mp3の調理方法。

普段、スタジオのBGMはmaciTunesに放り込んだ主には70年代のFunkやSoulをランダムプレイで流しっぱなしにしている。理由はCDを入れ替える面倒から解放される自由があるから。優先順位がいい音よりもそれが先になってしまった。つまりmp3を聞いているってことだ。とはいえ、いくらBGMの小さなヴォリュームで聞くといっても時間と共に耳が慣れるにつれ、だんだんイヤな音になる。気になってくる。シンバルとかの高音は何だか安物のエフェクトを通したようにシャカシャカ鳴ってるし、低音はモワッと昔の電話の受話器から聞こえてくるようなこもった音がする。タマラン。mp3の音は原音に忠実なオーディオシテムであればあるほど情けない音になる。だからSansuiは倒産する。mp3はパソコン用で売ってる2.1chのスピーカーなんかで聞いた方がよっぽどいい音に感じる。それは低音をウーハーで適当に増幅し、高音は効率の悪いスピーカーでいい加減に鳴らしてるからだ。
ある程度スタジオでmp3をいい音で聞く、いや聞ける手段はないものかと考えたのがこの方法。ポイントはmp3の音をボカし、膨らます。

macから出力されたデジタル信号をオーディオインターフェイスでアナログに変換。そしてアナログミキサーへ。このミキサーのプリアンプがまず音のキャラクターを決める。僕の好みは気持ちのいい中域音を作るようにしてます。この時点ではEQはHi、Mid、Bassがあれば十分。

そしてミキサーから出力された信号は下のイコライザーを経由して上のコンプレッサーへ。コンプレッサーで音の圧縮具合を決定して、スピーカーから出てくる音を実際に聞きながらイコライザーで補正する。

そして最終的な音量レベルはDATのデッキのヴォリュームで決める。DATのデッキで音を再びアナログからデジタルに変換してアンプへ。って感じでまぁ、聞ける音になるかな。ご覧の通り使ってる機材はどれもこれも相当古い。音アホはmp3と戦う。
peace

Elements Of Eden Vol 1リリース。

「Elements Of Eden Vol 1」というコンピレーションがリリースされた。このコンピレーションには昨年末にリリースしたアルバム「Dear My Soul」から"Fee it"が収録されている。少しjazzyで乾いた浮遊感の漂うトラックだ。

http://www.junodownload.com/products/elements-of-eden-vol-1/1938696-02/
その「Dear My Soul」がリリース以来4ヶ月を経ようとした先日、ヨーロッパの音楽配信サイトtracktrackerのセールスチャートにおいてリスニング部門、エレクトロニカ部門の両部門で何とまさかの1位を獲得した。

peace

mp3で遊ぼう。


2012年3月も終わろうとしているのに今年の春は遅い。いまさらだけどmp3の音ってどうしたらいいの?を試行錯誤しながら音を楽しんでいる。これまで「え?何?mp3?」と片付けてしまえばよかった。音質の悪さは折り紙付き。基本的にデーターを圧縮している以上、逆立ちしてもいい音にはならない。そんなメディアは音を作る立場からは全く興味のないメディア。しかし顕著にmp3を無視できない状況になってきたことは確か。実際、僕の曲はmp3でしかリリースされていないのが現実だ。(一部、WAVでもリリースもされてます)本腰入れて最終メディアがmp3になることを前提に音作りとかアレンジ、そしてマスタリングなんかを考えた方がいいと。前向きにmp3で遊ぼうと思った。どうせジョブスだって家ではレコード聴いてたんでしょ。って嘆くのではなく、笑えないとこの遊びはうまくいかない。でもコレは写真家ならフォーカスが甘い写真を撮ることだし、フラワーアレンジメントなら造花を使ってテーブルを飾ることと同じこと。まじめに考えたらアーティストとしてこんなツライことはない。だからまじめに考えない。フォーカスの甘い写真だって、テーブルを飾る造花だって遠くからみれば大丈夫、分からない。もしくは最初からコンセプトを持ってフォーカスの甘い写真を撮影し、造花でテーブルを飾ればいい。それがユニークなり、面白ければ興味は持てる。でしょ?
ニール・ヤングはなぜMP3を嫌うか」
http://wired.jp/2012/02/14/why-neil-young-hates-mp3-and-what-you-can-do-about-it/
peace

