広告資料館 2012年8月「KFCケンタッキーフライドチキン」

今月は夏休みの影響もあり、全体的に新聞折り込み広告の総量が少なめですが、中身はバラエティーに富んだとても良い作品ぞろいです。
デザプラ.comでは広告における視線誘導理論を何度となく展開していますが、今月は本年5月に触れた「広告反応率」を合わせて参考にしたい良い折り込み広告です。最初におさらいですが、広告の視線誘導はキャッチコピーが縦書きの場合と横書きの場合で異なること、それぞれにスタート地点とゴール地点が存在する事。そして、ゴールにはユーザーに伝えたい事項を置く、又はイメージとして残り安い物を置くと効果的だと言うことです。
では今月のこのケンタッキーフライドチキンの折り込みですが、一見するとただのサービスチケットの広告なのですが、そうです。それが秀逸なのです。裏面は割引チケットが一面にタイル状に並べられています。その裏面に誘導するために、全ての勢力を注ぎ込んだと言っても過言ではないでしょう。
また、この広告の表部分に横書きの表示はゴール地点のエリアを除けば「新登場」の四角い囲みだけです。新登場の部分もロゴとして捉えるとゴール部分だけが横書きです。現在の広告にきわめて珍しい構成ではないでしょうか。この様に強調したい部分の意味づけがはっきり裏面のクーポン券へと誘導する手法は参考に値します。あからさまに半分ページをめくったイメージを載せるより遙かに効果的だと言えるでしょう。この広告の反応率がとても気になります。