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きっぷメモ。

2016年11月8日

現美新幹線の立席券

越後湯沢から新潟の現美新幹線とき453号の立席特急券です。

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現美新幹線は運行当初、全車指定席で自由席なしでしたが、2016/5/21から2016/6/26の期間は指定席が満席の場合、立席特急券を発売していました。現在の現美新幹線は自由席の設定があるため、立席特急券は発売されません。
現美新幹線は座席配置が通常のとき号と異なるため、マルスシステム上でも列車名「現美新幹線とき」となり、とき号とは別の列車として扱われます。「とき453号」で要求すると該当列車がないためエラーとなります。マルスシステムでは列車名「現美新幹線とき」(カナ:ケントキ)、号数「453」号、設備「立席/定員」(ME形)又は「普通定員」(MR形)で発売可能です。


大宮から越後湯沢まで自由席、越後湯沢から新潟まで現美新幹線立席という利用も可能でした。現美新幹線指定席が満席の場合に限ります。
この場合、全区間の立席特急券+立席区間(越後湯沢→新潟)の立席券の2枚で発売となっていました。現在は全区間の自由席特急券が発売されます。

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このような一部自由・一部立席の特急券が発売が出来る規定上の根拠東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第57条第5項です。
全区間で立席特急券を発売し、一部区間(今回の場合、大宮→越後湯沢)で乗車列車を指定しないで発売することがある、と規定しています。乗車列車を指定する区間(今回の場合、越後湯沢→新潟の現美新幹線とき453号)に対しては立席券が発券されます。
立席券は指定券であってこれ自体は特急券ではないのですが、券面には「立席特急券では着席できません」と印字されています。システム上、立席の特急券と指定券で同じ印字を使っているようです。

このような場合の特急料金は規則第125条第1項第1号のイの(ロ)のaにより、別表第2号ラに規定される大宮〜新潟間の指定席特急料金4740円から520円を減じた4220円です。

(急行券の発売)
第57条 旅客が、急行列車に乗車する場合は、次の各号に定めるところにより、急行列車ごとに特別急行券又は普通急行券を発売する。
 (1)特別急行券
  イ 指定席特急券
  (略)
  ロ 立席特急券
  別に定める特別急行列車の特別車両以外の座席車又は第13条第3項の規定によりB寝台を設備した寝台車に乗車する場合に、乗車する日、列車及び乗車区間を指定し、座席の使用を条件としないで発売する。ただし、乗車する列車を限定しないで発売することがある。
 (中略)
2 前項本文の規定にかかわらず、次の各号に定めるところにより急行列車に乗車するときは、1個の急行列車とみなして1枚の急行券を発売する。
 (1)東京新函館北斗間、大宮・新潟間及び高崎金沢間の新幹線の2個以上の特別急行列車に乗車する場合であつて、駅において出場しないで乗継ぎとなるとき。ただし、大宮駅又は高崎駅で乗継ぎとなる場合であつて別に定めるときを除く。
 (以下略)
3〜4 略
5 新幹線の2個以上の特別急行列車を駅において出場しないで乗り継ぐ旅客に対し、第1項第1号ロ及び第2項の規定により立席特急券を発売する場合は、別に定めるところによりその一部区間について乗車する列車を指定しないで発売することがある。
(以下略)

(大人急行料金)
第125条 大人急行料金は、次の各号に定めるとおりとする。
 (1)特別急行料金
  イ 新幹線
   (イ)指定席特急料金(特別車両以外の個室に乗車する場合は、1人当りの料金とする。)
    略
   (ロ)立席特急料金
    a b、c、d、e、f及びg以外の立席特急料金
     別表第2号ツ、ネ、ナ、ナの2、ラ、ム、ウ及びノに定める料金から520円を低減した額とする。
(以下略)



東京(都区内)〜新潟の新幹線回数券です。回数券の指定席枠で立席券の交付を受けることも可能でした。

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新幹線回数券は普通車指定席が利用可能で6枚綴り58620円、1枚あたり9770円です。
通常期の運賃・特急料金合計が10570円ですので割引額は800円、7.5%引です。

新幹線回数券は新幹線区間を1個列車の指定席で利用するのが基本ではありますが、改札を出ない限りは乗り継いでも新幹線特急料金が通算されるのと同じように、回数券での指定席についても改札を出ない乗り換えであれば2個列車以上の指定を取ることが可能です。


東京から越後湯沢のとき363号指定券(※)と、現美新幹線とき453号の立席券です。
※東京→越後湯沢の指定券に越後湯沢駅の無効印が押印されているのは、越後湯沢駅で払い戻しを行った際のものです。新幹線改札にみどりの窓口がないため一時的に出場を認めて頂けました。

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このときは越後湯沢→新潟間で現美新幹線を利用したく、越後湯沢まではとき号指定席、越後湯沢からは現美新幹線の立席を利用しました。新幹線回数券では普通車指定席を利用できますが、この日の現美新幹線は満席であったために立席での利用となりました。


現美新む幹線の座席設備の変遷は以下の通りです。
徐々に緩和されていく様が見て取れます。運行開始直後の混雑を避けるための措置だったのでしょう。立席券が発売されていたのは5月21日から6月26日までの約1ヶ月というわずかな期間でした。
2016/4/29〜2016/5/15:11号車指定席、12〜16号車旅行商品専用
2016/5/21〜2016/6/26:11号車指定席、12〜16号車旅行商品専用(立席特急券で12〜16号車利用可能)
2016/7/2以降:11号車指定席、12〜16号車自由席(旅行商品は12〜16号車を利用)

