Scientific Exchange Meeting in Osaka City Univ.

11月20日の木曜日の夜、シェラトン都ホテル大阪の3Fの「春日の間」で行われました。
2つのSessionがあり、19時から始まりました。
【Session 1】のタイトルは「重症喘息の治療について」でした。
この時の座長は淀川キリスト教病院の副院長である藤原寛先生で、演者は大阪市立大学大学院医学研究科 呼吸器内科の浅井一久先生でした。
メモが取れた範囲で書いておきます。重症喘息―定義、評価、治療に関するERS/ATSガイドライン日本語版 が元になっているようです。
①気道収縮だけでも(炎症がなくても)リモデリングは起こる。
②ここからはYES、Noでの答えることで、ERS/ATSのガイドラインに書かれていることです。
 ・喀痰中の好酸球を調べるのとは有効か?  成人:yes、小児:no
 ・FeNOの測定は? no
 ・抗IgE抗体の使用は? yes
 ・メトトレキサートの使用は? no
 ・マクロライドの使用は? no(耐性菌のことで)
 ・抗真菌剤は? no(ABPAのみyes)
 ・気管支温熱療法 ?
【Session 2】は「気管支喘息におけるペリオスチンに関する最新の知見」で、座長は大阪市立大学大学院医学研究科 呼吸器内科学教授 平田一人先生で、演者はこの分野の第一人者である、佐賀大学医学部分子生命科学講座の出原賢治先生です。難解な内容ですのでメモを取るのが遅れがちで、十分な記録ができていませんが、記録ができた範囲で書いておきます。
①重症喘息の5-10%は吸入ステロイドに抵抗性。しかしその5-10%が医療費の50%。
②ゾレアの有効率は61%ぐらい。またIgEレベルは効果予測につながらない。
 (月に6本使用で3割負担の方は12万円を超える)東京都は補助がでる。
③抗IL-5抗体は、最初喘息には効かないと考えられた。しかし、喘息患者の一部には有効なはず。抹血好酸球 300ml/μg以上なら有効。150ml/μg以下なら無効。
喀痰の好酸球でも同様なことが考えられる。
④抗IL-13抗体は血中ペリオスチン高値では喘息に有効。
⑤抗IgE抗体(ゾレア)はFeNO,抹血好酸球、血中ペリオスチンは高値なら有効。
気管支喘息のメディエーターとしてのペリオスチンの発見について難しいお話がありましたが、記録できていません。
⑦IL-13は気道上皮細胞を粘液産生細胞に分化させる。
ペリオスチンとは、(鄯)細胞外マトリックス蛋白質→細胞の構造維持、線維化に関与           (鄱)マトリセルラー蛋白質→細胞の活性化に関与
             (ペリオスチンの受容体に結合)
⑨Th2型気管支喘息ペリオスチン
 Th2型気管支喘息の特徴
 ・気管支喘息患者の50-70%
 ・好酸球性炎症で多い
 ・気道過敏性(+)
 ・基底膜肥厚(+)
ペリオスチン気管支喘息にとって善玉or悪玉 この結論はまだ。演者は悪玉と考えておられる
ペリオスチンの沈着程度は気管支喘息患者の20年間の呼吸機能低下と相関する。(演者)
ペリオスチン気管支喘息におけるバイオマーカとしての有用性
 ・病変部位から血行移行しやすい
 ・血液濃度が適切 (ペリオスチン  10-90ng/ml)
          (フィブロネクチン 数100㎍/ml)高すぎる
          (サイトカイン  数10pg/ml)低すぎる eg.IL-13
 ・検出限度の低いキットがある。(20pg/ml)
 ・間質性肺炎のキットは2014中に発表される。
⑬血清ペリオスチンは末梢好酸球が多い患者に著明に高い。
⑭血清ペリオスチンは重症喘息で著明に高い(ペリオスチンの低いグループもある)
気管支喘息クラスター分類とペリオスチンに付いてのお話が最後でしたが、不勉強のためここにまとめるにあたわず。