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きっぷメモ。

2016年5月18日

津接続の近鉄連絡乗車券(POS端末120mm券)

関から江戸橋への片道乗車券です。
JR西日本のPOS端末で発売された連絡乗車券です。

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経路は関(関西本線)亀山(紀勢本線)津(名古屋線)江戸橋です。
関東にありそうな江戸橋という駅名ですが、三重県にある近鉄名古屋線の駅です。駅名標の表示は副駅名付きの「江戸橋(三重大学前)」です。
※駅名の由来は地名及び駅の近くにある志登茂川に架かる江戸橋で、江戸橋自体の由来は参覲交代時に橋の傍まで見送りに来たこと、とされています。関東には東京メトロ有楽町線江戸川橋東武アーバンパークライン江戸川台京成本線江戸川の3つの「江戸」の駅があります。
JR営業キロ21.2km 運賃410円と近鉄線営業キロ1.2km 運賃150円、合計22.4km 560円です。自動改札機に対応しない120mm券で発券されました。

これはJR西日本のPOS端末には津接続の近鉄線運賃が登録されていないためのようです。理由は不明ですが近鉄連絡はJR6社各駅とのような広範な連絡運輸ではないことに加え、接続駅の津はJR東海が管理する他社管理駅のためでしょうか。
津接続の近鉄線はJR東海・JR西日本で連絡運輸を行ってはいますが、JR西日本の連絡範囲は関西本線の関・加太・柘植の3駅のみです。加太は無人駅、関・柘植はPOS端末設置の簡易委託駅(指定券扱い有り)です。
簡易委託駅には出札機器としてマルス端末の代わりにPOS端末が設置されることも多く、加えて委託駅は契約上連絡乗車券を発売できないこともあります(例:京王線分倍河原駅)。JR西日本のPOS端末で津接続の連絡乗車券が発売される機会はほとんど無いと思われます。

POS端末に運賃が登録されていない場合においても、連絡乗車券の発売は可能です。
運賃が登録されていない会社線についてはマルス端末でいうところの金額入力操作に相当する単価入力操作を行います。社線運賃「150」円と有効日数「1」日を入力することで発売できます。JR線区間の運賃は自動的に計算されます。経由欄は接続駅の「津」まで印字されます。
単価入力という特殊な操作が必要ですがこの乗車券を発売頂いた駅では出札の方が慣れておられたようで、旅客連絡運輸規則別表・旅客連絡運輸取扱基準規程別表から近鉄線運賃を調べたうえで発売頂けました。

運賃と有効日数のみを指定し、社線営業キロの指定が不要というのは金額入力の基準額入力・収受額入力操作に近いですが、経由欄が接続駅まで印字されるのは金額入力の自・社区間入力操作に近く、両者を組み合わせたような操作・印字となっています。

JR西日本のPOS端末で120mm券となる乗車券は、大垣接続の近鉄養老線(現・養老鉄道)連絡、宮島航路(現・JR西日本宮島フェリー宮島口宮島相互のみ)などがありました。
現在では前者は養老鉄道転換に伴い普通乗車券の連絡運輸廃止、後者は会社移管により社線完結となりJR西日本のPOS端末では発売できなくなっています。


亀山から関と、関から江戸橋への連続乗車券です。
連続1はJR完結、連続2は津接続のJR→近鉄の連絡乗車券です。こちらはマルス端末で発売されたものです。

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連続1は営業キロ5.7km 運賃190円、連続2はJR線営業キロ21.2km 運賃410円と近鉄線営業キロ1.2km 運賃150円、合計22.4km 560円です。有効日数は連続1と2を合算した2日間となります。
連続2の区間は先のPOS端末で購入したものと同じ区間です。津接続近鉄線の運賃はマルスシステムに登録されており、自動改札機に対応した85mm券での発売が可能です。経由には「近鉄線」と社線名まで印字されます。


津接続のJR→近鉄の連絡範囲は以下のとおりです。片道・往復乗車券の他、連続乗車券の発売も可能です。
JR東海:紀勢本線 亀山〜松阪
JR西日本:関西本線 関〜拓殖間
近畿日本鉄道:名古屋線 伊勢中川・久居〜高田本山間・豊津上野・磯山〜白子間