運行開始以降一貫してみどりの窓口・指定席券売機等で購入できる指定席は1両しかないため座席が確保しづらい傾向にありますが、現在は自由席特急券でも利用できますので特に問題はないでしょう。


最後に、「立席特急券」は一般的に「たちせきとっきゅうけん」と読まれ、実際に出札係員や自動放送もそのように案内しますが、規則第223条第3号(特殊指定共通券)裏面様式に示される名称は「リッセキトッキュウケン」です。
※第3号の特殊指定共通券はK型マルス端末で発券されるものを規定しています。現存しませんが、規定上は今も現役です。

2016年11月4日

海老名への乗車券

立川から海老名への片道乗車券です。
着駅は相模鉄道海老名駅で、JR東日本→相模鉄道の連絡乗車券です。

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経路は立川(中央本線)西国分寺(武蔵野線)武蔵浦和(東北本線[埼京線])赤羽(東北本線)上野(東北新幹線)東京(東海道本線)横浜(相鉄本線)海老名です。
横浜接続の相鉄線海老名は運賃がマルスシステムに登録されており、自動改札機に対応した85mm券での発売が可能です。
ただし相鉄線各駅の運賃が登録されているわけではないようで、横浜からの運賃が同額となる駅のうち、最遠の駅のみ登録されているようです。

経由欄には「中央東・武蔵野北赤羽・上野・新幹線・東京・東海・横浜」とあります。

営業キロ、運賃はJR線が83.2km 1380円、相鉄線が24.6km 300円で合計107.8km 1680円となります。現在の運賃はJR線1420円、相鉄線310円で合計1730円です。
片道100kmを超えており、新幹線経由で大都市近郊区間内相互発着の乗車券でないため、2日間有効で途中下車可となります。

海老名駅は相鉄線海老名、JR線海老名、小田急線海老名の3駅全てにおいてマルスシステムの印字が「海老名」となっており、(相鉄線)のように連絡会社名を示すものは印字されません。
この乗車券の券面には相鉄線という表記が一切なく、JR線完結の乗車券のように見えてしまいます。「横浜」の印字も「横浜駅接続の相鉄線」よりも「横浜線相模線の印字が省略されて横浜だけになった」を意味するように取れてしまいます。
つまりはこの乗車券は一見したところ連絡乗車券のようには見えないため、実際に利用する際は経由欄に「相鉄線」と追記頂いた方が無難かもしれません。

海老名駅において相鉄小田急は普通乗車券での連絡運輸を行っていますが、JR東日本と相鉄・小田急の駅はやや離れているためか連絡運輸は定期乗車券に限られています。かつてはJR線、厚木、小田急線、海老名、相鉄線の3社連絡も行われていましたが平成20年頃に廃止されています。


海老名から海老名への片道乗車券です。

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経路は海老名(相模線)厚木(小田原線)海老名、JR線1.7km 140円、小田急線 1.6km 120円で合計3.3km 260円です。現在の運賃はJR線140円、小田急線130円で合計270円です。
小田急線の方が運賃が安く本数も多いため、趣味目的でも無い限り小田急線で往復利用するのが一般的でしょう。
初乗り区間同士の連絡乗車券ですが、乗継割引は設定されていません。

小田急線海老名についても、駅名の印字は「海老名」のみで、(小田急線)は付与されません。JR線完結の一周乗車券に見えてしまいます。
こちらは経由に「小田急線」とありますので、かろうじて小田急線連絡乗車券であることがわかります。



同じく海老名から海老名の厚木接続の連絡の往復乗車券です。小田急電鉄MSR端末で発券されました。
海老名(小田急線)厚木(相模線)海老名の経路で、JRで購入した乗車券の逆経路です。

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これは増税後に購入したものですので片道270円(小田急130円、JR140円)、往復540円です。
MSR端末は乗継割引の適用されている区間や大都市近郊区間外かつ片道100kmを超えるものでない場合、片道乗車券を「海老名→小田急線130円区間」(連絡乗車券の場合「海老名から厚木→JR東日本線140円区間」)のように金額式で発売します。往復乗車券で購入すれば近距離であっても区間式で発売されます。
MSR端末においてもJRと小田急の海老名は券面上区別されていません。MSR端末の経由欄は原則的に接続駅しか印字されませんので、マルス券の乗車券のように経由印字から区別することも出来ません(※)。この券面では逆向きに使ってしまっても気が付かないかもしれません。もっともこのような区間が一般的に発売されるとは考えにくく、逆向きで使えば自動改札機も通過できないでしょう。
※駅名に英語が付与されているのが小田急側の駅を指します。また、券面右上の番号のうち上8桁はMSR上の発着駅を示します。0037は小田急線海老名、2386はJR線海老名です。区別する方法は実はあるのですが、一般的な情報ではありません。

JR東日本と相模鉄道の連絡範囲は以下のとおりです。
JR東日本:東海道本線(※)、南武線、横浜線、横須賀線、相模線、伊東線、中央本線 吉祥寺甲府間、青梅線五日市線、東北本線 川口〜小山間・戸田公園北与野間、常磐線 松戸水戸間、高崎線総武本線京葉線外房線内房線成田線
相模鉄道:各駅

