

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次にカウンタースペースによる視線誘導です。左は第一法則で綺麗に揃える事を理解して揃えましたが、視線は左側のスペースで壁が出来てしまい下まで直行してしまいます。よほど文章で興味をひかないと本文をまでたどり着いて貰えません。

中央は小見出しを少し突き出させています、段落毎や、各章ごとに視線は止まり次に本文へと誘導されます。しかし、見出だけ視線を移し全体を読んだ気になりがちな事もあります。

右はヘッドにアンカーイメージやリストを置き、一つずつ中へ誘導しています。デザインのレイアウトでは余白とは考えず、カウンタースペースとして、見る人が無意識に誘導される空間として利用します。




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レイアウトの法則に沿って制作した日本初上陸の本格ハンバーガーショップのチラシが出来上がりました。視線誘導からすると左の上にCIを置きたい所ですが、商品知名度が低く、まだお客様になじみが薄いお店はゴールにロゴを置いて最後に印象づけを狙います。



以上が広告チラシ作成の第一段階です。皆様の制作に何かお役に立ったでしょうか。そんな物にだまされるか。と強い意志のある方にお叱りを受けてしまいそうですが、上手い広告と感じた物を三つの法則に当てはめて検証してみてはいかがでしょう。ご意見ご希望のある方は下のコメントよりお便りください。

次は、制作実践編を用意しています。




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広告資料館 2014年4月

ダニエル東京

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今月も質量共に豊富な折り込み広告が毎朝届きました。

今月取り上げさせていただいた折り込み広告は、ダニエル家具です。ビジュアルはとても高級感あふれる老舗家具店を想起させます。一言で高級感と言いますが、高級な物を高級に伝えるデザインテクニックはとても難しい部類です。輸入車や都内のマンションの広告に見ることが出来ますが、購入後に手元にするパンフレット類と違い、折り込み広告では、購買意欲の増進が重要ですから、「高級そうだから敬遠しまよう。」と言う方向にならないよう気を付ける必要があります。また、ここで重要なのは「高級」では無く「高級感」なのです。高級に感じるデザインとは、どの様な要素を含むのか整理して考える必要があります。

今月取り上げた折り込み広告は間違い無く高級感の有る広告だと言って良いかと思います。一番最初に感じるのはトーンです。全体を支配するのはダークトーンで、「落ち着いた」「伝統的」等のイメージを想起させます。図は同じ色相に墨(黒)を混色して得ることができるトーン変化を表しています。同じシアン系の色に80%程度黒を混ぜるだけで高級なトーンが出来上がります。しかし、トーンを揃えただけでは色に情報が埋没してしまし、伝えるべき内容が伝わらなくなってしまいます。そこでレイアウトの工夫が必要になります。今回の広告は垂直軸を中心に左右対称のシンメトリーの構図を用いています。シンメトリーは、対称性一般のことで、デザインでは左右対称を主にシンメトリーとして解釈しています。2012年12月伊勢丹「大歳の市」でシンメトリーに触れていますが、左右対称の構図はデザイン的に安定していますので色々な場面に多用されます。しかし、動きが無く、使い方を間違えると「ただそれだけ」のモノになってしまいます。

ここで上手く使われているのが「光」です。まとまり過ぎた構図に対して、右上からイスの座面に照らした光が床に落ち、見事にバランスを崩し、視線を動かす事に成功して、空間の把握を与えています。それが一番高級に感じる要因でしょう。

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広告資料館 2014年3月

KINOKUNIYA「佐賀フェア」

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このKINOKUNIYの折り込みは、毎回とても良い写真を使っていることを感じます。デザインは「佐賀」フェアからS字を描いたカーブで手前の「きんかん」「でこぽん」まで綺麗に視線を誘導しています。所々画像合成で、まとめていますが基本は1枚の画像を中心に構成しているが分かります。全体のトーンもイエローのグラデーションの背景で統一されています。今まで、直線的な視線誘導には何回か触れていますが、曲線的な視線誘導はとても恣意的な構成になり、自然に見せるのは難しく、とても参考になる広告だと思います。

バラバラに物撮りした画像を切り抜いて合成するにしても、自然な仕上がりに見せる事は難しく、大きなプロットが無くてはカメラマンも撮影できませんし、効果的な成果物にはなりません。その点この広告はとてもデザインの意図通り撮れている様に感じます。しかし、逆にビジュアルに頼りすぎた広告は訴求ポイントがずれてしまいます。ここにも少し訴求ポイントのズレが顔を出しています。柑橘類の名前の表示の置き方や、したの情報への繋ぎ方に丁寧さに欠ける部分が有ります。特にタイトルロゴの作成に意味不明なルールがあり、デザインを壊しているように見受けます。とてもまとまった広告ですが、文字の周辺の意識は最後までデザインに影響することを教えてくれています。

広告資料館 2014年2月

2014年2月 小林音楽教室

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今月は東京都内にある音楽教室の新聞折り込みです。線描のピアノのイラストを中心にキャッチを縦書きにして、情報をL字型に置いた優しく見やすい広告です。ただ、明るいブルーの背景に白い筋の様な物が見えます。これは印刷の「裏写り」と言う現象です。原因は、印刷用紙の厚み不足と、各面印刷色の濃さの問題です。今回はレイアウトやデザインの話では無く、印刷、特に紙に付いて触れたいと思います。

印刷の際、広告作成前に考え無くてはならないのが、紙の大きさ、紙質、紙の厚み、印刷部数、印刷方法等です。制作に際して、まずは印刷条件を決める必要があります。

紙のサイズについては、新聞折り込みは四つ折りした新聞紙の中に収まればどの様な大きさでも良いのですが、新聞折り込みは「B4版257mm×364mm」を標準としています。大きさやページ数によって料金が違うので気を付けたいところです。

本日のテーマ紙の厚みですが、紙の厚みを表示する方法が2種類存在していて、混乱を招く結果になっています。一つは純粋に紙の厚みをマイクロスコープで測り0.05mm(トレーシングペーパーなど)〜0.5mm(ボール紙など)です。インクジェットプリンタの用紙などこの厚みの表示が多いのでは無いでしょうか。次の方法が印刷で使われている「連量(れんりょう)」と言う方法です。これは、4/6版(しぶろくばん)788mm×1091mmの紙を1,000枚重ねた時の重さで厚みを表示しています。(一部例外もあります)50Kgと表示がある紙と200Kgと表示のある紙とでは数字が大きい方が厚みがあることになります。折り込み広告の印刷で使われる紙厚は50Kg〜130Kg程度が主ですが、50Kg〜70Kgではかなり紙が薄く今回の広告のように裏のデザインが干渉してしまいます。大量に印刷をする際に紙の厚が薄ければ印刷料金を押さえる事ができますし、あまり厚い紙では二つに折れないなどの問題も出ます。厚ければ良いのでは無く、目的に合わせた種類や厚みの紙を知る事もデザインの大切な要素です。

広告資料館 2014年1月

2014年1月 日産自動車 エルグランド

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新年あけましておめでとうございます。

昨年末から今年に掛けて、新聞折り込み広告の数が増え、日本の景気回復が見える様です。さらにここ数ヶ月の折り込みの傾向は、国内の自動車メーカーの折り込みが増えてきたことも景気回復を感じる一因になるでしょう。

今月の折り込みは日産自動車です。見本の画像の下にはまだ半分情報が隠れていますが、折り込みとして目にするファーストビューを中心に、上部半分を取り上げさせていただきます。昨年までは自動車の折り込みと言えば、外国産高級車のイメージ戦略が主でしたが、ヨーロッパメーカーの紙面デザインが徐々にリーズナブルなイメージを前面に出していることと反対に、日本の自動車メーカーの高級戦略を感じさせます。今月の「エルグランド」も全体に重厚な茶色系統の黒を中心に重厚な支配色のトーンで構成されています。紙面中心に光りから延びる閃光を主商品エルグランドが遮り手前、奥の空間を作っています。斜めに置いた車の側面の光からフロントグリルのデザインへ視線が誘導され、「新型エルグランド誕生」へと上手い流れを作っているのが分かります。下半分に情報があるのでこの半分だけで広告全体を判断する事は難しいですか、新聞折り込みを開いて視覚に飛び込んでくるレイアウトとしては十分な効果と言えるでしょう。

新聞折り込み広告に、日本の各自動車メーカーが、ファミリー向けのリーズナブルな広告だけでなく、大人向けの高級路線が出てきた事は新しい展開として楽しみでは有ります。

2011-05-20 2013広告資料館【別館】

広告資料館 2013年12月

2013年12月 早稲田アカデミー 「冬期講習会」

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今月は年末12月と言う事も有り折り込みの量はとても豊富な月になりました。今月取り上げたのは先月に続き「早稲田アカデミー」です。12月のある日、折り込みを手に取ったら先月「立体構造」を考慮して中々上手い視線誘導だと絶賛(?)した広告と同じ物がありました。ところが先月と比べて見ると何か少し様子が変です。情報が増えたレベルではなく、かなり違いが有ることに気が付きます。

2012年1月にWATAMI「ワタミタクショク」の折り込みに触れて、一度出した広告の反応や効果測定の結果、さらに微調整する事が重要である。として、そのビフォア・アフターがよく分かる例を紹介しています。

今月の「早稲田アカデミー」の折り込みにはフッター部分の強調や、ヘッドの3カテゴリーをはっきり目立たせたりと、改善の余地も見えるのですが、何よりメインイメージの女子高生と炎のと回りのバランスが崩れていて、先月の解説が全く無視された状態です。これは作ったデザイナーが悪いのではなく、後から無理に情報を詰め込んだクライアント側の失敗と言うべきでしょう。前回の反応からの修正であれば、もう少しメインビジュアルの扱いの生きるレイアウトがあったはずだと思うのですが、とても残念です。

広告資料館 2013年11月

2013年1月 早稲田アカデミー 「冬期講習会」

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今月の折り込みは年末商戦、クリスマス、おせちと質量共に先月に比べてとても多く、バラエティに富んだ広告がありました。その中でチョイスしたのは、予備校の冬期講習会です。これからこのカテゴリーの折り込みが増える季節ですので今年の展開が楽しみでもあります。

今回の折り込み広告デザインのポイントは「立体構造」です。Dezapla.comでいつも触れている視線誘導理論の上級編と捉えても良いでしょう。デザイン・レイアウトテクニックは「上から下」「左から右」へ視線誘導に伴い、ゴール部分に広告の重要な訴求点を設置することですが、紙面には奥行き感による手前、奥の構造として視線を誘導するテクニックも存在します。