2016年4月1日

分倍河原駅設置のPOS端末による乗車券

4月1日から有効の分倍河原から府中本町への片道乗車券です。4月1日から有効です。
4月1日から稼働するPOS端末により発売されました。4月1日に発売されました。

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分倍河原駅は京玉電鉄が出札・改札業務とも行っており、JЯとしては無人駅です。
京玉とJЯのそれぞれの券売機が設置される他、JЯの券売機で発売していない区間については定期券窓口で補充片道・補充往復の乗車券を発売していましたが、この扱いは3月31日で終了し、4月1日からはPOS端末が設置されることとなりました。

近年補充券を日常的に発売する駅は縮小傾向にあります。分倍河原駅も補充券による発売を終了した後は指定席券売機を設置するものと思っていましたが、実際にはPOS端末が設置されました。社線管理の窓口にPOS端末が設置されるというケースは珍しいように思います。

なお発売条件は補充券を発売していた当時とほぼ同じで、以下の条件を満たす必要があります。
(1)当日から有効
(2)分倍河原駅を発駅
(3)片道または往復(連続乗車券、定期券、回数券、団体券、特別企画乗車券等は不可)
(4)JЯ線完結(社線連絡・通過連絡不可)
(5)片道101km以上、かつ大都市近郊区間相互でない
(6)学生割引・往復割引以外の割引でない


分倍河原から府中本町は単純に隣駅であり本来はPOSで発売する必要はありませんが、
4月1日に限ってはどのような区間でも発売していました。4月1日に限った扱いでした。

2016年3月18日

連続乗車券での連絡乗車券(2)・JR東日本-京王電鉄

三鷹から品川と、品川から吉祥寺への連続乗車券です。連続2の着駅は「(京王線)吉祥寺」とあります。
連続1はJR完結、連続2はJR→京王となる連絡乗車券です。

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連続1は三鷹(中央本線)新宿(山手線)品川で24.4km 380円、連続2は品川(山手線)渋谷(井の頭線)吉祥寺でJR7.2km 160円、京王12.7km 190円、合計19.9km 350円です。
2014年4月1日以降は連続1が390円、連続2はJR170円と京王200円で370円です。

JR東日本から京王電鉄への連絡運輸においては、現在も連続乗車券が発売券種として扱われています。
しかしながら京王電鉄線は接続駅から各駅の運賃がマルスシステムに登録されていないため、連絡乗車券の発券には金額入力操作が必要です。マルス端末の仕様上、連続乗車券で金額入力が必要となる区間を含む連絡乗車券はやや発券操作が複雑です。

連続乗車券の発売には連続乗車券発券画面、または一件操作を用いる方法が一般的ですが、連続乗車券発券画面では金額入力操作が出来ず、また金額入力を行った乗車券は連続乗車券として一件操作には登録できません。
一件操作を用いない方法としては、乗車券の券種を連続乗車券として1枚ずつ発券し、連続券の番号と有効日数を手書き事項で追記するという方法もあるのですが、金額入力操作のうち自・社区間金額入力で券種を連続乗車券とすると、一件操作を行っていなくても発券できません。
一方で基準額入力・収受額入力は一件操作中でなければ連続乗車券として発券できますが、経路入力をしない発券方法ですので経由が何も印字されません。したがって連続券の番号・有効日数に加え経由も手書き事項で記入する必要があります。

なお、基準額入力・収受額入力はJR線が全線発行会社の路線として扱われるため、他社関連(今回の場合では、JR東日本以外のJR線を経由する乗車券)となるものは発売できません。このような場合は出札補充券でしか発売できないということになります。


連続1については、JR線完結の乗車券ですので通常の乗車券の発券操作で、券種を連続乗車券とすることで経由を印字して発券することも可能ですが、今回は連続1についても基準額入力で発券されたようです。どちらの方法でも120mm券での発券となり自動改札機は通過できません。券番号からすると、連続2の後に連続1を発券したようです。

今回発券頂いた駅はJR東日本独自のマルス端末であるMEX端末が設置された駅でしたが、MR32端末においても同様の操作で発券可能です。
ただし、マルスシステムに運賃が登録されていない社線を含む連続の連絡乗車券は出札補充券を用いた発売となることが多いようです。経由情報の記録が残らず、発券区間と運賃の正当性の確認が困難なためでしょうか。発行箇所は伏せておきます。


