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2016-06-25 「『SPANK HAPPY フォロワー』正式認定。」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

「粋な夜電波」第265回放送は、「アーバンギャルド」のヴォーカル浜崎容子さんゲストに迎え、「元スパンクハッピー菊地成孔と、現アーバンギャルド浜崎容子の粋な夜電波」と題した特集回。

第2期「SPANK HAPPY」に多大な影響を受けたと公言する浜崎さんの音楽を、菊地先生が知ったいきさつについて語られた部分を文字起こししてみました。

昭和九十年(初回限定盤)

昭和九十年(初回限定盤)

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菊地 はい、「菊地成孔の粋な夜電波」。本日は…何て言うんですかね、「春の特番」ていうか「初夏の特番」という感じでですね、ジャズミュージシャン、そして…一日中見つめていたい人…「今あなたは一日中見つめていたい人は誰ですか?」という質問に対しての回答が、あばれる君の菊地成孔と(笑)…

浜崎 「菊地成孔の浜崎容子♡」

菊地 おっ!…そのキクチナルヨシは、ワタシの聞き違えでなければ、私の事ですかね。

浜崎 そうです(笑)。

菊地 浜崎さん、キャバクラ嬢みたいな答え、やめてください。

浜崎 (笑)。

菊地 そんな要らぬサーヴィスは…まだお会いするの3回目…ですので。…の、お二人で「現アーバンギャルドの浜崎容子と、元スパンクハッピーの菊地成孔の粋な夜電波」と題してお送りいたします、と。

浜崎 よろしくお願いしまーす。

菊地 よろしくお願いします。えーと…「元スパンクハッピー」は流石にね、この番組…全国の地方のお年寄りとかも聞いてますんで、「何の事かのう〜。」って言われたらそれっきりなんですけど(笑)。

浜崎 (笑)。

菊地 ま、ワタシは幾つかのバンドを現在もやっておりまして、dCprGとかですね…やってるんですけど。

浜崎 はい。

菊地 やってる事が…ね、そんなに自分ではそうは思えないんですけど、やってる事が複雑過ぎるんだかなんだか、いわゆる…影響を受けた、チルドレンみたいな…

浜崎 ああー。

菊地 はい。音楽的な影響関係を表明してくださる、あるいは表明しなくても聴けば分かる…というような感じの…

浜崎 うんうん。

菊地 フォロワーって言うんですかね。

浜崎 そうですね。

菊地 今「フォロワー」って言うと何か特別な用語になっちゃってますけど。

浜崎 (笑)。

菊地 音楽的なフォロワーというかね。

浜崎 はい。

菊地 …が、全然いない、孤独なタイプだったんですけど。

浜崎 えっ。そうなんですか。

菊地 はい。そうなんですよ。…なんですが、その昔、「SPANK HAPPY」ってバンドをやってまして、1st「SPANK HAPPY」と2nd「SPANK HAPPY」ってのがあるんですけど。全然音楽性違うんですが。

浜崎 うん。

菊地 その2nd「SPANK HAPPY」…てのは解散してしまって、もう無いんですけれども。「その『セカンド・スパンクハッピー』の影響をどうやら受けていると思しきバンドがありまっせ。」…っていうタレコミのようなものが入りまして。

浜崎 はっ。どちら様が?

菊地 ファンの方です。

浜崎 ああ〜。そうなんですね。

菊地 ワタシSNSとかやらないので、ファンメールで送られてまいりまして。

浜崎 はい。

菊地 「何てバンドですか?」…あ、それ相当前ですよ。

浜崎 うん。

菊地 あの…2年や3年じゃないですけど。何年ぐらい前かなあ…5〜6年前だと思うんですけど。

浜崎 あっ…だいぶ前ですねえ。

菊地 はい。…に送られてきて、で…「何てバンドですか?」って訊いたら「アーバンギャルド」って言われて。

浜崎 おおーっ!

菊地 「へえ〜。『アーバンギャルド』って『アヴァンギャルド』の事かなあ?」っていうぐらい、何にも知らなかったんですね。

浜崎 (笑)。

菊地 その頃は全然。天馬さんのことももちろん…

浜崎 当然です、それは。

菊地 それで…まあ、確かに2nd「SPANK HAPPY」なら、可愛い女性がいて、歌の上手な…で、気持ち悪い男が…笑)。

浜崎 (笑)…そんなことないですよ。

菊地 気持ち悪い男が一人いればですね…。

浜崎 (笑)。

菊地 あの頃は「気持ち悪くいこう。」と思ってたんですよ、ほんとに。

浜崎 (笑)。

菊地 もう…カッコいい全盛の時代だったの。90年…渋谷系ってのは。

浜崎 うん。

菊地 …の時代だったんで、なんか…「気持ち悪ぃ〜、コイツ!」みたいな感じで(笑)。

浜崎 (笑)。

菊地 で、すんげえ可愛い女の子…ま、2nd「SPANK HAPPY」ってのは岩澤瞳さんっていう、もう引退されてしまいましたが…方と、ものすごい気持ち悪ぃ奴…ま、それはワタシなんですが、二人でデュエットチームでやってるっていう。それだったら今ね、フォロワーみたいな人が出てきてもおかしくないのかな?と思って聞いてみたら…

浜崎 はい。

菊地 確かにまあ(笑)…ワタシの言う事では無いんですけど、直接…天馬さんにももうお会いしましたし。あ、天馬さんってのは「アーバンギャルド」のリーダー

浜崎 「気持ち悪いほう」ですね(笑)

菊地 気持ち悪い男のほう(笑)。でもよく見たら天馬さんって、すごいハンサムですよね。

浜崎 そう…ですか…ね?

菊地 そんな感じですか。

浜崎 あの…顔が濃いとは思うんですけど。

菊地 ああ、そうですか。ま、ウチらは…これもすごい古い言葉…古語っていうか死語ですけど、「カルト」のバンドとして…。

浜崎 カルト的な…っていうことですよね。

菊地 はい。もう地下バンドとして、闇から闇へだったんですけど。

浜崎 (笑)。

菊地 「アーバンギャルド」は、もう時代的にも…ウチらは…2nd「SPANK HAPPY」は、まだ健康的であらんとした時代に、やや病理的であるという事と、あと恋愛の時代に性愛を…しかも倒錯的な性愛ですよね。その…インセストとか…あんまりラジオで言っちゃいけないのかな。

浜崎 うんうん。どうなんでしょう。

菊地 まあ…インセストなら大丈夫でしょう、きっと。…とか、ですね。

浜崎 はい。ググってください。

菊地 あとファザコン…などを扱っていたので、まあ…相当異物感があったわけですけど。

浜崎 うん。

菊地 もう時代は、そうでもないですもんね。

浜崎 なんか…「病み」とか、普通の子たちが「病むわ〜。」「死にたい。」とか言っちゃいますね。

菊地 そうそうそう。

浜崎 ね。

菊地 まあ…神経症の平均値が上がってきたってことですよね。

浜崎 (笑)。

菊地 上がる…原理的にそうなってるんですけど。そんな時代ですので…つまり何が言いたいのかっていうと…

浜崎 はい。

菊地 「スパンクハッピー」や「アーバンギャルド」というバンド名を初めて聞いた方、たくさんいらっしゃると思いますが。

浜崎 そう思います。

菊地 「説明はしません!」っていう…(笑)。

浜崎 (笑)。

菊地 浜崎さんは、今も活動中であられますところの、「アーバンギャルド」のほうの、ヴォーカルの方なんですが。

浜崎 はい。

菊地 6年ぶりにソロアルバムを出したということですね。

浜崎 そうなんです。6年ぶりです。

菊地 だから…ワタシがタレコまれた時あたりに、ファーストのソロ・アルバムが出てたってことですね。

浜崎 そうですね。タレコミの頃です、多分。

菊地 ですよね。

浜崎 うん。

菊地 で…6年ぶりに出た、と。ワタシはその間に…まあ、言っちゃあね…本人に確認したわけじゃないんですけど、「これはフォロワーと言って差し支えないのではないかな。ありがたいことだ。」と思いながら…

浜崎 それはでも…本当に嬉しいです。

菊地 あ、そうですか。

浜崎 もう…認定されたかったんですよ。

菊地 (笑)。

浜崎 公認?…公認されたかったんで(笑)。

菊地 公認…ですか?

浜崎 はい。

菊地 公認ってのは、ワタシが認めればいいんですか?

浜崎 そうですね。もう「フォロワーだよ!」っていうふうに、御本人…菊地さんに…

菊地 ああ、はいはい。

浜崎 仰ってもらえたら、幸せだなぁ〜と思ってます。

菊地 公認します!

浜崎 わっ!