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みなさんは書店の女性雑誌のコーナーを見て気づいた事が有りますか?まず、何と読むのか理解出来ない誌名は別に、タイトルとモデルさんの関係です。例として、女性誌の表紙イメージと検索した画像が左のものです。タイトルがモデルの前に有る物と後ろに有る物に2分されていることが分かります。タイトルの前にモデルさんを重ねることで手前と奥の関係が生まれ、紙面下部のキャッチコピーへ自然と誘導されることが分かります。今回の折り込みも.織ぅ肇襦崚澳講習会」▲皀妊襤炎キャッチコピーの3点が上手く重なりどんどん手前に視線が押し出され、炎の曲線が「熱くなれ!本気の冬」へ繋ぎ見事にゴールへ誘導しています。

立体のイメージに置き換えると下記の図の様になることが分かりますか?この様に紙面を立体的に使い、訴求ポイントへ誘導する上質な広告も存在します。

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今月の余談

この立体構造の表現方法は、不確かではありますが、1970年代に小学館から発行された「GORO」の表紙で始めて見た記憶があります。「GORO」の表紙は私が尊敬するデザイナーの一人、長友啓典さんの手によるもので、その後この手法がいくつかの雑誌で見られる様になりました。最近はあまりにタイトルを無視した表現に、揺り戻しが始まっている状態です。

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広告資料館 2013年10月

2013年10月 ケン・コーポレーション 「クレストコート砂土原」

f:id:dezapla:20131107161543j:image:w360:left今月は大きな台風が複数襲来し、日本各地に被害がありました。地下街や地下鉄は防災対策は十分と言っていますが、対策のそれを上回る被害を予想することは難くないでしょう。少しだけ気を付けたいと思いました…そんな気象状況とは関係はないでしょうが、今月の折り込み広告はここ数ヶ月に比べて数量的に少し落ちている様に感じました。

さて、今月は不動産のマンション広告です。一目でシンメトリーを重視した作成であることが分かります。シンメトリーに付いては2012年12月「伊勢丹」でも少し触れたいますが、デザイン的な使い方は数学的な使い方とは違い、垂直な中心線に対して左右対称を主にシンメトリーと呼んでいます。この広告も建物の入り口を中心に左右に黒い円を配し、「今週末オープンルーム開催」までをシンメトリーの構図で構成されています。良くも悪くもシンメトリーは安定する構図ですので、広告で使う技法として多様を避けたい部分です。なぜなら広告の目的は消費行動への誘導や、製品の記憶・告知が主な物で、安定的な紙面からは最終的に伝えたいその目的を達成するのは難しいからです。今月の折り込みはその部分上手く処理しています。上部はシンメトリーで安定感を与え、下部の情報部分は左右のボリュームを分けています。さらに気が付くことは、問い合わせの電話番号が紙面中心に有りしっかりアンカーの役目を担っています。初心者のデザインにありがちな綺麗で安定した広告に安住しない上手い作りです。

広告資料館2013年9月

2013年9月 コープデリ 「COO-OPDeli」

f:id:dezapla:20131107153101j:image:w360:left忙しい毎日を過ごしていると季節感に乏しくなりますが、今年はは9月を過ぎてもまだ暑い日が続いていて、秋はいつ来るのか心配になります。

さて、今月の折り込み広告ですが、最近とても多方面からの参画が多い「食事の宅配」です。生協では以前から食材の宅配を行っていましたが、主婦層へ向けた料理キットの宅配広告です。デザインに目立つ派手さはありませんが、基本設計のしっかりした良い折り込みです。解説を加えると、天地に平行な戦で区切られた部分がヘッダーとフッターの役目をしっかり果たしていることに気が付きます。ただ四角が上下に配置され画面が小さくならないように左上部に黄色の円がかかり、この部分をスタート地点とはっきり認識出来ます。次にメイン部分を左右に分けて居ますが。女性のイラストで左右の二つの情報を繋ぐ事でこの部分の一体感を強くしています。下部のQRコードから円形の画像3点が少しずつ右に向かい大きくなり、視線も自然に右へ誘導されています。その先に女性のイラストの視線から、料理写真へ向かい、紙面をぐるりと一周します。上手い構成ですね。その後右側の情報文章へ誘導し、右下のゴールへ無事着地しています。お分かりでしょうか。さりげないデザインですが、とても高価の高い上質な広告であることが分かります。

広告資料館 2013年8月

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今月は夏休みが入り、新聞折り込みは全体的に量は少なめでした。最近デパートの折り込みが頑張っていることは以前にも触れましたが、5月の西武デパートに続いて伊勢丹デパート新宿店の折り込み広告をチョイスしてみました。内容はデパートの宣伝広告ですが、5月の西武デパートとはデザインの手法が180度違います。比べてご覧いただけると面白い発見があるかも知れません。今年に入り伊勢丹(新宿)の広告のテイストがずいぶん変わって来ている事に気がつきます。製作プロダクションが変わったのか、トップの戦略が変更、修正されたのか定かではありませんが、あまりテイストを変えすぎると、迷走感を与えてしまうのではと危惧してしまいます。

今月の折り込みはアメリカンポップを意識した作りで、デパート外観のイラストは80年代に流行した鈴木英人氏の色面を整理して、今風に仕上げています。そのイラストの周りをモコモコした吹き出しで囲まれています。使用の写真は全て抜き版でとても楽しげな雰囲気です。ポップな感じと伝えるべきテイストは上手くまとめていますが、全体に散らばりすぎて、イラストが今一つ生かされていない様に感じるのは多く望みすぎでしょうか。大きなコピーも使わず、上手くまとめるにはとても難しい手法の広告と言えるでしょう。

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広告資料館 2013年7月

2013年7月  ライフ「土用の丑の日

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今月の折り込みで目立ったカテゴリーはスーパー、デパートの食品関連「うなぎ」の折り込みです。スーパー関連の折り込みは、この資料館で扱っているジャンルと少し異なり、毎日大量に折り込まれている割には取り上げる回数は極端に少ない傾向にあります。今月はスーパーマーケット「ライフ」の折り込み広告です。しかしこの所、ウナギが絶滅の危機にあるとニュースで毎日伝えていて、街のうなぎ屋さんは提供するウナギの入手が困難で価格が高騰、廃業まで視野に置いたインタビューが流れています。その現実と全く別世界の出来事の様なこの折り込みは一体何なのでしょう。「ウナギ」「うなぎ」「鰻」づくしです。

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今回は久しぶりの「広告視線誘導理論」です。今回取り上げた4点全部うなぎ特集ですが、何処が違うか視線誘導理論で検証してみたいと思います。メインビジュアル(アイキャッチ),中央に置かれ、炭火が下から、上には煙があがり、シズル感上々です。次に「うなぎ」△亮蟒颪文字風のキャッチコピーが縦書きであり、上から下に視線を誘導します。視線は左の文章を探しますので、で上手く受けています。くるっと回って下のコピーい愀劼、さらに下の商品詳細へ誘導しています。どうですか、下3点それぞれ目的があって製作されているのですが、上手く消費者を目的の場所へ誘導している上質な例です。

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※視線誘導論理は売り上げや効果を保証する物ではありません。

広告資料館 2013年6月

2013年6月 アウディジャパン販売株式会社 「Audi Le Mans Fair」

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今年はシトシトと雨が降り、なんとなく懐かしく梅雨らしい季節感にあふれた6月でした。折り込み広告は特定の業種の偏りや、全体の特徴は掴みきれませんでした。

今回取り上げたのは「アウディ」です。車の折り込み広告はここ数年国内の景気低迷から、国産車の広告は控えめでしたが、それに引き替え円高の影響でしょうか外車の広告は過去の資料館を見ても分かりますが、頻繁に入っています。今月の折り込み、実は「ホンダ」の広告と勘違いしていました。よく見ると(よく見なくても)アウディです。コピーでも「Audi Le Mans Fair」とあり、ルマン24時間耐久レースで活躍しているプロトタイプレーシングカーを全面に出しています。自社製品のフラッグシップモデルを通じてブランド力、製品開発力などを誇示することで、一般の汎用品の精度の高さをイメージ付けています。最上級クラスの製品を持っているメーカーの強みを十分押し出した広告です。

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広告資料館 2013年5月

2013年5月 西武デパート渋谷店 「おいしさ月末の市」

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今月も引き続き折り込みの質量共に豊富なことを感じます。最近はデパートの折り込みに力を感じます。少し前はデパートの折り込みは伊勢丹が孤軍奮闘で、それ以外のデパートは少し力なく、傍観を決め込んでいるかのようでした。この所、高島屋、西武、東武などのデパートの頑張りが目立って来ています。

今月は渋谷西武デパートの折り込みです。広告やエディトリアル(誌面編集)での写真の扱い方は「角版」と「抜き版」が有ります。今回の折り込みに使われている写真は全て角版で構成されています。角版写真を上手く使うコツはメインを決めて、大きく使いその他を従属物として一体にして使う方法、トリミングして写真の一部を大きくクローズアップする方法、角版を傾けてリズムを作るなどのいくつかありますが、今月の西武デパートの折り込みはメインの角版の左右を切っています。先に挙げたメインを大きくとトリミングを使った見本の様な広告です。ただ、真上から見た皿の影がキャッチコピーの視認性を落とし、全体を暗くしていることに気が付きます。写真のレタッチ不足か、撮影の指示をしたディレクターが完成形を意識していなかったのか、この部分だけが残念です。



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広告資料館 2013年4月

2013年4月 野村不動産 「世田谷美邸」

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先月の冒頭に折り込みの数が増えていることと日本経済が少し明るくなっているようだと書いていますが、今月の折り込みも質量共に豊富です。

今月は2月に続いて不動産ですが、元々はB3サイズのポスターを二つ折りにした様な作りです。二つに折った右半分が折り込みの表紙部分に当たります。開いてポスターにすると少しタイトルの位置などに据わりの悪さを感じますが、どちらにも使えるようとても良く設計されていることが分かります。右側半分の折り込み用のデザインを中心に進めますが、まず、家並みの消失点が面積横三分の一程度の部分に設定され、視線は中央の家の壁に向かいます。空の抜けた空間と上部の樹から木の葉の舞う流れで「世田谷美邸」のロゴへ誘導されます。タイプフェイスは明朝体と言うより宋朝体の趣のある細くシャープなロゴタイプで木の葉を上手く飾り、記憶に残るとても美しいロゴです。予算にもよりますが、最近は文字を打ち込んでしかも文字詰めさえしないで、ロゴとしている広告を目にします。今月の折り込みチョイスは文字も丁寧に練り込んでデザインをするととても高い効果を得ることがよく分かるサンプルだと思います。

