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きっぷメモ。

2016年8月2日

東京から御茶ノ水への初乗り運賃の乗車券4種類

東京から御茶ノ水へJR線で向かう場合の乗車券を考えてみます。

東京駅1番・2番線からの中央線(快速各駅停車)で2つ目の停車駅が御茶ノ水であり、この方法が最も一般的です。
東京から御茶ノ水への片道乗車券、営業キロは2.6kmで運賃140円です。

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この乗車券の経路は東京(東北本線)神田(中央本線)御茶ノ水で、「経由:東北・中央東」となりそうなものですが、印字されているのは「経由:中央東」のみです。
これは先日の記事で触れたとおり東京・神田間はマルスシステム上、東北本線(トウホ)と中央東線(チユト)の重複区間となっているためです。東京から御茶ノ水まで全区間を中央東線でマルスシステムに要求することにより「経由:中央東」のみが印字されます。



マルスシステムに経路通り東北本線、神田、中央東線の経路で要求することも可能です。
東京から御茶ノ水の乗車券、「経由:東北・中央東」です。

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「経由:中央東」の乗車券と経路としては同じですが経由印字は異なります。C符号は同じなのは偶然なのか、同じ乗車券と見なしているのかはわかりません。



東京から御茶ノ水は上記に示した経路が一般的ではありますが、東京(東北本線)秋葉原(総武本線[御茶ノ水支線])御茶ノ水という経路も考えられます。この経路で購入したのが次に示す乗車券です。
東京から御茶ノ水の片道乗車券、「経由:東北」です。

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経路通りに印字すると「経由:東北・総武」となるところですが、総武本線(御茶ノ水支線)は印字されないことから、「経由:東北」のみの印字となります。営業キロは2.9kmと初乗り区間内ですので、運賃は最短経路の乗車券と同じ140円です。



前述の通り東京・神田間は中央東線(チユト)を指定することも可能です。東京、中央東線、神田、東北本線、秋葉原、御茶ノ水支線、御茶ノ水で発売した乗車券を以下に示します。
東京から御茶ノ水の片道乗車券、「経由:中央東・東北」です。

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経路としては「経由:東北」の乗車券と同じですが、東京・神田間を中央東線(チユト)としました。
東北経由の乗車券のC符号はC33、中央東・東北経由の乗車券はC55と今回は異なっています。



「経由:東北・中央東」と「経由:中央東・東北」の乗車券を並べてみます。発着駅が同じ、運賃も同じなのに経由の印字が逆転している珍しいケースと言えます。

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東京から御茶ノ水、片道140円の乗車券の券面パターンはこの4通りです。
同じ発着駅、初乗り運賃で4通りも存在するのは都心部の駅間が短いこと、路線網が複雑なこと、マルスシステム上重複区間となっていることなどが挙げられます。



しかしながら、初乗り区間にこだわらなければさらに複雑な経路の乗車券が考えられます。

東京から御茶ノ水の片道乗車券、「経由:東北・中央東・東北・中央東」です。
東北と中央東の組み合わせが2度印字されています。

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最早どのような経路なのか見当もつかないような印字ですが、この乗車券の経路は東京(東北本線)神田(中央本線)御茶ノ水(総武本線[御茶ノ水支線])秋葉原(東北本線)田端(山手線)代々木(中央本線)御茶ノ水です。東京・神田間を東北本線でマルスシステムに要求しています。営業キロ26.3kmで運賃は410円となります。
経由線でいうと東北本線、中央東線、総武本線2、東北本線、山手線2、中央東線です。このうち総武本線2、山手線2が経由印字されないため、東北本線、中央東線、東北本線、中央東線が残り、印字は「東北・中央東・東北・中央東」となります。
同じ路線名の組み合わせが2回繰り返し、それ以外の路線名が印字されないのはマルスシステムの印字省略機能による印字を除けばここくらいではないでしょうか。


なお、指定席券売機では東京→御茶ノ水の乗車券を購入すると全区間「中央東線(チユト)」で要求したものを発売します。
券面の経由印字は「中央東」です。

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2016年7月20日

高雄・京北線の連絡乗車券

大阪から山城高雄への片道乗車券です。JR西日本の出札補充券により発売されました。

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山城高雄は西日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸取扱基準規程別表(以下、連基別表)の西日本JRバス株式会社線には駅名の記載がありますが、マルス端末には登録がなくレベル1〜3全てで表示されません。この乗車券を購入した駅では連絡範囲内で発売は可能だがマルス端末では出せそうにないとのことで、出札補充券で発売することとなりました。

