研究メモ このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2009-11-28

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既婚女性の93.6%、子どもは「2人以上」が理想 民間調べ(日経新聞)

ライフネット生命保険は既婚女性を対象とした、出産と育児に関するアンケートの調査結果をまとめた。子どもの数の理想を尋ねたところ、44.6%が「2人」、42.4%が「3人」を選ぶなど93.6%が2人以上を理想だと答えた。一方、子どもの人数の理想は1人以上と回答した人に、子どもを持つにあたって不安なことを単一回答形式で聞いたところ、2人以上の子どもがいる人のうち71.5%が「経済的な負担が大きい」と答えた。  子ども人数の理想が1人以上だと答えた人に、政府が導入を目指している子ども手当の使い道を複数回答形式で尋ねたところ、「子ども名義で貯蓄」を選んだのは50.0%で、「教育費にあてる」の38.8%が続いた。  アンケートは20〜45歳の既婚女性で、子どもがいない人と6歳未満の子どもがいる人を対象に10月9〜15日にインターネット上で実施。1000人の有効回答を得た。

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091030AT3K2900R29102009.html

高校・大学の費用は1007万円 政策金融公庫調べ(日経新聞)

日本政策金融公庫は同公庫の教育ローンを利用した世帯を対象にした教育費の実態調査の結果をまとめた。高校から大学卒業までにかかった費用の平均は約1007万円だが、年収が200万円以上400万円未満の世帯は877.7万円で、前年度と比べ100万円以上減少。同公庫は「不況の影響で年収が低い世帯ほど教育費を削る傾向がある」と分析している。  調査は今年7月、200万円以内で教育資金を貸し付ける「国の教育ローン」を利用した2万1046世帯を対象に調査票を郵送する方式で実施。5355世帯から回答を得た。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091128AT1G2403328112009.html

両方ともサンプルの偏りに注意を払う必要があるが、興味深い調査結果。「年収が200万円以上400万円未満の世帯は877.7万円」とはなかなか大変だな。。。

ちなみにスウェーデンでは、大学院まで学費は無料。なんと留学生も無料。博士課程に入れたら逆に給料がでる(これはEUでは一般的だとか)。

ただし、EU外からの留学生は再来年から有料化される可能性があるので、検討中の方はおはやめに。これは有料化されても文句は言いにくいかも。留学生は、学生だから所得税は払ってくれないし、卒業後もスウェーデンに留まらない可能性が高いだろうから、ただのフリーライダーだと思われても仕方がない側面がある。

もちろん留学生受け入れの正の外部効果とかもあるだろうから一概には言えないし、だからこその無料だったのかもしれないが(このへんの経緯には興味があるが知らない)、見直しの対象となるのは理解できる。ちなみに知り合いのスウェーデン人は、このEU外からの留学生有料化の動きが、EU内、最終的にはスウェーデン人の学費有料化に繋がるのではないかと危惧していたが、スウェーデン人のこれらの動きについての意見分布は気になるところ。

もちろんこのような学費無料社会は、日本のように税金負担が先進諸国で最も低いグループに属する国では不可能だろう。教育費1000万を自分で払うか、(1000万より多いか少ないかは人によるが)高い税金で払って無料で教育を受けるかは、受けられる教育サービスの選択肢の幅や質を考慮した上での国家・国民の選択事項だが、集合的意思決定なので日々の買い物のように個々人が選択できるわけではなく、見通しもよくわからない。

ちなみに、シンプルな人的資本論的な観点から教育のコストとベネフィットを個々人単位に切り刻んでいくと、学費無料化などは正当化されず、奨学金や奨学ローンの充実こそが目指すべき姿となると思うし、そういう方向で政策提言する人も多い。私はそういう立場をとらないが、価値財とか外部経済とかで学費無料や一部補助を正当化するということ(だけ)でいいのか、というのもよくわからない。いずれ考えよう。

Maggie Q2000Maggie Q2000 2009/11/29 09:34 >留学生受け入れの正の外部効果とかもあるだろうから
色々考えたのですが、ま、親スウェーデン外国人を増やすくらいの無形の効果があるのでしょうけど、たいしたことはないと思います。お金を払ってでもスウェーデンで勉強したいって人の方が価値があるんじゃないでしょうかね。

>EU内、最終的にはスウェーデン人の学費有料化に繋がるのではないか
僕はただである必要なないと思います。日本の国立大学の授業料くらいは払えるでしょう。さらにおっしゃるとおり奨学金とローンを充実させたらいいでしょう。