マルス端末の操作は以下のとおりと推測します。
【連続1】
乗車券→金額入力-基準額入力
[12]月[07]日
発駅[三鷹]
着駅[品川]
有効日数[1]日
券種[連続乗車券]
大人[1]名 小児[ ]名
自他区分[自社完結]
接続コード 自・社1[  ]→[  ]
        社2[  ]→[  ]
基準額     JR[ 380]円
      自・社1[  ]円
        社2[  ]円
【連続2】
乗車券→金額入力-基準額入力
[12]月[07]日
発駅[品川]
着駅[吉祥寺(京王)]
有効日数[1]日
券種[連続乗車券]
大人[1]名 小児[ ]名
自他区分[自社完結]
接続コード 自・社1[4645]→[  ]
        社2[  ]→[  ]
基準額     JR[ 160]円
      自・社1[ 190]円
        社2[  ]円


渋谷を接続駅とするJR東日本から京王電鉄への連絡範囲は以下のとおりです。
JR東日本:東海道本線、山手線、赤羽線南武線鶴見線武蔵野線横浜線根岸線横須賀線相模線伊東線、中央本線 東京小淵沢間、青梅線五日市線八高線東北本線 東京〜宇都宮間・尾久北赤羽北与野間、常磐線 日暮里水戸間、川越線高崎線両毛線水戸線総武本線京葉線外房線内房線成田線
京王電鉄:京王線、競馬場線動物園線高尾線 北野〜狭間間、相模原、井の頭線

2016年3月17日

連続乗車券での連絡乗車券(1)・JR西日本-近畿日本鉄道

大阪から大阪と、大阪から大阪上本町への連続乗車券です。
連続2がJR西日本と近畿日本鉄道の連絡乗車券です。JR西日本の出札補充券で発券されました。

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近畿日本鉄道への連絡乗車券は、現在も定期乗車券限定の接続駅を除き接続各駅で片道・往復・連続乗車券を発売できます。

連続1は大阪→大阪、大阪環状線(内回り)経由です。
マルスシステム上は大阪(大阪環状線)今宮(関西本線)天王寺(大阪環状線)大阪営業キロ21.7kmで運賃330円です。

連続2は大阪→大阪上本町、鶴橋を接続駅とするJR西日本と近畿日本鉄道の連絡乗車券です。
経路は大阪(大阪環状線)鶴橋(大阪線)大阪上本町、JR西日本7.7km 180円、近畿日本鉄道1.1km 150円で合計8.8km 330円です。
関西圏会社線はマルスシステムに社線運賃が登録されている区間が多いのですが、鶴橋接続の近鉄線大阪上本町は乗継割引設定区間であることからか運賃登録がありません。乗継割引が適用されない区間であってもマルスシステムは「口座なし」を回答します。

片道2枚であれば連続1の部分は発着区間・経路を入力して補正禁止、連続2の部分は接続駅コード「6535(鶴橋)」、社線営業キロ「1.1km」、社線運賃「150円」でそれぞれ発券できますが、連続乗車券として発券する場合、マルス端末の連続乗車券発券画面は金額入力操作に対応していません。また、金額入力-自・社区間画面では、発売券種を連続乗車券にできないため、一件操作でも連続乗車券を発券できません。
JR線部分が全区間JR西日本の自社完結ですので金額入力操作でも発売自体は可能ですが、JR西日本ではこのような場合は出札補充券により発売するとのことでした。なお、片道乗車券2枚であればマルス発券が可能ですが、有効日数はそれぞれ1日となります。

記事欄を見てみると「平成27年1月3日から有効」と有効開始日の他、「連1 大阪、大阪、大阪上本町」「(連2) 大阪、大阪、大阪上本町」と記入されています。
これは西日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程第235条第9号のエに規定された運賃打ち切り区間を表しています。この規定に沿った発券というのは初めて見たように思います。
※なお、同規定によると事由は「連続」とのみ定められています。乗車券類の代用としての発行ですので事由欄「連続券」、記事欄「連1」「連2」が正しいことになるのでしょうか。

(一般用特別補充券の各欄の記入方)
第235条 出札補充券、改札補充券、料金専用補充券及び車内補充券の各欄の記入方は、次の各号に定めるとおりとする。
(1)事由欄は、次に掲げる略号を記入(略号が記入されている場合は、○でかこむ。)することができる。この場合、異なる種類のものを一葉として発行するときは、それぞれの略号を組み合わせて「片道特急」の例により記入する。ただし、乗車券類の代用として発行するとき及び前途の他列車に対して発行するときは、略号の後に「券」をつけるものとする。
ア 乗車券類の代用又は乗車券類の無札
(ア)普通乗車券
 片道、往復又は連続
 なお、規則第26条第2号ただし書により発売する往復乗車券にあつては、往路用は「(3)ゆき」、復路用は「(4)かえり」と記入する。
(中略)
(9)記事欄は、次により記入する。
ア〜ウ 略
エ 連続乗車券として発行する場合は、第1券片には「連1」と記入し、第2券片には「連2」と記入するほか、運賃打切区間を「大阪市内・伊勢市東京都区内」の例により記入する。