JR西日本は現在も西日本JRバスと普通乗車券での連絡運輸を行っています。JR北海道ジェイ・アール北海道バスの定期乗車券を除く連絡運輸が2014年4月に廃止された以降、旅客会社線と普通乗車券の連絡乗車券を発売する唯一の事例となっています。
ただし、京都接続の西日本JRバス 高雄・京北線連絡は2016年3月26日以降、連絡運輸廃止となったようです。新大阪・大阪・津山接続の中国高速線、近江今津・上中・小浜接続の若江線は現在も発売しているとのことでした。

この乗車券の経路は大阪(東海道本線)京都(高雄・京北線)山城高雄です。JR西日本42.8km 560円、西日本JRバス13.8km 520円で合計発売額は1080円です。西日本JRバスは大都市近郊区間に接続する連絡会社線ではありません(※)が、片道100kmを超えていませんので1日有効で下車前途無効です。
※西日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則(以下、連規)第75条第1項第1号イの(ロ)のb、「大阪付近西日本旅客鉄道株式会社線大都市近郊区間に接続する連絡会社線」に「西日本ジェイアールバス株式会社線」の記載がありません。

なお、京都駅改札で乗り換えのための出場を申し出たところ、「山城高雄」がどこの駅なのか、そもそもこの乗車券がどういうルートなのか判断がつかなかったようで、乗車券を持って裏の方に確認に向かわれました。実態として西日本JRバスの普通乗車券での連絡運輸が扱われることは殆ど無いでしょう。



西日本JRバスへの連絡乗車券自体まず知られていない存在であり、さらにマルス端末で駅名が出てこないような区間ともなるとほとんどの場合は接続駅の京都までの発売とすると思われますが、山城高雄までの乗車券は駅名の登録があり運賃が同額、山城高雄の周山寄りの駅(停留所)である栂ノ尾(とがのお)までの乗車券で代用することも可能です。

大阪から栂ノ尾への片道乗車券です。運賃は同じく1080円です。

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金額入力-自・社区間入力操作で発売されています。接続駅コード4050、社線運賃520円、社線営業キロは覚えていませんが12.8kmだったように思います。この乗車券で山城高雄で下車し、前途放棄という使い方でも問題はありません。
連基別表にはかつて自動車線においては運賃も営業キロも記載がなく、発売は別途自動車線運賃表を参照する必要があったのですが、近年は社線運賃が記載されるようになりました。ただしなぜか営業キロは引き続き記載がなく、やはり連基別表だけでは発売できない状態は続いています。途中下車が明らかに不可のケースは適当なキロ数で良いのかもしれませんが……。



それでは、マルスシステムで山城高雄を着駅とする連絡乗車券は出札補充券でしか発売できないかというとそうでもなく、駅名ファイルにない駅名も駅名カナ+事務管コードで入力し金額入力操作で発売するという方法も可能です。

勝間田(かつまだ)から中国勝間田(ちゅうごくかつまだ)への片道乗車券です。山城高雄着ではありませんがカナ入力で発売された乗車券で、着駅名は「チュウコ゛クカツマタ」とあります。

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この乗車券の経路は勝間田(津山線)津山(中国高速線)中国勝間田JR線運賃240円と社線運賃300円の合計で540円です。
中国高速線とは西日本JRバスの中国ハイウェイバスを指し、津山・新大阪・大阪接続でJR西日本との連絡運輸を行っています。隣の美作インターであれば駅名・運賃とも登録されていますが、中国勝間田は山城高雄と同じくマルスシステムに駅名が登録されていません。
このような場合は着駅名をカナ入力で「チュウゴクカツマタ」(※)、事務管理コードは接続駅「6057」と社線運賃「300」を繋げた「6057300」で指定することが可能です。接続駅コード6057(津山)、社線運賃300円、社線営業キロは11.8kmだったように思います。
冒頭の山城高雄着の乗車券は着駅欄が「4050001」となっています。社線運賃の代わりに「001」です。何なのかはよくわかりませんが、連基別表に「001」が記載されていたように思います。
※連基別表では読みがなが「ちゅうごくかつまだ」と記載されています。2014年3月31日以前は「ちゅうごくかつまた」で、消費税増税による運賃表改定に合わせて変更されたようです。濁点なしは誤記だったのでしょうか。なお岡山県勝田郡勝央町(おかやまけんかつたぐんしょうおうちょう)の地名と姫新線の駅名は「勝間田(かつまだ)」です。

