2010年12月14日(火)
■[新宗教巡り]るるぶ新宗教 第三回 神慈秀明会MIHOミュージアムの巻

三回目は神慈秀明会です。
神慈秀明会は1970年に世界救世教から分派することで誕生した宗教団体。独立以前は世界救世教秀明教会という世界救世教の最大派閥でした。会長小山美秀子を中心とする彼らは、世界救世教内部でも教祖岡田茂吉(1955年死去)に対する強い信仰を持った原理主義的グループで、中央集権化する教団運営に反発し独立しました。なので小山美秀子ではなく岡田茂吉を教祖とし、「大光明(みろくおおみかみ)」という神様と一緒に岡田茂吉自信を神人合一の存在として信仰しています。
岡田茂吉が信仰上重んじたのが「自然との共生」と「芸術の美」です。実際岡田が作ったMOA美術館は一般的にも評価が高く、国宝が三点も展示されていて熱海の有名な観光地になっています。もちろん神慈秀明会はこの教えを守り、というか純化させていきました。滋賀県にある神苑(みその)との呼ばれる聖地にある礼拝堂ホールは、1983年あの世界貿易センタービルを設計したミノル・ヤマサキによって建てられました。残念なことに神慈秀明会はこの神苑を一般公開していません。しかしその神苑から3キロほど離れたところにMIHOミュージアムという神慈秀明会が作った美術館があるのです。
MIHOミュージアムはJR東海道本線石山駅からバスで50分。滋賀県甲賀市の山の奥にあります。石山駅南口から帝産湖南交通のミホミュージアム行きが一時間に一本ぐらい出ています。
バスは渓流沿いの山道を延々進みます。途中藁葺屋根の建物が見えますが、これは岡田茂吉の「自然との共生」の考えに従った有機農法農場です。
神慈秀明会の入り口を過ぎてしばらく行くとようやく終点のミホミュージアムバス停に着きます。
しかしついたところはレセプション棟。ここから展示棟までは更に1キロほど歩かなければいけません。バスで50分も来たのにこの仕打ち。しかしこれが大事なのです!
この門を抜け緩い坂を登ります。
道の両側には桜やツツジが植えてあります。僕が行ったのは枝垂れ桜がつぼみを付け始めた頃でした。時期によっては花の中を歩いている雰囲気になるそうです。
そしてトンネルを抜け
桟橋の向こうにようやく美術館が!
これがMIHOミュージアムの正面玄関。こうしてようやく到着しました。
この美術館を設計したのはイオ・ミン・ペイ。ルーブル美術館のガラスのピラミッドを作ったことで知られる超一流の建築家です。彼はこの美術館を作るにあたって桃花源記をイメージしました。この美術館は現実から遠く離れた桃源郷というわけです。そういう意味で50分の道のりも、花に囲まれた道も、トンネルも必要な演出なのです。確かに辿りついた瞬間ちょっとした感動がありました。
レセプション棟からは定期的に電気自動車も走っています。環境への配慮だそうです。
グーグルマップで見るとこんな感じ。右がレセプション棟で左が美術館。この美術館、「自然との共生」を意識しているためか山の中に食い込むようにして建てられています。上から見ると漢字の「土」のような形をしているのですが、全体像を眺めることはできません。
ところどころにI・M・ペイが日本伝統の入母屋造を模したガラスの屋根が飛び出しています。
レストランは先ほどの有機栽培農場の野菜で作った料理が食べられます。
玄関を入ってすぐ、正面のガラスの向こうには神慈秀明会の神苑を眺めることができます。
その日は中国人の観光客なのか信者さんなのか、神苑を眺めながらガイドを受けていました。
神苑は一般公開されていませんが、MIHOミュージアムで販売しているガイドブックを買うと神苑の施設の写真が掲載されています。これはミノル・ヤマサキの礼拝堂ホール。富士山がモチーフになっているそう。
これはMIHOミュージアムとおなじI・M・ペイのカリヨン塔。象牙の撥の形だそうです。
MIHOミュージアムの名の通り、展示品は会主小山美秀子(みほこと読む)が収集した作品です。日本の茶器を中心にギリシア、ローマ、エジプト、中近東、ガンダーラ、中国など様々な国の美術品が展示されています。ただ宗教上の問題かキリスト教関係のものはありません。それと作品の撮影は許可されていません。敷地が広いだけあって十分な展示スペースを設けており、作品を展示するのに一つずつ凝った演出がなされていて、展示品が敷き詰められた都内の美術館よりも見応えがありました。たとえば壺一つにしても、ちゃんと花が生けてあったり、作品名や説明のプレートはわざと外したところに置いて鑑賞の邪魔をしないようにしていたりなかなかのものです。
直接的に宗教を匂わせるものはないんですが、所々に会主小山美秀子のメッセージがあります。これだけ見るとちょっとなあと思う人がいると思いますが、現地で見るとそれなりに説得力がありました。いやほんとこれで感化されて入信する人とかいるんじゃないかと。
神苑を含むこれらの施設、そして美術館の収蔵品にあてた費用は一千億円を超えるといわれています。その費用をどう捻出したのかわかりませんが、神慈秀明会は一時期過激なお布施集めと勧誘が問題視されていました。特に勧誘は、30歳以上の方なら「あなたの健康と幸福を祈らせて下さい」と駅前で話しかけてくる信者の姿を見たことがあると思います。それが90年代中頃教団の内外から問題視され、さらにオウム事件の影響で新宗教に対する視線が厳しくなり、神慈秀明会は方向修正を余儀なくされました。勧誘やお布施を改め今では社会性を持った教団になったそうです。新宗教の常として社会性を持つと弱体化していくものですが、昨年滋賀県内の重文指定されているお寺を丸ごと買い取ったというニュースが流れました。相変わらず資金面は充実しているようです。
まあ施設として興味深い部分が多いので時間をかけて行く価値はあると思います。この連載のお約束ですが、信仰は自己責任でお願いします!
http://www.shumei.or.jp/(神慈秀明会HP)
http://www.miho.or.jp/(MIHOミュージアムHP)























こうやって創られました。創価やオウムの比ではありません。。