立川→海老名の連絡乗車券が発売された当時の厚木を接続駅とするJR東日本と小田急電鉄の連絡範囲は以下のとおりです。
JR東日本:東海道本線(※)、南武線、武蔵野線、横浜線、横須賀線、相模線、伊東線、中央本線 吉祥寺〜韮崎間、青梅線、五日市線、東北本線 川口〜宇都宮間・戸田公園〜北与野間、常磐線 松戸〜水戸間、川越線、高崎線、両毛線水戸線、総武本線、京葉線、外房線、内房線、成田線
小田急電鉄:小田原線、江ノ島線
東京都区内、横浜市内の各駅を含む。

2014/4/1以降、JR東日本側の連絡範囲は以下の通り縮小されました。小田急側は変更ありません。
JR東日本:東海道本線、山手線赤羽線、南武線、鶴見線、武蔵野線、横浜線、根岸線、横須賀線、相模線、伊東線、中央本線 東京〜塩山間、東北本線 東京〜宇都宮間・尾久・北赤羽〜北与野間、常磐線 日暮里友部間、 高崎線、総武本線 東京〜八日市場間・秋葉原錦糸町間、京葉線、外房線 千葉蘇我間、成田線 佐倉成田間・成田〜成田空港

2016年10月24日

折尾→博多の区間変更券(新幹線経由)

折尾から博多への区間変更券です。
この区間変更券は「[区]東京都区内→[九]北九州市内、新幹線・小倉経由」の乗車券を原券に新幹線車内で博多までの乗り越しを申し出た際に発行されました。

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過去にご紹介した博多→折尾(新幹線経由)の乗車券の逆パターンですが、前回は手持ちの乗車券に繋がる乗車券を追加で購入したのに対し、今回は区間変更です。「収受・変更区間 折尾→博多、経由:折尾・新幹線・博多」と、博多→折尾(新幹線経由)の乗車券と同様に折尾駅が新幹線の駅であるような券面になっています。

[区]東京都区内→[九]北九州市内の乗車券で博多まで乗り越す場合、着駅を超える方向に変更ですので東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第249条第1項第1号に規定される区間変更となり、同条第2項第1号(イ)により「変更区間に対する普通旅客運賃」が必要です。

新下関〜博多間の山陽新幹線山陽本線鹿児島本線規則第16条の2に規定される新幹線と在来線の同一扱いの路線に含まれていません。このため小倉→博多間の山陽新幹線経由と鹿児島本線経由は別の乗車券です。
さらに規則第86条第8号の規定から北九州市内の山陽新幹線の出入口駅は小倉ですので、北九州市内着の乗車券で博多まで乗り越す場合は小倉→博多(山陽新幹線経由)、JR西日本幹線営業キロ67.2kmに対する運賃1140円が本来は必要となります。

しかしながら北九州市内着の乗車券で新幹線を経由し博多(博多より先も含む。以下同)へ乗り越す場合、鹿児島本線における北九州市内の出入口駅である折尾から博多までの営業キロ(48.1km)をJR西日本の賃率で計算した840円(※)で区間変更を行うと言う取扱い、いわば山陽新幹線上に折尾駅が仮想的に存在するとみなした取扱いを行っています。
JR九州の幹線48.1kmに対する運賃は940円です。

この取扱いの根拠はよくわかりませんが、西日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程(以下、基準規程)第275条第1号で特定都区市内・東京山手線内着の乗車券で区間変更する場合、それぞれの出口駅を着駅とみなすと定め、さらに(例)において「小倉・博多間を新幹線に乗車する区間変更の取扱いを申し出たときは、北九州市内又は福岡市内の出口の駅からの営業キロ又は運賃計算キロによつて普通旅客運賃を計算するものとする。」としています。北九州市内から博多方面の場合、「出口の駅」は小倉とも折尾とも解釈できますが、具体的な規定はありません。
ここから「新幹線乗車時は折尾→博多をJR西日本の賃率で計算する」という実際の扱いは読み取れませんが、基準規程でわざわざ定めているということは、小倉→博多(新幹線経由)の精算が必要という本来の扱いを何らかの形で緩和する意図があるということなのでしょうか。


なお、かつてこの区間変更を申し出た際は車内ではできないので駅での精算、とのことでした。結局は博多駅の精算所で折尾を起点とする精算が可能でした。
今回は車内で変更できましたが、当時の車内補充券発行機が対応していなかったのかどうかは今となってはわかりません。

旅客営業規則
(東海道本線(新幹線)、山陽本線(新幹線)、東北本線(新幹線)、高崎線(新幹線)、上越線(新幹線)、信越本線(新幹線)及び鹿児島本線(新幹線)に対する取扱い)
第16条の2 次の各号の左欄に掲げる線区と当該右欄に掲げる線区とは、同一の線路としての取扱いをする。

(1)東海道本線、山陽本線中神戸・新下関間東海道本線(新幹線)及び山陽本線(新幹線)中新神戸・新下関間
(2)東北本線東北本線(新幹線)
(3)高崎線、上越線及び信越本線高崎線(新幹線)、上越線(新幹線)及び信越本線(新幹線)
(4)鹿児島本線中博多・新八代間及び川内鹿児島中央鹿児島本線(新幹線)中博多・新八代間及び川内・鹿児島中央間

(以下略)