JR西日本と西日本JRバスの普通乗車券における連絡範囲は以下のとおりです。高雄・京北線との連絡運輸は現在では廃止されています。
JR西日本:各駅
西日本JRバス:
【京都接続(高雄・京北線)】四条大宮・北野・立命館大学前・竜安寺前・御室仁和寺妙心寺北門・山城高雄・栂ノ尾・周山
【大阪、新大阪接続(中国高速線)】西宮北インター〜津山間の各駅(※)
【津山接続(中国高速線)】大阪(大阪駅桜橋口)〜中国勝間田間の各駅(※)
※バス路線のクローズドドア区間で乗車のみ・降車のみ取扱いの停留所は不可。大阪・新大阪接続大阪・新大阪・宝塚インター、津山接続津山〜津山インターが該当。またユニバーサル・スタジオ・ジャパン駅(バスの方です)は範囲外で発売不可のようです。
【近江今津接続(若江線)】上中・小浜
【上中・小浜接続(若江線)】近江今津


西日本JRバス高雄・京北線連絡乗車券はマルスシステムに社線運賃どころか駅名(停留所名)すら登録されていない区間もあり、また連基別表に営業キロ(かつては運賃も)の記載がありません。数あるJRの連絡乗車券の中でも発券の難易度は相当高いように思います。
2015年10月23日から高雄・京北線はPiTaPaを導入し、相互利用カードを含めICカード乗車券での利用が可能となりました。発売が複雑で、しかもほとんど使われることのない連絡乗車券はいずれ廃止されるだろうと思ってはいましたが、実際にICカード導入の半年後に廃止されました。意外に早いように思います。

これでJR線(鉄道)と普通乗車券での連絡運輸を行うJRバスは西日本JRバスの中国高速線・若江線のみとなりました。若江線は高雄・京北線より先の2015年9月18日からPiTaPaが導入されてはいますが、現在のところ連絡運輸は廃止されていません。しかしこれらの2路線とも連絡運輸廃止は遠くないようにも思います。


なお西日本JRバスでは京都を発駅とし北野〜栂ノ尾間が1日乗り降り自由で800円という高雄フリー乗車券が通年発売されています。往復利用する予定であればこちらのほうが便利かもしれません。かつては1000円でしたが、800円に値下げされています。
国鉄時代の常備式の特別企画乗車券のような様式で、これはこれで記念になるようにも思います。なお全線フリーきっぷでないため、京都駅下車時には回収となります。

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2016年7月15日

ICカード乗車券での山手線一周

東京駅発行のSuica残額ご利用明細です。

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東京駅にSuicaで入場し、山手線で一周した後に東京駅での下車を申し出ました。ICカード乗車券は乗車駅での下車に自動改札機が対応していないため、窓口での精算が必要となります。
残額500円が234円になっており、引き去り額は266円です。

前回は山手線を一周する紙の乗車券でしたが、ICカード乗車券で一周した場合についても考えてみます。
※今回も引き続き、単に「山手線」とした場合は「運転系統としての山手線」を指すものとします。また、Suica乗車券とSuica定期乗車券では根拠となる規則条文が異なる場合がありますが、ここではSuica乗車券を利用した場合とします。

まず、東日本旅客鉄道株式会社 ICカード乗車券取扱規則(以下、IC規則)第29条ではICカード乗車券であっても乗車経路通りの運賃計算を基本としつつ、実際に引き去る運賃はIC規則第38条で取扱区間内のうち最安の経路で計算した運賃としています。

東京から東京への経路のうち最安となるのは東京(総武本線)錦糸町(総武本線[御茶ノ水支線])秋葉原(東北本線)東京営業キロ10.2km、IC運賃では216円です。
ではこの運賃が山手線一周のIC運賃かというとそうはならず、IC規則第54条第1項の規定により乗車駅で下車する場合は実乗車経路(乗車を伴わない場合は同条第2項の規定により入場料金相当額)、すなわち山手線一周の経路に対するIC運賃を支払う必要があります。

山手線を乗車経路通りに一周した場合のIC運賃は475円(計算方法は後述)ですが、実際にはこの運賃が引き去られることはなく、東京駅で申し出た際は上記の通り266円が引き去り額でした。
これは東京から隣駅まで(IC運賃133円)の往復に等しく、大都市近郊区間の選択乗車の特例により東京〜有楽町の往復乗車券で東京から山手線を一周できるのと同じ解釈としているようです。
現実問題として個別の旅客の正確な乗車経路を把握することは困難であり(だからこそ紙の乗車券は大都市近郊区間の選択乗車、ICカード乗車券は最安経路で計算)、計算が簡単であり旅客にも不利とならない隣駅往復の運賃相当額を収受しているのでしょう。