以下略



鶴橋を接続駅とするJR西日本と近畿日本鉄道の連絡範囲は以下のとおりです。
JR西日本:東海道本線 京都神戸間(※)、山陽本線 姫路岡山倉敷・福山・尾道広島(※)・宇野、関西本線 志紀久宝寺間、片町線 河内磐船〜徳庵間、阪和線 浅香〜久米田間・和歌山
近畿日本鉄道:大阪線 大阪上本町〜大和八木間・桜井・室生口大野・赤目口・名張難波線信貴線山田線 松阪宇治山田奈良線天理線 天理
※京都市内・大阪市内・神戸市内・広島市内の各駅を含む。

2016年3月1日

特例を適用しない広島経由の乗車券(POS端末発行)

有年駅発行の有年天応の片道乗車券です。
同駅はみどりの窓口のない駅ですがPOS端末設置の出札窓口があります。

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この乗車券の経路は有年(山陽本線)岡山(山陽新幹線)広島(山陽本線)海田市(呉線)天応です。
営業キロ240.7km、運賃は4430円です。
東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程(以下、基準規程)第151条第1項の規定により、海田市を通過する列車に乗車する場合は分岐駅通過の特例が適用され、折り返し区間で途中下車しない条件で券面区間外の乗車が認められています。同第151条の2により三原・広島間新幹線利用時にも適用されます。

一方で三原・広島間は東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第16条の2第2項第6号により同区間内(三原・広島を除く)を発着駅または接続駅とする場合は新幹線と並行在来線を別の線路として扱うとも規定しています。

今回のような経路の場合、通常は営業キロが短く運賃が安くなりうる基準規程を適用させた乗車券が発売されます。通常は運賃が安い方を発売すれば事足りますが、基準規程を適用させた乗車券は海田市・広島間で途中下車しないことが条件です。広島で途中下車したい場合は基準規程を適用せず規則通り別の線路として扱った広島経由の乗車券を発売するか、特例適用の乗車券と折り返し区間の往復乗車券が必要となります。

しかしながらマルスシステムは広島経由の乗車券の発売に対応していません。基準規程の適用が強制され広島経由を指定しても自動的に海田市・呉線経由で運賃計算された乗車券が発売されます。大都市近郊区間のような運賃計算経路を補正した結果ではないためか、マルス端末上の補正禁止により運賃計算経路を固定させることはできません。広島経由で発売する場合は出札補充券での発売となります。

一方でJR西日本のPOS端末においては補正禁止を指定できるようで、新幹線、広島、海田市経由の三原以遠と矢野以遠の相互間の乗車券を端末で発売することが可能です。新幹線経由、海田市・広島間の折り返し特例区間に関してはPOS端末の方が柔軟に発売できるといえます。
JR西日本以外のPOS端末で今回のような経路の乗車券が発売できるかどうかは確認できていません。

なお、有年〜天応間で基準規程の特例を適用した場合、運賃計算上は有年(山陽本線)海田市(呉線)天応と同じ経路となり営業キロ227.9km 運賃4000円です。広島〜海田市は片道200円、往復400円ですので下車したい駅が広島だけの場合、この区間については往復乗車券を別に買ったほうが安くなります。

有年駅の出札窓口営業時間は毎日5:30〜23:00です。料金専用補充券による指定券の発売は行っていません。


旅客営業規則
(東海道本線(新幹線)、山陽本線(新幹線)、東北本線(新幹線)、高崎線(新幹線)、上越線(新幹線)、信越本線(新幹線)及び鹿児島本線(新幹線)に対する取扱い)
第16条の2 次の各号の左欄に掲げる線区と当該右欄に掲げる線区とは、同一の線路としての取扱いをする。

(1)東海道本線、山陽本線中神戸・新下関東海道本線(新幹線)及び山陽本線(新幹線)中新神戸・新下関間
(2)東北本線東北本線(新幹線)
(3)高崎線、上越線及び信越本線高崎線(新幹線)、上越線(新幹線)及び信越本線(新幹線)
(4)鹿児島本線中博多新八代間及び川内鹿児島中央鹿児島本線(新幹線)中博多・新八代間及び川内・鹿児島中央間