菊地 (笑)…公認します。

浜崎 もう…どうしましょう、これ。保存版です。永久保存版です。

菊地 そんな…大した話じゃないと思いますけどね(笑)。ワタシが公認したところで。

浜崎 (笑)。

菊地 まあ、ここら辺はね…音楽のことですからね、ほんとに微妙な…

浜崎 はい。

菊地 「俺のフォロワーがさぁ〜…」みたいなのは、一番ワタシ苦手なんで。上からってのが。

浜崎 (笑)。

菊地 …なんですが、とても素晴らしいバンドで。

浜崎 ありがとうございます。

菊地 今日はお互い…ワタシが「アーバンギャルド」で一番好きな曲、浜崎さんが「スパンクハッピー」で一番好きな曲ってのを、今ブラインドで…。

浜崎 そうなんです。まだ私聞かされてなくて。

菊地 ワタシも聞かされてないです。

浜崎 そうですよね。

菊地 なんですが、とりあえず四の五の言わずに、ワタシが作詞のオファーを受けて、このアルバム…「Blue Forest」というアルバムです。6月15日に発売となっております。

浜崎 そうなんです。みなさん買ってください。

菊地 はい、買ってください。CDが売れない時代だって言われてますけどね。

浜崎 そうなんです。じゃiTunesでもいいです。

菊地 iTunes…あのね、アメリカなんかじゃ誰もCD買わねえよ。みんなiTunesだからさぁ。」って音産の人…音楽産業の人は言うんですよ。音産の人は。

浜崎 うん。

菊地 だから「日本でCDが売れなくてもいいんだ。」みたいなね。ある種の理屈なんだけど。

浜崎 うーん。

菊地 日本は配信もあんまり売れてないんですよ。結局、何にも売れてないんです、日本は(笑)。

浜崎 (笑)。じゃあ、何を売ればいいんでしょうか。

菊地 何を売ればいいんでしょう。ライブ…じゃないですか。

浜崎 ああ〜。

菊地 音楽ソフトデジタル情報としての音楽は無料(タダ)で聞けるもんだと、これからどんどんどんどん若い子は思っていくと思うんで。

浜崎 あ、そうだと思います。最近の子たちも「大好きです。YouTubeで聞いてます。」って言う子がすごく多いです。

菊地 多いですよね。

浜崎 驚きます。

菊地 驚きますよね。いやぁ…お若い浜崎さんが驚いてるわけですから。

浜崎 いえいえ。

菊地 え〜…レディーに年齢を訊くのは本当のタブーですけど。公認してる側として訊かせていただきたいんですけど、お幾つですか?

浜崎 それは言えないんです。

菊地 (笑)。浜崎さん、歳バレNGなんだ。

浜崎 NGです(笑)。

菊地 なるほど、わかりました。じゃ、もう1個訊いていいですか。

浜崎 はい。

菊地 浜崎さんって、ちょっとヤンキーだったりしませんか?

浜崎 何でですか?

菊地 なんとなくワタシの勘なんですけど。

浜崎 全然でしたよ〜。引きこもりでしたよ(笑)。

菊地 引きこもりでした?

浜崎 はい。どの辺にヤンキー臭がしましたか。

菊地 えとね…顔(笑)。

浜崎 顔!

菊地 すいません(笑)。

浜崎 あ、でも…Sっぽい顔だとは言われるんですけど。

菊地 いや、「Sっぽいルックスだね。」って言われてるほとんどの人がMですよね。

浜崎 もうドMです。

菊地 ですよね。もう見るだに「この人…挙動不審だし、Mだな。」っていう(笑)。

浜崎 (笑)。ヤンキーじゃないですけど、ちょっとギャルっぽいお友達は多かったですね。

菊地 はいはい。

浜崎 兵庫県出身なので。やっぱり地方ということもあり、ギャルっぽい女の子が多かったです。女子校だったし。

菊地 はい。あの…兵庫県とかギャルとか…ヒント出してると、年齢がだんだん推定されてしまいますよ。

浜崎 いいです(笑)。

菊地 いいんですか、本当は38だって事が分かってしまっても(笑)。

浜崎 そんなにいってないです(笑)。

菊地 すいません。今…高目にヒド目に言ったほうが、Mなのでお喜びになるかな?と思って、言ってみたんですよね。

浜崎 心がゾクッとしました(笑)。

菊地 ああ、そうですか。分かりました。やっぱり…全然違いますよ。実際はね、今目の前にいるので、よく分かりますけど。肌の色艶とか見るだに、23ですからね。

浜崎 (笑)。

菊地 (笑)。

浜崎 あ、でもヤンキーっぽいって言われたの初めてです。

菊地 あ、ほんとですか。

浜崎 どの辺がだろう。

菊地 あの…それに関する深い掘り下げは、収録が終わってからゆっくり…。

浜崎 わかりました。

菊地 というわけで、1曲。ワタシが作詞させていただいております曲が、届きました。

浜崎 はい。

菊地 届きまして。届いてすぐ…の感想は…

浜崎 はい。

菊地 あれ?…これ俺の曲なんだけどな。

浜崎 (笑)。

菊地 (笑)。

浜崎 あのデモですか。

菊地 そうデモを聞いて。イントロからこう…段々聞いてって、あれ?って思って。

浜崎 (笑)。

菊地 あれ?…「スパンクハッピー」のアウトテイクスかしら?って一瞬思って、よく聞いたら「ああ…オリジナルだわ。」と思って。

浜崎 (笑)。

菊地 それでは…だいぶ話が長くなりましたが、ワタシが最初自分の曲だと思った(笑)…2nd「SPANK HAPPY」のファンの方が聞いたら、同じように思うと思いますけどね。

浜崎 (笑)。

菊地 「ANGEL SUFFOCATION」という曲です。聞いてください。

Blue Forest

Blue Forest

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Computer House of Mode

Computer House of Mode

2016-06-18 「『新宿菊地シュラン』でお薦めのトラットリア。」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

TBSラジオ菊地成孔の粋な夜電波」第264回放送は聴取率調査のスペシャルウィーク

新宿菊地シュラン★菊地成孔が通う【新宿のうまい店】史上初!音楽付きラジオグルメガイド』と題して、新宿の美味い店を紹介しながら、その店や料理にマッチする音楽をオンエア。

菊地先生十年来の行きつけのトラットリア「プレゴプレゴ」を紹介されたところを文字起こししてみました。

「ビュロー菊地チャンネル」の「偽Instagram」にも、よく料理の写真がアップされているお店ですね。いずれ行ってみたいです。

Champion Sound (Reis) (Dlx)

Champion Sound (Reis) (Dlx)

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と、まあ…こんなキャンプな話は例外的でして。

今、新宿は…ていうか、東京は…ていうか、日本は、もう料理の重さは重からず軽からず…ね、絶妙で。皿…全皿、店にあるのは全部美味くて。ワインの品揃えも適度に良く、しかも安くて気が利いている。ついでに厨房の子も給仕の子もみんなイケメン。数少ない女性スタッフもみんな綺麗…っていうね。完璧なトラットリアが掃いて捨てるほどありまして。

これはアイドルサバイバル戦争に匹敵する激戦状態なのは、まあ…地方の方でも御存知の通りだと思いますね。

世界中探してもこんな国無いです、ほんとに。

さて、ここまで喋れば、ワタシの古くからの御贔屓筋におかれましては、「そろそろあそこの名前が出てくるな。」と、もうニヤニヤしてる方もいらっしゃると思いますが、御察しの通りでございまして。

本日2軒目の御紹介は…一回しか言わないですよ…「トラットリア プレゴプレゴ(PREGO PREGO)」ですね。「プリーズ プリーズ」ね、「プレゴ プレゴ」はね。

ここはもう常連になって十年以上ですし、一時期は週3で通ってまして。多い日は週6ぐらいありましたよね。

最初はまだガキくさかった店員たちも、もうすっかりたくましくなりまして。「最低でもあと30年はよろしくね。」といったところなんですけれども。

いわゆるポスト90年代スタイルのトラットリアとしては、新宿で最も古く、そして最も美味い。ま、ぶっちゃけ…恵比寿の「イル・ボッカローネ」…ね。今でも健在ですけどもね。日本で最初にでっかいパルミジャーノの塊にブロードで炊いた雑炊ぶち込んでね、練って練ってリゾットにして、直接皿に提供する…あれと、スカンピね…手長エビですね、あれを提供したことで、日本におけるイタリア料理史に名を刻む名店があるんですが、あそこのパクリですけどね(笑)。常連特権でラジオで言ってしまいましたけどね。

ただね、未だにフレッシュなメニュー作りと、あとやっぱり新宿っていう人がどんどん回転していく街…でデートした帰りのカップルさんや、新宿者の女子会の皆さん…もう新宿としか言いようがないローカリティで、大変な活気がありまして。もうパクリとは言わせない…ね。下手したら本家超えてんじゃないの?というね。奇しくも本家超えの話が続きました。

ディスクユニオンの新宿ジャズ館CD買いに行く…ね。まだそんな事やってる…ワタシもやってますけど(笑)。なんて好事家の皆さんね、あそこの隣の1階がファーストフード天ぷらの「てんや」…のビルの4階ですんで。

ロバート・グラスパーのね、残念なマイルスリミックスでも買った帰りにでもね(笑)、チラッと今「軽ディス」が入りましたけど。もうちょっと仕事してよ、グラスパーって感じですけど。え〜…寄ってみてください。

はい、お一人様でも全然オーケーです。「もう食えねえや!」ってほど食って、一人3000円いかないです。

ここで実際流れてるのがですね、これがですね…ハードバップボサノヴァと並ぶ万能BGMであるところの、売れ筋R&Bなんですけど(笑)。

これはあの…ま、大向う特権でね、ラジオで言っちゃいますけど、店長はじめ料理人の多くが元ヤンっていうね、元ヤンキーっていう(笑)。

夜中に行ったりすると、「菊地さん、聞いて下さいよ。」って喧嘩の話になるっていう、若い頃した…。

もう全員がね、いい子たちで。もう最高のシチュエーションなんですけど。

ま、そういう側面も影響してるんだかしてないんだかね、R&Bとにかく最強なんで。とりあえず現状ではフィットしちゃってるんですけれども。

ここはひとつ、もう一声のマリアージュということで。

「ポスト90年代式」らしく…あの〜この用語はですね、80年代に原宿の「バスタパスタ」で勃興したイタリア料理革命ね、その前までの70年代は暗黒時代でしたから。「キャンティ」なんてね、伝説の店ですけど、相当ヤバい料理出してましたからね。

…を受けて、90年代にイタリアに修業に行ったの、大量の日本人が。

その日本人の料理人がイタリアで直接勉強してくると、勤勉なんで、凄い腕をつけて帰国したわけですね。で、彼らが帰国して一斉に始めて、まあ…90年代後半から00年代初めにかけて、東京のトラットリアの水準がグーンと三段ぐらい上がるんですけど。一種の革命後モダニズム運動ですよ、これね。…なんですが、それはまあ、「90年代式」とワタシ呼んでるんですけど。