ところで、東京→錦糸町→秋葉原→東京で一周乗車をした場合、IC運賃は前述の通り216円で隣駅往復の266円より安価となります。簡単のため隣駅往復、とすると本来の運賃より高額となってしまいます。錦糸町・秋葉原経由で一周したと申告した場合はどのような運賃が引き去られるのでしょうか。
一周のIC運賃を改札窓口ですぐに計算できるとは思えず、何となくですが266円を引き去りとしてしまいそうな気がします。

なお山手線一周の紙の乗車券での運賃は480円、ICカードでの運賃は475円ですが、東京附近の特定運賃にも480円という区間(例:新宿八王子間)があります。この区間のIC運賃は474円で、紙の乗車券の運賃が同じでも、計算方法が異なるためかIC運賃は同額でないケースもあります。



【山手線一周のIC運賃について】
山手線一周、つまり東京(東海道本線)品川(山手線)田端(東北本線)東京のICカード運賃を計算してみます。

上記経路の営業キロは34.5kmです。東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第8条により1kmに切り上げ、35kmです。東京山手線内相互発着ですのでIC規則第33条第2号の規定に従い、規則第77条第2項第1号により31〜35kmの範囲は中央の33kmで運賃を計算します。
IC規則第33条第1項第1号により東京山手線内相互のキロ単価は規則第78条第1項第1号のイから13.25円/kmで、33kmをかけると437.25円です。営業キロ100km以下ですので10円未満を切り上げて440円、これにIC規則第33条第1項第2号の規定による消費税8%を加え475.2円、は数整理(下記参照)により1円未満を切り捨てて475円がICカード乗車券での山手線一周運賃となります。



【は数整理について】
「は数整理」はその名の通り端数に関する扱いを定めたものですが、旅客営業規則とICカード取扱規則では同じ表記の「は数整理」で異なる扱いを規定しています。違いは10円単位か1円単位かだけなのですが、どちらの規定による「は数整理」かで処理が異なります。
なお、旅客営業規則においては運賃の消費税相当額は10円単位で「四捨五入」としています。すなわち端数の処理の方法としては「旅客営業規則のは数整理」「ICカード取扱規則のは数整理」「四捨五入」の3種類が存在することになります。

旅客営業規則のは数整理:旅客営業規則第74条第1項に規定。小児運賃・料金に関する規定だが、これに限らず使っている。「10円未満のは数を切り捨てて10円単位とした額」
ICカード取扱規則のは数整理:IC規則第30条に規定。これも小児運賃に対する規定だが、同じく小児以外にも使う。「1円未満のは数を切捨てて1円単位とした額」
四捨五入:旅客営業規則第77条第1項第2号に規定。「10円未満のは数を円位において四捨五入して10円単位とした額」
なお、四捨五入については「四捨五入して10円単位とした額(以下この方法を「四捨五入」という。)」、つまり「四捨五入したものを四捨五入という」という再帰的な定義をしていますが、これは「四捨五入(一般用語)して10円単位とした額(以下この方法を「四捨五入(JR用語)」という。)」としているのだと思います。四捨五入の処理の初出は規則第14条の2第2項ですが、こちらの四捨五入も文意から一般用語としての四捨五入を指していると考えられます。



【東日本旅客鉄道株式会社 ICカード乗車券取扱規則】

(IC運賃の計算経路等)
第29条 IC運賃の計算上の経路等については、旅客規則第68条第1項第1号、同条第2項、同条第4項第1号から第2号、第69条第1項第2号から第5号、第70条から第71条、第86条第1号から第2号、同条第10号及び第87条の規定を準用します。

(小児のIC運賃)
第30条 小児のIC運賃は、大人のIC運賃を折半し、1円未満のは数を切捨てて1円単位とした額(以下この方法を「は数整理」といいます。)とします。

(東京山手線内相互発着の大人のIC運賃)
第33条 旅客規則第78条第1項第1号に規定する東京山手線内相互発着の大人のIC運賃は、第31条第1項の規定にかかわらず、次の各号により算出した額を合計した額とします。
(1)旅客規則第78条第1項第1号イに規定する賃率を用いて同第77条第1項第1号の規定を適用して算出した額
(2)前号により算出した額に100分の8を乗じは数整理した額
2.前項の規定によるほか、東京山手線内相互発着の大人のIC運賃を算出する場合に適用する営業キロについては、旅客規則第77条第2項を準用します。

(Suica乗車券を使用する場合のIC運賃の減算)
第38条 Suica乗車券を第22条第1項の規定により使用する場合、出場駅において、入場駅から同一の取扱区間内を経由して最も低廉となる運賃計算経路で算出したIC運賃をSF残額から減算します。この場合、小児用のSuica乗車券にあっては小児のIC運賃を、その他のSuica乗車券にあっては大人のIC運賃を減算します。