2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる区間内の駅(品川小田原三島静岡名古屋米原新大阪西明石、福山、三原、広島、徳山福島仙台、一ノ関、北上、盛岡熊谷高崎越後湯沢長岡新潟、博多、久留米筑後船小屋及び熊本の各駅を除く。)を発駅若しくは着駅又は接続駅とする場合は、線路が異なるものとして旅客の取扱いをする。
(1)〜(5) 略
(6)三原・広島間
(以下略)


【旅客営業取扱基準規程】
(分岐駅通過列車に対する区間外乗車の取扱いの特例)
第151条 次に掲げる区間の左方の駅を通過する急行列車へ同駅から分岐する線区から乗り継ぐ(急行列車から普通列車への乗継ぎを含む。)ため、同区間を乗車する旅客(定期乗車券を所持する旅客を除く。)に対しては、当該区間内において途中下車をしない限り、別に旅客運賃を収受しないで、当該区間について乗車券面の区間外乗車の取扱いをすることができる。
(中略)
海田市・広島間
(以下略)

(海田市・広島間に係る区間外乗車の取扱いの特例)
第151条の2 矢野以遠(坂方面)の各駅と三原以遠(糸崎方面)の各駅相互間を乗車する旅客が、新幹線に乗車(広島・東広島間を除く。)する場合は、規則第16条の2第2項の規定にかかわらず、三原・広島間を同一の線路とみなして、広島・海田市間において、途中下車をしない限り、別に旅客運賃を収受しないで当該区間について乗車券面の区間外乗車の取扱いをすることができる。

2016年2月23日

博多→折尾の乗車券(新幹線経由)

博多から折尾への片道乗車券です。JR九州の出札補充券で発売されました。

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この乗車券、わざわざ補充券で発売する必要はないように見えますが券面を見てみると区間は「博多→折尾」、経由は山陽新幹線の「幹」、運賃は840円とあります。山陽新幹線に折尾駅はなく、鹿児島本線経由の博多→折尾間、JR九州48.1kmの運賃は940円で、発売額と合いません。

実際のところ、この乗車券は単独で発売されたものではなく別途所持する乗車券につながる乗車券として発売されたものです。
どのような経緯で発売されるのか、以下で見ていきます。


[広]広島市内・[九]北九州市内の山陽新幹線経由の往復乗車券のかえり券、[九]北九州市内→[広]広島市内です。この乗車券を所持する旅客が博多から乗車したい場合を考えてみます。

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往復乗車券はゆき券とかえり券の2葉で1枚の乗車券です。
ゆき券使用後の状態はかえり券が未使用であっても全体としては使用開始後の乗車券であり、かえり券を乗車券類変更で[福]福岡市内→[広]広島市内へは変更できません(※)。区間変更も変更できるのは着駅または経路ですので、発駅を手前に伸ばすこともできません。
従ってこの場合は、不足する区間について乗車券を別途購入する必要があります。
※未使用のかえり券のみを払戻すことは可能です(東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第274条第2項)。

規則第86条第8号の規定から、鹿児島本線で博多方面からの北九州市内入口駅は折尾です。博多から在来線小倉に向かい、小倉で改札を出ないで山陽新幹線に乗り換える場合は博多→折尾(鹿児島本線経由)、JR九州48.1km 940円の乗車券を購入することで乗車できます。


次に博多から山陽新幹線を利用する場合に必要な乗車券を考えてみます。
規則第16条の2において、山陽新幹線と山陽本線・鹿児島本線の新下関〜博多間は同じ線路として扱う区間に含まれません。
従って鹿児島本線経由の博多→小倉の乗車券で山陽新幹線は乗車できません(逆も同)。同じく博多→折尾(鹿児島本線経由)と[九]北九州市内→[広]広島市内(山陽新幹線経由)の組み合わせでも博多から山陽新幹線を利用できません。


山陽新幹線における北九州市内の入口駅は小倉ですので、単純に考えると山陽新幹線経由の博多→小倉、JR西日本67.2km 1140円の乗車券が必要なように思われます。
実際、小倉で一旦下車する場合は以下のとおり博多→小倉の乗車券が必要です。