足跡、DayシリーズとSoulシリーズ。

この2年間に"Sunny day""Rainy day"のDayシリーズと"Soul eyes""Dear my soul"のSoulシリーズをリリースした。この各シリーズは、ジャケットのデザインでもシリーズ的に共通したテイストでデザインされている。

2009年9月にリリースした"Sunny day"
http://www.mole.de/eng/Releases/release2.php?kid=mole074-8

2009年10月にリリースした"Rainy day"
http://www.mole.de/eng/Releases/release2.php?kid=mole078-8

2010年10月にリリースした"Soul eyes"
http://www.mole.de/eng/Releases/release2.php?kid=mole096-8

そして2011年、今月リリースした"Dear my soul"
http://www.mole.de/eng/Releases/release2.php?kid=molex023-4
peace

Dear My Soulリリース。


今週、不覚にも風邪を引いてしまった。12月15日ドイツMole Listening Pearlsよりリリース。全14トラック。リリース当日はサプライズでアメリカ村のキッチン&ギャラリーAfuでお祝いをしてもらった。シャンパンで乾杯して、お花頂いたり、手作りケーキや気持ちやどうもありがとうございました。
Mole Listening Pearls
http://www.mole.de/eng/Releases/release2.php?kid=molex023-4
視聴
http://www.junodownload.com/products/dear-my-soul/1879543-02/
iTunes
http://itunes.apple.com/album/dear-my-soul/id485971039?l=fr&v0=9988&ign-mpt=uo%3D1
peace

Sometime。

一昨日から少し寒くなった。すっかり秋の深まりと、冬の訪れを感じる。
アルバム"Dear My Soul"の最後の14曲目に収録したトラックがSometimeだ。ラブソングが作りたいと思った。それは男女間のだけじゃなく、親が子を思う、友人が友人を思う、人が人を思う気持ち。あなたは一人ではなく、今日もどこかで誰かがあなたのことを思っている。思ってもらってる。そんな何か人類愛のようなラブソングを作ってみたいと思って"Sometime"が出来上がった。

peace

Dear My Soul。その2


僕にとって今年2011年は2001年にCosmic Pink epをリリースして10年目を迎える節目の年。気がつけばって感じで、そんな年にアルバムリリースが決まったのは、単なる偶然でしかない。でも僕の中で、ひとつ大きなプロジェクトが完結したことは確かなことなんだけど。基本的に僕とレーベルはアーティスト契約をしているのではなく、トラック契約だ。もう少し詳しく説明すると、トラックの保有権はトラックを制作したプロデューサーの僕にある。僕はレーベルに一定期間トラックを貸し出すというものだ。この一定期間なんだけど、僕がデビューしたころは3年だったけど、今は10年になっている。しかもミックスを変えた新たなバージョンもその中に含まれる。ますますこれはアーティスト側に不利益にも見えるが、実際、3年経過した後に、また新たなレーベルを探すというのも現実的ではない。それは自主レーベルを立ち上げるとかとなると話は別だけど。
このリリース予定は遅れに遅れた。ジャケットデザインはもう1年前にはドイツのグラフィックチームによって制作され、あとはレーベルがリリースのローテーション調整をしてスケジュールを決めるだけの段取りだった。しかし昨年の年末にレーベルのオフィスに泥棒が侵入し、メインのサーバーも盗難に遭って、重要なデーターのほとんども失ってしまうというハプニングがあったり、担当者が突然レーベルを辞めて、引き継ぎがなってなかったり、今度は後任の担当者が僕のトラックのデーターを紛失していたり、僕のトラックとは全然関係ないことが原因で、けっこう心は振り回された。というか耐えた。それはとても長く感じた。このアルバムがリリースされないと気持ち的に前に進むことができなかったから。実際、僕はこの1年以上、新しいトラックを1曲も作っていない。これはスランプとかじゃなくて、ほんとに作る気がしなかった。なぜなら今回のDear My Soulはブレてないし、骨太だし、ロックだし、よそ見してないし。やりたいことやったし。しかし、その分、ほんとにリリースできるかみたいなところのリスクは大きくなる訳で、トラックを貸し出す身として。だからリリースが決まってホント、嬉しい。よかった。
peace

10年前にリリースしたCosmic Pink ep
http://www.mole.de/eng/Releases/release2.php?kid=mole034-6