ま、90年代合わせで、ちょっと渋谷系DJみたいなことになっちゃうんですけど(笑)、「やっぱ…今またこの辺りかな?」っていう…ね。

はい、エンリオ・モリコーネいきましょうかね。

ヘイトフル・エイト」…タランティーノのね、あの映画アカデミー音楽賞もらいましたけどね。まあ…オリジナル・サウンドトラックより、その前のタランティーノのジャンゴ」に提供した昔の曲のほうが、はるかに良かったですけどね(笑)。まあ、あそこは名誉賞っていうとこでしょうかね。

まあ、あれですよ…クインシー・ジョーンズとエンリオ・モリコーネ…お互いお爺さんですけど、あの抱き合ってるところとかね、感涙無くして見れませんでしたけど。まあ、余談はともかく。

ガチガチの勝負デートだと思うとね、ちょっと軽やかで洒落過ぎてますけども。仲良しの軽くて楽しいデートなんかには、もうピッタリですね。

90年代の小西さんとかのね、お洒落レア盤呪い…も解けた昨今ですから、若い方に90年代に流行ったイタリアン・シネ…「チネ」って言うんですけどね…「チネ・ジャズ」なんて言うんですけど、そういった物がどう聞こえるか…ね。

どうパスタに合って聞こえるか。ペペロンチーノに合って聞こえるか。楽しみですね。

では、はい、お聞き下さい。

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エンニオ・モリコーネ・イン・ラウンジ

エンニオ・モリコーネ・イン・ラウンジ

One Hundred 50's Favourites

One Hundred 50's Favourites

2016-06-11 「『ガンダム』に『dCprG』。」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

「粋な夜電波」第263回は、先週に引き続き「『機動戦士ガンダム サンダーボルト』オリジナルサウンドトラック特集」。

急遽、dCprG新曲OST盤に収録されるに至った経緯を語られた部分を文字起こししてみました。

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菊地 はい。さて、時間も…なんですので、えっと…まあ、そうだな…最大のトピックって言っちゃうと、あんま良くないんだけど。もう既に散々話したように、ジャズ大西順子)さんを擁するモダンジャズメン…現代のモダンジャズメン達の演奏が半分、それからワタシが作曲作詞もアレンジも全部やった…そして非常に英語が流暢な…とても上手なシンガー達による50'sポップス…と、これだけでもう本当は番組では…本当は10…全部の曲、紹介しようと思ったんですけど、間に合いませんでしたが。それでも半分以上いったかな?…16曲入ってますから。

小形P はい。

菊地 これ、もう…ちょっとしたアルバムですよね。

小形P そうですね。アルバムですよね。

菊地 ジャズのミニアルバムとポップスのミニアルバムの、質の良いのを2枚買ったかたちになるんで。

小形P はい。

菊地 で、そこにですね…さらに盛って行くっていうね。

小形P うん。

菊地 これは何が盛られるか?…dCprGの新曲が入っているという…(笑)。

小形P そうですね。

松尾監督 (笑)。我々、ライブに行ったばっかりに…ねえ(笑)。

菊地 やり過ぎじゃねえの?っていう。留めとけば良かったんじゃねえの?って話なんですけど、これ入ってるんですよ。dCprGはワタシのバンドなんですが、これもね…ほんとに…さっきも言ったんですけど、運ですよね。

小形P そうですね。先ほどのインタビューでも出てたんですけど。

菊地 編成が大きくて、11人編成で、尚且つ腕利きのメンバーが多いんで、全員が一同に会する事がめったに無く、下手すると演らない年はライブを演らない…っていうバンドなんですよ。

松尾監督 うん。

菊地 で、この…「サンダーボルト」のサントラ制作中にライブがあったんですよね。

小形P そうですね。

松尾監督 そうです、そうです。

菊地 こんなの珍しいからな、レコーディング中にdCprGのライブがあるなんて…と思いながらも、ままま…スタッフの皆さんを招待させていただいて。ほんで、「ま、お口に合うかどうか分かりませんが、普段はこんな事をやっておりますです。」といったような感じで、ライブに来ていただきまして。ま、新宿だったんで。

小形P はい、行きましたよね、松尾さん。

松尾監督 行きました。

小形P 衝撃的でしたよね。

松尾監督 衝撃でしたね。音楽以外も。

菊地 音楽以外も?(笑)。

小形P 男2人で行ったんですけど。あと…音楽出版、ここにいる山田…女性もいましたけど、基本僕と監督で…ね。

松尾監督 周りがカップルばっかりで。

小形P ばっかりで(笑)。

菊地 ああ、うん。

小形P いい大人のサラリーマン達が、ちょっと女性連れで来ている所…

菊地 そう…ですね。

小形P で、僕ら…男2人が呆然とそこで立ち尽くすという。

菊地 はいはい(笑)。

小形P こんな大人になりたかったのに、なんで僕ら…今日ここで仕事で来ちゃったんだろう…っていう。

菊地 あ、そういう呆然さね(笑)。

小形P そういう呆然さです。

松尾監督 悔しいから、この曲…俺が使ってやんないと!…って思って。

小形P それがきっかけです。

菊地 ああ、なるほど。ま、相当激しいポリリズムと大音量で演ってるんですけど、気にせず腰に手を回してるオッサンがいるという噂はワタシも聞いてます。

松尾監督 我々それに…

小形P 我々それに関わってます。

菊地 ああ、そうですか(笑)。わかりました。

松尾監督 (笑)。

菊地 まあ、そんな事もあり…で、まあ…「昨日来たの?…監督とプロデューサー。」っつったら、「ああ、いらっしゃってました。」って。「あ、ありがたい話だねえ。」って言っていたところ、業界用語で言うところの「追注」…追加注文がやってきまして。

松尾監督 (笑)。

菊地 「追注、それは苦しい。」って言うぐらいでですね(笑)。「えっ、今からまだやるの?」って話になって。「アルバム…終わったんじゃねえの?」って言ったんですけど、「いや、ブルーレイ用に。」って話になって。で、話が二転三転して、結局もうOSTに入れちゃえって事になって、ボーナストラックとして入ってますけども。

小形P そうですね。今回のエンディングテーマとして使わせて…

菊地 その…映画版ね。

小形P はい、映画版のほう。

松尾監督 うん。

菊地 …の、エンディングテーマは、なんと…配信版の方では、全く何の関係も無かった…dCprGの新曲というかたちですね。

松尾監督 うん。

菊地 我々、さっきも言ったように、メンツが忙しいんで一気に集まる事が出来ないんで。とはいえ追注を受けてしまったので、「やりましょう。」ということでですね(笑)。もう止まる事を知らず、いろんな要素が増えていくんだ、という事でですね。

松尾監督 (笑)。

菊地 まずPCで全部作って、ほいで…来れる3人だけが生で差し替えて、翌日3人が生で差し替えて、翌日5人が差し替えて…みたいな感じで、プラモデル組み立てるみたいにして、最終的に全員で演奏している体になりましたが。dCprGは、最新アルバムが出て…まだ1年経ってないという状況なんですが、急遽「ガンダム」用に1曲書き下ろし、演奏するということになりました。

小形P はい。

菊地 ロナルド・レーガン」という曲がありまして、その曲がお気に召したということから、その曲の「ガンダム」バージョンということで、「RONALD REAGAN OTHER SIDE」という曲が入ってます。これはdCprG…ワタシの作曲でdCprGが演奏しております。こちらもOSTに入っておりますし、プルーレイにも当然入っておりますし、劇場で爆音で聞くのも…ね。

小形P そうですね、はい。

菊地 クラブイベントやりたかったですけどね。DJとして。

小形P そうですね。まあ、これから…バンダイ・ビジュアルさんがやるんじゃないですかね。そういった事を。

菊地 なるほど。そん時には、もう耳をつんざく爆音でプレイしてやろうかと思ってますけど(笑)。

小形P ちなみにこのエピローグ…エンディングテーマが流れている時に、新作のエピローグが付きますんで。

菊地 やったですねえ。

小形P それは劇場に来ていただいた人のお楽しみ…みたいな感じの映像になってますので、ぜひ。

(中略)

菊地 はい。というわけで、来週の告知も終わりまして、2週にわたりました「機動戦士ガンダム サンダーボルト」のサウンドトラック特集、いよいよ峠を飾りますのは、ボーナストラックであります、そして劇場版のエンディングテーマであります、「RONALD REAGAN OTHER SIDE」dCprG…この曲を聞いてお別れしたいと思います。ゲストとして2週にわたって来ていただきました、松尾衡監督そして小形尚弘プロデューサーの御両名に御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

松尾監督・小形P ありがとうございました。

菊地 はい。では、ま…この顔ぶれは、これからイベントでってことで…っていうことですね(笑)。

松尾監督 はい、イベントで。

小形P ぜひ「菊地シュラン」にも呼んでいただいて…

松尾監督 全然だいじょぶなんで。

菊地 (笑)…毎週来るわけ?

