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思索の海 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

歯切れが悪いのは仕様です。


2009-01-19

[]ニセ科学批判はニセ科学の根絶を目指している?

 TAKESANさんの粘り強さというか忍耐力はいつも見習いたいと思うところです。

このコメント欄での水伝に関する問題についてはNATROM先生がすでにエントリを上げていますのでぜひ。

そういえば「水伝はそもそも科学じゃないって主張してるじゃない」って言う人は昔うちのコメント欄にも来てたなあ。

 ところで僕が気になっているのは、疑似/ニセ科学批判批判で時々見かける、「そんなやり方じゃ疑似/ニセ科学は無くならないよ」というような文言。僕の知る限りでは、そんなことを直接の目標として掲げている、ニセ科学批判をしている人っていないような気がするのですが、いかがでしょうか?

 そもそも下のまとめサイトを見てもらえればわかるように、ニセ科学批判をする動機からして人それぞれなので「ニセ科学批判者」をひとまとめにして論じること自体が無理があると思いますし、

何か個別のニセ科学の根絶(あるいはかなりの程度の規模の縮小)を目指している人はいると思います。確かに、個人的にももう即刻消え去ってほしいニセ科学もいくつか思いつきます。(例えばHIV否定論とか。優先順位を付けたいわけじゃないですけどね)

 このブログで以前、「ニセ科学批判は永遠のもぐら叩きなんじゃないか」ということが話題になったことがありました。僕はたぶんその通りなんじゃないかと思います。そして、ニセ科学批判者はそのことに絶望したりはしてなくて、そういうもんなんだろうと受け止めていると思っています。

 その比喩を借りて言うなら、ニセ科学批判というのはもぐらの根絶を目指しているのではなくて、「できるだけ多くの人が、自分の観測範囲にもぐらが出てきた時に、ある程度自分で叩ける*1」ような社会の実現を目指しているのだと理解しています。今はもぐらを叩いて回ってる人が相対的に少な過ぎて、どうしても手が回らない、あるいは何らかの負担が偏在してしまうような状況、ということなんじゃないですかね。

 疑似/ニセ科学がなんで受け入れられてしまうのか、科学がどこまでケアできて、それ以外のことをどうケアするのか、ということについてはkikulogでもさんざん話題にされてきましたし、poohさんのところでも多くの議論の積み重ねがあります。「どうすればいいのか」ってのはやっぱりなかなか難しい問題なのですが、ニセ科学批判をしている人たちがそういう問題を軽視したりしてるわけではないってことは、もっと広く知られると良いなあ、と思います。

 まあ「ニセ科学批判者は科学のことにしか目が向いてないから」ってのもほとんどが事情をよく踏まえていないニセ科学批判批判のネガティブキャンペーンの中で見かけるもののような気もしますが、まだまだ周知の余地はあると思うので、上でリンクをはったサイトやページにできるだけ多くの方が目を通してもらえると嬉しいですね。

 ああ、あと「ネタにマジレス(笑)」については、以下のkikulogの記事とコメント欄が参考になると思います。

※追記(2009/01/20)

 僕はなんてバカなんだ!こんな時こそ売り込むチャンスじゃないか!というわけで上記のサイトに加えて水伝FAQもよろしくお願いします↓

*1:ここでの「叩く」は批判するだけではなくて、回避する、ような行動も含めたいところです。

技術開発者技術開発者 2009/01/21 16:35 こんにちは、dlitさん。

>そして、ニセ科学批判者はそのことに絶望したりはしてなくて、そういうもんなんだろうと受け止めていると思っています。

私なんかは、ニセ科学批判の前に悪徳商法レス屋を7年ほどやっていますからね。「モグラ叩きだよね」「うん、でも叩かないともっと増えるからね」なんてね。ゲームのモグラは叩かなくても引っ込むけど、現実のモグラは出っぱなしだから新たに顔出した分だけ増えるのね。現実には叩いても増える方が多いくらいの中でやっていました。その頃に作った標語が「蟻が一粒の砂を運ぶように」とか「運んだ粒だけは減っている」だったりするんですね、結構レス屋の間では流行ったんですよ(笑)。

そういう悪徳商法啓発系の掲示板があってね。今は割と落ち着いているけど、多いときは日に数件の「こんな勧誘を受けました」とか「こんな契約してしまいました」とか「話が違うんで解約したい」とかの書き込みがあって、それぞれに「こういう悪徳商法ですから乗ってはいけません」と説明したり、「消センに相談してクーリングオフしなさい」とか「とりあえず消センだけど、相手がごねるようなら弁護士の方が良いかも」なんて書き込んで居た訳ね。簡単そうに見えるけど、被害者予備軍の人は「丁寧な話だったけど、本当に悪徳なんでしょうか」と諦めが悪かったり、被害者の人は腰が重くてなかなか消センに相談に行ってくれなかったり、結構、その人その人に合わせたレスが必要なんですね。

こういう不毛に見える活動もしてみるものでしてね。誰かが「自分たちは悪徳商法全体にどのくらいのダメージを与えているのだろう」なんて計算したのね。もう覚えていないので適当に書くけど、「年間の新規相談者が500人で一件当たりの被害額が20万円として、そのうち半分が支払い前に解約したり、被害額を取り返したとして、5000万円だろ。でもって相談を書き込んだりしないけど同じような事例を読んで対処したのが同じ数いたとすると1億円だね」、なんてね。まあ、悪徳商法全体の契約額は1千億円を越えていると思うから、微々たるものといえばそうだけどね。でも、1億円というと、資本金1千万の悪徳商法の会社が10社登記出来る訳ですよ。その金で電話でアポする勧誘員を雇えば500万円として20人です。まあその程度には悪徳商法の拡大を防いでいたという計算ですね。何もしなきゃそれだけ増えていたかも知れないわけです。

一度、ニセ科学批判についてもこんな計算をしてみると面白いかも知れませんね。

dlitdlit 2009/01/22 16:32 >技術開発者さん

>ゲームのモグラは叩かなくても引っ込むけど、現実のモグラは出っぱなしだから新たに顔出した分だけ増えるのね。

これはまさにその通りですね。
apjさんもNATROM先生も言及されてましたが、とにかく具体的に被害の発生や拡大を未然に防いだりってことは実際にあるわけで、蟻の比喩の通り、僕もそういうものの積み重ねが大事なんじゃないかとやっぱり思うわけです。

>計算

apjさんはよく具体的な利益・損失の話をされてると思うのですが、ニセ科学批判自体の是非が問われる時にはそういう具体的な話にならないので、そういう観点からまとめてみるってのもいいのかもしれませんね。実際、ほぼ全てと言っていいほど、ニセ/疑似科学は何らかの商売に絡んでたりしますしね。

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