厄年のお祓いに。


我が家は二人して今年が本厄になる。
いちおう厄祓いに行っとくか…ということで、初めて西新井大師まで行って来た。
特定の信仰を持たないので、どこでも良かったというのが正直なところだが、調べてみたら関東厄除け三大師のうちのひとつらしい。その中でもっとも行きやすいところが西新井だった。
弘法大師っつーことは空海だから真言宗か。なんか密教という響きだけで、不思議なパワーがあるような気がするぞ。
三が日を避けて出かけたつもりが、連休のせいもあるのか、かなりの人出。縁日で露天も多く立っている。
さすが有名なお寺になると、常にこんなにぎわいなのか?
人混みをかき分けて、護摩祈願の申し込み用紙を書き、「厄除」のところに丸印。値段は三千円、五千円、一万円とあって、それによってお札の大きさが違うそうなので、間をとって五千円のにした。
一時間ごとにお護摩が行なわれており、並んで待っていると順に本堂に入れてくれる。中は広くかなりの人が入れた。下の畳はほのかに暖かく、床暖房になっているみたい。
護摩というものを初めて見たが、結構面白かった。
立ち上る炎自体を、召還した弘法大師そのものとして、それに対して祈願する。用意されたお札を炎にかざして、仏縁を結んだことになるという儀式になるようだ。
赤い装束を着た最も偉そうなお坊さんが静かにお経を唱え始め、それに合わせて紫のお坊さんが鐘や太鼓を叩く。周囲をとり囲んだ緑の装束のまだ若いお坊さん達が声をそろえて唱えると、ひときわ大きくお経の声が本堂に響きわたる。炎が大きくなるとともに、だんだん盛り上がっていき、太鼓のリズムも激しくなってくる。…おお、結構カタルシスあるじゃないか。

厄除というのはどんなことをするのか、全く知らないままに行ったが、ちゃんと由来があって長い間受け継がれてきた儀式の場には、やはりパワーが集まってくるような気がした。なんか満足して帰って来た。
夜は会社の新年会。集合時間を1時間間違えて大慌てで会場に向かう途中、逆方向の電車に乗ってしまって飛び降りたら扉に挟まれたり、ビンゴ大会では何も景品が当たらなかったり、帰りの丸ノ内線でも寝過ごして新中野で目覚めてそれが最終だったので超焦ったりもしたが、なんとか無事に帰宅出来たのは、きっと厄が祓われたおかげなのだろう。きっと。…もっと悪いことになったかもしれなかったのだ

厄除け詩集 (講談社文芸文庫)

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