小形P 毎週…「来ちゃいました。」みたいな感じで。

菊地 3人番組になって。

小形P 3人番組で。

菊地 おっさん番組になってね…いいですね。

小形P はい。女子アナも何人か入れてね。

松尾監督 ええ。

菊地 もう…軽くいやらしくなりましたねえ。軽くセクハラが始まりそうですけど。

小形P (笑)。

菊地 まあまあ…ぜひぜひ。よく…番組で「いつでも遊びに来てくださいよ。」っつって、なんですけど。

小形P そうですね。だいたいそうですね(笑)。

菊地 だいたい嘘なんですけどね。いつでも気が向いた時に…ただ、入口でね、「パス出せ。」って言われると思いますけど。

松尾監督小形P (笑)。

2016-06-04 「まさか20年後に、『ガンダム』をジャズで。」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

TBSラジオ「菊地成孔の粋な夜電波」第262回放送は、「『機動戦士ガンダム サンダーボルト』オリジナルサウンドトラック特集」。松尾衡監督(写真中央)、小形尚弘プロデューサー(写真右)を迎えて、サントラ制作秘話が語られました。

ガンダム」についてほぼ何にも知らない菊地先生が、音楽監督を担当するに至った経緯を話された部分を文字起こししてみました。

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菊地 改めまして「菊地成孔の粋な夜電波」でございます。御機嫌いかがですか? ジャズミュージシャンの、そして…あれは1979年、16歳の時ですね。みんなが「シャア・アズナブル、シャア・アズナブル…」と言っているので、…と学友達が、笑いながら寄って行って、「それは、シャルル・アズナブールっていうんだよ。」と、笑いながら言った結果、非常に寒いことになってしまった…

松尾監督小形P (笑)。

菊地 サンプラザ中野さんを「中野サンプラザさん」と言ってしまった、ちょっとダメな女友達レベルの菊地成孔が(笑)…TBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。

松尾監督小形P (笑)。

菊地 今週は「機動戦士ガンダム サンダーボルト」オリジナルサウンドトラック…おかげさまで予約だけで大変な枚数…実数が言えないのがもどかしいですけど…入りまして、やっぱりこの国の国是といいますかね、ジャパンクールというか…に触れると…(笑)。

小形P 全然クールじゃないですよね(笑)。

松尾監督 全然クールじゃないですね。

菊地 いやいや…クールだと思いますけど(笑)。改めまして、監督の松尾衡さんです。

松尾監督 どうも、よろしくお願いします。

菊地 はい、そしてプロデューサー…このプロデューサーっていうのは、全体の?…ごめんなさい、本当に何も分からないんで。ガンダムのシリーズ全体のプロデューサー…?

小形P いや、いや…この作品のプロデューサーです。

菊地 この作品のプロデューサーね…の、小形尚弘さんです。

小形P よろしくお願いします。

菊地 え〜…今日ほど手探りな回がないんで(笑)。

松尾監督小形P (笑)。

松尾監督 我々も手探りです。

小形P 十分手探りです。

菊地 一緒に仕事…結構カッツリ仕事したのにね(笑)。

松尾監督 もうちょっと台本が欲しいですね(笑)。

菊地 この番組、台本が無いんで。

小形P それか、この前に一回呑んどくべきでしたね(笑)。

菊地 ワタシはですね…「仮面ライダー」ってのが始まったのが、ワタシが小学校1年の時なんですよ。この年齢で計算すると。

小形P はい。

菊地 そいで…今でも忘れない、幼稚園が終わりまして、いよいよランドセルを背負うんだ…という時に、「仮面ライダー」始まりまして。「迫るショッカー〜」と。

松尾監督 はい。

菊地 下敷きがありますよね。学校に下敷きなんか持ってって、ワタシ…シールなんか大好きですから。いまだに…今日も全身に貼ってますけどね。

松尾監督小形P ??

菊地 シールっていうか…肩凝るやつ(笑)。

松尾監督小形P  (笑)。

小形P 哀しいですねえ。

菊地 ええ。置針とかね、そう…大好きなんで。まあ、そん時からシールが好きで、下敷きにシールなんか貼りますよね。

松尾監督 はい。

菊地 そんで「仮面ライダー」のシールなんか貼って、授業受けてると、まあそうですね…ワタシの世代だと予科練の生き残りの先生なんかいたりして(笑)。

小形P いましたね。

菊地 老人ですけどね。すごい厳しいわけですよ(笑)。まあ、こそこそ…「先生に見つかっちゃヤバい!」と思いながら、シールを隠しながら、ブラインドしながら授業を受けてるわけですけど。

松尾監督 (笑)。

菊地 見つけると取り上げられて…まあ、その予科練の生き残りのクソジジイにですね、下敷きごとバッキバキに割られて、廊下にバーッと捨てられたりしてたものです。それが、小学校1年。

小形P はい。

松尾監督 へーえ。

菊地 それから時は経ちですね、幾星霜。16歳ってことは高校ですよね。高1なのかな?…高校1年生になると、なんとですね…ワタシがちょっとボヤッとして、ジャズなんかにハマってですね。

小形P 高校生から?

菊地 ワタシ、もう中学の時から、はい。ジャズ喫茶通いしてたんで。今日も帰ったら、「とにかくジャズ喫茶に行ってハンク・モブレーの60年代を聴くぞ。」とか思ってた…

小形P それは…「ガンダム」は観ないですよね。

松尾監督 それは観ないですね。でも、年齢聞いてわかりました。僕の行きつけの居酒屋のマスターと、だいたい年齢一緒です。

菊地 (笑)。

松尾監督 で、そのマスターが…僕いっつもアニキって呼んでるんですけど、そのアニキが…「仮面ライダー」は知ってるんですよ。で、「ガンダム」はさっぱり分かんない。

菊地 そうなんですよ。あのね、名前は知ってるんですよ。というか、この話には続きがあって…そういうわけで「仮面ライダー」の下敷きをバキバキに折られて幾星霜、16にもなりますてえと、ガールフレンドとどっか行ったりとかね…し始めたりなんかして。そうすると、ある日すごい衝撃的な光景が…

松尾監督 うん。

菊地 それは何かっていうと、学友たちが、学校に平然と…あれが「ガンプラ」?…プラモデルですか?

小形P プラモデルです。

菊地 …なのか、製品のその…何っつったら…コンテンツがよく分かんないですけど、ソフビだったのか、あるいは…もっとなんか…スクラッチ・ビルディングっつうの?…自分で造った物なのか、あるいは超合金みたいな物なのか、さっぱり分かんないんですけど。

小形P 超合金だったかもしれないです。

菊地 なんか…数名の友人が、持って来たんです、学校に。

松尾監督 うーん。

菊地 で、「学校におもちゃを持って来ちゃいけないよ。」っていう刷り込みがありますから。でもね、いっこうに…「ガンダム」に対してはお咎めがなかったんですよね。

松尾監督 先生からも?

菊地 先生からも。ええ。先生からもお咎めがないって事が、ショックでした。すごく。

松尾監督 うーん。

菊地 「学校におもちゃ持って来ていいんだ!」って最初に思ったのが「ガンダム」なんですよね。

小形P (笑)。市民権を得たっていうことなんですね。

松尾監督 オフィシャルになってるってこと?

菊地 オフィシャルになってるんですよ。そしたら、まあ…我々の学校は普通科と工業科ってのがありまして。

小形P ええ。

菊地 その昔は水産科もあったんですけど。千葉県銚子っていう…サンマの水揚げ量1位を、昔はほしいままにしていた(笑)…

松尾監督小形P (笑)。

菊地 水産科もあった時期もあったんです。ワタシがいた頃は工業科と普通科。

松尾監督 はいはい。

菊地 ほいで、普通科の…後に「オタクちゃん」って言われて、ものすごい差別を受ける…非常に可哀想な目に遭う、今では消費メジャーですけど。今では何て言うか…

小形P まあ、市民権を得てる…

菊地 アメリカにおけるアフロ・アメリカンの人と一緒…と言っては、アフロ・アメリカンの人の抵抗はあるでしょうけど。あくまでアナロジーで言うとね。

松尾監督 うんうんうん。

菊地 先代の先代の先代というか、一番最初の人たちは大変な差別を受けて。

小形P ええ。

菊地 ま、それからいちおう公民権ももらって。今やもうセクシーでカッコいい人たち…ってね。

小形P そうですね。

菊地 一番最初の、一番差別されてる人たち…ですよね。で、その人たちが学校に持って来るじゃないですか。

小形P うん。

菊地 で…特にワタシは、例えば「仮面ライダー」なんか知ってますから、ソフビ人形も買いました、もちろん。

小形P うん。

菊地 あれの遊び方なんて、あるじゃないですか。こう…ビヨーン!とか、こんなんやって。

小形P ええ。

菊地 …って、そういう事しないんですよね。お互い見せ合って…何て言うの?…モールドっていうの?

松尾監督 (笑)。

小形P 造形…

菊地 造形とか、細かい話について、楽しそうに議論してると、向こうの方からリーゼントの一群がやって来て…

小形P ああ〜。ま、そうなりますよね。

菊地 これは工業科です。彼らはキャロルを聞いて、車をシャコタンに(笑)…

松尾監督小形P (笑)。

菊地 先輩の車の車高を低くしてたんで。

松尾監督 (笑)。

菊地 彼らがやって来ると、もう恐ろしい事なんですけど、その…無惨にも取り上げられて。「ガンダム」たちは。

小形P はい。

菊地 ファースト・ガンダム」たちは、取り上げられて、床に叩き付けられてですね。

小形P ああ、なるほど。

菊地 踏み壊されて…。ま、先生じゃなくて、今で言うところのDQNの皆さん…ヤンキーの皆さんが、踏みつぶして行くという…ま、百年戦争の始まりですよね。

小形P 始まりですね。

松尾監督 うん。

小形P 決して交わらない。

菊地 交わらない。今でも、基本的には…根本的には、日本の文化の中に横たわっている…百年戦争の始まりを、眼前で見たという…。

松尾監督 うん、うん。

菊地 中立国としてですね。「ジャズ中立国」として。

小形P (笑)。

菊地 中立国っていうか…関係ない国として(笑)。

小形P 周りにいらっしゃらない…ジャズの同盟国はいなかったんじゃないですか?

