第448回 V.A『Japanese Hip Hop Flava!』

ジャパニーズ・ヒップ・ホップ・フレイヴァ!

ジャパニーズ・ヒップ・ホップ・フレイヴァ!


「日本のHIPHOPを聴きはじめるのに、何から聴けばいいのか?」という問題がよくあります。好きなものから聴いていって一向に構わないのですが、一つの方法としてオムニバス盤を聴くというのもあります。一枚のCDに複数のアーティストの、しかも有名だったり人気だったりする曲が収録されていることが多いので、お得です。
ただ、後々収録されているアーティストのオリジナルを集めていった時に、そのオムニバス盤が要らなくなるということもあります。


今回紹介するのは、『Japanese Hip Hop Flava!』というオムニバス盤です。97年にリリースされており、当時のHIPHOPシーンはどういうものだったのかを概観する(においを感じる)には有益です。
キングギドラ、RAPPAGARIYA、T.A.K The Rhymehead、ネイキッド・アーツ(naked artz)の作品から2~3曲が収録されています。オムニバス盤のゆえ、ある程度の統一感のなさはあるにせよ、もう少し選曲に気を遣った方がいいような気がします。
単なる寄せ集め感が否めない理由の一つは、今でも手に入りやすい音源からの収録作品が多く、また、同じ音源から複数曲を収録しているからでしょうか(ネイキッド・アーツ『浸透?Penetration』から3曲収録)。


このシリーズは『ジャパニーズ・ヒップホップ・フレイヴァ!2』『Renegade Scholars?Japanese Hip Hop Flava!3』と続くのですが、リリース当時の少しアングラ気味のアーティストの作品を積極的に収録している傾向が見られます。
97年当時、キングギドラやRAPPAGARIYAも期待された次世代アーティストとして見られていたのでしょう。


現在はMCのスキルや機材も向上しているので、現在の曲と違った雰囲気がありますが、今聴くと「この頃の曲は味があるなあ」と感じてしまいます。
最近の曲も良いのがたくさん出ていますが、昔の曲を今聴き直すのもまた良いですよ。