お正月の宿題

「日本の戦争責任」って書くと何だか太平洋戦争とか日中戦争とかのかなり昔の話の様にも思えますがさにあらず、今回は2003年に始まったイラク戦争の話題です。
禁止されている大量破壊兵器核兵器、生物・化学兵器など)を隠し持っているとか、911テロを起こしたアルカイダと組んでる等の理由で米英を中心とした国々がイラクへ攻め入ってはみたものの肝心の兵器は見つからないし、アルカイダとの関係も誤認で、むしろ占領が呼び水になって侵入されてしまうし、捕虜への違法な扱いや一般住民を大勢巻き込んだ戦闘等のスキャンダルで威信は失墜するし、自軍兵士にも心身に深い傷を負う者が続出で社会問題化するしで何も良い所の無いものになってしまっています。
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日本も当初から積極的な支持を表明していて、侵攻にこそ参加しなかったものの国連安保理理事国に対し米国への賛同を取り付けようと動いていた様ですし、占領後の復興支援と称して陸上自衛隊航空自衛隊の部隊を派遣していました。その結果、日本の外交官2人が殺害される事件が起こったし、陸自部隊の駐屯地には武装組織の警告射撃と思しき攻撃が加えられた事も有ります。*2
これらの報道を見るにつけ、当時小泉純一郎首相が言った「自衛隊のいる所が非戦闘地域」の文句がいかに無茶なものだったか良く分かります。確かに当時はフセイン配下のイラク正規軍は崩壊していましたが、今度は軍服を脱いだ元軍人や国外から侵入した人間による破壊活動、あるいは地元民兵組織間の衝突が活発化してしまい、かえって先の見えない泥沼状態に突入してしまったからです。
なお余談ですがWikipedia自衛隊イラク派遣の項目には『サマーワは地方都市であるため、首長間や住民同士の付き合いが濃密で、市外からのテロリスト・武装勢力が侵入しにくい点が、専守防衛に徹しなければならない為にテロを阻止することができない自衛隊の救いになっている。』と言う記述があり、とても興味深く思いました。外国から侵入したアルカイダの無差別テロ攻撃に対抗する為スンニ派部族によって覚醒評議会なる組織が立ち上げられ効果を挙げているのは夙に有名ですが、自衛隊員もサマワ住民の活動によって守られていた、といえる様ですね。
この様に日本は積極的な攻撃にこそ加わらなかったものの、開戦に至る政治的過程で決して小さくない働きをしていたみたいですし、軍事要員の派遣と運用に関して非常に無責任な態度で臨んできた訳です。しかも肝心の戦争目的を果たす事が出来なかったのですから何重にも過ちを重ねてしまったと言わざるを得ない状況に陥っています。私は日本の有権者の一人として何故、この様な過ちを政府が犯してしまったか知りたいと思いますし、それが明らかにならない事には責任を果たしたと言えないだろうとも思う訳です。これをウヤムヤにしてしまったらまた同じ轍を踏むのを避ける術が失われてしまいますから。
そこでイラク戦争なんだったの!?と言うサイトで呼びかけられていた【緊急アクション】地元の議員にFAXを送ろう!に乗っかる形で私も地元選出議員の事務所へFAXを送ってみました。もっとも、この運動自体は2009年中には実現できなかった訳ですが、私がこれに気付いたのもだいぶ遅くになってからだったのでむしろ怪我の功名と言う感じでした(苦笑)。結局12月27日ぐらいに送信しています。色々批判を浴びている鳩山政権ですが、個人的には平野官房長官の「自衛隊イラク派遣は違法ではない」発言には驚かされましたし、看過すべきでないと強く思っておりますので、本当にウヤムヤにせずしっかり検証していただきたいと願わずにおれないです。
まったく、折角政権交代を果たしたのにそんな風に自分からシガラミに絡め取られるような事しててどうするのよ、と。(´・ω・`)