菊地 ジャズ国民は…ワタシしかいなかったですね(笑)。

小形P ですよね。

松尾監督 (笑)。

菊地 校内で(笑)。ま、モダンジャズが廃れたのは、もっとずっと早いんで。全然ダメでしたねえ。

小形P そうですねえ。

菊地 やっぱ、キャロルも現役、シャコタンも現役、ガンダムも現役。ジャズはもうすでに殿堂入りっていう感じでしたね。

小形P (笑)。

菊地 だから、そんなもん聞いてるワタシ自体が変わり者だったんですけど。ま、それをこう…目にしたのが最初で。

小形P はい。

菊地 よく、あの…テレビの企画なんかでね…

小形P はい。

菊地 20年後のお前に言ってやりたい事」とかあるじゃないですか。

小形P はい。

松尾監督 (笑)。

菊地 お前…(笑)…工業科の奴がガンプラ踏み潰してんの見てたオマエ!…ってね。

松尾監督 (笑)。

菊地 お前、20年後、「機動戦士ガンダム」の音楽の監督やってることになるんだぞ!…ジャズで!

松尾監督小形P (笑)。

菊地 って…そこはあの…気の利いたテレビ局があったら、そのぐらいやってもいいなと思う。

小形P ちゃんと繋がってますもんね。

菊地 繋がってますよね。あまつさえ、「ルパン三世」もやってますもんね。

小形P そうですよね。

菊地 「ガンダム」で…っていうのに、びっくりしたんですよね。びっくりっていうか、よくわからなかったので、とりあえず原作の本がドサッと送られて来たから。

小形P はい。

菊地 あれは今…7巻ぐらいですか。

小形P 8巻まで出てますね。

菊地 まだ終わってない…ですよね。

松尾監督 終わってないですね。

小形P 8巻はまだ出てないそうです。7巻まで出ていて…もうすぐ8巻出るんですよね。

菊地 おそらく「ガンダム」ファンで、「『ガンダム』の番組やるよ〜。」って言って、なんか今そういう情報が…ワタシSNSもやらないので…

小形P あ、そうなんですか。

菊地 全くやらないです。なので、そういうふうにして情報が…何ですか?…リ、リ…

小形P リプライ

菊地 リプライ…によって、こう…「『ガンダム』ファンの人、今日この番組聞いたほうがいいよ。」みたいなので、今日初めてこの番組聞く方もいらっしゃると思いますし、一方で、毎週聞いてるこの番組のファンの方で、「ガンダム」の「ガ」の字も知らない方、あるいは「『ガンダム』っつったら俺に任せろよ。」っていう方に二分されると思うんですよね。

松尾監督 うん。

菊地 どちらの方にとっても、「えっ!次の『ガンダム』って、ジャズなの?、音楽が。」っていう衝撃が、どっちにもあると思うんですよ。

小形P はい。

菊地 その経緯に関して、比較的短めに小形さんにまとめていただくことはできますでしょうか。

松尾監督 (笑)。

小形P 短くまとめられるかどうかはわかんないですけど。

菊地 はい。

小形P そもそもこの原作漫画があって、その中にジャズとポップスが出てきて。

菊地 そうですね。

小形P 音楽どうしよう?って思った時にですね。

菊地 はい。

小形P これ…我々…監督は音楽に造詣がある方だと思うんですけど、「これ…全くジャズとか…ヤバい!…わかってない!」と思いまして。

菊地 なるほど。

小形P 下手に手を出すと、絶対火傷するな…っていうのが、肌感覚的に、ちょっとありまして。

菊地 はい。なるほど。

小形P これはお願いするなら、誰にもツッコミを受けない人にお願いしなきゃいけない…と。

菊地 はい。

小形P 僕もその…「峰不二子…」のサントラ聞かせていただいていて。

菊地 はいはい。

小形P 菊地さんに頼めば…これ、その界隈の人も…菊地さんに対して変な事はしないんじゃないかな?っていうのが、まず浮かびまして。

菊地 (笑)。それは何ですか、予防線ですね(笑)。

小形P 予防線です。我々がちょっとあまりにも不甲斐ないんで。そこに対する…まずはジャズの詳しい人たちも、認めてもらえられるような音楽にしとかないと、あとあとちょっと大変だな…っていうかたちがあったんです。

菊地 なるほど、なるほど。

小形P で、それがあったんで、松尾監督に「峰不二子…」のサントラを持ってって、「どうですか?」って聞いていただいて。

菊地 はい。

小形P 松尾さん的に…

松尾監督 いや、「お願いしましょう!」と。

菊地 なるほど。

松尾監督 「お願いできるなら、お願いしましょう!」と(笑)。

小形P で、持ってったんです。菊地さんに持ってって、「でも、これは…」。ただ、菊地さん…「峰不二子…」の時は、多分特別だったと思うんで。

菊地 はいはい。

小形P これは蹴られるんじゃないかな〜と思いながら、半信半疑というか、自信なく持ってって。

菊地 はい。

小形P で、一番最初に「『ガンダム』はこういう物です。」って説明をさせていただいたと思うんですけど。

菊地 はい、はい。

小形P もう、僕の方が「ガンダム」とか「ザク」とか…そういう単語を出す度にですね、菊地さんの頭の上に「?(ハテナ)」マークが浮かぶのが、ものすごい見えまして。

菊地 すいませんでした(笑)。「ど根性ガエル」で終わってるんでね。

松尾監督 (笑)。

小形P それで…その帰り道、「あ、これは多分…断られる。」と。

菊地 はいはい。

小形P 思ってたら…なんと、いいお返事をいただきまして。

菊地 はい。

小形P もう次会った時は、単行本を読み込んでいただいて。

菊地 いや、そんな読み込んでないですけど。

小形P いや、僕より詳しく説明できるようになってるぐらい。

松尾監督 (笑)。

菊地 えっとですね、リスナーの方にわかりやすく言うと、この「ガンダム」は…言ってみればスピンオフですよね。

小形P はい。

菊地 スピンオフで、まあ…何っつったらいいの?…そんなコピー使ったらいけないのかもしれないけど、大人ガンダム」みたいな。

小形P そうですね。

菊地 要するに、残虐さだとか…いわゆる、もし劇映画だったら「R」が付く…

小形P はい。

菊地 腕切っちゃったりするしね。ま…戦争の残虐さ。後は軽くドラッグも出て来ないでもないし。

小形P そうですね。

菊地 ま、戦争だったらね。要するに、戦争の事を結構その…お花畑で扱わないっていう。

小形P はい。正面から…ということですね。

菊地 そうですよね。…っていう、ま…手描きでCGがない、と。「大人ガンダム」で、で…大人だからジャズだろうっていう短絡じゃなくて、これはワタシの想像ですけども、原作の先生とはお話したことがないので…

小形P はい。

菊地 直接は確認できてないんですが。ま、もともと戦場にいる兵隊さんは音楽を聞くものだって決まってて。

小形P はい。

菊地 それは軍歌もありますけど、二次大戦だと「Vディスク」っつって、A面に「ナチスを殺せ!」っていう軍歌が入ってて、B面に優しいスローバラードが入ってて、「帰ると恋人が待ってるよ。君は英雄だよ。」っていうのが入ってるのを…

松尾監督 うん、うん。

菊地 蓄音機ごと落としたんですよね。

小形P うん。

菊地 そうすっと、兵隊さんがそれを取りに行って、自分ちの陣地に持って帰って、みんなで聞く…と。そうすると戦意が高揚する、と。

小形P うん、うん。

菊地 で…「Vディスク」なんかは有名で、あんまりにもクオリティが高いんで、ドイツ兵も欲しがった…と。

松尾監督 (笑)。

菊地 敵兵もみんなで取り合っちゃった、と。

小形P うんうん。

菊地 「ナチスを殺せ!」っていうのを聞いて、ドイツ兵も盛り上がったという。

松尾監督 (笑)。

菊地 やっぱ…音楽の力というかね。

小形P うん。

菊地 で、ちょっと話題になったのが…多分、イラク戦争からだと思うんですけど。

小形P ええ。

菊地 あの世界中から…イラク戦争になってくると、もうインターネット戦になってくるから。

小形P うん。

菊地 フォークランドの時はそうでもないんだけど、イラクの時は…兵隊が実は、実戦の時にみんな耳から垂れ下がってるもんがあって…

小形P うん、うん。

菊地 あれをほとんどの人が通信機だと思ってたんだけど。

松尾監督 うん。

菊地 通信じゃない、と。よく写真を拡大…解像度を上げて見てみると、「どうやらiPodらしい。」ってことが分かってきて。

小形P うん、うん。

菊地 「あいつら音楽聞きながら撃ってるな。」っていうのが話題になったのが、あの当時ですよね。

松尾監督 うん、うん。

菊地 例えばベトナム戦争で、アメリカが…勝った負けたで言うと…大きく言えば負けたんだろうけど。難しいですけどね、ベトナムの方の描かれ方…

小形P うん。

菊地 ズルズル…まあ、あんなに手こずるとは思わない、泥沼になったのも、やっぱり…アゲてくれる音楽が無くて

松尾監督 うん。

菊地 ベトナム戦争時ってのは、厭世的な…「こんな世の中嫌だよ!」っていう音楽が流行っちゃって。

小形P うんうん。

菊地 っていうのがあったんで、こんな(↑)なんなかった。それでベトナムで力が出なかったんじゃないか…っていう事が指摘されるほど…

小形P うんうんうん。

菊地 兵士達にとって音楽が鳴ってるってのは凄いことで。

松尾監督 うんうん。

菊地 で、イラクなんかでは完全に聞いてた、と。ま、アメリカの…例えば「TIME」とかがね、「何を聞いてましたか?」ってインタビューすると、実際「歌詞をキリスト教向けにした、ヘヴィメタルを聞いてました。」とかね。

