「秘密保護法」の憂鬱

昨日、「特定秘密保護法案」が、ついに衆議院を通過してしまった。この法案を提出したこと自体、政党政治を自ら否定するようなもので、自民党の歴史的な愚挙というべきだけれども、なしくずし的に成立に手を貸そうとしている公明党とみんなの党の責任も、極…

「経済対策」の愚

もはや旧聞に属することかもしれないが、現行5%の消費税率が来春から8%に引き上げられることが決定された。筆者も、この3%の税率アップ自体は、大筋では致し方のないことだろうと考えている。しかし、制度設計のあり方という観点から考えてみると、この決…

君子は豹変するか?

ここで君子というのは、このところ呆れるほどにハシャギすぎている安倍首相のことではない。安倍氏よりは随分と地味で、ご存じない方のほうが多いかも知れないが、多少でも政治に関心のある方の間でならば“知る人ぞ知る”的な存在であると思われる保坂展人・…

「あまちゃん」讃

NHKの朝ドラ「あまちゃん」が、いよいよ最終盤を迎えようとしている。このドラマが“あまちゃん現象”といっていいほどの人気を集めていることについては、軽快でありながら独特のクセがあるテーマ曲を始めとして、大友良英氏による音楽の魅力が大きく寄与して…

ええじゃないか?

まずことわっておきたいが、筆者は別にスポーツが嫌いだったりするわけではない。スポーツが自分の日常の一部であるような生活を送っているわけではないけれども、野球であれサッカーであれ、素晴らしいプレーには称賛の声を上げることを常としている。だか…

江戸を遠く離れて

盆の帰省の際、少し足を伸ばして、福島県立美術館で開催されている「若冲が来てくれました」展*1を見てきた。若冲が素晴らしいことは、門外漢の筆者などが改めて口を出すまでもないと思うけれども、この美術展の見どころは若冲だけに限らないので、感じたこ…

腑に落ちない

今朝のNHKのニュースで、アナウンサーが開口一番、今回の参院選の争点は「ねじれの解消」だ…と語っていた。が、これは政権与党である自民党や公明党の主張であって、野党がそんなことを主張するはずもない。これでは、NHKは与党のプロパガンダ機関になったよ…

姜泰煥という人

このほど、韓国のサックス奏者・姜泰煥(カン・テーファン)さんの日本でのライブツアー*1に少しだけ関わらせていただいて、8日間にわたるツアーの内、6月22日と26日の演奏を聴かせていただくことができたので、ごく簡単に感想だけでも記しておきたい。まず2…

裁判といふもの

今度の木曜日になるが、3月14日に、東京地方裁判所で、注目したい裁判の28回目の法廷(法曹用語では「口頭弁論」という)が開かれる。*1乱暴を承知でひと口に言ってしまえば、この裁判は、若者に人気のある街として知られている東京・世田谷の下北沢の街並み…

へうげもの

人によっては「今さら」の話題になるかも知れないが、「へうげもの」が面白い。そもそもは講談社のコミック誌「モーニング」で2005年から連載が始まっていたようだが*1、筆者は比較的最近、NHKが放映しているアニメ*2を見て知った。実際にコミックを手に取っ…

事の軽重

昨年12月に、大阪市立高校の男子生徒が教師から度重なる暴行を受けていたことを記した遺書を残して自殺した問題について、世論もだいぶ落ち着いてきたようだけれども、やはり一言しておきたい。ここで考えてみたいのは、橋下大阪市長が、この男子生徒が通っ…

置き土産

世間では安倍政権がどうなるのかへの関心しきりのようで、それも無理のないこととは思いつつ、年末でもあるので、この26日に総辞職した野田政権のことなどについて少し振り返っておこうと思う。 そもそもは、3年余に及んだ民主党政権をトータルに検証すべき…

ある類似

民主党の野田佳彦代表*1は、ある歴史上の人物に、実によく似ているように思われる。筆者は歴史学者ではないし、その人物に会ったことがあるわけでもないので、安易に断定することはできないが、その人物の事跡や当時の人々の証言の類に目を通してみると、両…

「漁夫の利政権」?

