驚きの英国史

驚きの英国史 (NHK出版新書)

驚きの英国史 (NHK出版新書)

もうすぐロンドンオリンピックということで、本屋では「英国」に関する本が並んでいる。HONZでもレビューされていたこともあるし、自分が英国の歴史をあまり詳しく知らないこともあって、手に取ってみる。

「英国」と「日本」の関係と言えば、共通点が多いように思う。立憲君主制をかかげる民主国家、島国など。歴史的に見れば日英同盟。そんな「英国」の歴史は、日本と似たような感じなのだろうか。

全体的に堅苦しい感じの歴史本ではなく、エッセンスを啄んだような内容。基本的に、「英国」に関する雑学的な要素がかなり出てくる。他の「英国」に関する本を読んでみようかなと思わせるものだ。実際にいろいろ漁ってみて、かなりチェックを入れた。


雑学についてたとえば。
マグナ・カルタのオリジナルは4部あって、ロンドンの大英図書館で現物を見ることができるとか、フットボールの他、ラグビー、ボクシングのルールもイギリス人が制定したなど。マグナ・カルタしかり、スポーツのルール化しかり、「標準化」という点にも日本と近いように思う。

中でも面白かったのが、「ゴダイバ夫人」。この人は、「ゴディバ」の由来ともなった人ですが、この人の逸話が面白い。民に重税を課す夫に心を痛め、夫のからかいを真に受ける。それは、裸で馬にまたがり町中を乗り回せば重税を止めるという内容なのだそうだが、夫人は実際にこれをやって、夫は重税を止めたそうな。
もう一つ、ゴダイバが裸を見られる屈辱を受けることがないよう、民衆全員が窓を閉めた中で、一人「トム」という男は盗み見てしまった。これによりできた言葉が、のぞき見るという意味を持つ「ピーピングトム」であるという。思わず「へぇー」とうなる。

「英国」に対して深く知りたい人にはあまりお勧めできないが、ちょっとした子ネタ好きにはたまらない一冊だと思う。


「イギリス社会」入門 日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書)

「イギリス社会」入門 日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書)

こちらも同じ著者の一冊。こちらもどうでもいいような細かい話からちょっと深い英国を知ることができます。上記と同じく、章立てもよく、読み物としてイケてます。