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広告資料館 2013年3月

2013年3月 山田養蜂場「みつばち通信」

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今月の折り込みをチョイスしていて、ここ数ヶ月と比べて質、量共にグレードの高さを感じます。アベノミクスと呼ばれる政府主導の経済政策の効果が現れているのかは不明ですが、今までの世相の暗さから一転、明るい広告が多くなって来ているようです。日本の経済に付いて結論づけるのは早計でしょうが、広告費は経営状態の一番敏感な部分ですので、折り込みを定点観測し、明るく上を向いている広告が多い事はとても嬉しいことであります。

では、今月の折り込みです。いつものチョイスと少しカラーが違います。「情報提示型」広告というジャンルでしょうか、商品を押し出したり、イメージを重視するのでは無く、商品にまつわる情報を読み物として提示しています。新聞や情報誌の体裁を取っていますが、この折り込みも、女王蜂には指示系統が無く、働き蜂のほとんどがメスだとか、とても面白く、興味を引く内容です。「ミツバチクイズ」からのWebサイトへの誘導もとても秀逸ですし、二つに折る事を前提にしたデザインの設計も上手く、ファーストビュー部分での右のみつばち通信のタイトルから記事を読ませて、左サイドのクイズで下へ誘導、38%で目を止めて、横書きのキャッチで右下のゴールへ誘導しています。いかがでしょう。視線の誘導理解出来ますか?この様な手法の広告もある事を覚えておきたい物です。

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広告資料館 2013年2月

三菱地所ホーム株式会社f:id:dezapla:20130517142725j:image:w250:left

毎日、新聞に折り込まれる広告の中で、スーパーマーケットと並び不動産広告は数多く入るカテゴリーではないでしょうか。しかし、現実は綺麗な不動産広告と手作り感満載の書き殴り広告に二極化されています。やはり資本の大きな不動産会社の広告はとても綺麗です。今月チョイスした折り込みの取扱対象も高額ですし、ディベロッパーも大手です。デザインにお金をかけているかは不明ですが、とても質の良いデザインです。全体を水平三分割にしたような構図は・・・続きは広告資料館へ→ 




広告資料館では新聞に折り込まれるチラシを厳選して優れた広告をデータ保存する事を目的としています。その中からデザイン的に優れた折り込みをチョイスし、解説を加えて毎月更新しています。広告資料館本館はこちら→

広告資料館 2013年1月

2013年1月 株式会社ホリ「北海道物産展」

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他で見る北海道物産展の折り込みとはかなりテイストが違う事に先ず驚きます。大地や広がる風景といった物は排除し、取扱商品のイメージに的を絞り込んでいます。トーン&マナーはビビッドなオレンジとみずみずしい「シズル」表現でしょうか。

いつも視線誘導理論ではグリッドとカウンタースペースの説明が多くなりがちですが、今回もその二つを重視して作られた様な折り込み広告です。アイキャッチのオレンジゼリーが目を引きますが、スプーンですくって・・・続きは広告資料館本館へ→ 

広告資料館では新聞に折り込まれるチラシを厳選して優れた広告をデータ保存する事を目的としています。その中からデザイン的に優れた折り込みをチョイスし、解説を加えて毎月更新しています。

2011-05-19

広告資料館 2012年12月「伊勢丹」

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今年、12月の折り込みは年末商戦とクリスマスの広告が目立ちました。昨年は震災の影響もあり、あまり派手な広告がなかったのは本サイト「2011年の広告」などから過去の12月の折り込みを比べて見ていただけるとはっきり分かるかと思います。

今月の「伊勢丹」の折り込みは縦に二分割し、安定性の高いレイアウトです。誌面のレイアウトで時々見ることが出来ますが、人物二人の対談などでよく使われる構図です。二つの違いが際立ちながら、何となく安定しているのは左右に対称性があるためです。シンメトリーと呼びますが、数学的な完全一致する図形ではなく、デザイン的には大きな枠が同じであればシンメトリーと呼ぶ場合が多くあります。この場合左右の面積が二等分されているので、左右に対称性を強く感じます。年末と年始のイベントを左右に分け「大蔵の市」とタイトルが二つのイメージを繋いでいます。下の三行のコピーと左右の一行のコピーがシンメトリーを強く意識し手いることが如実に分かり、重厚なトーンで「和」のテイストを十分に感じる良い仕上がりです。

タイトルロゴと「ISETAN」のロゴ位置も縦書きを意識した視線誘導が見事ですが、シンメトリーを意識するのであればセンターに置いた方がより効果が高かったろうと思います。しかし、広告で使うロゴやマークは使用規則があり、デザインだけではどの様にもしがたい事もあります。「ロゴ使用規則」「ロゴ使用規定」で検索していただくと各企業がロゴの扱いに苦労している事が分かります。CIデザインではこの様な使われる状態まで考えて設計しますので、それを受けて制約の中で効果的な広告を作る事がデザインのルールの一つです。


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広告資料館 2012年12月「コメ兵」

こちらは、見事にクリスマスしています。一昔前でしたら「パルコ」あたりで作りそうな広告ですが、残念ながら現状では「コメ兵」の制作です。関東では最近メジャーになりかけていますが、名古屋ではかなり有名で「いらんモンはコメ兵へ」のコピーで買い取りと販売のリサイクル店、元は質屋さんです。そのリサイクルショップの広告は、サンタに扮した女性達の後ろ姿がメインビジュアルの「XmasSALE」です。熱気が伝わる写真が見事で、ビジュアルの力が広告には重要な要素であることを思い出させてくれるようなよい出来です。しかし、タイトルの置き場所やバクダンの位置、全体のレイアウトが写真に助けられて何とか成立しているように感じます。

我先にセールに群がる様に見えるこのサンタさん達から、プレゼントをもらう事は無さそうに感じてしまうのは私だけでしょうか・・・。

広告資料館 2012年11月「プジョージャポン」

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今月はフランス製乗用車の広告です。最近では国産車の折り込みはすっかり元気がなくなってしまいましたが、外車は円高のメリットがあるのか、とても元気な広告を展開しています。今回取り上げたのはタイトルのロゴの細工が面白かったからですが、この様なデザイン処理は1960年代に流行った手法に似ています。「ザ・ビートルズ」のラバーソウルのタイトルや「ザ・モンキーズ」のロゴなどとても鮮烈で日本のデザイナーにも大きな影響を与えました。その後あまりこの様にタイトル回りにデザイン処理をする事が無くなっていたのですが、久々に目にして、懐かしさと新しさを同時に感じました。

ただ、少し気になる点はアプリケーションのツールに頼ったデザイン処理ですので、全く同様のタイトルを作る事が出来ない事が問題です。(頑張れば出来ると言われそうですが)再現性生産とでも呼ぶのでしょうが、アートに於いては全く同じ物を作る必要性はありませんが、個人的にはデザインには再現性が必要と思っています。会社のロゴやマークが作るたびに違っている様では信頼性そのものを失ってしまいます。有名な「チュッパチャップス」キャンディーのロゴはアーティストのダリの制作と言われていますが、見事に再現性のあるロゴになっています。この処理が必ず同じように出来るのであれば賛同出来ますが、アプリケーションに寄る遊びの要素が多い、一過性の物であれば、デザイン的には残念と言わざるを得ないでしょう。

今後この様なタイトルロゴなどが増えてくるのか、この広告だけの物なのかこれから毎日折り込みを見る楽しみが一つ増えたようです。

広告資料館 2012年10月「たかの友梨ビューティークリニック」

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今月の折り込み広告は質量共に豊富な内容で、優れた広告や、効果的な広告が目立ちましたが、その中で「たかの友梨ビューティークリニック」の折り込みは文字の揃えを上手く使い分けた広告です。

文字の揃えの基本は1)右揃え、2)左揃え、3)センター揃えの3種に、ジャスティファイと呼ばれる4)均等(両端)揃えを加えて、4種の基本構造で、デザインのバリエーションを豊にします。それぞれの文字の組み方には意味や法則がありますので、それをこの広告を借りて解説させていただきます。

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1)は通常の文章表現によく使われます。しかし、右端は文意で改行されるためにバラバラです。2)は条件は同じですが、デザイン的な処理で使われる以外あまり見かけることは無いでしょう。通常は4)の均等(両端)揃えをよく使います。文章がボックスになり視覚的に綺麗でレイアウトもしやすくなります。ただ、文章表現を大切にする向きには単語が途中で改行されるのを好まない傾向があります。これの上にタイトルを置いてみます。f:id:dezapla:20121107183814j:image:w310:right

1〜3は見出の位置が各文章の揃えに限定されますが、唯一均等(両端)揃えの文字揃えは見出を自由な場所に置くことが出来るのです。また、3)の中央揃えは叙情的な表現で使うシーンが多いのですが、自然に視線を下の位置に誘導しますので、最下部に一番強調したい情報を置くことで効果を簡単に得やすいレイアウトです。しかし、1ページにいくつも中央揃えの文字揃えがあるのはゴールへの混乱を招きますので、使い方には注意が必要です。

今月の折り込み広告もアイキャッチの女性の横顔ビジュアルから中心の「半額モニター募集」へ上手く誘導しています。一見センター揃えに見えますが、上部の文章の文字間をトラッキングで調節し、3行が両端揃えになるようにしています。文字を上手くラインとして使い、「半額モニター募集」を引き締めています。その下のフリーダイヤルまでは中央揃えにしてここがゴールで有ることがよく分かります。センター揃えの下部分はゴールの後ですから、扱いが難しく、普通に置くと注目されづらい位置になりますが、斜めに置かれた鍵に添って7ブロックの文字情報がリズム良く流れ、レイアウトも綺麗です。全体のトーンのブラウン系の色味と人の肌の色と文字色の処理も上質です。この様に文字の揃えと文字をラインとして上手く使う広告の例として参考にしたい上質な一品です。