小形P うんうん。

菊地 うん。なんか…「ヒップホップで自分はアゲてました。」みたいなのが出てきたりして。

松尾監督 うん。

菊地 ま、兵士ってのは音楽を聞く、と。で、「今や一人一人自分の好みのものが聞けるんだ。」っていうのが、これの設定に入ってるんだな…って思ったんですよね。

小形P うん、うん。

菊地 それはこの「一年戦争」ですか?…宇宙の戦争でもそうで。

小形P うん。

菊地 で、この物語は、群像劇じゃなくて、仇敵型っていうか、「カインアベル」型っていうかね、「武蔵小次郎」型っていうか。

小形P うんうんうん。

菊地 主人公2人が、正反対のキャラでぶつかり合うんだ、と。

小形P うん。

菊地 その一人がジャズファン、もっと言うと…あれはどのぐらいまでなのかな?…アマチュア?…アマチュアのジャズドラマー

小形P うん。

菊地 で、自分のコクピットの中にスティック持ち込んで、戦う前はドラムソロさんざん演って、それで盛り上がるんだ、と。

松尾監督 うん。

菊地 で…虐殺中も、ジャズを聞いてると。で、対して…

小形P ダリル。

菊地 うん、ダリル・ローレンツ…は、優しくて知的で。

小形P うん。

菊地 いわゆる50's、オールディーズと呼ばれる50年代のポップスを聞いてるんだ、と。

小形P うんうんうん。

菊地 この2人の性格も好一対だけど、聞いてる音楽も好一対ですよ…っていうのが、この原作の…ひとつの大きな設定ですよね。

松尾監督 うん。

菊地 他にもいっぱい…「『ガンダム』だけどリアルに戦争をやるんだ。」とか、テーマはあるんでしょうけど。

小形P うん。

菊地 で、その設定が面白かったんで。劇伴は作らなくていい、と。

松尾監督 うん、うん。

菊地 なんで、彼らが聞いてる楽曲シミュレーションで作れば…そういう仕事なんだな…っていうのを、原作を読んで思ったんですよね。

小形P なるほど。

菊地 それはやったことないから、結局「サンダーボルトのテーマ」とかっていうことになっちゃうと(笑)…

松尾監督 なるほど。

菊地 オレ、何作っていいかわかんない…ってなったんだけど。

松尾監督 (笑)。

菊地 原作を読んだ結果、今回…さっきお聞きいただいた曲は、いちおうO.S.T.上、「サンダーボルト メインテーマ用」って書いてあるんですけど。

小形P うん、うん。

菊地 これもほんとのメインテーマじゃなくて、メインテーマ的に使われるから、用件の用って書いたんだけど。

松尾監督 うん、うん。

菊地 あとはもう「戦闘用」「出陣用」とかになってて。

松尾監督 うん。

菊地 要するに、劇伴は全く無くて、楽曲…がいっぱい並んでるんだ、と。

松尾監督 うん。

菊地 だから…それだったら面白そうだからやろうかな…って、やったんですけど。

松尾監督 うん。

菊地 ま、もう1曲ぐらい聞いてみましょうかね。はい、「戦闘中」の…「(激戦状態)用」という(笑)。

松尾監督 (笑)。

菊地 戦闘にもいろんなグレードがあるわけですけども、一番ヤバい殺戮の状態になっている時の音楽というのを聞いて下さい。

D

2016-05-21 「『チャパクア』に似るかな?」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

「粋な夜電波」第260回放送はフリースタイル

渦中の都知事ワインセレクトにアドバイスするなど、意外な話題も飛び出す中、今週も他ではなかなか聞けない隠れた名盤を紹介。

フィールド・レコーディング音源に合わせて、菊地先生がサックスを重ねてみたという実験的な音源もオンエアされました。その紹介部分を文字起こししてみました。

D

あ、うまく次の音源に繋がりましたねぇ。

スター・ウォーズ」のロケ地は、今や観光地と化しているのですね。モロッコですね。

ワタシ、モロッコ行った事あります。なんと驚くべきことにはですね(笑)…マネージャーの長沼も同行してました、その時にはね。モロッコにね。

全部のタジンと、全部の串焼きの羊と、全部の食後のチョコレートケーキに、が入っているという凄い国ですけどね、モロッコはね(笑)。

えーと…何の話だったっけ?…つまりモロッコに音楽の着想を得に、取材旅行に行ったんですね。

モロッコに着想を得に行った人間はワタシだけではありませんで、日本人だったらロバート・ハリスさんなんかね、もうモロッコ専門ですけどもね。

まあ…いろんな人が行きました。作家の中で有名なのは、やっぱポール・ボウルズでしょうね。「シェルタリング・スカイ」。

ポール・ボウルズってね、あんまり知られてないんだけど、音楽家くずれなんですよね。音楽家になりたかったの。まあ、実際アマチュアとして演奏もしてた人なんですけど。

ポール・ボウルズが、1956年にフィールド・レコーディングしてるんですよ、モロッコで。ポール・ボウルズっつったらモロッコですからね。

その、ポール・ボウルズの録音したモロッコのフィールド・レコーディング集が、なんと…失礼…59年でした…59年…それだって相当古いですよね、59年の録音物が、まあなんと2016年…今年ですね(笑)…に、4枚組のCDになって売り出されまして。ワタシ、早速買ってみました。

まあ〜まあ〜…美しいですよねえ。箱が。

箱物いっぱいありますけど、ワタシもずいぶん箱物持ってますけど、これが一番美しい…っていうか、美術的な価値があるんじゃないかなっていうぐらい綺麗な…。

タイトルはさっぱりしてて、「MUSIC OF MOROCCO:RECORDED BY PAUL BOWLES, 1959」と書いてありますけども。

ここにフィールド・レコーディングされているわけですよね。4枚組だから、相当音数入ってます。

で、同じようにモロッコの音楽に取り憑かれたジャズミュージシャンに、オーネット・コールマンがいます。

最近亡くなりましたね。1年前だか2年前だかですよね。オーネットも長寿だったんですけどね。

で、まあ…オーネット・コールマンが…これはジャズファンなら誰でも知ってる、もうモロッコの話してオーネット・コールマンっつったら、「あ、チャパカの話すんだな。」って、ジャズファンは…すれっからしの方は思うと思うんですけど。

「チャパクア組曲」っていう有名なアルバム出してるんですよ。

これは、すごい簡単なレコーディングで、あの…モロッコに行って、街はちょっとわかんないんですけど、モロッコって大体どこの街行っても、そういうその…何っつったら…旅芸人みたいな人も、民族音楽の人も、もう手当たり次第演奏してんの。まあ、アフリカだからね。言ってみりゃ。モロッコたれども、アフリカなり…といったところで。そこら中で演ってるんですよ。

で、その人たちの演奏に…その人たちに幾らか握らせて、その前で自分でサックスを吹くわけ。オーネット・コールマンはアルトサックス奏者ですから。

サックス吹いて…で、共演ですよね(笑)。共演っていうか何て言うか。

まあ、道端で演ってる人にお金払って、その前でサックス吹いて、一緒に録っちゃって、そいで…それをアルバム2枚組にしたの。

それは何のために作られたアルバムかっていうと、映画のね…サントラのために作ったんですよ。

ところが、納品したところね、監督に突っ返されまして(笑)。「こんなもん使えるわけねぇだろ!」っつって、突っ返されまして。

しょうがねえから音だけでも出そうっていうんで、映画音楽としての側面は切り離されまして、純粋にアルバムとして…音楽作品として、「チャパクア組曲」っていう名前で、残ってんですよね。

それは今言ったような、非常にイージーであり、シンプルでもある録音方法で録られたんですけど。

ワタシもまあ、せっかく…今日ね、リハの帰りで、ちょうどサックス持ってたのね。で、今日モロッコのフィールド・レコーディング流すっていうのは決めてたんで、せっかくだから、オーネット追悼…とは言いませんけどね、そんな大それた事は言いませんが。

ちょっと実際に、オーネットと同じように、金こそ渡してないですけど(笑)、そっちはそっちの都合で演ってるモロッコの、土地のミュージシャンの人の演奏の傍らで、勝手にフリージャズのサックスを吹いたら、「チャパクア」に似るかな?…っていう実験を、今TBSのスタジオの中でおこなったわけですね。ええ。

本来だったら、こういう実験ってのはNHKのスタジオの中でおこなうべきだと思うんですけど(笑)。TBSのスタジオでおこなってみました。

はい、ちょっと聞いてみていただきたいと思いますね。

はい、ポール・ボウルズが1959年に、自らフィールド・レコーディングしたものが、2016年にCD化された、その中の1曲と、共演してみました。お聞きください。

(曲)

Music of Morocco: Recorded By

Music of Morocco: Recorded By

…はい、まあ…結果的に言うと、我ながら…あまりにもオーネット・コールマンの「チャパカ」とのそっくりさにビックリですけどね(笑)。

やっぱ同じ方法を使うと、同じ結果が得られるんだ…という、化学だか数学だかみたいなことになりましたけどね。

ワタシとオーネットは全然似てないんですけど(笑)。聞き口はかなり…似てますね。

シェルタリング・スカイ (新潮文庫)

シェルタリング・スカイ (新潮文庫)

2016-05-14 「結局、『フリースタイルダンジョン』でしょ?」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

「粋な夜電波」第259回放送は、ヒップホップ特集「4H(ホーリー・ヒップホップ・アワー)」。

Moe and ghosts ×空間現代として久々の新譜をリリースされたMoeさんと、SIMI LABのOMSBをゲストに迎えて、ヒップホップの現在について語り合う恒例企画。

この御三方が、アカデミックな雑誌の誌面にも登場したというニュースから語られた、トークの一部を文字起こししてみました。

RAP PHENOMENON

RAP PHENOMENON

D

N/K はい、どうも。「菊地成孔の粋な夜電波」です。ジャズミュージシャンの菊地成孔がTBSラジオをキーステーションに全国にお送りしております。今週は「4H」。「Holy Hip-Hop Hour」ということで、SIMI LABの特攻隊長(笑)…OMSB…OMSBeats…

