2011-05-06 [Fri]
■原発について会計士ごときが語っていいのかな

「2011年3月期から会計ルール上、福島第一原発の帳簿価額には、『資産除去債務』として解体・廃炉にかかる費用も含まれています。
価額の半分が廃炉費用、さらに放射能汚染で作業費が2倍かかると見積もっても、2000億円程度のコストで済むと考えられます。実際にもっと支払うことになったとしても、廃炉は10年単位の長期にわたるので、将来必要になる分は金利分を割り引いて計上される。その分、金額は小さくなります」
「もし反原発の動きが広がり、今後、福島第二と柏崎刈羽の操業を縮小せざるをえなくなったとします。減損によって資産価値が半分になるとすれば、2400億円程度の損失が発生すると想定されます」
『資産除去債務』
資産除去債務なんて財務経理の人がかき集めた既存の会社資料を基に、鉛筆なめなめ作ってるものでしょうよ。本当にそういう事態になってしまっている現在、単にそれらの会計技術の結果に過ぎない会計上の数字が、現実に発生する支出額を考える上でどれほど有用なの?
「価額の半分が廃炉費用、さらに放射能汚染で作業費が2倍かかると見積もっても」。
なにこのワンダーワールド。会計上の数字をでっちあげるときの「合理的な見積もり」とやらならまだしも、ここで求められてるのはそんないい加減な数字じゃないと思うよ?
「実際にもっと支払うことになったとしても、廃炉は10年単位の長期にわたるので、将来必要になる分は金利分を割り引いて計上される。その分、金額は小さくなります」。
ごめん。意味が分からない。
「計上される」ってことは会計処理の話だよね?
将来キャッシュフローの割引現在価値の話をしてるってことはストックの話だよね?
ストックってことは当期末にどれだけ負債が計上されるかの話だよね?
なんで将来において支払うべき金額すなわち将来キャッシュフローの話をしてるのに、期末の負債の計上額の話なんかしてるの? あんたに求められてるのって「実際にもっと支払うことになる」ところに対するファイナンス的な方策の話じゃないの?
「減損によって資産価値が半分になるとすれば、2400億円程度の損失が発生すると想定されます」
ごめん。意味が分からない。
「資産価値が半分」ってのも上述のワンダーワールドだね。
「資産価値が半分になる」ってのが「損失」でしょ。とするとこの文章は「減損によって損失が発生するとすれば、損失が発生する」って文章になるわけで、意味不明だね。つーか資産価値ってなに?使用価値?正味売却価額?
減損なんて簿価の切下げに過ぎないわけだから、減価償却の前倒しみたいなもんでしょうよ。だとしたら損失が発生したところで既に支払済のモノの価値が下がるだけの話で懐が痛むわけじゃないでしょう。その減損の認識やら測定やらで使う原発を事業で使用した場合の将来キャッシュフローが減少してって話であれば、そりゃそうでしょうよ。それは単に、「原発という資産を使わなくなるので、収益が減少します。収益が減少したり資産を使わなくなると今の会計基準では収益の減少とは別に減損損失を計上します」で済む話じゃない?
じゃあ減損損失を計上させないために原発を止めるなって言いたいの? そういう問題じゃないでしょうよ。そこまで含めての政治的な判断が求められる事態ってことでしょ?
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