広告資料館 2012年9月「サミットスーパー」

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今年は9月後半まで残暑が続き、秋の商戦が不発のためか、今月の新聞折り込みは広告戦略的に参考になりそうな物が少なく、チョイスに困りました。今月選んだ広告はスーパーのいわゆる「ちらし」です。スーパーの折り込みは毎日新聞に大量に入っていますが、少し毛色が違います。普通スーパーのチラシはもっと商品がぎっしり詰まって派手なコピーが並んでいるのではないでしょうか。ビジュアルは高級スーパー系の手法のようです。よく見ると「ネットスーパー」の折り込みです。この折り込みのように、折り込みからWebサイトへの誘導はいろいろなジャンルで最近よく見る手法です。ネットの広告をチラシから誘導の必要があるユーザー。この層は確実に存在し、かなり反応も確実に出ているのでしょう。現段階は紙媒体広告とWeb広告の過渡期なことがよく分かります。

この折り込みでもう一つ注目する点は色使いです。この様に断ち切りの印刷物には紙面のすみに小さく色の玉を見ることがあります。f:id:dezapla:20121001112823j:image:w250

これを色玉と言い、印刷の際に色がずれないような基準にするために敢えて紙面の中に置くことがあります。通常4色で印刷するのですがこの広告にはプラス1色が入っているのが分かります。高級品によく見る印刷方法ですが、この折り込みに限ってはこの一色が全体をくすんで鮮度の低い印刷にしている様に感じます。ネットスーパーとしてのアイデンティティが確立されていない今、高級なのかお手頃なのか訴求ポイントが決まらず、広告の手法としても過渡期な事が分かるような一つの折り込みでした。

広告資料館 2012年8月「KFCケンタッキーフライドチキン」

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今月は夏休みの影響もあり、全体的に新聞折り込み広告の総量が少なめですが、中身はバラエティーに富んだとても良い作品ぞろいです。

デザプラ.comでは広告における視線誘導理論を何度となく展開していますが、今月は本年5月に触れた「広告反応率」を合わせて参考にしたい良い折り込み広告です。最初におさらいですが、広告の視線誘導はキャッチコピーが縦書きの場合と横書きの場合で異なること、それぞれにスタート地点とゴール地点が存在する事。そして、ゴールにはユーザーに伝えたい事項を置く、又はイメージとして残り安い物を置くと効果的だと言うことです。

では今月のこのケンタッキーフライドチキンの折り込みですが、一見するとただのサービスチケットの広告なのですが、そうです。それが秀逸なのです。裏面は割引チケットが一面にタイル状に並べられています。その裏面に誘導するために、全ての勢力を注ぎ込んだと言っても過言ではないでしょう。

また、この広告の表部分に横書きの表示はゴール地点のエリアを除けば「新登場」の四角い囲みだけです。新登場の部分もロゴとして捉えるとゴール部分だけが横書きです。現在の広告にきわめて珍しい構成ではないでしょうか。この様に強調したい部分の意味づけがはっきり裏面のクーポン券へと誘導する手法は参考に値します。あからさまに半分ページをめくったイメージを載せるより遙かに効果的だと言えるでしょう。この広告の反応率がとても気になります。

広告資料館 2012年7月「HIKARIE」

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今月は渋谷の東急文化会館跡地に渋谷駅周辺再開発のかけ声高く今年4月にオープンしたばかりの商業施設「渋谷ヒカリエ」です。オープン前から評判も高い折り込み広告です。しかし、その宣伝告知方法やWebサイトに比べとてもおとなしい感じがします。先月のチョイスと比較して見ると面白いのですが、この広告は全体にペールトーンと呼ばれる明るいパステルカラーの色彩でまとまり、色調の強さや明度の差がありません。7月という季節感や、新しくできた斬新さも無く、きつい言い方ではありますが、制作意図が不明な広告です。

ただ、一つ広告制作のカギとしてのお手本は、定期的に継続して発行される刊行物は年間を通した縦軸のイメージ統一も重要だと言うことでしょう。今月の折り込みを見ると何年も前から普通に見たことがあるような、刷り込みにも似た安定感を感じます。毎回新しい試みやデザイン的冒険も大切ですが、毎回同じ読み手を想定した場合には安定したフォーマットを作り出すことも同じくらい重要なデザインファクターなのです。まだ、ずっと先のことでしょうが、この折り込み広告がリニューアルされた際に、どのような方向性で変わるのかを知ることは、マーケッティングと広告戦略の修正が分かる良い手本となることは確実です。

広告資料館 2012年6月「草花木果」

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今月の広告は強烈な赤が目を引くビビッドな通販化粧品「草花木果」の折り込みです。

本欄ではレイアウトによる視線誘導と消費行動の関係を重視した解説をしていますが、広告のデザインには多用な要素があり、色彩もその重要な要素のひとつです。デザインの勉強を始める際には色彩の扱い方を繰り返し勉強するもので、音楽で言うところの絶対音感ならぬ「絶対色感」の様な物をたたきこまれます。今月の折り込みは苺の赤に対してヘタ部分の緑は「補色」関係に当たり、色彩的に一番強い組み合わせを見事にコントロールした逸品です。

色の分配について触れると、必ずしも色相でぶつける必要はありませんが、広告全体をイメージする「支配色」と、中心部分を表示する「主張色」によっての色彩計画が必要です。経験不足のデザイナーが全体をまとめるためにトーンを揃えすぎて「主張色」が抜け落ちてしまい、「上手くまとまっているけれど何処か伝わらない」仕上がりになる事がままあります。また、「社長が青が嫌いなので使わないでくれ」(実話)など訳の分からない制約を受けることも珍しくありませんが、人の心に強く伝わる広告は色彩の計画が重要だと分からせてくれる良い例ではないでしょうか。
広告と色彩については、別のページで解説いたします。

広告資料館 2012年5月「牛角」

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今月は広告反応率に対応した折り込み広告です。「広告反応率」とは、広告を出してどれくらいの結果が出たか検証結果のことで、100枚チラシを配って 10人のお客様が来てくれたら反応率10%と考えます。しかし、誰がチラシを見て来たお客様か、それを検証しようにも手段がありませんので、正確な数字を出 すことは大変難しい調査です。そこで一番分かりやすい方法として、割引チケットや、クーポン券を付けて、「このチラシを持参してください。」などと仕掛け を作ります。今月の「牛角」の折り込みもクーポン付きのチラシです。広告手法としてとても参考になります。「広告反応率」は計測の分母になる配布枚数が多 ければ多いほど、より正確な数字が出ますし、反応率も高くなります。代理店や広告の研究者によって数字は違いますが、Dezaplaの研究では平均 0.8%〜2%程度では ないかと考えています。反応率は対象商品の種類によって変動しますが、現実的にはかなり希望的な数字です。例えば数百万円の高級車が2%の反応率で売れる としたら1,000枚のチラシ配布でお客様20人を獲得できることになって、すごいことになってしまいます。

今回のように比較的低額の商品は広告反応率は高い傾向にありますが、ユーザーをクーポン券まで誘導するテクニックが重要です。今回「牛角」の折り込みはビ ジュアル面ではセンターにデザイン性の強いキャッチコピーを置き、腹巻き状にメニューの情報を挟み、その下にクーポンへと繋げています。少しタイトルで遊 びすぎてしまい、焼き肉の画像がイメージに繋がらなくなってしまっていますが、新聞折り込み広告と「広告反応率」の検証について良く理解出来る広告です。 ただ、クーポン券で来店するお客様は「値段」が第一ですので、安定顧客獲得には難しい事も合わせて理解する必要があります。

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広告資料館 2012年4月「JR東日本 ジュクサー・フィットネスクラブ」

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大胆な構図が目を引くバランスの良く取れた、とても優れた折り込み広告です。構図は全体的に立体感を意識して、ヨガのポーズを取った女性を俯瞰に見て、影とカウンタースペース(余白部分)の程良い緊張感が紙面を締めています。足元には川のように赤いリズムが画面対角線上に流れています。この赤い部分のイメージの下敷きになっているのは、江戸期の名匠尾形光琳作「紅白梅図屏風」静岡のMOA美術館所蔵の国宝でしょうか?デザイン初心者がマネして出来る様なデザインでは無く、よく見るとJRのロゴがありますので、経営資本は大きく、予算をかけた広告であることが分かります。

今月の折り込みを見て、これからデザインを始めようとしている若いデザイナーのタマゴや、デザイン初心者にとって勉強になる部分は、デザインとして新しさを追求するだけではなく、歴史から過去の名作を引き出しに持つ事でしょう。過去の優れた作品をよく知ることがデザインの厚みを増します。国宝であれば踏みつける行為はいかがな物かとも思いますが、ここは先ずその部分は置いておいて、これを制作したデザイナーは、フィットネス&スパに新規参入するための先行広告に、日本的な静と動を合わせ持った過去の名作を下敷きにして、伝統的な美のイメージの上にさらに新しさの表現に見事成功しています。

広告資料館 2012年3月 「サントリー 天然水」

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毎回の視線誘導理論に基づいて今月の折り込み広告に触れると、二人の子供をアイキャッチにして、左上の「SUNTORY天然水」からスタートしてサブキャッチ「サントリー天然水の宅配サービスが出来ました」へ繋ぎ、金額、フリーダイヤル、サイトURLへと矢印状の囲みで右へ右へと誘導します。ゴール地点の右下には商品写真(プロダクツフォト)を置いて背の高いサーバーは写真と重ねて、少女の顔へと誘導され、ネバーエンディングストーリーの様に、一周しています。計算された見事な広告です。しかし綺麗にまとめるあまり、広告としての販売に繋がる力が弱くなっている様にも感じます。この広告での反応率がどれほどか知り様もありませんが、見事に計算された広告だから効果が高いとは言い切れないのも難しい所です。
以前、本製品のパッケージについて「南アルプス」の表示力が弱すぎる事を指摘したところ、事情をよく知る方に、南アルプス以外に阿蘇、奥大山の天然水を販売していて、3種の統合した表示なので南アルプスは、差し換え用程度の表示にしているのでは無いだろうか、と教えていただきました。制作の現場では色々な力が働き、一方向の物の見方だけでは分からない事も多いのも事実です。