年末になっての総選挙も、いよいよ今日、投票日を迎えた。新聞各紙等の予想によれば、どうやら自民党が単独過半数を獲得しそうな勢いだそうだ。しかし、今回自民党が掲げている政策を見ると、これといって目ぼしいことは何もなく、ひたすらに「民主党ではだ…

彼の所業

彼とは、野田佳彦首相のことである。 所業とは、要するに、彼が「やってきたこと」である。 今週いよいよ衆議院議員選挙がスタートし、彼があれこれ訴えている姿をTVでよく目にするようになっているが、その主張があまりにも異様なので、最低限の注意を促し…

およそ3年ぶりです。

ほとんど丸3年、ストップしていたこのブログですが、内外ともに時勢が大乱の様相を呈してきましたので、気持ちを新たに再開しようと思います。この間に起きた最も大きなできごとといえば、それはもちろん、昨年3月11日に発生した東日本大震災であり、それに…

その後

保坂さんは東日本大震災と福島第一原発事故の直後の2011年4月の世田谷区長選に出馬して当選し、現在は世田谷区長になられている。 国会議員であった頃、この国の公共事業の問題を熱心に追及していた人だけに、筆者も保坂さんの区長としての手腕に大いに期待…

八ツ場ダム:問題点の整理

『週間朝日』10月16日号に載った保坂展人さんの記事もようやく読むことができたので、八ツ場ダムの問題点について(とくにマスコミ等の報道と対比して)筆者なりに整理しておくことにしよう。

八ッ場に行ってきた

八ッ場(やんば)に行ってきた。 といっても、あの6都県の知事が視察に出向く直前で、10日ほど前のことだけれど、百聞は一見にしかず、なるほど、と思うことが多々あった。 結論から言ってしまえば、八ッ場ダムの計画自体が大変に“常軌を逸した”ものであり、…

「旧・川崎南高校」は、どうなる?

先日(6月5日)、たまたまTVのニュース番組を見ていて、この問題を知った。 テレビ朝日だったから、「スーパーモーニング」だろうか? ともかく、筆者も神奈川県民の一人ではあるし、これまでかかわりをもってきた下北沢の再開発問題と共通する点も多いので…

「下北沢は終わっている」のか?

筆者の知人でもある編集者・批評家の仲俣暁生さんが、1月31日付の自身のブログ「海難記」で少し気になる文章を紹介しているので、ここでコメントしておきたい。クダンの文章は、「After Hours」http://www.afterhoursmagazine.jp/という雑誌の編集後記の一節…

  破壊せよ、と彼らは言う。

一昨日の晩、ニュースでもと思ってTVのチャンネルを動かしていたら、NHKで“激流中国”というシリーズの「民が官を訴える〜土地をめぐる攻防〜」という番組が始まるところだったので、そのまま最後まで見た。見たというよりも、カメラが記録したシーンに引き寄…

“ヌナブト”というところ

先日、赤坂のカナダ大使館に写真展を見に行った。たまたまかけていたFMに、この写真展の企画者の一人であるアン・マクドナルドさんが出てきて、「イヌイットの人たちのことをもっと知ってほしい」というようにおっしゃっていたので興味を持ち、出かけてみた…

 愚にもつかない……

このほどの参院選で、安倍政権に国民からの審判が下った……はずなのだが、改選された121議席の内、政権与党である自民・公明の両党が獲得したのは合わせて46議席にすぎないという歴史的な大敗だったにもかかわらず、安倍首相は頑なに辞任をこばみ続けている。…

『桜島』に喝采!!

芋焼酎が好きだ。といっても、それほど大量に飲むわけではないし、飲んだことのある銘柄(ブランド)も、それほど多くはない。熱烈な愛好家のいるこの世界では、せいぜい中級者といったところだろう。ただし、自分なりのこだわりはある。それは、無闇に世評…

15年目の「勝利宣言」

出版や広告の業界人のハシクレではあるので、お台場の東京ビッグサイトで一昨日まで開かれていた「東京国際ブックフェア」に、これといった期待もなく足を運んでみた。しかし、“デジタルパブリッシング”のゾーンに足を踏み入れたところで、そんな予断はあっ…

再び、石原慎太郎様

石原慎太郎様統一地方選が終わって、もう一月がたちました。あなたがせっかく下北沢までおいでになって応援された自民党公認の都議会議員候補は落選し、あなたの忠実な従僕のような世田谷区の熊本区長は、どうにか再選は果たしたものの、その得票は有効投票…

拝啓、石原慎太郎様

石原慎太郎様このたびは、下北沢まで、ようこそお越し下さいました。私は、行政による下北沢の再開発計画に疑問をもって活動している市民団体“Save the 下北沢”のメンバーで、4日にお越しの節、あなたがお話しの最中に「高尾山にトンネルなんて掘らせないぞ…