(特定都区市内にある駅に関連する片道普通旅客運賃の計算方)
第86条 次の各号の図に掲げる東京都区内、横浜市内(川崎駅尻手駅、八丁畷駅及び川崎新町駅並びに鶴見線各駅を含む。)、名古屋市内、京都市内、大阪市内(新加美駅を除く。)、神戸市内(道場駅を除く。)、広島市内(海田市駅及び向洋駅を含む。)、北九州市内、福岡市内(姪浜駅下山門駅今宿駅九大学研都市駅及び周船寺駅を除く。)、仙台市内又は札幌市内(以下これらを「特定都区市内」という。)にある駅と、当該各号に掲げる当該特定都区市内の◎印の駅(以下「中心駅」という。)から片道の営業キロが200キロメートルを超える区間内にある駅との相互間の片道普通旅客運賃は、当該中心駅を起点又は終点とした営業キロ又は運賃計算キロによつて計算する。ただし、特定都区市内にある駅を発駅とする場合で、普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内の外を経て、再び同じ特定都区市内を通過するとき、又は特定都区市内にある駅を着駅とする場合で、発駅からの普通旅客運賃の計算経路が、その特定都区市内を通過して、その特定都区市内の外を経るときを除く。
(以下略)

(区間変更)
第249条 普通乗車券、自由席特急券、特定特急券、普通急行券又は自由席特別車両券を所持する旅客は、旅行開始後又は使用開始後に、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、当該乗車券類に表示された着駅、営業キロ又は経路について、次の各号に定める変更(この変更を「区間変更」という。)をすることができる。
(1)着駅又は営業キロを、当該着駅を超えた駅又は当該営業キロを超えた営業キロへの変更
(2)着駅を、当該着駅と異なる方向の駅への変更
(3)経路を、当該経路と異なる経路への変更
2 区間変更の取扱いをする場合は、次の各号に定めるところにより取り扱う。
(1)普通乗車券
 イ 次により取り扱う。この場合、原乗車券が割引普通乗車券(学生割引普通乗車券を除く。)であつて、その割引が実際に乗車する区間に対しても適用のあるものであるときは、変更区間及び不乗区間に対する旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算する。
  (イ)前項第1号に規定する場合は、変更区間に対する普通旅客運賃を収受する。
  (ロ)前項第2号及び第3号に規定する場合は、変更区間(変更区間が2区間以上ある場合で、その変更区間の間に原乗車券の区間があるときは、これを変更区間とみなす。以下同じ。)に対する普通旅客運賃と、原乗車券の不乗区間に対する普通旅客運賃とを比較し、不足額は収受し、過剰額は払いもどしをしない。
(以下略)

【旅客営業取扱基準規程】
(特定都区市内等に関連する乗車券で区間変更をする場合の旅客運賃の計算方)
第275条 特定都区市内又は東京山手線内着若しくは発の乗車券を所持する旅客が、区間変更の取扱いを申し出た場合は、次の各号に定めるところにより旅客運賃を計算するものとする。
(1)規則第249条第1項第1号に規定する区間変更の取扱いをする場合は、変更する着駅の方向の駅に関連するそれぞれの特定都区市内又は東京山手線内の出口となる駅着のものとして取り扱う。
(例)仙台発横浜市内着の乗車券を所持する旅客が、豊橋まで区間変更を申し出たときは、戸塚(横浜市内の出口の駅)・豊橋間(普通旅客運賃は規則第86条の規定により横浜・豊橋間)の普通旅客運賃を収受する。この場合、北九州市内又は福岡市内着の乗車券を所持する旅客が、小倉・博多間を新幹線に乗車する区間変更の取扱いを申し出たときは、北九州市内又は福岡市内の出口の駅からの営業キロ又は運賃計算キロによつて普通旅客運賃を計算するものとする。
(以下略)

2016年10月3日

新神戸から祇園四条への片道乗車券

新神戸から祇園四条への片道乗車券です。

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京橋を接続駅とするJR西日本京阪電気鉄道の連絡乗車券で、経路は以下の通りです。
新神戸(山陽新幹線)新大阪(東海道本線)大阪(大阪環状線内回り)京橋(京阪本線)祇園四条

大阪環状線は大阪〜西九条〜天王寺鶴橋〜大阪の一周21.7kmの路線なのですが、マルスシステム上(※)においては天王寺〜鶴橋〜大阪〜西九条〜今宮の19.5kmとなっています。天王寺〜今宮間は関西本線です。
※カナコードはオオサ1(天王寺〜鶴橋〜大阪)、オオサ2(大阪〜西九条〜今宮)です。
従って、経由欄の印字は「新神戸・新幹線・新大阪・東海・大阪環・西九条・関西(以下手書き事項)大阪環・京橋・京阪線」と、一見関係のない「関西」が印字されます。


JR線58.2km 920円、京阪線45.6km 400円で合計103.8km、1320円です。
大都市近郊区間に含まれない山陽新幹線の新神戸が発駅で片道100kmを超えているため、2日間有効で途中下車が可能となります。
大阪近郊区間東京近郊区間と異なり、東海道新幹線 米原〜新大阪間、山陽新幹線 西明石相生間も近郊区間に含まれています。従って新幹線利用により大都市近郊区間の特例を外れるには、山陽新幹線新大阪〜西明石間を発着・経由する必要があります。