広告資料館 2012年2月

2012年2月「サンウッド」Dezpla.com広告資料館-見本

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今月のチョイスは三つ折りの観音開き広告です。仏具を安置する厨子を開くように左右に開くことから観音開きと呼びます。新聞折り込み広告には二つ折りくらいまでは比較的多く見受けられますが、それ以外の折はパンフレットなどに使う事が多く、折り込み広告には珍しいタイプです。三つ折りのパンフレットは開きの左右の違いもありますが、大きく分けて巻き三つ折り、外三つ折り(蛇腹折り)、三観音折り、の3種です。ただ一枚の紙を折るだけではなく表紙から2回開く事でそれぞれの局面を変え新しい世界を見せる工夫が出来る事が特徴です。どの方法も全部で6面の切れ変わりがあり、小さな6ページの冊子と考えると良いでしょう。巻三つ折りは1回目の開きで裏の3分の一が残り、2回目で中の全てが現れます。それに対して、外三折りは表と裏を同時に表示する場面はありません。ですので、裏と表の情報が全く違う場合や、裏面は1色の印刷などに向いています。どちらも紙の三分の一が表紙になりますが、版下の作り方が違いますので注意が必要です。
今回の広告は観音開きとして左右に二つの違う物件のマンションの情報を配し、開いて更に詳しい情報を与えるスタイルで、共通部分を中心にするなど、とても工夫に富んでいます。ただ、残念なのは左右を開いたときに左右の情報がクロスしていることです。図のようにしてみたら、一層読む人に驚きを与えられたのではないかと思います。それにしても二つの違う情報を一つにまとめる工夫はデザインの次のステップとして、とてとても参考になる広告です。

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※開いた状態のイメージ



三折りの基本形態

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広告資料館 1月

2012年1月ワタミ Dezpla.com広告資料館-見本

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今月のもう一つのチョイスはWATAMIから出している「ワタミタクショク」の折り込み広告です。左右2点同じ様に並べていますが、違いが分かるでしょうか。写真や素材レイアウト等ほとんど同じなのですが、左は「毎日手作り・・・」のコピーなのに対して右は、ざるに入った野菜のイメージ写真と「野菜満菜。」とコピーが変わって、大きい文字になっています。他にも少しずつ変わっている部分もありますが、大きな部分はそこだけと言っても良いでしょう。何故2タイプの折り込みがあるのか不思議に思う方もいるでしょうが、左側の広告を先に出して、反応を確かめたところ今一つ商品の内容と特徴が伝わらなかったと分析され、次に商品の内容を強く打つための修正が入ったのでしょう。最初に出した広告の方がデザイン的にはまとまりがあり、ビジュアルとして綺麗です。しかし、ユーザーには他の商品との明確な違いや、優位性が届かないのです。時にデザイナーはこの間違いに陥ります。

この様に、広告は一度出した物を分析して修正をする事で効果が大きくなります。一番良い物が最初から分かっていれば修正の必要は無いのですが、制作には多くの人が関わり、色々な意見が出るために少しずつ本来のコンセプトとズレ、結果が見えなくなることがママあるのです。今月の折り込みチョイスは、広告反応をしっかり分析し、随時修正を加えている、宣伝上手の良い見本です。


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2011-05-18

広告資料館 12月

2011年12月 「Kanebo cosmillono」Dezpla.com広告資料館-見本

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毎年クリスマスが過ぎると急に年も押し迫った感じが強くなり、今年も残すところ数日となりました。今年は大きな出来事が色々有りましたが、来年は明るい年でありますよう心からお祈り申し上げます。

季節柄なのか、今元気のある商品なのか通販化粧品とよばれるジャンルの折り込み広告が多く、元気を感じます。今月のチョイスもその通販化粧品ですが、その前に下に表示した3点の折り込み広告をご覧ください。今月の「Kanebo cosmillono」とカテゴリーは同じ物なのですが、3点のデザインレイアウトが裏表共にほとんど同じ事に驚きます。同じ代理店が制作しているのか?成功例にならい柳の下の何かを狙っているのか分かりませんが、製品に対しての特性を考慮した広告戦略を感じないのは確かでしょう。その中で一際個性を放っているのが今月の一品(作品)です。背景のイメージは何かよく分かりませんが、深い空間を出す事は成功しています。製品を中心に山形に置いてアイキャッチにして、左上から横書きでキャッチコピーを流しています。視線を左上から対角線上に右下隅へ誘導していますが、右下のゴール地点には右向きの矢印があり、広告の裏面へと強く誘導しています。この広告のデザインは裏面への誘導が第一義として捉えていることがこれで分かると思います。中央部の縦書きの明朝体文章は、製品の信頼性と安心感を読み手に与えています。また、左下隅に五角形の矢印状の形がありますが、右の矢印と目的が違うので形状を分けています。同じ形状を使う際は同じ目的物である事が重要です。この様に混同させずに上手く分けるのはデザインの上級テクニックです。

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広告資料館 11月

2011年11月 小田急「ODKYU VOICE」 Dezpla.com広告資料館-見本

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今月の折り込み広告は質・量共に豊富で、優れたデザインも多くありました。その反面今まで良く見かけた企業や、業種の折り込みが少なくなっていることは心配でもあります。

今回チョイスしたのは小田急電鉄の広報誌です。駅構内にも置かれていますが、毎月定期的に新聞に折り込まれ、地域沿線情報にとどまらない内容は編集の方針とデザインの良さが光ります。当該の折り込みは紙質の選び方から、全体の基本基調を崩さないよう「トーン&マナー」を考慮している事が伺える一品です。トーン&マナーは良く使われる業界用語の一つですが、この言葉も曖昧です。言葉の意味としては「全体の統一感とそのルール(表現の基本基調)」なのですが、雰囲気として使われ、現場が混乱する言葉でもあります。今月の表紙のイメージは全体に黄色の光が支配して中心に黄色の補色になる紫色のワンピースが映えます。立っている女性に視線が自然に集中するこの部分がアイキャッチです。紙面の中心に細い明朝体で「ときどき自分をほめてあげたい。」と縦書きでコピーが入り、中心のケーキへ誘導しています。写真下部は黄色の明度の落としたオーク調の木の色が落ち着いていて、とても雰囲気のある綺麗な仕上がりです。この様な広報誌を折り込む事は企業としての真面目な姿勢に好感がもてます。

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広告資料館 10月

2011年10月 「IKEA」 Dezpla.com広告資料館-見本

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今月の折り込み広告はとても質量共に優れたものが多くありました。

その中で今月の広告は、今まで紹介しているタイプと少しテイストが違います。グリッドラインは見あたらず「自由で楽しい」「賑やか」などの主張に添ったテーマでの制作に向いています。無造作にカップとソーサーを積み上げて、シドニーのオペラハウスを思い出させるような造形がメインビジュアルです。その回りを抜き写真(写真の回りを切り抜いた)と角版写真2点で囲むようにレイアウトしています。バランスとアンバランスの関係で、とても慎重に作業を進めないとバラバラで訳の分からない広告になってしまいます。「IKEAには色々な商品があり、とても楽しい所ですよ。」と制作意図がストレートに伝わり優れたデザインです。楽しげなデザインは参考にしたい部分ではありますが、思い出すのはこの仕事に入ったばかりの頃、アートディレクターに「デザイナーは自分でルールを作るのだからこそ自分の決めたルールに例外規則を作ってはいけない、どんなに困っても自分の作ったルールに従ったデザインをするべきで、必ず解決策はある」と言われたことです。その事を考えると、商品名とキャプションのぶら下がり方にルールの規則性が弱く、違和感があります。。

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広告資料館 9月

2011年9月 住友不動産「エコな風の家”無料設計キャンペーン」 Dezpla.com広告資料館-見本

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今月は夏の名残の暑さが厳しく、何時までも暑い日が続きましたが、大きな台風が残暑を持って行った様に後半はすっかり秋の気配が漂っています。折り込み広告の傾向は数も多く質も高い物が多く見受けられました。

その中で今回取り上げたのは住宅の広告です。販売広告はたくさん折り込まれますが、設計の分野は珍しいかも知れません。一見すると住宅販売と間違われないようにディメンションスケッチ風の手書きのラフ図で工夫をしていますし、「3人の建築士が」と何度も強調しています。今回のこの折り込み広告は今まで、紹介してきた物と少し違う部分があります。まず、視線誘導を第一として捉えていないことです。左端に縦書きのコピーを置くのは紙面の構成からあまり有効ではないことと、キャッチコピーが縦書きの「3人の・・・」と緑の図の上にある「風の流れを・・・」その下の「エコな風の家・・・」と同じボリュームで分散している事です。では、なぜこのレイアウトの方程式から外れた広告が効果が有るのかを検証すると、情報のブロック化が上手く出来ている点でしょう。必要な文章、金額、システム、など必要はイメージと近づけ綺麗にブロックとして集めていて、垂直、水平線で分断しない様な工夫もあります。縦書きのコピーは写真の中に入れた方がさらに効果があったと思いますが、広告制作の初心者にとってとても参考人なるレイアウトであることは確かです。

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広告資料館 8月

2011年8月 健康家族「伝統にんにく卵黄」 Dezpla.com広告資料館-見本

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今年の夏は暑い日が続き、節電の影響もありとても大変な夏になりました。折り込み広告の傾向は前半は夏の暑さ対策で、後半はすでに秋の商戦が中心です。今月の折り込み広告は抜きん出て優れた物は少ない物の、量と質はとても豊富でその中でも食品の折り込みの多い事に気が付きます。

今月の注目折り込みは健康家族「伝統にんにく卵黄」です。炭火で焼いたホイルの丸ごとニンニクの写真が大きく目を引き、その上にキャッチコピーが「にんにくで夏に勝つ!」と大きく太い明朝体で重なります。アルミホイルから見えるニンニクの焦げ目とテカリに十分な「シズル感」が出ています。写真や広告の世界で良く出て来る「シズル感」と言う言葉ですが、元々は食品の焼ける音や匂い、湯気などの五感を刺激する臨場感の意味で、広告写真のリアリティある表現の事です。最近では拡大解釈が進み、人物に「シズル感のある表情」を求めたり、デパ地下の実演販売をシズル販売などという事も有ります。

その意味でもこの折り込みはシズル感たっぷりで、この写真だけで効果抜群のイメージを与えています。裏面にはがきを掲載しているのは直接広告反応率をキャッチする目的で、ここがゴールの設定のはずですがイメージ写真の力に頼りすぎて、視線誘導や、裏面のはがきを投函させる工夫に乏しいのは残念です。イメージ写真があまりにインパクトの強い場合、商品とイメージを結び付けるためには商品パッケージを写真に重ねる手法が一般的で、空間表現が深まる効果があります。

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広告資料館 7月

2011年7月 ファーストキッチン Dezpla.com広告資料館-見本

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今月はお中元のデパート関連と食品関連の折り込みに良品が見受けられます。以前でしたら、ホテルの夏のイベント関連の華やかな広告が多くありましたが、今はとても寂しい状態です。