(入場駅と同一駅で出場する場合の取扱方)
第54条 Suica乗車券又はSuica定期乗車券を使用して入場した後、任意の駅まで乗車し、出場することなく再び入場駅まで乗車して出場する場合は、第38条の規定にかかわらず、実際乗車区間(券面表示区間内での乗車を除きます。)に対するIC運賃を支払い、当該Suica乗車券又はSuica定期乗車券の出場処理を受けなければなりません。
2.Suica乗車券を使用して入場した後、乗車することなく旅行を中止した場合は、旅客規則第300条の規定に基づき当該入場駅の入場料金相当額を支払い、当該Suica乗車券に対する出場処理を受けなければなりません。
(以下略)


【東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則】

(営業キロ、擬制キロ又は運賃計算キロの端数計算方)
第8条 営業キロ又は第14条の2に規定する擬制キロ若しくは運賃計算キロを用いて運賃・料金を計算する場合の1キロメートル未満の端数は、1キロメートルに切り上げる。

(運賃計算キロ)
第14条の2 略
2 前項の賃率換算キロ及び擬制キロは、別に定めるものとし、地方交通線の乗車区間に対する営業キロに、第77条の5に規定する地方交通線の第1地帯賃率を第77条に規定する幹線の第1地帯賃率で除した値を乗じて得たもの(小数点以下1位未満の端数があるときはこれを四捨五入する。)とする。ただし、北海道旅客鉄道会社線内にあつては、地方交通線の乗車区間に対する営業キロに、第77条の6に規定する地方交通線の第1地帯賃率を第77条の2に規定する幹線の第1地帯賃率で除した値を乗じて得たものとする。

(小児の旅客運賃・料金)
第74条 小児の片道普通旅客運賃、定期旅客運賃、急行料金又は座席指定料金は、次条に規定する場合を除いて、大人の片道普通旅客運賃、定期旅客運賃、急行料金又は座席指定料金をそれぞれ折半し、10円未満のは数を切り捨てて10円単位とした額(以下この方法を「は数整理」という。)とする。

(幹線内相互発着の大人片道普通旅客運賃)
第77条 幹線内相互発着となる場合の大人片道普通旅客運賃は、次の各号により計算した額を合計した額とする。
ただし、北海道旅客鉄道会社線、四国旅客鉄道会社線又は九州旅客鉄道会社線内発又は着若しくは通過となる場合を除く。
 (1)発着区間の営業キロを次の営業キロに従つて区分し、これに各その営業キロに対する賃率を乗じた額を合計した額。この場合、発着区間の営業キロが100キロメートル以下のときは、10円未満のは数を10円単位に切り上げた額とし、100キロメートルを超えるときは、50円未満のは数を切り捨てて、又は50円以上のは数を切り上げてそれぞれ100円単位とした額とする。
(中略)
 (2)前号の規定により計算した額に100分の8を乗じ10円未満のは数を円位において四捨五入して10円単位とした額(以下この方法を「四捨五入」という。)
2 前項の規定によるほか、幹線内相互発着の大人片道普通旅客運賃は、次の各号に定める営業キロのものを適用する。
 (1)11キロメートルから50キロメートルまで
   11キロメートルから5キロメートルごとに区分し、11キロメートルから15キロメートルまでは13キロメートルとし、16キロメートル以上は、これに1区分を増すごとに5キロメートルを加えた営業キロとする。
(以下略)

(電車特定区間内等の大人片道普通旅客運賃)
第78条 次の各号に掲げる区間内相互発着の場合の大人片道普通旅客運賃は、第77条の規定にかかわらず、当該各号の定めによつて計算した額とする。
(1)第86条第1号に掲げる図中の太線区間(以下「東京山手線内」という。)及び同条第5号に掲げる図中の太線区間(以下「大阪環状線内」という。)の駅相互発着の場合
 イ 東京山手線内相互発着の場合
   次に定める賃率によつて第77条第1項第1号及び同条第2項の規定を適用して計算した額と、その額に100分の8を乗じ10円未満のは数を円位において切り上げた額とを合算した額
   300キロメートル以下の営業キロ(第1地帯)/1キロメートルにつき 13円25銭
(以下略)