ちなみに、現在、納税しつつも大学で授業料無料の恩恵は受けているのですが、まあ、仮に外国人から授業料をとりだしたといっても僕の払う税金はかわらないだろうと思っておりますが、別に増額が必要な項目もあるでしょう。

dojindojin 2009/11/29 22:12 どうもです。

外部効果としては、例えば優秀な人材を集めて大学の国際競争力を高めることなどが考えられます。まぁアメリカやイリギスでも、優秀な人材は奨学金ありで自腹なしで来る人がおおいですから、その次のレベルくらいの人材になってしまいますし、それがどうスウェーデンの経済・社会に良い影響を与えるかは、測定しずらいところではありますが。

>日本の国立大学の授業料くらいは払えるでしょう。

これに関しては、人によるでしょうね。年間数十万から100万の負担の差は、特に低所得階層の人々の選択において、おそらく統計的に有意な形で影響を与えると思います。

ただ日本でも一定水準以下の所得階層の人には学費免除や学費半額、あるいは奨学金があるので、それが実質的に無料化と似たような効果を生んでいるとは思いますが。

あとは、国公立大学に入れる学力レベルの人々は一握りだということもあります。機会の平等ということでいえば、日本では貧乏人で国公立大学に入るほど頭がよくない人は大学進学をあきらめなければなりないケースがありますが、金持ちで国公立大学に入るほど頭がよくない人は私立大学に容易に進学できるという機会不平等があります。

奨学金の一つの問題(限界)は、国公立や私立トップレベルの大学を卒業して最上位の労働市場に参入できる人ならばそのリターンを予測して奨学金を借りることができるかもしれませんが、大学卒業後そこまでの高所得を期待できない人にとっては、大学入学のコスト(授業料負担+奨学金)が高すぎると(少なくともそのときには)判断して入学をあきらめる可能性があるということです。もちろんそれは個人の選択の問題でもありますが、例えば親の負担で授業料と生活費を賄って二流・三流大学に入学して、そこそこの安定的な収入を得られる人と比べると、不利な立場にあるといえます。

また個人的に重要だと思うのは、より動態的なライフコース上での大学の位置づけです。大学に年齢に関係なくいつでも入れるかどうか、そしてそれが年齢に関係なく、その後のキャリアアップ設計上優位に働くかどうか、という点です。

若い頃に大学進学をあきらめたり退学したりするのは、たんに大学の授業料が高いか低いかだけではなく、個人や家族の都合(病気など)で療養したり働いたりしなければならないというケースがそこそこあると思います。そういう人が大学に戻れる状況になったときに、入学のハードルが高くないか、という点も重要です。その場合にも、授業料が無料か否か、というのはある程度効いてくるでしょう。

私が教育において規範的にまず重要だと思うのは、親や家族の所得や医療・介護等の状況に関係なく、教育への機会の平等がきちんと実現できるか否かです。この点で、奨学金はかなりの程度状況を改善してくれると思いますが、限界があります。

実はこの観点だけから考えると、学費無料化でも不十分で、学生の所得保障の問題も出てきます。学費が無料でも、親を食わせなければならない人は大学にいかずに働かなければならないからです。となると、勤労所得と切り離したベーシックインカムや学生手当について考えなければならなくなります。

もちろん私個人は規範的に大雑把にこの方向性に賛成ですが、あとは事実解明的な(positiveな)視点が大事だと思います。

第一に「市場」の問題です。このような提案に市場経済が絶えられるか(狭くは労働インセンティブを深刻に歪めて市場を壊すことなく提案の目的を達成できるか)、です。これらの実現のためには税制や社会保障給付の大幅な改革が必要になりますが、これが市場経済メカニズムを深刻に損なうことなく実現可能か、という点で、経済学では今だ決着はついていません。

第二に「政治」の問題です。このような提案が人々の規範意識と大きくずれることなく政治的合意が得られるか、ということです。つまり、(親及び本人の)労働市場における貢献原則と財政的再分配による必要原則のバランスにおいて、人々はどのポイントを「公正」で「公平」だと思うのか、ということです。あと教育は、特に高等教育になると、介護や医療と比べると「必要原則」よりも「貢献原則」に強く関わる側面がありますので、その判断如何で、学費無料か奨学金かという選択の違いもでてくると思いますし、それは合理的だと思います。

第一の「市場」の点は比較的テクニカルなので、今後も少しずつ、明らかになってくると思いますが、第二の「政治」の点は「思想闘争」的な側面が強いので先は見えませんね。あとまぁ、「市場」の点においても「市場を壊すことなく」という条件には、市場についての価値判断が関わってくるので、もう少し複雑で、上記の議論は単純化しすぎだとは思いますが。