ファーストキッチンの折り込みはこのところ秀逸な物が多いのですが、今月はテレビ番組「お願いランキング」で、辛口評論を勝ち抜いて満点をった商品をアピールしするPR広告です。広告の中でも号外の様な扱いで、情報重視ですが、とても興味をそそられます。女性化粧品の通販広告のでは良く使用される手法で、客観的な数字や順位をアピールして消費者の価値基準を確立させる方法です。Webでは楽天のサイトに多く見受けられ、あまり強調しすぎると下品になりがちですが、今回の広告ギリギリで品位を保っています。しかし、デザイン的に見ると情報が上部と下部にはっきり分かれて分断されているのですが一つの広告としてのまとまりが弱く感じます。号外的に急に作った事が原因でしょうか?とにかく事実に基づいた数字は、消費者の興味を引くのにとても効果的な事が分かる広告です。

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広告資料館 6月

2011年6月 アコルデ代々木上原 Dezpla.com広告資料館-見本

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今月はお中元商戦の前哨戦か、かなり多く秀逸な広告があり、絞り込むのに少し苦労しました。まだ、景気の動向は不安定ですし、原発を軸に政治の低迷具合からも明るく広告を打って、消費を呼び込むのは難しい状況下にも関わらず、努力している企業はきっとこれから良い方向に転じることを信じています。

今月は小田急と東京メトロ千代田線の交差駅「代々木上原」駅ビルの折り込みです広告。リニューアルオープンの告知チラシで、直接利益誘導型の広告ではないので、情報よりイメージが重要になります。広告には直接利益誘導と間接的利益誘導の二つのタイプがあります。それぞれ目的が違うので、デザインの手法も違うのですが、知識のないクライアントの要求などで、それぞれの目的が混在する様な結果は多々あります。今回の折り込みはその部分のブレを全く感じません。まず、アイキャッチにハートを意識した野菜の生花盛り?これで十分消費者にインパクトを与えています。リボンも左から右へ誘導して途中ハートの形の遊び心も見せてくれています。少しキャッチコピーが大きい様に感じますが、ここは仕方ない部分でしょう。アンカー部分として紙面中央下にロゴを置いて完結しています。ここから発信するイメージは、「ここは、普通とは少し違うよ。綺麗なだけじゃなくて実用に即しているよ。ここへ来たらあなたの何かが優しく広がるよ」と伝えているようです。見事にイメージが伝わる良い広告です。

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広告資料館 5月

2011年5月SUNSTAR    Dezpla.com広告資料館-見本

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今月も比較的折り込みは少なく、目立った傾向も見受けられません。企業は現在の状況で広告を打てないのか、広告に効果が無いと判断しているのかなのでしょうか。その中で通販健康飲料の折り込みです。黒地を背景にグラスに商品の野菜ジュースが勢いよくつがれてインパクト十分です。しかし、最初からこのデザインで作る予定でなかったことは、少しこの仕事を理解していれば直ぐに分かります。切り抜きの商品イメージと黒バックに合成してますが、始めから黒くする予定でしたら写真も黒が写り込むように撮るはずだからです。視線誘導はキャッチコピーからイメージと重ねた商品写真、フリーダイヤルへと誘導は出来ていますので構成力は十分ですが、キャッチコピーとショルダーのコピーの強弱が欲しかった所です。インパクトは十分ですが、商品イメージの健康からだいぶ遠くなっています。多分色々な人の意見を取り入れている内にこの様に落ち着いたのでしょうが、持っているデザインの魅力が十分に生かされてい無いのが残念です。


広告資料館では新聞に折り込まれるチラシを厳選して優れた広告をデータ保存する事を目的としています。その中からデザイン的に優れた折り込みをチョイスし、解説を加えて毎月更新しています。

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広告資料館 4月

2011年4月7HOUSE MEJIRO   Dezpla.com広告資料館-見本

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まだまだ、不安定な世相ですが、地震の影響の自粛はだいぶ落ち着き、折り込み広告も増えてきています。今月の折り込みは不動産広告です。打ちっ放しのコンクリート建築物はモノトーンの写真でさらに重厚感を増しています。空に向かって消失点があり、安定感とスケール感も十分です。これだけでこの折り込みの商品の内容が良く伝わっています。物がデザイナーズマンションですので、商品が良くて写真が良ければ広告の目的はほとんど達しているような物です。しかし、デザインも負けてはいません。桜の花びらを右上から左下対角線上に移動させ、一度タイトルに視線を止め、ボディコピーへ誘導している点と、7HOUSE MEJIROのロゴをセンターに置かなかったのは視認性の関係か二つ折りを避けたのか不明ですが、デザイナーの仕事に深い才能を感じます。グリッドに頼らないワンランク上の優れたレイアウトの見本です


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広告資料館3月

2011年3月リビングセンター オゾン   広告資料館はこちら→


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2009-12-14 宣伝広告究極のコスト削減方法

NEW 究極のコスト削減方法

ポスターを1枚3,000円で制作、チラシを1,000部1万円で作成する方法。を更新。

本編はこちら→

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2009-12-12

集客力がアップする!ポスターチラシ宣伝広告のノウハウ。

2009.12.10

「誰にでも出来るデザイン」をテーマに、WebサイトDezapla.comを作成中です。それと平行して本ブログにて制作の雑感をつらつらと書き連ねて行こうと思っています。

デザイン制作の実務経験と大学の教員としての学校教育経験から、ここに来ればデザイン手法のすべてが分かるサイトを目指し、少しずつ構築中です。企業と学生の制作の橋渡しもできるよう窓口準備中です。


レイアウトの法則 詳細ページはこちら→

広告資料館 詳細ページはこちら→

デザイン制作実践編 詳細ページはこちら

デザイン開発の話 詳細ページはこちら




Dezapla.com サイトはこちら→

YDAオフィシャルサイト サイトはこちら→

2009-12-01

1-01 効果的な広告の作り方

はじめに


このブログは、少しずつ更新しますので、気長にお付き合い下さい。また、お気づきの点が有りましたら是非コメント欄に書き込みください。コメントは基本的には非公開にしていますのが、公開希望の方はOKと記して下さい。

1-02 効果的な広告とは

導入基礎編-01

宣伝広告に何か良い知恵がないか、と考え迷って、やっとこのサイト(ブログ)にたどり着いた方には、冷や水を浴びせるようで心が痛いのですが、 まず、最初に知っておいていただきたいのは、お金をかけずに大きな効果を求めることはできない、と言うことです。その上で少しでも少ない予算で効果的な広告の方法を整理して書きますので、お役に立つ部分がありましたら是非参考にしてください。

その前になぜ、今、あなたの会社やお店で広告が必要か考えるべきでしょう。落ち着いて考えると何も今広告を打たなくても良いことに気づくかも知れません。

1-03 宣伝や広告する前に

導入基礎編-02

宣伝広告の作業の前にあなたの会社やお店は宣伝をする必要があるのでしょうか。今一度その必要性をまとめてみるべきでしょう。飲食店であれば下記のチェックをしてみるのも良いかも知れません。

□料理の味は満足出来るか

□従業員のサービスは十分か

□商品の価格は適当か

□店内は清潔で内装や雰囲気は良いか

□食材の選択は十分か

□競合店が有るか。有る場合、勝る点はあるか

以上の6点を考えて見ましょう。主観的判断ではなくお客様に何気なくアンケートを採るのも良いかも知れません。また、急に客足が落ちた場合も同じチェックが役に立ちます。飲食店ではない方も上記のチェック表を参考にアレンジしてみてはいかがでしょう。

上記のチェックで良い成績が出ない様でしたら残念ですが、広告や宣伝ではなくその予算を内装のリフォームにするか人件費に当てて、優秀な人材を確保することが重要でしょう。

チラシやポスターは集客の重要なアイテムではありますが、継続的集客は上記の6点以外に無いのです。たとえ半額セールなどしてもその企画に来た顧客は通常の金額で来ることは非常にまれなことなのです。それより、通常の顧客を常連顧客にしてあなたのお店の、会社のファンにすることが出来れば、最小限の宣伝広告で済ませることが出来ます。

1-04 広告の予算とは

導入基礎編-03

上記のチェックをクリア出来る条件であれば次に予算を決めます。予算は色々見積もりを見てから。など悠長なことを言っていると大切な商機とあなたのお金を失うことになります。制作会社や相手の思惑が分からないので迂闊に金額は出せないと思うのかも知れませんが、自分の予算をはっきり決めずにする広告など、制作会社の良いようにされてしまいます。逆に目的と予算を伝えることで制作会社は作り方を工夫してくれる可能性もありますので、見積もりの前に目的の制作物と予算を決める事は重要です。

以前仕事で「最上級の商品設定で広告を作りたい」と依頼が有り作業を始めたところ、クライアントは最初、紙の質は高級で、印刷も・・・と言っていたのですが、予算の段階になり見積もりを出したところ、「高すぎて話にならない」と作業を中断しました。「後学のためにご予算は」と私が聞いたところ5〜6万で、ちらし、ポスター、名刺、パッケージしかも印刷代込みだというのでビックリしたことがあります。また、Webサイトを作りたいと一部上場の立派な会社へ打ち合わせで伺いましたが、先方の部長曰く、「うちの息子の友達は3万円でやる」そうで、こちらは手を引きました。その後その会社のサイトを見ましたがとんでもないサイトで、しばらくしたら全面的にリニューアルされていました。プロは仕事として作業を引き受けています。アマチュアの論理や、金額を混入させて現場を混乱させるべきでは無いでしょう。予算の中で最大の結果を求めて一緒に広告を作り上げていく意識がなければ、幾ら金額を抑えてよい物を作ったつもりでも、結果はでませんし、かえって別の予算が必要になる可能性を考えるべきです。では予算の算出方法は?次の項目で説明いたします。

1-05 広告の予算算出方法

導入基礎編-04

広告を作る際、基本的に広告代理店が主な窓口になります。広告代理店などと聞くと敷居が高く尻込みしそうですが、他にも色々な専門分野、専門家がいます。しかし、広告や宣伝の専門家を探す前にまずは予算です。予算によって依頼先が変わるからです。その予算を削減するためにも、まずはご自分で動いてみることをお勧めいたします。

では、予算の算出方法の一例を挙げてみます。中規模のコンサートの告知用ちらしとポスターを例に取ってみると分かりやすいでしょうか。

必要な物は会場使用料、人件費、出演者のギャランティそして広告費です。広告は販促用のチラシ1.000部と少し大きめのポスター2枚の制作を考えてみます。他にチケットの印刷、当日のプログラムなどが有りますね。