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しかしながら、北九州市内発の乗車券を持つ旅客が博多からの山陽新幹線乗車を希望する場合、「博多〜折尾間(48.1km)の営業キロに相当する運賃をJR西日本の賃率で計算した乗車券を発売し、所持する乗車券と併用することで山陽新幹線の乗車を認める特例」、言い換えれば「山陽新幹線上における鹿児島本線折尾駅と同じ営業キロの場所に仮想的な新幹線折尾駅(北九州市内の駅)が存在するとみなす特例」が存在するようです。
「するようです」という書き方をしたのは、この取扱いは規則や旅客営業取扱基準規程(以下、基準規程)には存在せず、根拠を確認できていないためです。ただし博多駅においてはこの出札補充券の書き方例がみどりの窓口に設備されており、少なくとも博多駅では正規の取扱いとなっているようです。博多駅以外で扱われるかどうかは確認できていません。なお、JR九州の博多駅窓口に限らずJR西日本の博多駅窓口でも発売可能です。

営業キロ48.1kmに対するJR九州の幹線運賃は940円ですが、JR西日本の幹線運賃は840円です。840円というのは最初に示した出札補充券の発売額と一致します。
マルスシステムは博多→折尾を山陽新幹線経由、運賃840円での発売に対応していませんので出札補充券での発売となります(※)。
※JR西日本で発売する場合は金額入力の収受額入力操作により博多→折尾、JR西日本自社完結、運賃840円のマルス券を発売することが可能と思われますが、出札補充券で発売するようです。

つまり特例により発売された「博多(山陽新幹線)折尾」の片道乗車券と、[九]北九州市内→[広]広島市内の乗車券を「北九州市内に含まれる山陽新幹線折尾駅から有効」とみなすことにより、博多から山陽新幹線を利用できる、という理屈となっているのだと思われます。
なお、乗車券類変更が出来る場合はその扱いが優先され、出札補充券での発売は行われないようです。


今回は[九]北九州市内→[広]広島市内、213.5km 3670円と、博多→折尾48.1km 840円の合計4510円が支払った総額です。本来の運賃は[福]福岡市内→[広]広島市内、280.7km 5080円ですので、結果として通し運賃より500円以上も安くなったことになります。
このような差が生じる理由としては北九州市内発となることで折尾・小倉間の運賃が北九州市内に吸収されたこと、[福]福岡市内・[広]広島市内間がちょうど運賃が1段高くなる境界の営業キロ280kmを僅かに超えていること等が上げられます。



上記例は所持する乗車券に繋がる乗車券の発売に関するものですが、北九州市内着の乗車券で乗り越しし、新幹線経由博多で精算した場合においても同様に扱われます。
山陽新幹線経由、[広]広島市内・[九]北九州市内の往復乗車券のゆき券、[広]広島市内→[九]北九州市内です。

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この乗車券で博多まで新幹線で乗り越した場合、精算額は小倉→博多(山陽新幹線経由)1140円でも折尾→博多(鹿児島本線経由)940円でもなく、上記出札補充券の発売額と同額の840円です。新幹線折尾→博多(山陽新幹線経由)、JR西日本幹線48.1kmに対する運賃が精算額です。

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今回のような乗り越し精算についての扱いは基準規程第275条第1号の例の後段で示されています。
「北九州市内又は福岡市内着の乗車券を所持する旅客が、小倉・博多間を新幹線に乗車する区間変更の取扱いを申し出たときは、北九州市内又は福岡市内の出口の駅からの営業キロ又は運賃計算キロによつて普通旅客運賃を計算する」とあります。
北九州市内から新幹線で乗り越す場合は折尾・博多の営業キロをJR西日本の賃率で計算する、と直接定めているものではなく、また「北九州市内の出口の駅」は(幹在別扱いの区間ですが)小倉とも折尾とも解釈できます。
小倉・博多間の営業キロで計算する、という趣旨なのかもしれませんが、わざわざ「小倉・博多間を新幹線に乗車する区間変更」と限定しているところから、他の特定都区市内と異なる扱いを定めているように思われます。

仮に基準規程第275条第1号が折尾・博多に対するJR西日本賃率で計算した運賃を精算額とするという趣旨であるとすると、ゆきとかえりで必要となる追加額が異ならないように博多→折尾(山陽新幹線経由)の乗車券発売を定めているのかもしれません。