2016年7月7日

山手線を一周する乗車券

ブログで最初にご紹介した乗車券は「東京→東京」の片道乗車券でした。
今回はこの一周乗車券をもう少し掘り下げてみます。


東京から東京への片道乗車券です。

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山手線外回り電車の運転系統(以下、単に山手線と表記)に沿った一周乗車券で、経路は東京(東海道本線)品川(山手線)田端(東北本線)東京、経由欄は「東海道・中央東・東北」とあります。
過去にも記事にしましたが、マルスシステム上は経由欄に「山手線」が印字されず(例外あり)、代々木新宿間が「中央東」となる都合上、一見関係のない「中央東」が印字されます。
営業キロ34.5km、運賃は480円です。大都市近郊区間内相互の乗車券ですので、発売には補正禁止を指定する必要があります(以下、一周乗車券では全て同じ)。
なお、外回り経路での発売ですが、大都市近郊区間の特例により内回り電車で東京→東京を利用することも可能です。


山手線の一周乗車はこれよりも安価な乗車券でも可能です。

東京から東京の片道乗車券です。

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経由は「総武・東北」とあります。
この乗車券の経路は東京(総武本線)錦糸町(総武本線[御茶ノ水支線])秋葉原(東北本線)東京で、営業キロは10.2km、運賃220円です。
経由欄には「総武本線[御茶ノ水支線]」が印字されないため、印字は「総武・総武・東北」ではなく「総武・東北」です。
東京から東京を錦糸町・秋葉原経由で一周する乗車券ですが、この乗車券でも山手線の一周乗車が可能です。



なお、東京発着に拘らなければさらに安価な一周乗車券が発売可能です。
神田から神田への片道乗車券です。

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経由印字は「中央東・東北」、経路は神田(中央本線)御茶ノ水(総武本線[御茶ノ水支線])秋葉原(東北本線)です。
営業キロ2.9km、運賃は140円です。この区間はJR線で唯一の初乗り運賃で一周乗車券が発売出来る区間でもあります。
神田に限らず秋葉原発着でも山手線の一周乗車は可能ですが、御茶ノ水は山手線の駅でないため、御茶ノ水発着では山手線の一周乗車には使えません。



ところで、「東京→東京、経由:東海道・中央東・東北」の券面表示からは山手線一周乗車の他に、以下のような経路も考えられます。

東京(東海道本線)品川(山手線)代々木(中央本線)御茶ノ水(総武本線[御茶ノ水支線])秋葉原(東北本線)東京


実際に上記の経路で購入したのが以下の乗車券です。
東京から東京、東海道・中央東・東北経由の乗車券です。

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営業キロは26.6km、運賃は410円です。
区間、経由印字とも480円の一周乗車券と同じで、一見したところ区別がつきません。
C符合は異なっていますが、この数字から何線経由かを求めることはできません。


2枚の東京から東京への乗車券を並べてみます。

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この2枚の乗車券は券面表示が(有効開始日、発行箇所等を除き)全く同じなのになぜ運賃が異なるか、即答することは困難と思います。山手線一周の運賃は480円、ということを知っていれば何とかなるかもしれません。


ところで、東京から東京への運賃410円の乗車券には以下のようなものもあります。

東京から東京への乗車券です。

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運賃は410円、経由は「東海道・中央東」という新たなパターンです。
この乗車券の経路は東京(東海道本線)品川(山手線)代々木(中央本線)神田(東北本線)東京ですが、マルスシステムにおいては東京・神田間は「東北本線(トウホ)」と「中央東線(チユト)」の2個の路線が設定されており、代々木から東京までを一括で「中央東線(チユト)」として要求することも可能です。
※「経由:東海道・中央東・東北」と「経由:東海道・中央東」の乗車券ではC符号が同じになっています。偶然なのかどうかは残念ながらわかりません。



東京・神田間の経由印字の違いについて、次の2枚を示します。

東京から神田への片道乗車券です。
同じ区間・運賃ではありますが、経由印字は「中央東」と「東北」で異なっています。

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マルスシステムに対し「中央東線(チユト)」で要求したものと、「東北本線(トウホ)」で要求したものです。
効力としては同じですが、券面の経由印字が異なっています。C符号も別であり、マルスシステム上はこれら2枚の乗車券は別物ということになります。

なお、指定席券売機えきねっと等においては東京・神田間は「東北本線(トウホ)」で要求するようです。マルス端末においても経路入力操作で「山手線」や「京浜東北線」を指定すると同じく「東北本線(トウホ)」で要求します。
この区間のみをマルス券で購入することはまず考えられず、購入したとしても「経由:東北」と印字される場合がほとんどと思います。
東京→神田の乗車券で「経由:中央東」と印字される乗車券を手にする機会は少ないのではないでしょうか。

