森を見ぬ人

2015/03/16

死ねば何も残らない 釈尊(スッタニパータ)とマルクス・アウレーリウス(自省録)

ブッダのことば − スッタニパータ』 中村元

第四章「八つの詩句」、第六経「老い」

806 人が「これはわがものである」と考える物、――それは(その人の)死によって失われる。われに従うひとは、賢明にこの理を知って、わがものという観念に屈してはならない。

808 「何の誰それ」という名で呼ばれ、かつては見られ、また聞かれた人でも、死んでしまえば、ただ名が残って伝えられるだけである。


マルクス・アウレーリウス 『自省録』 神谷美恵子

第四巻 19

死後の名声について胸をときめかす人間はつぎのことを考えないのだ。すなわち彼をおぼえている人間各々もまた彼自身も間もなく死んでしまい、ついでその後継者も死んで行き、燃え上がっては消え行く松明のごとく彼に関する記憶がつぎからつぎへと手渡され、ついにはその記憶全体が消滅してしまうことを。しかしまた記憶する人びとが不死であり、その記憶も不朽であると仮定してみよ。いったいそれが君にとってなんであろうか。いうまでもなく、死人にとっては何ものでもない。また生きている人間にとっても、賞賛とはなんであろう。せいぜいなにかの便宜になるくらいが関の山だ。ともかく君は現在自然の賜物をないがしろにして時機を逸し、将来他人がいうであろうことに執着しているのだ。


素晴らしい。釈尊はいふまでもなく、マルクス・アウレーリウスも。五賢帝最後の皇帝、つまりパクス・ロマーナ確立されたときの最高権力者が斯くも名声を求めず実直であらうとは。

2015/03/09

チリが今年から一年中サマータイムにするさう

チリは本土とイースター島の2つの標準時を持つてをり、それぞれUTC-4、UTC-6の時間帯である。また、夏にはそれぞれ1時間進みUTC-3とUTC-5となる。現在は夏時間が使はれてゐるため本土はUTC-3で動いてゐる。南半球でありこれから冬に向かふわけだから、サマータイムがそろそろ終はる筈である。ところがチリは今年、時間を戻さずに本土ではUTC-3を使ひ続けるといふから驚いた。世界地図を見ると地理チリは西経75度にかかつてゐるから、本来本土はUTC-5でもいいくらゐである。なのに地理上の位置から2時間も早めることになる。なほ、西経45度はリオ・デ・ジャネイロ辺りだ。

私個人は、夜はずつと明るくまた朝は暗い中から空が白んでくる感じが好きであり、さういふ理由サマータイム導入賛成だつたが、この発想はなかつた。日本で1時間早めようとすると東経150度規準になる。択捉島より少し東、得撫島Google IMEすら変換しない)にかかる。南鳥島は東経約154度なので辛うじて領土範囲内。チリに比べりや餘程マシである。日本でもやつてほしいなあ、是非。

2014/07/06

集団的自衛権、閣議決定

安倍内閣集団的自衛権について憲法解釈変更の閣議決定をした。個人的には集団的自衛権それ自体は賛成だが、今回のやり方は拙速でよろしくないと思ふ。

懸念なのは、米国戦争に付き合はされる程度が増すであらうこと。集団的自衛権日本は有すべきだと思つてゐるので、最終的には同盟国の要請には応へていくべきだと思ふが、日本は未だイラク戦争の総括すらできてゐないのに、今急いでやるべきだつたのか。集団的自衛権を有する様になることで、自衛隊にどのやうな支援が必要になるのか、よく分析調査せねばならないと思ふ。中東イラク情勢がまたまた混迷を極めてきた。こんなの米国中東政策の大失敗が根源だらう。このタイミングでやらねばならぬ理由がわからない。もつと議論すべきことがあつただらうに。

