第15回大阪呼吸器疾患談話会

4月は学会の総会が多くて、一般の研究会はほとんどなかったと思います。また5月は連休明けにボク自身が体調を壊し仕事を1週間休みその後仕事に復帰してもまともに仕事ができる状態ではなかったです。6月は研究会も少なかったのですが、気管支鏡の再開の準備で忙しくてなかなか外に出て行く時間がなかったですね。それでも時間を作って参加した唯一の会がこの会です。
7月に入ってやっと行かなければならない研究会が3つありますのでまたここに載せます。
さて、最初の一般演題の座長は鉄道病院の藤井達夫先生でした。
【一般演題】1,「多発肺内リンパ節より診断に至った肺サルコイドーシスの一例」
肺内の胸膜直下の微小結節から診断に至った例を紹介してくれていました。非常に珍しいそうです。演者は鉄道病院の玉垣学也先生です。
【一般演題】2,「分子レベルで理解する間質性肺炎
内容は難しくて理解するのが大変でした。近い将来は常識になるのでしょうが・・。演者は大阪市立大学の小西一央先生です。

さて本日の特別演題は熊本大学から来られた呼吸器内科学分野教授の與梠博次先生です。
もちろん本公演の座長は平田一人先生です。
【特別講演】「喘息・COPDの診療における考え方と治療薬の選択」
あまり難しいお話ではなくて、診療のTIPSのようなことをお話ししてくださいました。
そのうちメモのとれた分。(ほとんどの人がメモなどとらないで聞いていました。
# SABAで改善しないBAがある。
# BAの疑いがあれば治療を試みればよい
# 喫煙者でCOPDの疑いがあれば気管支拡張薬での治療を試みる。
# BAのフェノタイプ=Heterogenous
# ACOSは一つの疾患ではない
# 足のしびれのあるBAはEGPA(=AGA Charge-Straus synd)
# EIA アスリート喘息(隠れた喘息)→ステロイド吸入でsupernormal
ステロイド吸入はドーピング検査では大丈夫になる)
# 吸入指導は目の前でする。持ってきてもらう。
以下聞き逃し多い。

第5回近畿間質性肺疾患ミーティング

今回は第5回の会ですが、参加ははじめてです。もともとクローズドな会だったようです。
参加人数はそれほど多くはなく、30−40人と言うところでしょうか・・。市大関係の医師の参加はボクとY先生だけでした。
総合司会は近畿大学の東田有智先生でした。
【一般演題】「IPFにおける呼吸器関連入院の検討」という題で山崎亮先生がお話になりました。やはり下気道感染・肺炎が多くて、起炎菌も最初から緑膿菌が多いのが特徴でした。最後は大腸菌まで起炎菌になっていました。同じ患者の場合入院を重ねた場合、急性増悪は減少傾向でした。面白いところです。外来での処方薬などの影響をどれほど受けているのか興味深いところです。(たとえば抗菌剤とかPPIとか)
【特別講演】東京医科歯科大学の稲瀬直彦先生です。本日のタイトルは「慢性過敏性肺炎と特発性肺線維症の鑑別」でした。
今回は稲瀬先生のお名前とタイトルに引かれての参加でした。お話しを聞いているとメモを忘れます。メモが取れた範囲で気になったところです。
# 過敏性肺炎(HP)には亜急性はなくて急性と慢性しかない。
# 慢性過敏性肺炎(CHP)には再燃症状軽減型と潜在性発症型がある。
# 再燃症状軽減型はBALのリンパ球は70%程度で、CD4/8は0.85程度である。
# 潜在性発症型はBALのリンパ球は23%程度で、CD4/8は4程度である。
# 再燃症状軽減型はすりガラス陰影が目立つ。
# 潜在性発症型はhoneycombとtraction bronchioectasisが目立つ。
# CHPの約50%がUIP型でfNSIP型は30%ぐらいで、cNSIP+OP型で20%ぐらいです。
# 肉芽腫が見られるのはOP型かcNSIP型がほとんど。
# HPの半数ぐらいが鳥関連である。
# CHPの急性増悪もよくある。(ほとんどが潜在性発症型)
# UIPかCHPかの鑑別は2週間の入院でPaO2,A-aDO2,VC,%DLCO、KL-6,WBCなどの変化をみる。
# A-aDO2、KL-6,WBCの3つの指標では感度51%、特異度78%である。