2016年5月27日

近いほうが高い乗車券2(旅客営業取扱基準規程第149条)

大宮から三河島への片道乗車券です。
大宮・東京間で東北新幹線を利用し、東京で折り返して常磐線(上野東京ライン)経由で三河島まで向かう経路で、運賃は470円です。経由欄は「大宮・新幹線・東京・常磐」とあります。

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一方で、大宮から東京で同じく新幹線を利用し、東京で下車すると運賃は550円です。
経由印字は「大宮・新幹線・東京」です。乗車距離の短いはずの東京までの方が運賃が高くなる逆転現象が発生します。

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これは東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程(以下、基準規程)第149条第1項第1号に規定される特例の適用によるものです。
西日暮里以遠と三河島以遠を乗り継ぐ場合、日暮里経由の乗車券で区間外となる日暮里〜東京間の折り返し乗車が可能です。
すなわち、大宮→三河島の乗車券の運賃計算上の経路は大宮(東北本線)日暮里(常磐線)三河島営業キロ25.7kmで対応する運賃は470円です。
この乗車券の効力として、日暮里・東京間(片道5.8km、往復11.6km)の区間外での折り返し乗車が認められています。上野を通過する新幹線が今もあることからか東京折り返しで自由席に並ぶ旅客を想定してか、上野折り返しだけではなく東京での折り返しも認められています。

一方で大宮→東京の乗車券には特例はなく、乗車経路である大宮(東北新幹線)東京の営業キロ30.7kmに対応する550円が運賃となります。

大宮→三河島の乗車券470円は経由欄に東京を含んではいますが運賃計算上の経路になく、東京での折り返しは西日暮里以遠と三河島以遠の相互間を利用することを条件に認められているに過ぎません。
この乗車券で東京での下車を希望した場合は本来区間変更が必要となるのですが、経由欄に東京が印字されていることから途中駅での前途放棄とみなされそのまま下車が認められてしまいそうな気もします。
片道200kmを超えると東京都区内発着となるため三河島と東京で差がなくなるので実際に問題となることは少ないように思われますが、実際にはどのように扱われるのでしょうか。

なお、基準規程第149条は基準規程第151条と異なり、分岐駅を「通過」する列車に乗車していることを条件としていません。従って、西日暮里→三河島(東北・日暮里・常磐経由)の乗車券を所持する旅客が西日暮里から山手線外回りで東京、東京から折り返し山手線内回りで日暮里、日暮里から常磐線で三河島という各駅停車の列車を乗り継いで折り返すということも(規定上は)可能となってしまいます。
また、上野や東京に限らず秋葉原御徒町といった列車運行上の起終点以外の駅での折り返して乗車することを除外する規定もありません。やったところであまり意味の無い折り返しではありますが。

(特定の分岐区間に対する区間外乗車の取扱いの特例)
第149条 次の各号に掲げる各駅相互間発着(規則第157条第2項の規定により当該区間を乗車する場合を含む。) の乗車券を所持する旅客に対しては、当該各号の末尾かつこ内の区間については、途中下車をしない限り、別に旅客運賃を収受しないで、乗車券面の区間外乗車の取扱いをすることができる。
(1) 西日暮里以遠(田端方面)の各駅と三河島以遠(南千住方面)の各駅との相互間(日暮里・東京間)。ただし、定期乗車券にあつては、特別車両定期乗車券を除く定期乗車券に限るものとし、日暮里・上野間の新幹線以外の線区に限る。

(以下略)

2016年5月18日

津接続の近鉄連絡乗車券(POS端末120mm券)

関から江戸橋への片道乗車券です。
JR西日本のPOS端末で発売された連絡乗車券です。

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経路は関(関西本線)亀山(紀勢本線)津(名古屋線)江戸橋です。
関東にありそうな江戸橋という駅名ですが、三重県にある近鉄名古屋線の駅です。駅名標の表示は副駅名付きの「江戸橋(三重大学前)」です。
※駅名の由来は地名及び駅の近くにある志登茂川に架かる江戸橋で、江戸橋自体の由来は参覲交代時に橋の傍まで見送りに来たこと、とされています。関東には東京メトロ有楽町線江戸川橋東武アーバンパークライン江戸川台京成本線江戸川の3つの「江戸」の駅があります。
JR営業キロ21.2km 運賃410円と近鉄線営業キロ1.2km 運賃150円、合計22.4km 560円です。自動改札機に対応しない120mm券で発券されました。