1kmあたりの運賃を計算してみると、JR線が15.80円/km、京阪線8.77円/kmです。京阪の1kmあたり運賃はJRと比べるとかなり安いですね。
JR線単独で途中下車が出来るようになる101km以上(120kmまで)の運賃は1940円(幹線)、1840円(電車特定区間)ですが、この乗車券は京阪の運賃が安いため1320円の乗車券で途中下車が可能となります。ただし、京阪電気鉄道はJR連絡の長距離の乗車券においても接続駅以外での途中下車を認めていないため、途中下車が出来るのはJR線内のみです。阪急電鉄阪神電気鉄道南海電気鉄道近畿日本鉄道など関西圏私鉄は同様に途中下車を認めない傾向にあるようです。
西日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則第76条第5号で「運輸機関が特に途中下車できない駅を指定した場合」は途中下車できないと規定されており、会社線内で途中下車できない事自体は規定上問題ありません。購入時または事前に途中下車可否を確認するのは困難ではありますが。


京橋を接続駅とするJR西日本と京阪電気鉄道の連絡範囲は以下の通りです。
JR西日本:東海道本線 彦根神戸間(※)、おおさか東線山陰本線 馬堀〜園部間、関西本線 加茂久宝寺間、草津線奈良線片町線阪和線関西空港線
京阪電気鉄道:京阪本線・鴨東線中之島線宇治線 黄檗宇治
※新神戸は上記連絡範囲に記載がありませんが、連絡範囲に京都・大阪・神戸を含むため、特定都区市内適用の可否に関わらず京都市内・大阪市内・神戸市内の各駅が連絡範囲となります。新神戸は神戸市内の駅ですので、京阪への連絡乗車券が発売可能です。



(途中下車)
第76条 旅客は、旅行開始後、その所持する乗車券によって、その券面に表示された発着区間内の着駅(旅客運賃が同額のため2駅以上を共通の着駅とした乗車券については最終着駅)以外の駅に下車して出場した後、再び列車等に乗り継いで旅行すること(以下「途中下車」という。)ができる。ただし、次の各号に定める駅(連絡接続駅を除く。)においては、途中下車をすることができない。
(1)全区間のキロ程が片道 100 キロメートルまでの区間に対する普通乗車券を使用する場合は、その区間内の駅。ただし、列車等の接続等で、接続関係等の理由により、旅客が下車を希望する場合を除く。
(2)第46条及び第47条の規定によって発売した乗車券を使用する場合は、当該乗車券の券面に表示された発駅又は着駅と同一の特定都区市内又は東京山手線内の旅客会社線駅
(3)前条第1項第1号イの(ロ)に規定する区間に発着する普通乗車券所持の旅客は、その区間内の駅
(4)自動車線区間の駅。ただし、運輸機関が指定した駅を除く。
(5)運輸機関が特に途中下車できない駅を指定した場合は、その指定した駅
(注)第46条又は第47条の規定によって発売した乗車券を使用する場合であっても、特定都区市内は東京山手線内にある旅客会社線駅に接続する連絡会社線の駅発又は着の乗車券による旅客は、その接続駅と同一の都区市内又は東京山手線内旅客会社線の順路内の駅で途中下車をすることができる。

2016年9月26日

買替えと区間変更

浜川崎から東日本会社線550円区間の片道乗車券と、西立川から東日本会社線140円区間の片道乗車券です。

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浜川崎駅は自動券売機のみ設置の終日無人駅です。
西立川駅は係員配置の改札窓口はありますが、みどりの窓口指定席券売機はありません。
どちらの駅も自動券売機で発売しているものしか購入できないという意味では同じですが、券面をよく見ると「○ム」の有無で差があります。

「○ム」は東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業取扱基準規程(以下、基準規程)第44条第1項に定めがあり、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則(以下、規則)第27条に規定される「旅客の希望する乗車券を発売できない場合」に表示されることになっています。
本来は旅客の希望する着駅までの乗車券を発売するのですが、車内や駅の設備の都合によりそれが発売できない場合、その設備で発売できる最遠または乗り継ぎ駅までのものを発売し、途中駅等で最終的な着駅までのものを改めて発売することになっています。これは「買替え」といい、旅客都合による区間変更とは区別されています。
規定上は旅客の希望する乗車券を発売できない場合に「○ム」を表示することになっていますが、実際は区間によらず一律で表示されます。

とはいえ、実際の扱いとして「買替え」と「区間変更」が厳密に区別されることはなく、「区間変更」として処理されるケースが殆どでしょう。マルスシステムが「区間変更※」を扱えても「買替え」を扱えないというのも一つの原因と思います。「買替え」と「区間変更」の差については過去の記事でご紹介しましたので、ここでは省略します。
規則第249条第2項第1号ロに規定される区間変更、即ち実際乗車区間の運賃と原券の差額となる場合に限られます。



浜川崎から甲府への[買替]です。
浜川崎→東日本会社線540円区間の乗車券を車内で申し出て浜川崎→甲府に買替えました。
浜川崎→甲府の片道134.5kmに対する運賃2270円と原券550円の差額の1720円が領収額です。

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西立川から竜王への片道乗車券[区変]です。
西立川→東日本会社線140円区間の乗車券を使用開始後に西立川→竜王へ変更しました。
原券が片道100km以下の乗車券ですので、乗車区間である西立川→竜王の片道103.0kmに対する運賃1940円と原券140円の差額の1800円が領収額です。

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自動券売機では浜川崎駅は550円区間まで、西立川駅は1660円区間までの乗車券しか発売していません。
本来であればどちらも「○ム」の表示をして「買替え」で扱われるのですが、西立川駅で発売する乗車券はどの区間であっても「○ム」はありません。
「買替え」は「○ム」の表示のある乗車券に対する扱いですので、浜川崎駅の乗車券は「買替え」、西立川駅の乗車券は「区間変更」として扱われることになります。実際はどちらの駅の乗車券も「区間変更」として処理されるケースが殆どでしょう。