広告費は売上全体の2〜5%程度、新規開業や高額商品に着いては5〜10%程度が無難なラインと考えると良いでしょう。

すると、コンサートの収入は協賛が付くとしても、客席数300席x入場料3,000円で売上は90万円に過ぎません。その5%としても4万5千円です。すると外部に依頼することは出来ないレベルと分かるでしょう。協賛、協力、スポンサー等の契約が取れればそれもプラスします。20〜50万円とすると110〜140万円の総売上高です。しかし、全席埋まるとは考えにくいですし、招待客の分を割り引かなくてはなりません。実際にはグッズやCDの売り上げなど別の売り上げも見込めるのも確かですが、ここは荒っぽい数字で最低の見込みで110万円と考えると5〜10%と頑張って大きく計算しても55,000円〜110,000円まででしょう。

このように先に金額の予想が立つケースは広告の予算が出しやすいでしょうが、中々その様には行かない事の方が多いのが現実です。見込み総売上の計算が出来たら5%程度を予算に当ててそれに合った広告物を作成してくれる所を探して見るのが良いでしょう。まずは、予算の算出をしっかりする事が大事です。


社団法人日本グラフィックデザイナー協会JAGDAのサイトに媒体別の制作料金算定基準があります。このサイトの制作費用を参考にすることをお勧めいたします。

JAGDAサイトはこちら→

1-06 広告の依頼方法

導入基礎編-05

広告物の予算摘出ができたら次に作業を依頼する準備です。先の例では最低で4万5千円多く見積もって11万円ですので、この予算ででポスターとちらし1,000部作るのはかなり大変です。

次に制作ですが、自分の立てた予算の金額によって依頼先が変わります。大まかな金額と制作先の一覧を作りましたので、参照ください。

1)自分で作る-----------------0〜1万円以内

2)友人に頼む----------------5万円以内

3)印刷会社に依頼----------15万円以内

4)デザイン会社に依頼----20万円以内

5)広告代理店に依頼-------50万円〜

(1)〜(5)までありますが、(1)と(2)はちょっと厳しいですよね。

元々自分でできる範囲ならばそんなに困ることはないでしょうし、器用な友人がいればとっくにその人に頼んでいるはずですから。ただ、一番問題なのが、今までは自分で頑張って作ってきたとか、友人に頼んでいた、安く作ってくれる印刷会社に依頼していて、そのできあがりに不満や、効果に疑問が有る場合です。上記の金額は最低予算の目安ですが、効果的な広告の作成を依頼する方法を考えましょう。

2009-11-30

2-01 宣伝広告費の削減

制作基礎編-01

まずは前項目→の(1)〜(2)は難しいと言いましたが、それでも予算が極端に少ない場合も有ります。経費を抑えるために色々工夫する事は当然として、自作の悲しいポスターやチラシでかえって客足を遠のかせる原因になっては元も子もありません。まずは、ポスターやチラシがどのような目的で作られどのような効果が有るのかを良く知るところから始めましょう。

そんな余裕がない方はこちら→

まずは、目標となる宣伝媒体のサンプルを研究する必要が有ります。研究などと言うと構えてしまいそうですが、自分が効果があると思うチラシや広告を探してみましょう。素人サンが作ったチラシなどによく見かけるタイトルを曲げて、レインボーのグラデーションを掛けてシャドーを付けたもの。いったい何処にその様な物が有ったのでしょう。MicrosoftOfficeのWordで作るとその様になるらしく、ノウハウ本も出ているようです。この様なサイト→を見るとデザインとか広告とか全部無意味に思えます。

もし、リンク先の様なチラシを作成中でしたら、是非こちらの「広告資料館」→を覗いてみてください。良い広告とは何か分かるでしょう。それでもWordで器用に作る自信のある方はテンプレートサンプルを使ってみてはいかがでしょう。テンプレートはこちら→Wordのテンプレートデータがダウンロード出来ます。

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2-02 究極のコスト削減

制作基礎編-02

あまり予算が無く外注制作が難しい場合は、当然自作から考えるべきです。

しかし、自分で作れば安く作れる。これは本当でしょうか。慣れない事に根を詰めて頑張って果たして目的である集客力のアップを望める程度の物は出来たのでしょうか。それに費やした時間や労力はその結果に見合うだけの効果は有るのでしょうか・・・。大抵の素人が作った物は殆ど役に立たない代物であると言い切っても良いでしょう。

パソコンが一般的になりとても便利で誰でもチラシやポスターが作れる様な雰囲気ではありますが、そこには知らなくてはいけない法則やルールが存在します。特に印刷物を作るのであれば、相応の知識を求められます。パソコンが使えることと広告が作れることには関連性は非常に薄く、その部分の勘違いを払拭することが初めの一歩だと言えるかも知れません。それでも自分で作らなくてはならない方を中心に以下に進みます。

ではまず自作のチラシについての注意点です。

データはAdobe Illustrator で作ります。その理由は印刷に適したアプリであること。Wordや、PowerPointでの印刷に対応している印刷所もありますが、MS-Officeのアプリケーションでの作業ではデザイン的に融通が利かないからです。

ではプロ用のアプリケーションを使ってチラシのデザインをするのかと言うと、慣れないアプリに悪戦苦闘するより簡潔な方法を考えましょう。

2-03 ちらしの作成方法

制作基礎編-03

まず、自作のチラシ作成方法を考えます。PC+手作りから始めましょう。何のアプリケーションでも構いませんので必要な要素の文字を打ちます。出来れば見出しは大きく太い文字、小見出し、キャプション、本文と大きさと書体を分けて見ましょう。この時出来ればPC附属のふざけたポップ文字は使うべきでは有りません。写真や必要な図版地図なども別々に作ってプリントします。そして素材の用意が出来たら仕上がりサイズの台紙に丁寧に張り込んでチラシを作成しましょう。入りきらない場合や、文字が小さくて読めない場合は内容を精査して再度プリントし直します。レイアウトアプリを使わず別々にプリントした情報を手で張り込む方法です。これですとPCソフトに振り回されず最初に作りたかったイメージに近い物を作る事が出来るはずです。

もっとPCの扱いに慣れている方は、それぞれをスキャンして一つにまとめる方法も良いかもしれません。もちろんAdobe Illustratorが使えるようでしたら、下記の4点に気を付けてPCで制作するとよろしいでしょう。

1)テーマ:何を売りたいのか、伝えたいのか絞り込む。

2)キャッチ:大きな見出を作る

3)トーン:使う色味や文字の種類をまとめる

4)情報:商品名、日時、金額等の情報は一つのグループにまとめる。

自作ちらしデザインの詳細は こちら→(準備中)

このようにして出来たマスターをスキャンするか、そのままコピーするかしましょう。しかし、自分のプリンターでプリントすればA4一枚のランニングコストは40円程度ですからプリンタの消耗を考えても1,000部1万円では出来ません。モノクロでしたらコンビニのコピーサービスで一枚10円。ピッタリ予算に合います。しかし、コンビニで1,000枚コピーするのは現実的では有りませんし、モノクロのコピーでは当然見劣りします。せっかくですからカラーコピーで1,000部ではいかがでしょう。通常はカラーコピーでは一枚50円から100円程度ですが、このリンク先ではぎりぎり予算内でカラーコピーが出来そうです。他にもご自身でカラーコピーサービスで検索して見てはいかがでしょう。

格安カラーコピーサービスhttp://www.seitoku.com/ こちら→

格安カラーコピーサービスhttp://6811.teacup.com/00kunm/shop こちら→

デザインの注意点はこちら→デザインレクチャをご覧下さい。



デザインの添削依頼はこちら→無料診断は1〜2ヶ月の時間がかかります。

こんな手作りでは恥ずかしいもっと見栄えの良い物を作りたい方は次の外部発注の方法を参照下さい→

2-04 ちらし作成の応用

制作基礎編-04

前項目で1万円で1,000部のチラシの作成ができたら次にポスターの作成方法です。

チラシとポスターはその目的が元々違います。|ポスターとチラシ|参照→ (準備中)そのまま拡大したり、縮小したりでは本来の目的は達成出来ないことは事実です。しかし新たに作成を依頼する事を考えると先に作成した自作のチラシを拡大してポスターに引き延ばしてはいかがでしょう。また、あなたが既にチラシを印刷して手元に有るのでしたら、引き延ばしてもいいでしょう。ポスターだけのために新たに予算を組むより大幅にコスト削減が出来る事は確かです。もし綺麗なチラシが有るのであればかなりインパクトの有るポスターにする事は可能でしょう。

大判サイズポスター格安で作れます→大判プリントはこちら

B2サイズの大判ポスターが¥3,000から作れます。→(準備中)

チラシもそうですが、ポスターは例えば駅貼りですと掲示期間が約1週間からですので殆どの人の目に触れずに無くなってしまう物も多くあるのでしょう。日々消費されるチラシポスターを集めて公開。

新聞折り込み広告コレクション広告資料館 こちら→

音楽コンサート関連のポスターコレクション こちら→

雑誌電車内中吊り広告コレクション こちら→

ポスター・チラシ無料添削 こちら→


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2009-11-29

3-01 外部発注方法1

制作基礎編-05

では先の項目で今まで制作を外注依頼していたがどうも出来上がりが気に入らない、効果が認められない。または、自作で頑張っていたが限界を感じている。このゾーンの方です。広告の発注先は何処にするかで、少し予算はかかりますが発注方法によっては格段のレベルアップが望めるでしょう。

何処に発注するにしても、まず貴方が決めた予算をはっきり提示するべきです。その予算で制作が出来ないのなら、どれくらいの差が有るのか個々で見積もりが必要になります。

次にどのような物を作りたいかサンプルの提示です。前項目で自作チラシを作った方はそれを見せるのも良いでしょうし、いくつか資料館を見て気に入ったチラシが有ればそれを見せるのも有効な手段です。

また、依頼主がそこまで考えていることが分かればいい加減な広告を作る制作会社は少ないと考えることが出来るからです。

先のでの一覧表の1-06 広告の依頼方法で触れた(3)〜(5)での制作を考えている方に(3)の印刷所での制作です。ご近所にも町の印刷屋さんの様な存在も有るかと思いますが、小さな印刷屋さんにはデザインができる人を抱えていることはあまりありませんので、ここでの依頼はかなり慎重にならざるを得ません。何処に発注するかサイトで検索するのも良いでしょうし、自分で選んだ所が一番納得が行くのではないでしょうか。

