文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

誰が「産経新聞」を殺したのか?


日経を除く朝日、読売、毎日も同じような状況らしいが、特に産経新聞の売れ行きが急速に落ちており、経営学的にも危険水域に突入しつつあるという情報があり、ちょっと驚いたところだが、今、ここで、産経新聞の売れ行きが急速に下落しているとすれば、それは、アメリカ発の金融危機による世界的不景気との関連も原因の一つであることは確かだろうけれども、やはり、産経新聞が、ここ、何年か、強力にに打ち出していた「主張する新聞」としての政治性と党派性、つまり「小泉・竹中構造改革」を支持し、応援する新聞、あるいは保守思想オンリーの政治色の強い新聞というイメージが裏目に出たということもないわけではなかろうと思う。ここに来て、産経新聞には、「小泉・竹中構造改革」以来、露骨に自民党を支持するという立場から当然のことではあろうが、民主党小沢一郎に対する攻撃的記事が増えていたが、やはり大衆が密かに望んでいるかもしれない「政権交代」を目前にして、それをあくまでも阻止しようとする姿勢があまりにも露骨になると、読者は、その過剰なる政治性や党派性に対して、ちょっと身構えたり、身を引いたりという心理を働かせるのかもしれない。というわけで、僕も最近は、ほとんど「産経新聞」を読んでいなかったが、実は、僕は長い間、「産経新聞」を愛読してきたし、また書き手としても、コラム「斜断機」を何年間か、担当してきたし、あるいは「青色発光ダイオード」の発明権をめぐる裁判騒動では、いわゆる発明者と言われた中村氏を批判する、かなり長い記事も書かせてもらったし、昨年は「読書日記」欄にも登場させてもらった、という具合で、新聞の中では、一番愛着があり、また好きな新聞だったから、最近の社内の記者までが前面に乗り出してきて政治的主張を繰り返し、特定の政治家や言論人を応援したり、また逆に特定の政治家や言論人を批判・攻撃するという露骨な紙面づくりに対しては、かなり心配し、危惧していたところだった。つまり、「新しい歴史教科書をつくる会」分裂騒動において、八木秀次氏グループ等と手を結び、西尾幹二氏ら「新しい歴史教科書をつくる会」残留組を扶桑社から追い出し、しかも追い討ちをかけるように、西尾幹二等を保守論壇や保守ジャーナリズムから追放しようと画策して、分裂騒動の主役を演じ始めた頃から、保守派の中の多くの良識派の人々が、産経新聞に見切りをつけたのではなかっただろうか。新聞がそれぞれの立場から自己主張することは間違ってはいないが、しかしあくまでも黒子に徹すべき記者までが、露骨に政治的、党派的主張をしていては、平均的な読者は逃げるだろうし、また客観的な情報紙としての新聞の機能も果たせない。やはり、新聞は、いたずらに特定のグループと結託して、偏狭な自己主張するのではなく、情報を客観的に、つまり中立的に伝えると同時に、論争や議論の場所を提供するという姿勢が、そんな客観性や中立性など今頃、誰も信じていないといわれるかもしれないが、それでもやはり、まず必要なのではないか、と思う。「新聞の危機」の原因は、他にもネット論壇やブログ論壇の台頭など、あるいは「押し紙」とかいう部数水増し偽装工作の問題など、いろいろあるだろうが、それはそれとして、別に論ずべきことでもあるだろうが、やはりこういう時だからこそ、新聞が全滅してネットやブログだけになるということはありえないのだから、新聞本来の役目とは何であったのか、という原点に立ち戻るべきだと思う。というわけで、明日から、早速、産経新聞の定期購読を再開しようと思う。


1年で30万部も減った産経新聞の「非常事態」
月刊FACTA5月 8日(金) 13時24分配信 / 経済 - 経済総合



産経新聞が苦境に立たされている。日本ABC協会の調査によれば、1月の部数が204万部と前年同月比で17万部(7.6%)減少したのに続き、2月は187万部と、実に前年同月より30万8千部(14.1%)も落ちたのだ。2月は前月比でも17万部(8.3%)減となり、社内には「このペースが続けば年内に100万部割れ」(幹部)との悲壮感が漂っている。もはや、非常事態と言わざるを得ない。

産経同様の窮状が噂される毎日は1月の部数が386万部で前年同月比8万7千部(2.2%)減。2月は380万部で同7万3千部(1.8%)減、前月比でも6万部落ちている。朝日は1月が808万部で前年同月比2万7千部(0.3%)減。2月は801万部で同横ばい、前月比では7万部減。読売は1月 1003万部で同1万7千部(0.1%)減。2月は1001万部の横ばいで、前月比は2万部の下落だ。5大紙で健闘しているのは日経。1月は305万部で前年同月比横ばい。2月も304万部の同横ばいで、前月比も1万部減だった。

こうしてみると産経の前年同月比30万8千部減、前月比17万部減は突出している。主な原因は顕著な新聞離れに加え、表向きの発行部数を嵩上げするいわゆる「押し紙」を止めたことが大きいようだ。さらに、業界で囁かれているのが産経の「アイフォーン」への記事無料提供の影響だ。携帯電話で新聞とまったく同じ記事がタダで読めるなら、あえて紙の新聞を買う読者がいなくなるのは当然ではないか。産経は己のクビを絞めた可能性がある。しかし、かかる苦境は産経に限らない。「きょうの産経、明日は我が身か」。日経幹部でさえ自嘲する有り様だ。

(月刊『FACTA』2009年5月号)

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小沢民主党代表が辞任の意向、午後5時から会見


産経や時事通信だけでなくロイターまでが、「号外」で「小沢民主党代表が辞任の意向、午後5時から会見… 」というニュースを流しているところを見ると、間違いないのだろうが、なんか釈然としないものが残る。朝日新聞産経新聞が、ともに「小沢辞任」論を打ち出していたようだから、小沢民主党党首としても、馬鹿馬鹿しくて、これ以上、やってられないよ、ということだったのかもしれない。これで、自民党関係者やテレビ、新聞のマスコミ関係者は、思いがかなって、大喜びだろうが、大多数の国民は、この小沢辞任のニュースをどう受け止め、どう思っているのだろうか。これで、金権政治の打破、金権政治の克服が達成できたと思っているのだろうか。権力に操られたテレビや新聞が、政治を壟断するのも、これが最後じゃないのか。植草一秀早大教授のブログ「知られざる真実」http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/によると、日経の論説で、客員コラムニストの田勢康弘氏が「小沢代表で選挙へ?」」と、要するに「小沢辞任すべし」という論陣を張っていたようだが、田勢氏の日頃の言論から比較して見ても、おやおや、「化けの皮が剥げたな…」ということだろうか。いずれにしろ、小沢辞任が確定した以上、小沢辞任をひそかに求め続けて来た反小沢グループは、次の民主党党首として政権交代を実現し、新首相となるべく、躊躇することなく、是非とも、岡田ナニガシを党首候補として推薦し、華々しく党首選を戦って、そして見事に散ってもらいたいものだ。

小沢民主党代表、辞任の意向を党幹部に伝える=報道
2009年 05月 11日 15:31 JST


1 of 1[Full Size]国内政治
小沢民主党代表が辞任の意向、午後5時から会見


[東京 11日 ロイター] NHKなど複数の国内メディアの報道によると、民主党小沢一郎代表が、複数の党幹部に代表辞任の意向を伝えた。午後5時から、党本部で会見を開く。

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