なお、「買替え」の規定は東日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則、同 旅客連絡運輸取扱基準規程において規則・基準規程を準用するとは定められていません。従って連絡乗車券については「買替え」は扱われず、「区間変更」として処理するのが正しい扱いということになります。

浜川崎から八丁畷京急線140円区間の片道の連絡乗車券です。乗継割引が適用されています。

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浜川崎駅で購入したJR線完結の乗車券では「○ム」が表示されていましたが、京急線連絡乗車券の場合は「○ム」の印字がありません。

旅客営業規則
(普通乗車券の特殊発売)
第27条 旅客が列車内において普通乗車券の発売を請求する場合、当該列車の係員が携帯する普通乗車券ではその請求に応じられないときは、普通旅客運賃(旅客が旅客運賃割引証を所持する場合又は旅客の請求する区間について旅客運賃割引の取扱いができる場合であつても、無割引の普通旅客運賃)を収受して、係員がその携帯する普通乗車券によつて乗車方向の最遠の駅又は乗継駅までのものを発売し、同乗車券の券面に、途中駅まで発売した旨を表示する。
2 前項の規定は、第21条の2の規定により乗車券の発売区間に制限のある駅において、その発売区間外の普通乗車券の発売の請求があつた場合に準用する。
3 前各項の規定によつて発売した乗車券を所持する旅客に対しては、前途の駅又は車内において、これと引換に旅客の請求する区間の普通乗車券を発売する。この場合、既に収受した旅客運賃と旅客の請求する区間の普通旅客運賃(旅客が旅客運賃割引証を提出した場合又は旅客の請求する区間について旅客運賃割引の取扱いができる場合は、割引の普通旅客運賃)とを比較して不足額を収受し、過剰額は駅(取扱箇所が車内の場合にあつては前途の駅)において払いもどしをする。

(区間変更)
第249条 普通乗車券、自由席特急券、特定特急券、普通急行券又は自由席特別車両券を所持する旅客は、旅行開始後又は使用開始後に、あらかじめ係員に申し出て、その承諾を受け、当該乗車券類に表示された着駅、営業キロ又は経路について、次の各号に定める変更(この変更を「区間変更」という。)をすることができる。
(1)着駅又は営業キロを、当該着駅を超えた駅又は当該営業キロを超えた営業キロへの変更
(2)着駅を、当該着駅と異なる方向の駅への変更
(3)経路を、当該経路と異なる経路への変更
2 区間変更の取扱いをする場合は、次の各号に定めるところにより取り扱う。
(1)普通乗車券
 イ 次により取り扱う。この場合、原乗車券が割引普通乗車券(学生割引普通乗車券を除く。)であつて、その割引が実際に乗車する区間に対しても適用のあるものであるときは、変更区間及び不乗区間に対する旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算する。
  (イ)前項第1号に規定する場合は、変更区間に対する普通旅客運賃を収受する。
  (ロ)前項第2号及び第3号に規定する場合は、変更区間(変更区間が2区間以上ある場合で、その変更区間の間に原乗車券の区間があるときは、これを変更区間とみなす。以下同じ。)に対する普通旅客運賃と、原乗車券の不乗区間に対する普通旅客運賃とを比較し、不足額は収受し、過剰額は払いもどしをしない。
 ロ イの場合において、原乗車券(学生割引普通乗車券を除く。)が次のいずれかに該当するときは、原乗車券の区間に対するすでに収受した旅客運賃と、実際の乗車区間に対する普通旅客運賃とを比較し、不足額は収受し、過剰額は払いもどしをしない。この場合、原乗車券が割引普通乗車券であつて、その割引が実際に乗車する区間に対しても適用のあるものであるときは、実際の乗車区間に対する普通旅客運賃を原乗車券に適用した割引率による割引の普通旅客運賃によつて計算する。
  (イ)大都市近郊区間内にある駅相互発着の乗車券で、同区間内の駅に区間変更の取扱いをするとき。
  (ロ)片道の乗車区間の営業キロが100キロメートル以内の普通乗車券で区間変更の取扱いをするとき。
(以下略)


【旅客営業取扱基準規程】
(普通乗車券の特殊発売方)
第44条 規則第27条第1項又は同条第2項の規定により普通乗車券を発売する場合は、その乗車券の表面に「○ム※」の表示をして発売するものとする。この場合、前途の駅又は車内においてその乗車券と引換えに旅客の請求する全区間の乗車券を発売する(以下これを「買替え」という。) 旨を案内しなければならない。
(以下略)
※原文では○印の中にカタカナの「ム」です。

2016年8月2日

東京から御茶ノ水への初乗り運賃の乗車券4種類

東京から御茶ノ水へJR線で向かう場合の乗車券を考えてみます。

東京駅1番・2番線からの中央線(快速各駅停車)で2つ目の停車駅が御茶ノ水であり、この方法が最も一般的です。
東京から御茶ノ水への片道乗車券、営業キロは2.6kmで運賃140円です。