OMSB あ、ブッ込みです。どうも(笑)。

N/K ブッ込みです、はい。そして…とうとう新譜が…ま、Moe and ghosts 単独名義ではないのですが、それは後で解説するとして、はい。Moeさんをゲストにお迎えして、お送りいたします。

Moe はい。よろしくお願いします。

N/K よろしくお願いします。はい、えーとですね、今日は多分…音源がいっぱいあるんで。紹介してるうちに終わってしまうと思うんでですね(笑)。

OMSB (笑)。

N/K そこで…細かい話は「ユリイカ」を読んでくれっていう…

Moe ああ〜。それ間違いないですね。

N/K (笑)。

OMSB たしかに。

N/K そうですね。あのね…「ユリイカ」っていう雑誌があるんですよね。これは何と言うか…まあ、サブカルとも呼べない、もっとほんとに…メインカルチャーに近い、アカデミズムに近い…元々、詩の雑誌だったんですけど。最近は何でもやりますけどね。「ユリイカ」も軟派になって。「ユリイカ」が「日本語ヒップホップ特集」をやるんだっつって。ええ。で…原稿の依頼が来まして。で、「ううーん…。」っていろいろ考えたんですけど(笑)、他のコンテンツなんか読んでも、こう…ね。大先輩…や、あと逆に学者の人ね、言語学者とか。

Moe へえ〜。

N/K そういう人たちがいっぱい出てきて。

OMSB はい。

N/K これはひょっとすると…よくあるインテリが不良の文化を語りたガール(笑)…みたいなパターンだったらクソだなと思って。

OMSB (笑)。

N/K まあ、原稿を書くのを止めて…提案したんですよ、編集部に。

Moe ふん。

N/K 「あの〜ラジオをやってて…」って。ま、編集部も当然聞いているんですけど。

OMSB はい。

N/K 「あの3人で鼎談して…3人とも、ある意味現状のヒップホップ界から言うとボーダーライナーというか、どこにも属さない所で力を生み出しているっていうタイプだと思うんで、その3人の鼎談なんかどうですか?」っつったら…もう大喜びで、「えっ、集まっていただけるんですか?」って感じでですね(笑)。

Moe おお〜。

OMSB (笑)。

N/K え〜…「ユリイカ」で鼎談しております。

Moe イエーィ!

N/K はい。結構、長く喋り…ましたよね。

OMSB はい。

Moe そうですね。

N/K 話のテーマはあっちゃこっちゃ随分話したけど…

Moe うん。

N/K まずはとにかく…「ユリイカ」とか言ってるけど…「フリースタイルダンジョン」でしょ?(笑)っていうことでですね。

OMSB (笑)。

Moe なんで、そもそも…ね。

N/K そうそうそう(笑)。「フリースタイルダンジョン」だろ?…っていう。そんなアカデミズムの雑誌が「TV Bros.」みたいなことをしていいのかな?って(笑)。

Moe (笑)。

N/K という、問いかけから始まってですね。ま…今はね、この「4H」…その前の「日本語ラップ特集」?…

OMSB はい。

N/K …から勘定したら3〜4年…

Moe そうですよね。

N/K 経ちますよね?

Moe 確か日本語ラップ特集は2014年とか。2年前か?

N/K そうですね。

Moe ずいぶん…変わりましたね。

OMSB うーん。

N/K 変わりましたね。あの時の状況っていうのは、Moeさんが全然まだ…「新譜…出してくださいよぉ。」「出しますよ!」

Moe はい。

OMSB (笑)。

N/K でも、これ絶対出さねえだろうな…っていう(笑)。

Moe そう(笑)。もう、お決まりのね…問答でしたね、あん時。

OMSB そう考えると早いんだか…っていう気がしますね。

Moe 2年やでぇ。

OMSB そうッスね。

N/K 2年…ですからね。ほいでもって、まあ…時代の趨勢としては、なんかあの頃、ちょうど「文化系ヒップホップ」みたいなのが。まあ…あの本を書いたのは…共著の本だけど、主筆っていうか、大和田君っていう私の学生ですけどね。

Moe ふうん。

N/K ていうか…私の学生と言いながら、大変な…世界中飛び回っている、メルヴィルの研究家の米国文学者ですけども。

OMSB へえ。

N/K まあ…あの時はギャングスタラップ vs 文化系ラップ」っていうのが、こう…ひとつの…何ての?…二大勢力として、これからこう…しのぎを削っていくのかな?…と思われていた、前号までのあらすじだったんですけど(笑)。

Moe (笑)。

N/K 実際フタ開けてみたら、この2年…全然そんなことにならなくて。で、何が起こったかっていうと、「フリースタイルダンジョン」の…前口上でも言いましたけど、関係者全員の予想を超えるヒットですよね。

OMSB うーん。

N/K うん。そいでもう…何て言うか、今までDQNとかGラップとか、なんかすごい…「怖い」もしくは「嫌い」もしくは「ダサい」とか思っていた人たちが、みんなR指定さんの神業に触れて…(笑)。

D

Moe うん。

N/K すっかり、サーファーならぬネット不良みたいなのが…

OMSB (笑)。

N/K 何万人か生まれたんじゃねえかな…っていう。

OMSB ああ〜。

N/K まあまあ、それはいいことでもあるけど…とか何とかっていう話を…「ユリイカ」で散々3人でしております。

OMSB そうです。

N/K …ので、5月27日にその「ユリイカ」が出ます。我々のページだけでも相当読み応えがあると思うんですけど、他にも相当なメンツ…ZEEBRAさんから。下はオレ達だけど。

Moe (笑)。

N/K 下は…っていうか、横はオレ達…みたいな(笑)。

OMSB 斜めぐらい?。

N/K 斜め横がオレ達みたいな感じするけど。

Moe 境界ですよね。はい(笑)。

N/K 若い方だとどなたが…

Moe あ、KOHH、KOHH。

N/K あ、KOHHさんね。まあでも…KOHHさんも既にもう中堅と言っていい…年齢こそ若いですけどね。

Moe ほーう。

N/K という状況…ですので、最近あの番組でヒップホップを知ったという方や、この番組のリスナーの方なんかは、確かに…非常に面白いと思いますので、是非チェックしていただくとして。何はともあれMoeさんがですね、有言実行…

Moe はい(笑)。

N/K さすが関西の女は有言実行!…関西関係ないか(笑)。

Moe はい(笑)。

OMSB ギャーサスです。

N/K (笑)。え〜…「RAP PHENOMENON」。

Moe はい。

N/K これは「ラップ現象」…

Moe 「ラップ現象」、はい。

N/K 「ラップ現象」ってのは…昔はね、ラップって言葉は、こんな音楽用語じゃなくて。

Moe はい。オカルト…

N/K オカルトですよね。

Moe ポルターガイスト

OMSB パチパチ…

N/K 霊的な残滓のある建物で寝ると、夜中にパチパチいったり。

Moe 霊が怒ってるぞ、と。

N/K その音のことを「ラップ現象」っつったんですね。それが転じて、音楽のラップに…劇的に変わったわけですけど。

Moe うーん。

N/K ま、その原点に戻ろうっていうか。まあ、もうすでに…これリリースしてどのぐらいですか。

Moe あ、えっとね…4月の6日発売やから、1ヶ月ぐらいか…経ちましたね。

N/K ひと月経ってますね。

Moe はい、はい。

N/K なので、ヘッズの間には届いてると…ヘッズっつっても出してる「HEADZ」じゃなくて(笑)。

OMSB レーベルの。

Moe ややこしいですね(笑)。ヒップホップ・ヘッズ…

N/K そう。ヒップホップのヘッズの人たちには、もう行き渡っていると思うんですが。

OMSB うん。

N/K Moe and ghosts単体ではありませんで、「空間現代」…

Moe そうなんです。

N/K これは、まあ…何て言うか…ヘッズが誇る文科系ロック…といいましょうか。

Moe はい、はい。エクスペリメンタルバンド?…ですかね。

N/K そうですね。

OMSB エクスペ…っすね。

N/K エスクペですよね。ま、ま、ま…聞けば解りますけど、いろんなリズムを出していく…っていう(笑)。

Moe はい、はい(笑)。

N/K エクスペの事をそんなに簡単にまとめていいのかっていう。

OMSB (笑)。

N/K いろんなリズムを出していく!

OMSB 出していく!

N/K そりゃ、みんなそうじゃん!(笑)。

Moe 広いなぁ〜(笑)。

N/K 「この映画のテーマは、人間がどうやって生きていくか、ということです!」って、全部の映画がそうじゃん!っていう(笑)。

OMSB (笑)。

N/K それと同じですけども。え〜…Moe and ghosts、空間現代がコラボした…という事でよろしいですか。

Moe はい、そうです。

N/K 演奏は空間現代。

Moe そうです。

N/K が演奏して、ラップはすべてMoeさんがやっていらっしゃるということで。

Moe やっております、はい。

N/K ので、何と言うか…パッと聞き、Ft.のラッパーがいっぱいいるわけじゃないから、Moeさんのアルバムみたいに聞こえますよね。

Moe あー。そうですね。

OMSB うん。

Moe で、あの…これから聞いてもらうのもそうなんですけど、空間現代がMoe and ghostsの曲をカバーしてるのとかもあるんですよ。

N/K 「新々世紀レディ」とかね。

Moe そうそうそう。だから、多分そこで初めて4拍子の曲を演ったんちゃうかな、彼等?…みたいな感じですけど。

N/K なるほど。ま…とにかく変拍子のバンドですよね、空間現代って(笑)。

Moe そうそう。変拍子とか、なんか…変な拍子。はい。

N/K そうですよね。いわゆるプリミティブなポリリズムとか、J・ディラ以降…とかいうんじゃなくて…

OMSB ああ〜。

N/K もっとこう…何つったらいいんだろうな…

OMSB バグを再現してるっていうか。

Moe ああ〜。うん。

N/K バグの再現と、ザッパ的な物と…あと、敢えて噛んでいくっていう。

OMSB ああ。

N/K 「噛み」はダメなんだけど。その噛んだり、つんのめったりっていう事を表現にしていく…というような。

Moe そうですね。

N/K 一番高級に言うと、そういうことですよね。その彼等の…つまり、一筋縄ではいかない演奏、それにMoeさんのラップがのっている、と。これはもう必聴…番組…「粋な夜電波・4H」推薦盤ですので。

Moe やったー、貰えたー。

N/K 是非買って下さい。ゴールドディスクという事で。

OMSB イェィイェィ!

