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2016-01-16

SAT大蔵経DBで仏典を読みながらJapan Knowledgeの仏教語大辞典を簡単に引けるようになりました

今回は、SAT大蔵経データベースJapan Knowledgeが連携して便利になった、という話です。

前置きが長いので、前置きを飛ばしてとりあえずどうなったか知りたい人は、下の方にある「ここから具体的な解説です」というところから見てください。

2008年から、SAT大蔵経データベースでは、「本文をドラッグすると英語の仏教語辞典を引いて意味を英語で表示する」という機能を提供していました。これはチャールズ・ミュラー先生のDigital Dictionary of Buddhism(DDB)の見出し語と意味のデータ(ついでにピンイン表記も)のデータをいただいたことで実現したサービスでした。これは英語圏の方々には大変喜ばれているだけでなく、英語で仏教のことを書いたり話したりしなければならない世界中の(日本も含む)方々からも好評を博している機能なのですが(一方で、あれのせいで学生がちゃんと辞書を引かなくなったと怒っている米国の大学の先生もおられるそうですが)、しかし、せっかく日本で作っているのに日本語の意味を表示できないのはなんとも残念なことでした。

一方で、有料コンテンツとの連携ということもSAT大蔵経DBでは課題の一つでした。というのは、これまで、SAT大蔵経DBは基本的にフリーのコンテンツを集めたり連携したりしてサービス提供をしてきました。しかしながら、著作権保護期間中の有料コンテンツの中には素晴らしいものがたくさんあります。そもそも優良なコンテンツを作成するには費用が発生することが多いので、利用者が個別に支払った費用がコンテンツの作成に回るという仕組みもまた、捨てがたいものがあります。そこで、フリーのデータベースでありながら、適切な対価を支払えば有料コンテンツも使える、ということが実現できないだろうか、それも、学術データベースの文脈から取り組めないだろうか、ということは、プロジェクトの中でもずっと検討されてきたことの一つでした。

ここでの問題の一つは、学術データベースプロジェクトが課金システムを運用できるか、さらには、課金を要するコンテンツを適切に管理できるか、ということでした。20年前ならいざ知らず、現在のその種の業務の要求水準からすると、それはさすがに手を出すには大き過ぎる課題であり、やむを得ずペンディングとなっていたのでした。

そこに、降って湧いたように登場したのが、Japan Knowledgeでの『仏教語大辞典』搭載の話でした。機関契約だけでなく個人契約サービスも提供しており、国内だけでなく、世界中の大学・大学図書館をはじめ、各地にたくさんの契約機関とユーザを抱えているJapan Knowledgeが、SAT大蔵経DBと関係の深いコンテンツを提供し始める、という話をうかがったとき、これは良い機会だ、ということで、さっそくSAT大蔵経DBとの連携の話になりました。ありがたいことに、見出し語と日本語ふりがなのデータと個々の見出し語のURLのリストをいただけることになりましたので、上記のDDBの検索機能をほぼそのまま援用して、SAT大蔵経DBに組み込んでしまいました。その結果、下記のようになりました。

ここから具体的な解説です。

1.まず、右下の小さなウインドウに注目してください。これが今回新規追加されたJapan Knowledge用ウインドウです。

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2.では、まず、お経を一つ、開いてみましょう。一番最初のものを開いてみます。

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3.次に、どこでもいいのでテキストをドラッグしてみましょう。そうすると、右下の小さなウインドウに仏教語大辞典の見出し語検索結果がリストされます。(ここでは、見出し語を最長一致で検索しています。さらに、その際に、異体字での検索も行っております)

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4.リストされた見出し語をクリックしてみましょう。そうすると、ポップアップウインドウが開いて、仏教語大辞典の説明が表示されます。

(ただし、Japan Knowledgeの機関契約か、パーソナル+Rの個人契約をしている必要があります。それから、パーソナル契約のログインをしていない状態でアクセスした場合は最初の表示画面は機関契約向け画面になりますので、機関契約アクセスでない場合はパーソナル契約のログイン画面に行ってログインしてください

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以上です。兎にも角にも、日本語で意味が出るようになったのは一つの大きな前進かと思っております。

これは、フリーのコンテンツと有料コンテンツを有機的に組み合わせてより良い学術デジタルアーカイブを作成・提供していくための実験の一つです。他にも、うまく組み合わせられそうな有料コンテンツがあれば、ぜひ取り組んでいきたいと、個人的には考えております。特に、有料コンテンツを作っておられる皆様は、ぜひ前向きにご検討ください。


ちなみにSAT大蔵経DBは、これ以外にも色々な機能を提供しておりまして、下記のタブから、関連する書誌情報CiNiiの論文PDFを引いたり、英訳対応コーパスを検索したり、単語の登場頻度を見たり、文字の情報を確認したり…と、色々な機能が提供されておりますので、興味があるかたはクリックして開いて、試してみてください。

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