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この乗車券の経路は東京(東北本線)神田(中央本線)御茶ノ水で、「経由:東北・中央東」となりそうなものですが、印字されているのは「経由:中央東」のみです。
これは先日の記事で触れたとおり東京・神田間はマルスシステム上、東北本線(トウホ)と中央東線(チユト)の重複区間となっているためです。東京から御茶ノ水まで全区間を中央東線でマルスシステムに要求することにより「経由:中央東」のみが印字されます。



マルスシステムに経路通り東北本線、神田、中央東線の経路で要求することも可能です。
東京から御茶ノ水の乗車券、「経由:東北・中央東」です。

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「経由:中央東」の乗車券と経路としては同じですが経由印字は異なります。C符号は同じなのは偶然なのか、同じ乗車券と見なしているのかはわかりません。



東京から御茶ノ水は上記に示した経路が一般的ではありますが、東京(東北本線)秋葉原(総武本線[御茶ノ水支線])御茶ノ水という経路も考えられます。この経路で購入したのが次に示す乗車券です。
東京から御茶ノ水の片道乗車券、「経由:東北」です。

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経路通りに印字すると「経由:東北・総武」となるところですが、総武本線(御茶ノ水支線)は印字されないことから、「経由:東北」のみの印字となります。営業キロは2.9kmと初乗り区間内ですので、運賃は最短経路の乗車券と同じ140円です。



前述の通り東京・神田間は中央東線(チユト)を指定することも可能です。東京、中央東線、神田、東北本線、秋葉原、御茶ノ水支線、御茶ノ水で発売した乗車券を以下に示します。
東京から御茶ノ水の片道乗車券、「経由:中央東・東北」です。

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経路としては「経由:東北」の乗車券と同じですが、東京・神田間を中央東線(チユト)としました。
東北経由の乗車券のC符号はC33、中央東・東北経由の乗車券はC55と今回は異なっています。



「経由:東北・中央東」と「経由:中央東・東北」の乗車券を並べてみます。発着駅が同じ、運賃も同じなのに経由の印字が逆転している珍しいケースと言えます。

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東京から御茶ノ水、片道140円の乗車券の券面パターンはこの4通りです。
同じ発着駅、初乗り運賃で4通りも存在するのは都心部の駅間が短いこと、路線網が複雑なこと、マルスシステム上重複区間となっていることなどが挙げられます。



しかしながら、初乗り区間にこだわらなければさらに複雑な経路の乗車券が考えられます。

東京から御茶ノ水の片道乗車券、「経由:東北・中央東・東北・中央東」です。
東北と中央東の組み合わせが2度印字されています。

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最早どのような経路なのか見当もつかないような印字ですが、この乗車券の経路は東京(東北本線)神田(中央本線)御茶ノ水(総武本線[御茶ノ水支線])秋葉原(東北本線)田端(山手線)代々木(中央本線)御茶ノ水です。東京・神田間を東北本線でマルスシステムに要求しています。営業キロ26.3kmで運賃は410円となります。
経由線でいうと東北本線、中央東線、総武本線2、東北本線、山手線2、中央東線です。このうち総武本線2、山手線2が経由印字されないため、東北本線、中央東線、東北本線、中央東線が残り、印字は「東北・中央東・東北・中央東」となります。
同じ路線名の組み合わせが2回繰り返し、それ以外の路線名が印字されないのはマルスシステムの印字省略機能による印字を除けばここくらいではないでしょうか。


なお、指定席券売機では東京→御茶ノ水の乗車券を購入すると全区間「中央東線(チユト)」で要求したものを発売します。
券面の経由印字は「中央東」です。

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2016年7月20日

高雄・京北線の連絡乗車券

大阪から山城高雄への片道乗車券です。JR西日本の出札補充券により発売されました。

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山城高雄は西日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸取扱基準規程別表(以下、連基別表)の西日本JRバス株式会社線には駅名の記載がありますが、マルス端末には登録がなくレベル1〜3全てで表示されません。この乗車券を購入した駅では連絡範囲内で発売は可能だがマルス端末では出せそうにないとのことで、出札補充券で発売することとなりました。

JR西日本は現在も西日本JRバスと普通乗車券での連絡運輸を行っています。JR北海道ジェイ・アール北海道バスの定期乗車券を除く連絡運輸が2014年4月に廃止された以降、旅客会社線と普通乗車券の連絡乗車券を発売する唯一の事例となっています。
ただし、京都接続の西日本JRバス 高雄・京北線連絡は2016年3月26日以降、連絡運輸廃止となったようです。新大阪・大阪・津山接続の中国高速線、近江今津・上中・小浜接続の若江線は現在も発売しているとのことでした。

この乗車券の経路は大阪(東海道本線)京都(高雄・京北線)山城高雄です。JR西日本42.8km 560円(特定運賃)、西日本JRバス13.8km 520円で合計発売額は1080円です。西日本JRバスは大都市近郊区間に接続する連絡会社線ではありません(※)が、片道100kmを超えていませんので1日有効で下車前途無効です。
※西日本旅客鉄道株式会社 旅客連絡運輸規則(以下、連規)第75条第1項第1号イの(ロ)のb、「大阪付近西日本旅客鉄道株式会社線大都市近郊区間に接続する連絡会社線」に「西日本ジェイアールバス株式会社線」の記載がありません。

なお、京都駅改札で乗り換えのための出場を申し出たところ、「山城高雄」がどこの駅なのか、そもそもこの乗車券がどういうルートなのか判断がつかなかったようで、乗車券を持って裏の方に確認に向かわれました。実態として西日本JRバスの普通乗車券での連絡運輸が扱われることは殆ど無いでしょう。



