自尊心(教育コラム)

教育用語の一つに「セルフエスティーム」というものがあります。
教育用語と言っても、この用語はどちらかというと心理用語なのかな?
この辺はりんさんに訂正願うとして、
簡単に言うと「自己効力感」とかの部類で、「自己肯定感」と僕は捉えています。
もっと大雑把な言い方をすると「自尊心」の土台と考えられる。


この「自尊心の土台」って本当に大切だな〜と教育の仕事に携わる様になってからいつも思います。
人を自立的に元気にする根本はこれにあるっていうくらい大事。
どうやってこれを育てるかといったら、簡単には
「誉めて伸ばす」
と言うに尽きるのですが、これが意外に難しいのですね。

僕なんかはもうけなされまくって育てられていますし、小さい頃なんかは特に他人から攻撃される対象でしたから(原因のほとんどが自分にあることを気付きにくい特性も災いしていますが)。

自分の存在を肯定的に捉えるためには他人に認められる経験というよりも、習慣が必要です(誉められるほど大袈裟でなくても)。

育てるときに「○○してはいけない」ということも非常に大切ですが、大抵の場合、その後に何をすべきだったのかのモデルを示す必要がある。

モデルの示し方も、目の前の大人が示すのは一番早い様に思えますが、怒られた後にすぐ素直に聞くというのはなかなか難しい時が多いので、第三者や他の子どもの行動を見させたり、相談させるなどの選択肢をたくさん持つ必要がある。


こういう面からも改めて思うのは、育てるというのは結局集団力の成果であるということ。


セルフエスティームというのは非常に大切で、これがないと人は自主的に良い行動しにくくなってしまう、大人し過ぎるというのはこういう面もあったりします。
それどころか、良い行動=悪い行動という風に結び付いたりしてしまうことだってある。
最初はあべこべに行動することで、人の注目を集めたり、傷つけられることを回避しようとしているのですが、長期化するとその表現方法から抜け出せなくなったりする。


自尊心が傷つきやすい人に出会ったと思ったら、その人が本当は何をしたいのかを見つめながら、正当に誉めて育ててやって欲しいなって思います。
満たされて来ると、手を離していても、自分から少しずつ歩を進めるようになると思うから。