第455回 V.A『WiRED 2 still in the groove』

WIREDII

WIREDII


2000年にリリースされた、全6曲収録のオムニバス盤です。どういう意図で企画されたか、一見わかりにくいメンバーの曲が収録されていますが(つまりはバラバラなメンバー)、結果的にはなかなかいいツボを押さえている選曲です。


1曲めから、S.P.C.です。札幌出身者としては、札幌のHIPHOPは発展途上なところもあるのですが(ただ、最近の流れを見ると、火が着く兆候は確実にある)、THA BLUE HERB(およびBOSS THE MC)とS.P.C.がレペゼン札幌というのが自慢です。S.P.C.については、また後日書きたいと思います。
2曲めは、INNOSENCE feat. CUE ZERO「Jump Up」です。Funky Grammar(FG)の中ではシブどころの三人ですが(INNOSENCEのSOHJINは現在Rather Uniqueで活躍中ですが)、Rock-Teeプロデュースで”いかにも”FGっぽい仕上がりになっています。ヴァースをちょうど三等分した計4ヴァース構成となっており、良い意味で軽く聴ける曲です。
4曲めは、OritoとNeoという、これまた渋いシンガーに、Kreva(for Kick the can crew)がラップで参加した「After Hours」です。Krevaは後半にやっと登場するのですが、それまでのOritoとNeoの部分が完成されていますので、たとえKrevaがいなくても、きっちり成立する曲です。
5曲めは、DJ FUMIYA feat. GOKU for Blue Monk Quartet「Good Music」です。DJ FUMIYAはもちろん現RIP SLYMEのDJですが、そのDJ FUMIYAにGOKUというこれまたシブい組み合わせです。トラックもまたシブい仕上がりで、HIPHOP=音楽ということを再認識させられる曲です。
最後は、CO-KEY, LIBRO & Momoe Shimano嶋野百恵)の「My Honey -DJ Watarai Remix-」です。ちなみに、オリジナルは一つ前の『WIRED』に入っています。私はまだオリジナルを聴いたことがありませんが、このRemixはDJ WATARAIっぽいやや硬質なトラックになっています。


よくよく見てみれば、FG関係者が多く参加しているのですが、それにしても、(今考えるとかも知れませんが)なかなかシブいメンバーが集まっています。それもたった6曲というのもニクいですね。
うまく説明できないのが申し訳ないですが、体育会系というより文科系なHIPHOPファンが喜びそうな、”おしゃれ”なオムニバス盤です。