フリースタイルダンジョン ORIGINAL SOUND TRACK

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2016-05-07 「90’sに対してどういう態度をとるか?」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

「粋な夜電波」第258回放送は、不定期好評企画「韓流最高会議」。おなじみのお二人…社会学者の韓東賢(ハン・トンヒョン)さんと音楽ブロガーのヴィヴィアンさんをお迎えして、最新の韓国の音楽を紹介しつつ、なぜかオリラジとベッキーについての言及が飛び出すなど、幅広い話題について語られました。

韓国に限らず、今世界中の最新の音楽が、90年代という黄金期に対してどういう態度をとるか?という課題に直面しているという事について指摘されていた部分を、文字起こししてみました。

D

菊地 え〜、「菊地成孔の粋な夜電波」、本日は「韓流最高会議」第十一次。11回目になりましたね。

 フフ…。

菊地 韓流的にはテレビドラマ、そして映画専門になってまいりました菊地成孔と…

 (笑)。

菊地 アイドルは、さすがの疲労によって引退して、自分の青春時代であるインディーロックに戻りつつある、社会学者の韓東賢さん…

 (笑)。

菊地 そして、オタク体質によって、K-HIPHOP界をさらなる邁進しておりますヴィヴィアンさんをお迎えしてお送りしております。

ヴィヴィアン はい(笑)。

菊地 じゃあ、そんな中…そうですね…この5曲目聞いてみましょうか。

ヴィヴィアン はい。

菊地 今日はまあ…アイドルのR&B系の曲から始まって、ちょっとK-HIPHOP・R&Bの流れが、期せずしてできた感じですけども。アーティストを紹介していただけますか。

ヴィヴィアン はい。今、韓国で一番アツいと言っても過言ではない、DEAN(ディーン)っていう人なんですけど。

菊地 はい。

ヴィヴィアン 今、めちゃくちゃグイグイきてて…

菊地 DEANね。

 名前だけ聞くと、すごい過去な感じがして(笑)。

ヴィヴィアン 昔の日本バンドじゃなくて(笑)。まだ二十歳そこそこなんですけど、もともと作曲家チームにいたそうで。

菊地 はいはい。

ヴィヴィアン EXOにも曲を提供したことがあるっていうのが売りなんですよ。EXOの「アンフェア」って曲、知ってます?

 ……。

ヴィヴィアン …を、作詞作曲したらしいんですが。

 うんうんうん。

菊地 ち、ちょっと待って(笑)。今の韓さんの…「知らない。」っていう回答でいいんですか?

 いや!…アルバムの曲とかだとタイトル覚えてないんですよ。

菊地 (笑)。

 聞いてても、シングル曲じゃないと…タイトルだけだと、ちょっとわかんないですね。

菊地 それ、EXOペンの人が槍持って「ワーッ!」って後ろから追っかけて来ますよ。「裏切り者〜!」って(笑)。

 いやいや…大丈夫、もうアタシなんか相手にされないんで。大丈夫です。

ヴィヴィアン (笑)。

菊地 ほんとですか。わかりました。

ヴィヴィアン それが…話題作りだと思うんですけど、まず去年の夏にアメリカで先にデビューしたんですよ。

菊地 はいはいはい。

ヴィヴィアン 所属しているレコード会社がすごく大きいところなんで。

 ある時期の日本みたいだね。アメリカで先にデビューさせるとか。

ヴィヴィアン そうですね。で、かつクリス・ブラウン周りのプロデューサーとやたら一緒にやって、すごいコストかかってるんですよ。

菊地 逆輸入的にね。

ヴィヴィアン そう。で、「秋に韓国でデビュー!」みたいな。「ついに本国上陸!」みたいな感じでデビューして。

菊地 はいはい。

ヴィヴィアン そのアメリカでデビューした時のシングルを紹介したいんですけど。「I’m Not Sorry」って曲で、例によってクリス・ブラウンのプロデューサーとしても知られているエリックベリジャーっていう方とデュエットしてる曲なんですけど。

菊地 はい。

ヴィヴィアン けっこう今風の曲で、電子音ビュンビュン系で、なんかあと「フゥーッ!」とか言ってたりして…

菊地 はいはい。

ヴィヴィアン それも今流行ってるじゃないですか。

菊地 流行ってますね。

ヴィヴィアン もう「フゥ!」とか(笑)…

菊地 R&Bがね、もうそんなにスロウダウンじゃなくなってきたっていう。

 うーん。

ヴィヴィアン そうなんですよ。すごく今風のサウンドを楽しめる曲なので。DEANとEric Bellingerの「I’m Not Sorry」。

(曲)

D

菊地 この人どういうルックスの人なんですか?

ヴィヴィアン なんか…韓国人なんですけど、すっごい西洋風の顔立ちの…イケメンなんですけど。

菊地 ああ。

ヴィヴィアン なんか…スタイリストが悪いんですけど、全体的にちょっとダサいんですよね。

 (笑)。

ヴィヴィアン でも、顔はすごくイケメンで、それ活かせば相当ファンも付きそうな

菊地 なるほど。その…エリック・ベリンジャーと並んで歌った時のルックスがどうなのかな?と。

ヴィヴィアン あ、イケてますよ。結構。

菊地 あ、ほんとに?…(笑)。ま、今のR&Bも停滞したと言われてますけど、少しずつの進化っていうかね。

ヴィヴィアン はい。

菊地 トレンドがみんな入ってますよね。三連符とかね。「タタタ、タタタタ、タタタタタタ…フゥ!」ってのが、やたら入ってると。

ヴィヴィアン うんうん。

菊地 まあ…トレンドだっていう感じですね。

ヴィヴィアン はい。

菊地 韓さん、どうですか。全然、こういうの…

 今の?

菊地 ええ。今の。

 えっ…なんか…言ってよければ…古臭い感じするんですよ。

菊地 (笑)。

ヴィヴィアン ああ〜、逆に?

 どうなんでしょうか。なんかね…昔の番組の主題歌とかみたいな感じ。

ヴィヴィアン (笑)。

菊地 そうね。

 …なんだけど、わかります?…歌い上げてる感じ

菊地 よくわかります、よくわかります。

ヴィヴィアン ああ〜。

 日本の昔の…「歌い上げ感」が、なんかちょっとアナクロニズムを感じたんですけど。どうなんですかね。

ヴィヴィアン うんうん。

菊地 やっぱり…R&B特にそうなんだけど、ノスタルジックにいこうと…

 ああ〜。

菊地 なんか懐かしいし、アレだよね?…っていう

ヴィヴィアン うんうん。

菊地 まあ、今…結局…ゴールデンエイジって言われてるの、結局90年代なんですよ。

ヴィヴィアン そうですね。

菊地 90年代なの。

 うんうん。

菊地 で、ナインティーズに対して、どういう対処をとるかっていうのが…

 うんうん。

菊地 これはもう、「韓流最高会議」もなんもなく、世界中の音楽が、90’sに対してどういう態度をとりましょうか?…っていう事ね。

 うんうん。

ヴィヴィアン でも、DEAN…実際ちょっと90’sっぽい感じですよ。うん。

菊地 その態度のとり方が、もうモロの人と…

 うん。

菊地 あるいは、どこの…何をして90’sとするか?

ヴィヴィアン うーん。

菊地 まあ、韓国にも韓国の90年代があるでしょうし、日本には日本の「渋谷系」っていう特殊な90年代がありましたし。

 うん、うん。

菊地 80年代に対する態度は、みんな決まってんの。だいたい。

 はいはい。わかります、わかります。

菊地 それは…「80年代ってこういうことよね?」、で…「ちょっと入れてみたよね。」

 共通のね…

菊地 そうそう。で、「マイケル・ジャクソンの曲、カバーするよね。」

ヴィヴィアン うんうん。

菊地 みたいな感じで、80年代に対しての…何て言うか…プランニングはね、散らばってないんですよ。

ヴィヴィアン うんうん。

菊地 だけど、90年代に対しては、とにかく行かなきゃいけないんだけど、どういうプランで行くか?って事がバラバラで…

 まだ共有されてないんですね。

ヴィヴィアン ああ〜。

菊地 共有されてないの。とはいえ、リリースはしなきゃいけないから(笑)。

 はいはいはい。

菊地 どんどんどんどん締め切りはやってくるじゃないですか。

 (笑)。

菊地 だから…「とりあえず、ベタでやっとけ!」っつって処理しちゃうと、古臭い感じになってしまうという…

 なるほどね。

菊地 すごいリスクがありますよね。

ヴィヴィアン ああ〜。

菊地 でね、聞いた事ないような音楽狙って、結構キテレツなエレクトロみたいなのにすると、00年代に聞こえるの、今度。

 はいはい。わかります、わかります。

ヴィヴィアン ああ〜。

菊地 レイ・ハラカミさんが出てきたばっかりの頃とか…に聞こえる可能性があって。

 うんうん。

菊地 ポップミュージックどうなんのかな?って、今すごい曲がり角で。

 うーん。

菊地 21世紀も15年経って、すごい…何て言うんですかね…それこそタイムラグじゃないけど…

 うんうんうん。

菊地 21世紀も15年目にして、相当大きく変わるんじゃないかな?っていうのは…言われてるんですけどね。

ヴィヴィアン うーん。

Go Hard (2CD) (韓国盤)

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