トンデモ

日本語の正体―倭の大王は百済語で話す

日本語の正体―倭の大王は百済語で話す

 ネタなのか真面目なのか。論文なら大いに問題がある内容だが、論考としてなら面白いかもしれない。確かに自国文化に対する過剰なプライドに辟易させられる部分はあるが、まぁ読めないほどでもない。8割のネタと、2割の学術性といったとこか。この手の読み物としちゃ十分。
 そもそも言語の源流なんてもう解明不可能なんだろうから、言っちゃったもの勝ちである。別に日本語の起源が朝鮮にあろうが、インドネシアにあろうが、モンゴルにあろうが、現代の日本人と日本語には何の関係もないわけだし。
 言葉にせよ文化にせよ独立性を獲得したものの起源について、国粋主義的観点から優位性を誇るのは馬鹿がすることだと思う。そしてその馬鹿と同じ土俵におりてヒステリックに批判するのもまたおなじレベルの馬鹿のすることである。