理想日本軍隊をもつて、米国追随するんぢやないできるだけ対等な(完全対等は無理でも)関係を築いて、米国の意嚮を丸呑みしない形がよいんぢやないかなあ。難しいけど。

あと、集団的自衛権保持に根本から反対してゐる方々は、多くは平和憲法精神に反するからといふ全うな理由だと思ふんだけど、中国人朝鮮人韓国人)と一緒に批判するのは逆効果もいいところだから。これは国内問題であり外国は関係ないし、軍隊が必要(果ては9条破棄)だと考へる人々は、中国を脅威だとする理由が第一なんだから。朝鮮半島だつて休戦とはいへ戦争てゐる最中である。自分のことを棚に上げて日本批判するなんてどうかしてる。逆効果だつてこと理解してるのかな。日本だから内政問題でも口出しやすいのかもしれないけど。それを批判しない日本政府も甘ちゃんなんだよ。前述の平和憲法理念の方々は真つ直ぐなんだけど、全然一般の日本人に声が届いてゐない。外国人とは組まない方がいいよ、この安全保障平和憲法)については。声のでかい左翼つぽい人は活動やめた方がいい。目的が最早わからない。平和活動への支障とすら思へる。

もう一度、現時点で集団的自衛権を容認したこと、これは反対。一方それへの主に左翼つぽい人の反対の仕方も反対。外国人と結託するなんて以ての外。

2014/06/25

帝銀事件はこうして終わった―謀略・帝銀事件

面白いなあ。近所のかかりつけの歯医者についての「俺はどういうわけか、あの歯医者帝銀事件の真犯人のような気がしてならないのだ……」といふ印象が、自分人生をかける帝銀事件への捜査にならうとは誰が思へようか。コレは本当に著者の帝銀事件に対する人生をかけた調査集大成といへる。だからこそ真に迫る内容でグイグイ引き込まれる。他の帝銀事件関連本は未読ではあるけど、これだけ読めば実行犯はこの歯医者であること、背後はよくいはれるやうにGHQであることは信じてしまふ。しかし書名にある通りに「帝銀事件はこうして終わった」とはなほいへないと思ふ。

GHQが旧陸軍登戸研究所毒薬「ACH=アセトンシアンヒドリン=青酸ニトリル」を試すために、10数人の民間人を殺すだらうか。目的に対する手段が残虐すぎる。ここに違和感を感じざるを得ない。警視庁米国公安当局が持つてゐるらしい秘密が明らかになつた暁に帝銀事件に真に幕が下りるのではなからうか。

2013/12/28

安倍首相靖国参拝

首相靖国神社に参拝することは本来なんの問題もなく本人の思想信条に基づき自由にすればいいことだと思ふ。ことを問題化しややこしくしたのは朝日新聞を初めとする左翼メディアに他ならない。外国靖国神社宗教的本質を理解して批判はしていない。一次ソースは左記メディア報道によるもの。

一方安倍首相自分の信念をしつかり説明してゐない。説明できないなら参拝なんてすべきではない。思想A級戦犯なんて認めたくないのだらうがそれを説明することができないといふことなんだらう。所謂戦後レジームの脱却に関はる部分だし。

靖国神社A級戦犯分祀できないといふけれど、それはそれで如何様にでも対処はある筈である。私は戦死した兵士刑死した人間は分けて扱ふべきだと思ふ。これで首相は勿論天皇の親拝も叶ふものになると思ふ。例へば、東條英機御霊なんてわざわざ参拝する価値があるとは思へない。東條は、当時の国難を考慮しても日本国民からすれば日本敗戦させ疲弊させた当時者だ。その他戦犯も大体はさうだらう。ただ、経緯が無茶苦茶な東京裁判を根拠として扱ひを分けるのはやりたくないので、戦死か否かで分けたらよい。

この問題の解決の近道は靖国神社の方針変更しかないと思ふんだがね。また神道サイドのメッセージ発信も少なすぎる。これは失望するほどに。中国韓国は騒ぐことが目的だからどうでもいいけど、誤解され続けて黙つてるつて恥ですよ、これは。

もつと根本的には、明治以降に形づくられた神道の再考までいくと面白いんだけどなあ。新時代天皇役割も見えてくるんぢやないの?外国との親善国民との関はりだけでなく、真に伝統的な役割も大いに国民に知るところで活動してほしいと個人的には思ふ。政教分離に抵触するかはわからないけど。

因みに首相靖国参拝法律的解釈はわからないが本人の思想信条に基づき信教の自由で保障されるものだと考へる。