旅客営業規則
(東海道本線(新幹線)、山陽本線(新幹線)、東北本線(新幹線)、高崎線(新幹線)、上越線(新幹線)、信越本線(新幹線)及び鹿児島本線(新幹線)に対する取扱い)
第16条の2 次の各号の左欄に掲げる線区と当該右欄に掲げる線区とは、同一の線路としての取扱いをする。
(1)東海道本線、山陽本線中神戸・新下関間東海道本線(新幹線)及び山陽本線(新幹線)中新神戸・新下関間
(2)東北本線東北本線(新幹線)
(3)高崎線、上越線及び信越本線高崎線(新幹線)、上越線(新幹線)及び信越本線(新幹線)
(4)鹿児島本線中博多・新八代間及び川内鹿児島中央鹿児島本線(新幹線)中博多・新八代間及び川内・鹿児島中央間
2 略

(特定都区市内にある駅に関連する片道普通旅客運賃の計算方)
第86条 次の各号の図に掲げる東京都区内、横浜市内(川崎駅尻手駅、八丁畷駅及び川崎新町駅並びに鶴見線各駅を含む。)、名古屋市内、京都市内、大阪市内(新加美駅を除く。)、神戸市内(道場駅を除く。)、広島市内(海田市駅及び向洋駅を含む。)、北九州市内、福岡市内(姪浜駅下山門駅今宿駅九大学研都市駅及び周船寺駅を除く。)、仙台市内又は札幌市内(以下これらを「特定都区市内」という。)にある駅と、当該各号に掲げる当該特定都区市内の◎印の駅(以下「中心駅」という。)から片道の営業キロが200キロメートルを超える区間内にある駅との相互間の片道普通旅客運賃は、当該中心駅を起点又は終点とした営業キロ又は運賃計算キロによつて計算する。ただし、特定都区市内にある駅を発駅とする場合で、普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内の外を経て、再び同じ特定都区市内を通過するとき、又は特定都区市内にある駅を着駅とする場合で、発駅からの普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内を通過して、その特定都区市内の外を経るときを除く。
(1)〜(7)略
(8)北九州市内 図は略
(以下略)

(旅行開始後又は使用開始後の旅客運賃の払いもどし)
第274条 旅客は、普通乗車券を使用して旅行を開始した後、旅行を中止した場合は、その乗車券が、有効期間内であつて、かつ、その乗車しない区間の営業キロが、100キロメートルを超えるとき(乗車変更の取扱いをしたため100キロメートルを超える場合を除く。)に限つて、これをその旅行を中止した駅に差し出し、既に支払つた旅客運賃から既に乗車した区間の普通旅客運賃(当該乗車券が往復割引普通乗車券以外の割引乗車券で、旅行を中止しても既に乗車した区間だけでその割引条件を満たすときは、割引普通旅客運賃)を差し引いた残額の払いもどしを請求することができる。この場合、旅客は、手数料として、乗車券1枚につき220円を支払うものとする。
2 往復乗車券又は連続乗車券の未使用券片については、前項の規定にかかわらず、第271条の規定を適用する。
3 旅客は、第1項の規定により残額の払いもどしを請求する場合で、係員の請求があるときは、払いもどしの請求書を提出しなければならない。


【旅客営業取扱基準規程】
(特定都区市内等に関連する乗車券で区間変更をする場合の旅客運賃の計算方)
第275条 特定都区市内又は東京山手線内着若しくは発の乗車券を所持する旅客が、区間変更の取扱いを申し出た場合は、次の各号に定めるところにより旅客運賃を計算するものとする。
(1)規則第249条第1項第1号に規定する区間変更の取扱いをする場合は、変更する着駅の方向の駅に関連するそれぞれの特定都区市内又は東京山手線内の出口となる駅着のものとして取り扱う。
(例)仙台発横浜市内着の乗車券を所持する旅客が、豊橋まで区間変更を申し出たときは、戸塚(横浜市内の出口の駅)・豊橋間(普通旅客運賃は規則第86条の規定により横浜・豊橋間)の普通旅客運賃を収受する。この場合、北九州市内又は福岡市内着の乗車券を所持する旅客が、小倉・博多間を新幹線に乗車する区間変更の取扱いを申し出たときは、北九州市内又は福岡市内の出口の駅からの営業キロ又は運賃計算キロによつて普通旅客運賃を計算するものとする。
(2)規則第249条第1項第2号及び第3号に規定する区間変更の取扱いをする場合は、原乗車券の着駅又は発駅を当該特定都区市内又は東京山手線内の中心駅着又は発のものとして取り扱う。
(例)下関発東海道本線経由東京都区内着の乗車券を所持する旅客が、金山から中央本線経由に変更を申し出たときは、金山・東京間の東海道本線経由と中央本線経由の区間変更として取扱いをする。