西日本JRバスへの連絡乗車券自体まず知られていない存在であり、さらにマルス端末で駅名が出てこないような区間ともなるとほとんどの場合は接続駅の京都までの発売とすると思われますが、山城高雄までの乗車券は駅名の登録があり運賃が同額、山城高雄の周山寄りの駅(停留所)である栂ノ尾(とがのお)までの乗車券で代用することも可能です。

大阪から栂ノ尾への片道乗車券です。運賃は同じく1080円です。

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金額入力-自・社区間入力操作で発売されています。接続駅コード4050、社線運賃520円、社線営業キロは覚えていませんが12.8kmだったように思います。この乗車券で山城高雄で下車し、前途放棄という使い方でも問題はありません。
連基別表にはかつて自動車線においては運賃も営業キロも記載がなく、発売は別途自動車線運賃表を参照する必要があったのですが、近年は社線運賃が記載されるようになりました。ただしなぜか営業キロは引き続き記載がなく、やはり連基別表だけでは発売できない状態は続いています。途中下車が明らかに不可のケースは適当なキロ数で良いのかもしれませんが……。



それでは、マルスシステムで山城高雄を着駅とする連絡乗車券は出札補充券でしか発売できないかというとそうでもなく、駅名ファイルにない駅名も駅名カナ+事務管コードで入力し金額入力操作で発売するという方法も可能です。

勝間田(かつまだ)から中国勝間田(ちゅうごくかつまだ)への片道乗車券です。山城高雄着ではありませんがカナ入力で発売された乗車券で、着駅名は「チュウコ゛クカツマタ」とあります。

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この乗車券の経路は勝間田(津山線)津山(中国高速線)中国勝間田JR線運賃240円と社線運賃300円の合計で540円です。
中国高速線とは西日本JRバスの中国ハイウェイバスを指し、津山・新大阪・大阪接続でJR西日本との連絡運輸を行っています。隣の美作インターであれば駅名・運賃とも登録されていますが、中国勝間田は山城高雄と同じくマルスシステムに駅名が登録されていません。
このような場合は着駅名をカナ入力で「チュウゴクカツマタ」(※)、事務管理コードは接続駅「6057」と社線運賃「300」を繋げた「6057300」で指定することが可能です。接続駅コード6057(津山)、社線運賃300円、社線営業キロは11.8kmだったように思います。
冒頭の山城高雄着の乗車券は着駅欄が「4050001」となっています。社線運賃の代わりに「001」です。何なのかはよくわかりませんが、連基別表に「001」が記載されていたように思います。
※連基別表では読みがなが「ちゅうごくかつまだ」と記載されています。2014年3月31日以前は「ちゅうごくかつまた」で、消費税増税による運賃表改定に合わせて変更されたようです。濁点なしは誤記だったのでしょうか。なお岡山県勝田郡勝央町(おかやまけんかつたぐんしょうおうちょう)の地名と姫新線の駅名は「勝間田(かつまだ)」です。

JR西日本と西日本JRバスの普通乗車券における連絡範囲は以下のとおりです。高雄・京北線との連絡運輸は現在では廃止されています。
JR西日本:各駅
西日本JRバス:
【京都接続(高雄・京北線)】四条大宮・北野・立命館大学前・竜安寺前・御室仁和寺妙心寺北門・山城高雄・栂ノ尾・周山
【大阪、新大阪接続(中国高速線)】西宮北インター〜津山間の各駅(※)
【津山接続(中国高速線)】大阪(大阪駅桜橋口)〜中国勝間田間の各駅(※)
※バス路線のクローズドドア区間で乗車のみ・降車のみ取扱いの停留所は不可。大阪・新大阪接続大阪・新大阪・宝塚インター、津山接続津山〜津山インターが該当。またユニバーサル・スタジオ・ジャパン駅(バスの方です)は範囲外で発売不可のようです。
【近江今津接続(若江線)】上中・小浜
【上中・小浜接続(若江線)】近江今津


西日本JRバス高雄・京北線連絡乗車券はマルスシステムに社線運賃どころか駅名(停留所名)すら登録されていない区間もあり、また連基別表に営業キロ(かつては運賃も)の記載がありません。数あるJRの連絡乗車券の中でも発券の難易度は相当高いように思います。
2015年10月23日から高雄・京北線はPiTaPaを導入し、相互利用カードを含めICカード乗車券での利用が可能となりました。発売が複雑で、しかもほとんど使われることのない連絡乗車券はいずれ廃止されるだろうと思ってはいましたが、実際にICカード導入の半年後に廃止されました。意外に早いように思います。

これでJR線(鉄道)と普通乗車券での連絡運輸を行うJRバスは西日本JRバスの中国高速線・若江線のみとなりました。若江線は高雄・京北線より先の2015年9月18日からPiTaPaが導入されてはいますが、現在のところ連絡運輸は廃止されていません。しかしこれらの2路線とも連絡運輸廃止は遠くないようにも思います。


なお西日本JRバスでは京都を発駅とし北野〜栂ノ尾間が1日乗り降り自由で800円という高雄フリー乗車券が通年発売されています。往復利用する予定であればこちらのほうが便利かもしれません。かつては1000円でしたが、800円に値下げされています。
国鉄時代の常備式の特別企画乗車券のような様式で、これはこれで記念になるようにも思います。なお全線フリーきっぷでないため、京都駅下車時には回収となります。

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