しかし、印刷所は印刷で利益を上げるのが目的ですので、広告効果や、集客に付いて関係無く、1,000枚より10,000枚の方が印刷物一枚コストが下がると言う理由で不必要な量の印刷を勧められる事も有ります。ここでしっかり予算を立てていれば先方の営業に惑わされることも少ないでしょう。

3-02 外部発注方法2

制作基礎編-06

では、(4)(5)のプロダクション、広告代理店に依頼するのがいちばん安心で結果も良い物を得ることが出来るでしょう。しかし、どちらも相応の費用はかかります。

基本的に一つ広告を作るためにはそれぞれのスペシャリストがチームを組み制作に当たります。それをまとめるのがアートディレクターでクライアント、つまりあなたとその制作スタッフの意志を調整するのがプロディユーサーの役目です。あなたが調整役をするのであればアートディレクター(プランナーの場合もあります)一人と打ち合わせすれば写真、イラスト、文章、デザイン、レイアウト、印刷、納品までの流れはできあがってくるラフをチェックするだけで良いのです。

一つの広告を作るのに多くに人が関わりそれぞれを連携調整して効果的な成果物ができるのです。どちらかというと規模の大きい依頼でないと費用対効果は合わないでしょう。

現在は代理店も営業が思わしくないので、あなたの示した予算で動いてくれる可能性もあります。まずは相談してみてもよろしいかも知れません。

2008-05-01

デザインの話

当社で関わったデザイン制作の仕事の話をまとめました。デザイン作業とは何か少しでも理解いただけると嬉しく思います。

01-パッケージデザインの話→

02-メニューデザインの話→

パッケージデザイン

「パッケージデザインとは」から始めます。

元々パッケージは物を包む所から始まっています。では、何故物を包むか?と言えば、目的は3つあります。一つは運搬効率の向上。包むことで一度に沢山持てるようになったのと、もう一つは内容物の保護。包むことで中身を守ることが出来るようになったこと。そして商品情報の表示です。中に何が入っていて、どの様な商品か理解出来る様になった3点が上げられます。しかし、パッケージをデザインすると、綺麗に包む商品価値の向上のみに囚われ、本来の目的を見失うことがあります。見た目が綺麗でも中身が販売時に壊れてしまうような箱や袋、形が奇抜で運搬用の段ボールに収まりきらないような形状ではパッケージの目的を達していない事を理解する必要があります。

【プロジェクト】

デザインの仕事は売れる物(売れる仕組みを)を作るゲームだと思っています。今回はパッケージのターゲットについての話です。

ここ5年ほど同じ企画のパッケージを作っています。それはメンズタイツです。あまり需要がなさそうですがスキーやスノボのウインタースポーツ。釣りや、アウトドアライフ、野外作業。バイク、自転車などにとても重宝するのであることは想像が付きますか?私たちがスキーを始めた?年ほど前は男性用のタイツはスポーティーなものなど無く女性用のパンストをはいて寒さをしのいだものでした・・・。(昔話禁止)スポーツ用品店に置く製品ではなく量販店やスーパーマーケットなどにつるされるものです。毎年繊維を工夫したり暖かさを向上させたり売れるために大変な商品開発をしていることが分かります。

そのパッケージのデザインですが、暖かさを強調と言うと暖色系オレンジから赤の物になってしまいます。毎年作っているとメーカーや、バイヤーさんからもっと新しい物を作ってほしい。イメージを一新してほしいと言われます。ここに落とし穴があります。売る側は見慣れていますが、この様な商品は頻繁に購買意欲が湧くものではありませんし、毎年買い換える人も少ないことが分かります。つまり買う側は始めて見るものなのです。始めて見るものならば現行商品と比べたりするより常に商品イメージを正確に伝える努力が必要です。

そこでターゲットを絞り込みます。みなさんは「男性用タイツ」のターゲットを絞り込めと言われたらどのように考えるでしょうか?20〜30代の男性・・・多分そのように考えるでしょうが、それではマーケッティングは失敗です。はたして、20〜30代の男性がスーパーマーケットに直接行ってタイツを購入する確率はそれくらいでしょう。私たちはまず、自分だったらどのような行動を起こすか考えます。次に、売り場に立ってみます。そして自分だったら何を買うかよく考え今買い物をしている人が何を買っているか良く観察します。すると自然に答えが出ます。スーパーマーケットに置くこの商品はお母さんや奥さんが買っていることが分かるでしょう。「男性用タイツ」なのですが、実はターゲットは直接購入する女性なのです。そこで男性的、スポーティなどのイメージで格好良さを追求すればお母さんや奥さんには少し手に取るのをためらってしまう結果になります。パッケージデザインだけではありませんが、ターゲットの二重性というハードルがありますので一つの思いつきでターゲットを設定して失敗しないよう十分に注意する必要があります。

メニューデザインの話

当社で作成したメニューデザインのお話です。

自分でお店を持って始めにメニューや、チラシの広告類を作る際に、印刷屋やさんやデザイナーから「お店の規模にかかわらず印刷は最低1,000部からでなくては」とか「 100部も1,000部も値段はほぼ変わりません。1部の単価を考えると多く作った方が安くなります」等と言われ、大量に使われなかったメニューを抱えていたり、ほんの少しの修正のため頻繁に高額な修正料や印刷料を請求されて納得いかないというオーナーの方もいることかと思います。

当デザイン事務所に、新規店舗開店のプロデュースの問い合わせがきました。その会社とは以前から別の仕事でお付き合いは有ったのですが、今回は全く新しいレストランの企画から依頼したいということでした。

始めの条件では店舗の改装工事費・備品・広告宣伝費の総枠と、1日の売り上げ目標が決まっていました。売り上げ=席数×満席率×顧客単価×座席回転率の計算から成り立ちます。しかし今回のお店は「ゆったりとした時間を感じて頂く」ために回転率は最初から計算外。するとどの様にして売り上げを伸ばす工夫をするかと言えば、満席率を高くすることと顧客単価を上げることだと言うことは誰にでも分かります。

企画やコンセプト、お店のネーミングの話は別の機会に譲りますが今回はメニューについてのお話を続けます。

【プロジェクト】

予算に合ったデザインのメニューを作るために・・・

まず始めにあった予算は開店準備の宣伝広告費を出来るだけ抑えたいとのことですので、絶対に必要な物の洗い出しとその予算の軽減化を図ります。開店して絶対に必要な物と言えば告知ポスターや、チラシ類となりますが、何よりメニューは外せないでしょう。

お店のコンセプトは「ほんもの」「お値打ち」”都会に流れる風を感じるように時間を楽しむ空間を提供します。”当然メニューにもそのイメージが反映されなければならず、予算の内150部作るメニューはXX〜XX万円以内にしたい。しかし、ただ低予算のものを作るのではコンセプトから離れてしまい意味が無くなってしまいます。 メニューをデザインする際に念頭に置くのはお客様がお目当ての物を頼みやすく誘導することです(ただ本音を言えば、お店側の勧めた物を頼みやすく誘導できればベストなのですが)。

私たちが考えたのはまずページ数の洗い直しでした。ページ数が多いと当然印刷代に跳ね返って来ますし、どこに何があるか分からないようなメニューではオーダーの際あわててしまい、お目当ての物と違う選択をしてしまいがちです。そんなオーダーのしにくいお店にはリピータがつきにくいのも事実です。

また価格の改定や消費税の表示方法は別として、メニューのラインナップなどで変更の多い項目を変える度に作り直すのは、現実的ではありません。

しかし、ページ数を減らすために細かい文字でぎっしり詰め込まれたメニューでは逆効果になってしまい、顧客単価のアップは望めません。そこで、変更の多い物をカテゴリーにまとめて差し込みページにし、なるべく変更が少ない物をグランドメニュー、変更がある物をお勧めメニューとすることにしました。 グランドメニューには文字を中心にあまり写真を使わず、逆に差し込みメニューには写真を多用して差別化を図りました。

メニューを分けたことで良かったことは、お客様がまず着席してオーダーをする際お勧めメニューのように強調したものがあると、それを注文する確率が格段に高くなることです。

次に総量と印刷の関係を見直す仕事にとりかかりました。中ページは変更が有っても最小の単位で修正できるように考え、ランチメニューとグランドメニューさらにドリンクメニュー3つに分けてデザイン提案をしました。しかし3タイプのメニューを作るのは、デザイン的にも印刷を考えても経済的とは言えません。メニューの作成は既成のビニールコートされた物ではなく、本物のを感じてもらうための紙の質や印刷の上がりがとても大切な要素なのです。そこで中ページはともかく、表紙は紙問屋まで出向き見本を仕入れて一番しっくりする物を選びましたので、 表紙だけは共有出来ないかと考えました。

表紙各50部2腫100部の印刷と、全部同じものを200部の印刷では2倍以上の違いが有るからです。しかし表紙が同じではお客様にわかりにくいことと現場の混乱を引き起こす可能性がありますので、このアイディアの進行は困難な様に思えましたが、スタッフと打ち合わせを繰り返しているうちに打開策が見つかりました。同じデザインで裏表の色を分け、表紙を兼用する方法です。表紙にはコンセプトに添ったテクスチャを印刷し、メニュータイトルは窓を抜いてそこからのぞかせる方法にしました。「風を感じる」というキーコンセプトから窓の役目を持たせるためにも、かなり早い時期から表紙に穴をあけてタイトルを下のメニューから見せる案が出ていたのでそれを採用し、デザインは決まりました。ランチメニューとディナーメニュー同じデザインで裏表を使い分ける、リバーシブルとして使う方法です。ドリンクはそれぞれのメニューの中に収まるようにしました。

中ページはインターネットでメニューの印刷をやってくれそうな所を探しましたが今ひとつ信用ができず、結局付き合いのある印刷屋さんを通し、オンデマンドで少部数ロットの印刷をすることで予算の軽減を図りました。ページ数が多くなれば、色校正無しのフライヤー印刷専門の業者に出すことも可能です。

デザインと言う物は綺麗で格好いい物を作ることではなく、与えられた条件の下で最良の経済効果を上げる物を作るゲーム(仕事)なのです。今回は予算と顧客単価のアップという二つのハードルを、きれいに越えることができました。

デザインの仕事をしていて満足感を得るのは、厳しい条件をクリアしてクライアントから喜んでもらった時です。


その後。

さらに嬉しかったのは、まったく別経営のうどん屋さんから偶然そのメニューを見て同じように作ってほしいと依頼が来たことでした。良い仕事は次の仕事を呼ぶ事も事実です。