TamuraTetsukiTamuraTetsuki 2009/12/03 08:02 詳細な議論のあとで恐縮な感じですが、こちらでは、小学校にもAUとNZ以外の子どもは授業料を取られます(昔は違っていたらしいですが、よく知らない)。どのくらい取られるかというと、僕のいるACT(オーストラリア首都特別区)では、1年間で日本の文系私学並み(か、それよりもうちょっと上か)です。これはイタい!子ども二人いますし。
 でも、金額は、州によってかなり違うらしいですが(ACTはもっとっも高い方)。
 思わず、「貢献」がないというのであれば、所得税を減らして間接税を高くしてくれれば、一定程度は「貢献」しますよ、と思ってしまいます。その点、スウェーデンでは、短期滞在者も、一定の「貢献」ができそうですけど。

dojindojin 2009/12/04 08:25 それはずいぶんと高いですね。。。授業料が高くなっていった経緯は興味深そうですね。あと州によってかなり違うというのも興味ぶかいです。オーストラリアの地方財政がどうなってるのかぜんぜんわかりませんが、いずれ勉強する機会があるときには、このことを思い出しつつ勉強してみます。

政治学者の卵政治学者の卵 2009/12/04 22:28 ちょっと分からないところがあるんですが.

仮に借り入れ制約とリスク回避と相続/贈与税の問題を無視して考えますと,

>大学卒業後そこまでの高所得を期待できない人にとっては、大学入学のコスト(授業料負担+奨学金)が高すぎると(中略)判断して入学をあきらめる可能性があるということです
>例えば親の負担で授業料と生活費を賄って二流・三流大学に入学して、そこそこの安定的な収入を得られる人と比べると、不利な立場にあるといえます。

この場合には大学教育の費用>大学教育のリターン,なわけですよね.この場合には裕福な世帯の親は子供に大学教育費用を渡すよりも現金で渡したほうがその子供にとっても得なわけで.なにも低所得層の子女は教育費用が高いせいで不利な立場にあるわけではないと思いますが.高等教育以外の経路による不平等と,高等教育を通じた不平等のなかで後者をとりわけ問題視する理由が僕には良く分からない.

もちろん社会学的な理由で,後者を通じた不平等はメリットクラシーの哲学の下で”公正”とみなされやすいから,とかいう理由付けはありですけどね.でも高等教育を受けた人材に正の外部性があって(少なくとも人的資本以外の資産よりは),裕福な世帯の子女が−自分個人の単純な計算としてはリターンよりも費用のほうが大きいにもかかわらず−何らかの経済外の目的で大学教育を受けて社会的な厚生をあげてくれるんだったら,むしろ歓迎すべき状況じゃないでしょうか?

>教育への機会の平等
教育へのアクセスがメリットクラティックである限り,画餅な気はしますわな.という理由で,高等教育の一部(例えば国公立大学)のみに限った無償化ないし補助には反対です.そんな予算があったらプレスクールの導入とか,公立初等中等教育の強化に使ったしたほうが機会の平等の観点からはたぶんまし.

dojindojin 2009/12/04 23:39 >政治学者の卵さん

おひさしぶりです。まぁそんなに厳密に考えて書いたわけではないので穴はあるとは思いますが。。。

ちょっとコメントの趣旨がわからないのですが、私がここで書きたかったのは、厳密に事実として教育費用>教育リターンとか、教育の外部性が社会的厚生に与える影響とか、そういうことではなくて、奨学金は、親の援助で進学できる人と進学できない人との間の機会の不平等を完全には是正しない、ということです。

たとえば、他の条件がすべて同一の人物が二人いたとして、彼らの費用便益の実際(あるいはそれを計算できる合理性)や外部経済の大きさはどうであれ、片方が親の援助によって、就労しないことによる機会費用以外はノーコストで進学でき、片方は就労しないことによる機会費用以外に奨学金返済というコストを背負ってなら進学できる場合、前者は進学し、後者は進学を断念するということが考えられ、その場合は機会が平等とはいえない、ということです。

なんだかわかりにくい文章だったみたいですみません。

>教育への機会の平等
純粋なメリトクラシーの下で一部の大学や人々を優遇するというのは、単純な「機会の平等」という観点からは是認されるかもしれませんね。まぁ純粋なメリトクラシーとか機会の平等という概念それ自体が、文化資本や遺伝の影響などを考えると一筋縄ではいかず、メリトクラシーや機会の平等そのものの正当性・正統性の議論とともに、深入りすると大変なんでしょうが。。。