ボニー・レイット feat. ジョン・クリアリ

リトルフィートが1977年リリースの"Time Loves a Hero"を作っていた当時、ローウェル・ジョージの健康状態は最悪でした。メンバーは、彼のリーダーシップに見切りをつけて、セカンドアルバム"Sailin Shoes"を以来のテッド・テンプルマンにプロデュースを依頼、さらに、"Rocket In My Pocket"のスライドギターを、ボニー・レイットに弾かせました。ボニーのプレイを聞いたローウェルは一瞬(?)正気を取り戻し、レコードには、ボニーのではなく、ローウェルのソロが使われることになったそうです。

1985年、リトルフィートのメンバーが再会して具体的に再結成の可能性を検討したとき、故ローウェルに代わる柱を誰にするかが問題になりました。ビル・ペインは、ボーカリストの穴が一番大きいと考えました。自分はもとより、ポール・バレアも、ローウェルの代役は荷が重すぎると判断し、新メンバーのリクルートに走ります。
白羽の矢が立ったのが、"Feats Dont Fail Me Now"の制作時に知り合ったロバート・パーマーと、古くからの友人ボニー・レイットでした。結局、二人にはフィーツ加入を断られ、クレイグ・フラーが新しいメンバーになります。

余談が長くなりました。きょうご紹介したいのは、そのボニー・レイットの2002年のライブ映像です。もし彼女が新メンバーになっていたら、再結成後のフィーツは、どんな音を作り出せていたのでしょう? そんなことも想像しながら見ると、より面白いかもしれません。
演奏しているのは、当時、ボニーのバックをつとめていたジョン・クリアリの"Fools Game"です。ボニーのスライドはもちろん、クリアリのニューオーリンズ風味たっぷりのキーボードも最高だと思います。

ジョン・クリアリ自身の"Fools Game"は、彼の"Moonburn"で聞くことができます。このアルバムの中の"Help Me Somebody"は、個人的にはとても大切な歌で、いつ聞いてもグッと心に滲みこんできます。

Moonburn

Moonburn