文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

何故、「小保方博士バッシング報道事件」は起きたのか?何故、科学論争ではなく、報道スキャンダル事件となったのか?これは、現代日本の思想的劣化を象徴する事件ではないのか?「小保方博士バッシング報道事件」を再考する。

人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ




昨日、韓国の知識人・文化人二人の「取材」(「対話」)を受けた。小生の『保守論壇亡国論』(KKプレス)を読んだうえでの、きわめて学問的、思想的な取材であった。小生は、「小保方博士バッシング報道事件」も、「韓国バッシング」も、「朝日新聞バッシング」も、その根底を流れる問題は同じだろうと説明した。つまり、日本社会に「批評」や「論争」がなくなり、思考停止した言論空間で、一方的な「批判=罵倒」や、単純素朴な「バッシング報道」が横行するようになったことが、大きな原因である、と。



もちろん、その現象は、日本だけの問題ではなく、韓国や中国、欧米を含めて世界的な現象だろう、と。結局、小保方バッシング報道は、小保方晴子博士が、「マウスをすり替えた」とか「ES細胞を盗んだ」・・・とかいう単純明快な結論になっている。


「STAP細胞はあるのか、ないのか」「STAP細胞の生成は可能なのか、不可能なのか」「そもそもSTAP細胞というアイデアは、幻のアイデアなのか」・・・という先端科学的議論にはなっていない。


この一連の事件は、「小保方晴子博士が嘘吐きだった」ということで、幕が引かれようとしている。これは、馬鹿でも分かる結論だが、はたして、本当にそうだったのか?何故、小保方バッシング報道を繰り返してきたマスコミ、科学ジャーナリズム、サイエンスライター、一般庶民・・・に、それが、分かるのか?



思考停止したマスコミや科学ジャーナリズムで、一方的なバッシング報道が繰り返されてきた結果、専門の科学者を含めて、多くの日本国民までが、そういう単純な「詐欺師物語」「泥棒物語」を信じ込まされた結果ではないのか?小保方晴子博士が詐欺師で泥棒?なるほど、分かりやすい。サルでも分かる。


小保方晴子博士は、「STAP細胞問題」で、「失敗したか」、「騙されたか」したのかもしれない。しかし、その失敗やミスは、意義のある失敗やミスではないのか。何故、科学的思考や実験の失敗が、そのまま科学者の「嘘」や「泥棒」・・・ということになるのか?


現代日本は、先端科学研究者たちの失敗やミスも許さない「いびつ」で、「偏狭的」「自閉的」な社会になりつつあるのではないのか? むしろ、思想的劣化や思想的貧困は、「嘘」や「泥棒」のレベルでしか、理解・解釈できない「バッシングする人たちの側」にあるのではないのか?


遠藤高帆(理研横浜の研究員)という匿名の告発者が、表に顔を出した途端に、「小保方博士バッシング報道」は下火になってきた。言うまでもなく、この「小保方博士バッシング報道事件」が、遠藤高帆からの秘密情報の暴露に依存していたからである。遠藤高帆は、記者会見までして、遺伝子解析の結果を公表した。もはや、遠藤高帆は、2ちゃんねるや匿名ブログで、情報を発信することは出来ない。


今度は、遠藤高帆の研究結果が、問われる番だからだ。つまり、この事件は、遠藤高帆という三流の役者が、その正体を現し、表社会に顔を表した途端に、つまらない凡庸な事件に変貌したのである。


繰り返しになることを恐れることなく、再び、三度、この「小保方博士バッシング報道事件」を再考していきたい。この「小保方博士バッシング報道事件」の闇は、意外に深いのである。




人気ブログランキングへにほんブログ村 政治ブロへ (続きは、『思想家・山崎行太郎のすべて』が分かる!!!有料メールマガジン『週刊・山崎行太郎』(月500円)でお読みください。登録はコチラから→http://www.mag2.com/m/00011513