決起集会

主婦にとって魔の9日間が始まる前に、ゾアさまから事にあたる前の決起集会の招集がかかった。メンバーは美人で安物買いが自慢の滝山さんとその幼馴染かつ親友の田宮さんと私とゾアさまの4人。集合場所はいつものファミレス。ゾアさまはPTAの集まりもいつもここにしている。もちろん、ポイントカードのためだ。会計の前にみんなからお金を集めて自分が清算する。こういう努力の甲斐あってファミレスのゴールド会員に上りつめた。更に集めた現金では清算せずクレジットカードで支払い、クレジットのポイントもゲットする。さっすがぁ、ゾアさま!私にもポイントちょうだ〜い。
先にファミレスに着いたのがゾアさまと私。スタスタと空いている席に着こうとする私に、
「この席はちょっと、、、。」と、何やら不満気なゾアさま。いぶかしがってる私に、
「この席、狭くてお腹がテーブルに当たるのよね。こっちにしてくれる?」
といって、隣のテーブルに収まった。素人目にはその差が全く見出せなかったが、2,3cmの差があるらしい。ちなみに私はどっちに座ってもテーブルとお腹の間には、20cm以上の空間があった。ゾアさまの空間検知能力に優れたお腹には、恐れ入ったぞー。 

4人が揃うと、ダンナが家にいる様になったら、どうしようと言う話になった。滝山さんと田宮さんの場合、ダンナはもう50代なので差し迫っている様な感じだった。ゾアさまはきっぱり、
「1人で、山口に帰る。」
後の2人は、
「自分が、働きにでる。」
次は、私が未来予想図を話す番だ。
「定年しても、年金の出る様になる65までは、働いて貰いたいよねぇ。でも別にそんなやじゃないよ。今だって買い物する時だった自然に腕組みしちゃうし、」そこまで言ったところで、総攻撃にあって、しまった。
滝、「きも〜い。バカじゃん。」
田、「ダンナの事好きなの?」
私、「えっ、好きだから結婚したんでしょ。」
滝、「そんなの最初だけよ。もう、1年以上会話のしてないし。」
田、「ダンナなんて、何言っても無駄、話さないほうがいいよね。」
ゾ、「今度、ダンナが何か言ったら、全部子供たちにばらしてやる!」
滝、「何をばらすの?」
ゾ、「ダンナが切れたとき、私の髪をつかんで引きずったのよ!」
私、「DVじゃん!ひどーい!」
ゾ、「DVではないの。それに悪いのは私だし。」
私、「そういうのをDVって言うのよ。」
なんてデスパレートな会話。4人中、3人までがダンナ嫌いだと、少数派が変態扱いされてしまう。
その後、私はゾアさまの言った事が気になってしまった。あの穏やかそうなダンナさんが、切れる?ああ、それで経基くんも切れやすいのか、、、、。でも待てぇ、体重差2,30㎏はありそうな2人。あの痩せたダンナさんがゾアさまを引きずる?物理的に可能か?それに、悪いのは、ゾアさまって、、、。この中から、どれだけの真実を見つけ出せるのか。

この特記すべき今日の井戸端会議の内容をパパに話していると、脇で聞いていた樹がぼそっと、言った。
「好きでもない相手と結婚させられた時代の方が幸せだったんじゃねーの。」