これはJR西日本のPOS端末には津接続の近鉄線運賃が登録されていないためのようです。理由は不明ですが近鉄連絡はJR6社各駅とのような広範な連絡運輸ではないことに加え、接続駅の津はJR東海が管理する他社管理駅のためでしょうか。
津接続の近鉄線はJR東海・JR西日本で連絡運輸を行ってはいますが、JR西日本の連絡範囲は関西本線の関・加太・柘植の3駅のみです。加太は無人駅、関・柘植はPOS端末設置の簡易委託駅(指定券扱い有り)です。
簡易委託駅には出札機器としてマルス端末の代わりにPOS端末が設置されることも多く、加えて委託駅は契約上連絡乗車券を発売できないこともあります(例:京王線分倍河原駅)。JR西日本のPOS端末で津接続の連絡乗車券が発売される機会はほとんど無いと思われます。

POS端末に運賃が登録されていない場合においても、連絡乗車券の発売は可能です。
運賃が登録されていない会社線についてはマルス端末でいうところの金額入力操作に相当する単価入力操作を行います。社線運賃「150」円と有効日数「1」日を入力することで発売できます。JR線区間の運賃は自動的に計算されます。経由欄は接続駅の「津」まで印字されます。
単価入力という特殊な操作が必要ですがこの乗車券を発売頂いた駅では出札の方が慣れておられたようで、旅客連絡運輸規則別表・旅客連絡運輸取扱基準規程別表から近鉄線運賃を調べたうえで発売頂けました。

運賃と有効日数のみを指定し、社線営業キロの指定が不要というのは金額入力の基準額入力・収受額入力操作に近いですが、経由欄が接続駅まで印字されるのは金額入力の自・社区間入力操作に近く、両者を組み合わせたような操作・印字となっています。

JR西日本のPOS端末で120mm券となる乗車券は、大垣接続の近鉄養老線(現・養老鉄道)連絡、宮島航路(現・JR西日本宮島フェリー宮島口宮島間相互のみ)などがありました。
現在では前者は養老鉄道転換に伴い普通乗車券の連絡運輸廃止、後者は会社移管により社線完結となりJR西日本のPOS端末では発売できなくなっています。


亀山から関と、関から江戸橋への連続乗車券です。
連続1はJR完結、連続2は津接続のJR→近鉄の連絡乗車券です。こちらはマルス端末で発売されたものです。

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連続1は営業キロ5.7km 運賃190円、連続2はJR線営業キロ21.2km 運賃410円と近鉄線営業キロ1.2km 運賃150円、合計22.4km 560円です。有効日数は連続1と2を合算した2日間となります。
連続2の区間は先のPOS端末で購入したものと同じ区間です。津接続近鉄線の運賃はマルスシステムに登録されており、自動改札機に対応した85mm券での発売が可能です。経由には「近鉄線」と社線名まで印字されます。


津接続のJR→近鉄の連絡範囲は以下のとおりです。片道・往復乗車券の他、連続乗車券の発売も可能です。
JR東海:紀勢本線 亀山〜松阪
JR西日本:関西本線 関〜拓殖間
近畿日本鉄道:名古屋線 伊勢中川・久居〜高田本山間・豊津上野・磯山〜白子間

2016年4月1日

分倍河原駅設置のPOS端末による乗車券

4月1日から有効の分倍河原から府中本町への片道乗車券です。4月1日から有効です。
4月1日から稼働するPOS端末により発売されました。4月1日に発売されました。

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分倍河原駅は京玉電鉄が出札・改札業務とも行っており、JЯとしては無人駅です。
京玉とJЯのそれぞれの券売機が設置される他、JЯの券売機で発売していない区間については定期券窓口で補充片道・補充往復の乗車券を発売していましたが、この扱いは3月31日で終了し、4月1日からはPOS端末が設置されることとなりました。

近年補充券を日常的に発売する駅は縮小傾向にあります。分倍河原駅も補充券による発売を終了した後は指定席券売機を設置するものと思っていましたが、実際にはPOS端末が設置されました。社線管理の窓口にPOS端末が設置されるというケースは珍しいように思います。

なお発売条件は補充券を発売していた当時とほぼ同じで、以下の条件を満たす必要があります。
(1)当日から有効
(2)分倍河原駅を発駅
(3)片道または往復(連続乗車券、定期券、回数券、団体券、特別企画乗車券等は不可)
(4)JЯ線完結(社線連絡・通過連絡不可)
(5)片道101km以上、かつ大都市近郊区間相互でない
(6)学生割引・往復割引以外の割引でない


分倍河原から府中本町は単純に隣駅であり本来はPOSで発売する必要はありませんが、
4月1日に限ってはどのような区間でも発売していました。4月1日に限った扱いでした。