John Squireについて。

 ローゼズのthe stone rosesをまたもや聴いてたけど、やっぱりアドアードはありえないな。カッコ良すぎる!イントロからビリビリ来るし、全体的に完璧すぎる。
 アルバム聴いてて思ったのが、やっぱりジョンのギターはアルペジオのバッキングがキモだな。さりげなく入るフレージングが秀逸。あんまり前に出てこない感じが一番好きだ。普段は控えめだけどキメるときはキメるのがね、いいんですよ。そういうギターに一番かみ合ってるのが、イアンの押し付けがましくなく一歩引いたボーカルだと思う。あのボーカルはホントに楽器みたいだよね。イアンが出たらジョンが後ろに下がって、イアンが下がったらジョンが前に出てっていうね。Made of Stoneなんて特にそんな感じがする。お互いの良さを最大限に引き出す掛け合い。やっぱり仲が良かったのもあると思うし、とにかくこの二つの”楽器”の相性はヤバいですね。
The Stone Roses [FROM US] [IMPORT]

つづき

 それでファーストに関して言うと、ジョンはギターソロが苦手。レザレクションの後半部に入るソロもまあまあ良いし、僕は好きなんだけどフレーズ的にちょっと簡単すぎるかな(後半部の無音部分の後のアレね。後半部の前半ソロはカッコいい)。あの曲はソロよりもバッキングやカッティングの方が光ってる。セカンドになってソロが劇的に巧くなり、リフを作る能力も飛躍的に成長してると思う。だけど、バッキングの重要さを忘れがちになって(完全に忘れた訳じゃないです。ten storey love songなんかはファーストの路線だと思う)前に出すぎてるところが玉に瑕(キズ)だな。そのおかげで、イアンがすごい居心地悪そうなのが曲聴いてても分かる。イアンの重要度がファーストに比べて格段に低くなってて、良さを活かしきれてない。ライブ映像でもジョンが陶酔ソロ弾いてるところとかめちゃヒマそうなんだよね。セカンドはセカンドで全く違う魅力があってこちらも好きなのは好きなんですが、もともとのローゼズの良さはそうじゃないんだよって、当時のメンバーに言ってやりたい気分ですよ。そういう路線の延長で出たthe seahorses(ローゼズ解散後のジョンのバンド)のアルバムはもうジョン一人の自己満足アルバム化してて、聴きやすいけど魅力が全然ないからな。

Mani

 ただ、ベースのマニに関して言うと、セカンドの方が本領発揮してると思う。ファーストのマニはイアン・ジョンと同じく一歩下がってる印象があって、ベースの役割を忠実に果たしてると思う。その中でもアドアードのイントロやレザレクションとかで、キラリと輝いてる。セカンドになるとジョンと同じく、技術的に格段にレベルアップしてて「これはマニじゃないと弾けない」っていう印象的なフレーズがザックザック出てきてる。Breaking into heavenのジョンとのユニゾンは完璧だし、Begging youでの畳み掛けるような激しいベースはもう言うことない。マニのこういう魅力はPrimal screamの「Kowalski」(vanishing point収録)やU.N.K.L.E.の「Reign」(Never Never Land収録)を聴くと「やっぱりマニはすごい」っていうか「いかにもマニっぽいな」って嬉しくなりますね。UNKLEの「Reign」は僕の友人MÅ$Åさんのブログ「Make it happen...」でPVを視聴できますよ。

戻って

 このアルバム、スルメって言うとなんか言い尽くされた感もあるから、新しい解釈としてマトリョーシカってどうでしょう。開けても開けても中身が出てくる。最終的に空っぽじゃ困るけど(笑)。
 話は変わって、昔のロッキング・オンが中古で売ってたんですが(95年7月、ローゼズが表紙)、その中で気になる部分があった。ローゼズに関して僕はリアルタイムじゃないからわかんないけど、当時ロキニョンがローゼズを相当祭り上げてたそうですね。そんで、「the complete stone roses」の広告が中にあったんだけど”初回プレスのみ完全未発表曲(2曲)入りボーナスCD付き”みたいな事が書いてあって。知ってる人は知ってると思うんですが、その未発表曲っていうのが一つが完全な捨て曲・もう一つがShe bangs the drumsの単なる逆再生。この2曲、もっともらしいタイトルが付いてる割にははっきり言っていらないんですよ。聴く価値無いから完全にコレクターアイテム。そんなのを出すシルバートーンもシルバートーンだけど、いかにも”限定”とか煽ってるのも問題だと思った。広告だからコレに関してはロキニョンは別に悪くないとは思うけど、これが当時の風潮だったんだなって今になって感じましたね。