第445回 OZROSAURUS『ROLLIN’ 045』
- アーティスト: OZROSAURUS,MAY,M.O.S.A.D.,TWIGY,SHALLA,F.U.T.O.,MAGUMA MC’s,JANBO-MAN,MACCHO,DJ TOMO,MASTA SIMON
- 出版社/メーカー: プライエイド
- 発売日: 2001/04/25
- メディア: CD
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- INTRO
- CHECK ME NOW
- WHOOO
- KOCO KOCO
- AREA AREA
- VILI VILI feat. SHALLA
- SKIT feat. MASTA SIMON from MIGHTY CROWN
- ROLLING ROLL UP
- RULE feat. F.U.T.O / JANBO-MAN from 風林火山
- 少女A
- SKIT
- TELL ME feat.MAY
- ROLLIN' 045
- 045 BB
- YOUNG GUNZ feat. M.O.S.A.D. / MAGUMA MC'S
- しかけ feat.TWIGY
- 追い越し可
最近の熱帯夜。寝るときに何か聴こうと探していて、このOZROSAURUSの『ROLLIN’045』にしました。決して、眠くなるほどつまらないアルバムというわけではありません。
聴けばわかると思います。眠れない熱帯夜に聴きたくなる、と(特に、アルバム中のある一曲)。
アルバムは、主にDJ TOMOとDJ PMX(DS455)の二人によるプロデュースかと思っていたのですが、調べてみると、他に、INOVADERや、DJ CELORY、Mr.Drunk、TWIGY(枯枝楽団)もプロデュースしています。
OZROSAURUSについては、このブログでは再三再四書いてきました。私もいろんなことを言っているようですが(その日その日の気分で書いているので、時に説得力がないことをお許しください...)、やはり、現在のところ、この『ROLLIN’045』が好きだし、最高傑作だと思っています。どの曲も合格点以上なのですが、一曲ずばぬけて素晴らしいのです。後に出てきますが、他の曲は聴かずとも、この一曲だけは聴いてほしいのです。
私が考えるに、このアルバムには流れがあります。まず、「INTRO」から「ROLLING ROLL UP」まで、DJ TOMOとDJ PMXのトラックに乗って、MACCHOがノセてくれます。この辺りは、この時期の”いかにも”OZROSAURUSらしい曲が続きます。
そして、中盤「RULE」から流れが変わります。このF.U.T.O.とJAMBO MANとMACCHOによる「RULE」では、地球に起きているさまざまな問題(環境問題、戦争、人権、アメリカ批判…)を挙げ、今の地球を嘆いている社会派な曲です。MACCHOとF.U.T.O.とJAMBO MANの連携も良いです。
次に、MACCHO一人で、若い女性の性事情を切り取っています(「少女A」)。MACCHO得意の押韻術と若干ユーモアの入ったシニカルなリリックはさすがです。さすがに、表現が生々しいものもあるので、放送できないような感じもしますが。
「SKIT」を挟み、ここから耳に優しい曲が続きます。前の流れを多少踏んで、閉塞している時代状況をもっと俺に”教えてくれ”という「TELL ME feat. MAY」は、PMXトラックとMAYのボーカルが心地よいです。
そして。
タイトル曲にもなっている「ROLLIN' 045」が、私がオススメする曲です。むしろ、このアルバムは、この曲をどうしたらうまく聴かせるかを考えて、他の曲を配置したのではないかと思ってしまうくらい、「ROLLIN' 045」はずばぬけています。
リリックは、ただ地元・横浜の風景、地理を紹介しているだけなのです。しかし、事実だけを書いているのに、どうしてこんなに心が動かされるのでしょうか。それは、リリックがMACCHOの横浜への想い、愛情が込められているからでしょう(そもそも、045は横浜の市外局番のこと。地元を指す言葉として、その街の市外局番で表すことはよくあります)。
そして、トラックもいい。DJ PMXかと思っていたら、DJ TOMOプロデュースでした。MACCHOとDJ TOMOのコンビ(これこそOZROSAURUS!)では、最高傑作だと思っています。
私は横浜には数回しか行ったことがありませんが、この曲を聴くと「なんて横浜は素敵なところなのだ」と思い、横浜に行きたくなります。私の中での「横浜市歌」です。地元・横浜で、もっと大々的に評価されてもいいんじゃないかな、と思ってしまいます。
さて、すっかり気分が良くなったところですが、まだアルバムは続くのです。むしろ、アルバムはこれで終わってもいいのではないかと思うのですが、眠るために聴いているのであれば、ここで眠っておくことを勧めておきます。
ここから、また流れが変わります。
「ROLLIN' 045」の後は「045 BB」です。プロデュースは意外にも、Mr.Drunk(a.k.a.Mummy-D)。実は、坂間兄弟は横浜出身ですが、その作品にはあまり”横浜色”はありません。ただ、つながりはあり、『BAY SQUAD』みたいな作品もあります。
眠る最終ラインは「045 BB」までです。このあと、しばらくは眠ることはできません。
次は、「YOUNG GUNZ feat. M.O.S.A.D./MAGUMA MC'S」です。
豪華なマイクリレーで壮絶な曲なのですが、アルバム全体から見ると、浮いています。シングルCDで出しておけば、また印象が違ったでしょう。やはり、TOKONA-Xがインパクトあるのですが、サンプリングでもTOKONA-Xの声が使われており、また、それがやたらに”乱用”されているので、絶対眠れません。
ちなみに、「YOUNG GUNZ」には別バージョンがあり、それぞれ、M.O.S.A.D.『THE GREAT SENSATION』とMAGUMA MC'S『MASSIVE』に収録されています。
続いて、「しかけ feat. TWIGY」。TWIGYとMACCHOも意外な組み合わせな感じがしますが、「GO!NIPPON」(『セヴン・ディメンションズ』収録)で共演しています。TWIGYは1ヴァースと、hookに登場しますが、hookの長い押韻が巧みで、そこに気付くとニヤリとする作品です。
ここまで内容が盛りだくさんなので、最後のDJ CELORYプロデュースの「追い越し可」は、どこか「OUTRO」な雰囲気で少々もったいないですね。こういう辺りも、曲順の今一度の検討を考えたいところです。
久しぶりに長いこと書きましたが、私の伝えたいことは「ROLLIN' 045」が素晴らしいので、ぜひ聴いてみてください、ということです。もう一つあるのですが、それは次回にあわせて書こうと思います。