ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

ドボチョン日記 dobochon dialy このページをアンテナに追加 Twitter

2017-02-09 「香水川」 Perfume river .

f:id:dobochon:20170209223915j:image



冬の夜中に野火止用水を渡るとき

香水の香りがすることがある。


たとえば半開きの瞼の隙間から

オリオン座を見上げて歩く帰り道。


外気より水の方が温いので

用水の水面からは湯気が立ちのぼっている。

橋を渡った途端、

ふいにムスクのような甘く淫美な香りに包まれて

思わず立ち止まってしまう。


かつてはドブ川だった用水路からそんな匂いがするはずも無く

何かの勘違いかと思って何度も橋を行ったり来たりしてみても

香りは間違いなく橋の下から漂ってくる。

冷水に浸った土と植物の根の成分が、

気温との関係で何か反応を起こしているのだろうか。


香水の原料はむしろ臭いと聞いたことがある。

もしかするとドブ川の時代を何年も経たからこそ

今やっとこんな匂いを発しているのかもしれないとも思う。


先日、キューブリックの「フルメタルジャケット」を観たら

劇中に「香水川」という川が出て来た。

調べてみたらヴェトナムのフエに実在する川で

花の香りがすることからその名が付いたそうだ。


野火止用水は自分にとっての「香水川」だ。


.

kamanekokamaneko 2017/02/10 14:16 私が住み始めた頃は、用水は細く周りは土で、冬は凍りつくか、霜柱が溶けてぬかるんでいるかでした。

dobochondobochon 2017/02/10 14:58 最近は土手にもあちこちで手が入り、
そういうところは
すっかりつまらない風情です。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/dobochon/20170209

2017-02-05 「庭の動物」 Animal in a garden 

f:id:dobochon:20170205223128j:image



庭に黒い動物が住みつくようになって暫くが経ち

今朝は竹垣の陰で二匹が背中合わせで重なっている。

よく見ると庭石の奥にも一匹、

牡丹の下にも二匹、三匹、

全部で六匹くらいはいるんじゃないだろうか。


.

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/dobochon/20170205

2017-01-22 「枇杷鳥」 loquat bird

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/dobochon/20170122

2017-01-07 「揺らめき川」 waver river

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/dobochon/20170107

2017-01-04 「人差し指」first finger 

f:id:dobochon:20170103214134j:image


何故そんな手のつなぎ方をするのかを聞くと

「人差し指が一番繊細なのよ、だからこうして組む」

と、彼女は云った。


そのせいかどうかわからないが、

西の空に湧き出してきた雲から

いくつもの漏斗が渦となって垂れ下がり始めた。



.

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/dobochon/20170104

2017-01-02 「モルタル少年-2」 Mortar Boy-2

f:id:dobochon:20170102214736j:image


少年は

生身の私を見て

そんな格好のまま見つかってしまったら

大変なことになる、

と云って、彼の家に連れて行ってくれた。


その玄関は、

人一人がやっと通れるような

岩を穿った四角い穴だった。

私は、彼の足に掴まって

穴の奥へと入っていった。


私が掴まっているせいで彼の足から

乾ききっていないモルタルが

ごっそりと外れてしまいそうで

とても心配だ。 かといって

モルタルが固まってしまったら

彼は関節を動かすことができず、

歩く事すらできまい。


.

kamanekokamaneko 2017/01/03 00:06 家の中はきっと程よい湿気があるんでしょうね。

dobochondobochon 2017/01/03 15:56 確かに少年の父親は腕の良い左官職人で
部屋は湿っていることが大事だと云っていた。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/dobochon/20170102

2016-12-24 「モルタル少年」 Mortar Boy

f:id:dobochon:20161224212611j:image


その少年は

峠のコーナーから唐突に現れた。

全身をモルタルで覆っている。

それも、まだ生乾きで濡れていた。

それだから歩けるのだった。

.

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/dobochon/20161224