洋書のスキタリングとラピッドリーディング

洋書のスキタリングとラピッドリーディング
さて、前回までにフォトリーディング、スーパーリーディング、ディッピングと進んできました。今回は洋書を読むための、最終段階に入ります。



洋書、とくにビジネス分野などのノンフィクションは、かなりの確率でその構成が似ています。構成とは、著者の言いたいことと、それを補足するための説明や実例などを書く順序のことです。そういった意味では、洋書を読む場合、スキタリングは強力なツールとなります。
 

洋書を読む場合のスキタリングは、下記のように進めると効果的です。

・その洋書を読む目的を考えながら、読むべき章を決めます。

・タイトルに続き、一番目の段落を読みます。

(この時もわからない単語はわからないままにしておきます)

・次の段落の一行目の文章を読みます。

(この一行目の文章をトピックセンテンス Topic Sentenceと言います)

・気になる単語を探しながら、その段落内の単語に、ランダムに目を通します。

・その次の段落に移り一行目を読みます。これを繰り返します。

・最後の段落を読みます。

 

この方法は本当に効果的です。これからお話しするのは私の大学時代の体験です。

私は法律を専攻していて、弁護士を目指していました。

この分野はご承知のとおり、非常に多くの専門書を読まなくてはいけません。

私の大学には「リーディング」という教科があったほどです。

 

そして、このリーディングの授業で教えてもらったのが、このスキタリングでした。

教えてもらったのは...

本(洋書)の構成は、各章(チャプター)の第一段落にその章のイントロダクションが有り、最後の段落にコンクルージョン(結論)がある。

各段落で説明していることの要約は、各段落の初めの文章にある

この部分を読めば、著者の言いたいことの80%を掴むことができる。

 

そう、まさにスキタリングそのものです。

この授業のおかげで、私は無事に弁護士になることができました。

 

そして、この方法は洋書を読みたい日本のフォトリーダーにとっても良い方法です。

すべての単語に目を通すラピッドリーディングは、わからない単語の連続になりがちです。
 フラストレーションも増えていく訳です。スキタリングなら、目を通す単語は少なくてすみます。もし、あなたがまだ語彙にそれほど自信がないのなら、スキタリングをオススメします。
 

あなたが、この章はもっと深く理解すべきだ、と感じたらラピッドリーディングに挑戦するのもいいでしょう。

ラピッドリーディングは、指でスピードをキープしながら読んでいきます。この時もわからない単語はわからないままにしておきます。

この段階では、本を読むための集中モードを維持することが大切です。

わからない単語を調べるのは、章、またはセクションが終わってからが良いでしょう。
The Seven-Day Weekend: Changing the Way Work Works