2016年1月23日

博多南線グリーン券

博多から博多南へのグリーン券・特急券です。
JR九州の料金専用補充券で発売されました。発行事由は「4特急」と「14Aグ」です。

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博多南線は新幹線の車両を使用し一部の列車が山陽新幹線直通運転を行う路線ですが、新幹線ではなくJR西日本在来線です。特急料金は100円で、上越新幹線(上越線)越後湯沢ガーラ湯沢間と合わせて「100円で乗れる新幹線」と呼ばれることもあります。
8両編成500系または700系7000番台が全車自由席使用されるのが基本ですが、一日一往復、繁忙期は追加で数本のグリーン車が連結されたN700系7000番台・8000番台で運行される列車もあります。

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700系7000番台のコンパートメントのように非営業ではなく利用することも可能ですがグリーン券が必要となります。
博多南線特急列車についてはマルスシステムで座席を管理していない都合上かつては座席を指定せず車内のみで発売していましたが、2011年頃から博多駅博多南駅に限り駅でも発売するようになりました。時刻表にも発売箇所について記載があります。ただしマルスシステムは引き続き対応していませんので、料金専用補充券により発売されます。
なお、博多駅においてはJR西日本・JR九州のどちらの窓口でも発売可能です。


グリーン券・特急券の発売額は1380円ですが、これを規定の面から見てみます。
まず、博多南線のグリーン車は指定席(※)ですので利用には指定席特急券とグリーン券が必要です。
※時刻表の博多南線においては指定席グリーン車を示すマークが表示されています。
博多・博多南間はJR西日本在来線で営業キロ8.5kmです。特急料金は50kmまでのA特急料金1270円(自由席は750円)ではなく100円とされており、これは東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第57条の3第2項の規定を受け、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程(以下、基準規程)第97条の2第5号、第129条の2第4号で規定されています。この特急料金は自由席だけでなく指定席も100円としています。基準規程では「規則第125条第1号ロの(イ)の規定にかかわらず」としていますので、グリーン車利用時の減額はありません。
グリーン料金については特に規定はありませんので、規則第130条第1項第1号のイの(イ)により100kmまでのグリーン料金1280円となり、指定席特急料金100円と合わせて1380円が博多南線のグリーン料金・特急料金です。
ところでこのグリーン券・特急券ですが、グリーン車指定席に対する指定券にも関わらず券面で乗車列車や座席を指定していません。博多南線N700系のグリーン車は24席で、運行の実態および料金からしてグリーン車が満席となることがまずありえず、座席指定をしなくても運用上問題なしとの判断なのかもしれません。


旅客営業規則
(特定の特別急行券の発売)
第57条の3 略
2 前項の規定によるほか、新幹線以外の線区であつて、別に定める区間を乗車するときは、特定の特別急行料金によつて指定席特急券、立席特急券自由席特急券又は特定特急券を発売する。ただし、乗車する列車を限定して発売することがある。
(以下略)

(特別車両料金)
第130条 特別車両料金は、次の各号に定めるとおりとする。
(1)特別車両料金(A)
イ ロ以外の特別車両料金(A)
(イ)(ロ)、(ハ)、(ニ)及び(ホ)以外の特別車両料金 (A)

営業
キロ地帯
100キロ
メートルまで
200キロ
メートルまで
400キロ
メートルまで
600キロ
メートルまで
800キロ
メートルまで
801キロ
メートル以上
料金1,280円2,750円4,110円5,300円6,480円7,650円

(以下略)


【旅客営業取扱基準規程】
(特定の特別急行券の発売区間)
第97条の2 規則第57条の3第2項の規定による特別急行券の発売区間は、次の各号に定めるとおりとする。
(1)〜(4)略
(5)博多南線に運転する特別急行列車の博多・博多南相互間とする。
(以下略)

(大人の特別急行料金の特定)
第129条の2 規則第125条第1号ロの(イ)の規定にかかわらず、次の各号に掲げる特別急行券に対する特別急行料金は、当該各号に定める額とする。
(1)〜(3)略
(4)第97条の2第5号の規定により発売する指定席特急券及び自由席特急券に対する特急料金は、100円とする。
(以下略)