サタデーナイトライブJPN 2011/6/4

構成は福田雄一さんが筆頭で単独名で表記、オークラ以下は二人ずつクレジットに表記。

  • 制 作
    • 港浩一 フジテレビ取締役編成制作局バラエティ制作センター担当局長 
    • フジテレビバラエティ制作センター

アメリカには住んだ事はないけれど、子供の頃にテレビで映画「ブルースブラザーズ」に一目ぼれし、80年代に一生懸命70年代のSNLのビデオ(まだビデオの時代でした)を探していた、初代SNL大好きのだいこくです、こんばんは。*1

「サタデーナイトライブJPN」という番組が始まるのは、放送当日に知りました。生放送を見ながらうっかりtwitterに書きこんでしまったのですが・・・どうにも期待感が大きすぎた&私がこの日本版に関する一番重要な情報を知らなかったがために、ほぼ不満だけを垂れ流してしまいました。後で録画を見直してみたら、皆さん慣れない形態の番組ながら、とてもがんばってたんだなあと実感したものの、さんまちゃん、今ちゃん、岡村さんというプロ中のプロの芸人が「がんばってたなあ」とオイラ程度の素人に思われてしまうのはどうなんだろう、とまた考え込んでしまいました。さんま師匠はフリートークとひな壇の捌きに関しては正に天才ですが、きっちり台本通りにコントをやってくれるタイプの芸人さんじゃないですものね。渡辺直美ちゃんのゆるぎないレイディー・ガガ芸や、平井堅の「歌に思い入れ?ないっす」という傑作なコントは、多分さんまちゃんがあそこまで笑いに貪欲になりすぎなければ、もっと面白かったと思うので。台本通りにピタっとハマってやっていれば。

そして、生放送前に私が知らなかった一番大切な情報

SNLの制作会社と吉本興業は08年夏から協議、提携関係を結んだ。

「なぜ吉本の芸人しか出てこないの?」*2「なぜ『SNL』と銘打っているのに、既に大物のさんまちゃんと今ちゃんがレギュラーなの?」と言う疑問がようやく氷解しました。

製作陣では片岡飛鳥さん、オークラさん、藪木さんしか名前を知らなかったので、他の皆さんの担当番組をwikipediaなどでわかる範囲で調べたのですが、「めちゃイケ」「ピカルの定理」に関わってる方が多いんですね。だから初回ゲストは岡村さんで、レギュラーメンバーは「ピカルの定理」から全員スライドだったのでしょうか。SNLといえば、番組登場時は無名でも、この番組で活躍して世界的なコメディアンになった人を多く輩出している若手登竜門的な番組。だからキャストが全部他の番組で知った顔、というのは筆舌にしがたい残念さだったのですが、もうこうなっては仕方がない。ピース、ノブコブ、ハライチ、モンエンの皆さまには一皮むけてもらいたいです。

吉本と提携していて、制作にも吉本が入っている以上、サタデーナイトライブJPNで一番SNL的でない要素=さんまちゃんを取り除くのは、ほぼ不可能・・・でしょうか。また次回も練習不足で生放送らしいハプニング待ちのコントという、とってもSNLと対極的な番組になってしまうのかな。本家SNLでもハプニングは起こってる*3けれど、コント自体はきっちり台本通りやってる。じゃないと生放送で出来ないから。この辺りをさんま先生に説得する勇気のある方、いないでしょうか。さんまちゃんは、ただ面白い番組にしたい!という貪欲さゆえにああなっちゃったので、決して悪くないというか、さんまちゃんを中心に据えてしまった制作サイドに問題があると思うのです。

あとは、せめてキャストをもうちょっと舞台慣れした演技力のある芸人(たとえばオークラつながりで東京03とかバナナマンとか)に変更・・・と思っても、吉本提携だから難しいかもしれないんですよね。とりあえずニュースのパロディには、そのために存在していると言っても過言ではない吉本芸人の浅越ゴエ先生がいますので、浅越ゴエ浅越ゴエに清き一票を!

次回以降に期待するのは、やっぱりもっと意外性のあるホスト。もちろん、初回にバラエティ慣れしてない俳優さんなんてとても怖くてホストに呼べないのは分かるので、芸人の岡村さんになってしまったのは仕方がない。でも次回からは普段お笑いをやっていない人のホストが見てみたいです。舞台出身の俳優さんなら、生なんて慣れてるし(喜劇のイメージは強いけど古田新太とか、佐々木蔵之介とか)、いくらでも選択肢はあると思うので「豪華」というイメージにとらわれずに、まずは「面白いコント」の出来る人、見たいです。

冒頭のモノローグがないのも、ちょっと残念でした。当然のことながらさんまちゃんと今ちゃんが膨らませまくるフリートークは面白い。でも、それじゃ他の日本のバラエティと同じ。制作の皆さんは「スタンダップコメディの文化のない日本にモノローグは無理」なんて決めつけないで、ちゃんと時事性のあるゲストにぶっちゃけモノローグをさせてみてくださいな。日本の俳優さんたちは、スタッフの皆さんが思ってるほどダメじゃないはず。

なんかクサしてばっかりになってしまいましたが、次回以降はSNLらしい時事性のあるコントがあると信じてみます。現行のキャストでは、まったん、徳井さんの存在感はユニークだし、澤部さんのクドいツッコミは素晴らしい芸だと思うので、この3人や西森さんあたりを中心に、本家によくある強烈なキャラクターコント作ってくれないでしょうか。あくまでも時事性のあるコントが増えるという仮定においてなのですが、時事ネタばかりやってても、作家さんも芸人さんも過労死しちゃうし、視聴者も疲れるので、毎週定型で出来るキャラクターコントは意外と大事なので。*4

あと、ものすごくどうでもいい事なんですが、CM前に挟まれるBumperと呼ばれるアートワーク、本家のは一目で「あ、SNLだな」と分かる、独特の色調補正がしてあって、かっこよいのです。現行では、ただSNLのロゴを入れただけに近いので、あともうひと手間よろしくお願いします、美術さん!

*1:ブルースブラザーズは、版権の問題で映画の公開10年以上たつまでアメリカでもビデオが出なかったり、ジョン・ベルーシが急死してしまったり、随分ファン泣かせでしたね

*2:ハライチだけはナベプロ

*3:シニード・オコナーのローマ法王ビリビリ事件、ジェシー・アイゼンバーグのモノローグにマーク・ザッカーバーグが「乱入」etc

*4:あ、しまった。日本版は今のところ月一放送なのでした・・・。でもピカル出演者を全員取り込んだという事は、ゆくゆくはサタデーナイトライブJPNを毎週放送にするつもりなのかな、と思いまして