文藝評論家=山崎行太郎の『 毒蛇山荘日記(1)』

文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記1(1) 』です。

櫻井よしこと大江健三郎。改憲派のオバサン右翼=櫻井よしこと護憲派のノーベル賞作家=大江健三郎の対比が面白い。それぞれの集会でメインゲストとして挨拶しているようだが・・・。

dokuhebiniki2015-05-05


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大江健三郎の小説は別にして、その社会的発言に関しては、江藤淳の、「大江健三郎は小説とエッセイを巧妙に書き分けている」という「大江健三郎批判」の影響などもあって、長いこと、違和感と抵抗感を感じてきたが、10年ぐらい前から、大衆化し、通俗化した「改憲派」の思想的堕落ぶりに接するようになって、その違和感と抵抗感が、次第になくなってきた。


私は知性主義は嫌いだが、それにしても、「改憲派」の反知性主義にはウンザリする。改憲派の集会に集まったメンバーを見ていると、「芸者ワルツ」でも合唱しているのかと思う。


私は、元々、大江健三郎という作家の大ファンであり、大江健三郎を読むことから、文学や思想に目覚めた人間だ。「すべてを大江健三郎から学んだ」と言ってもおかしくない。江藤淳吉本隆明の「戦後世代の政治思想」を読んで以来、大江健三郎の社会的発言には、違和感と抵抗感を感じるようになったが、大江健三郎を尊敬していることに変化はない。


3・11以後、多くの人が「反発売」や「脱原発」「反核」・・・を言うようになったが、彼等と大江健三郎の「反発売」や「脱原発」「反核」・・・は違う。大江健三郎の「反発売」や「脱原発」「反核」・・・は、筋金入りである。『ヒロシマ・ノート』や『核時代の想像力』に賛成というわけではないが、若い頃から一貫している大江健三郎の核や原発に対する「存在論的感受性」には、脱帽するほかはない。


さて、大江健三郎の社会的発言の中で、反原発問題、沖縄問題などと並んで、重要な問題に「護憲論」がある。「九条を守る会」の活動がそれである。というわけで、改憲派が集会や講演会を開いたのと同時に、護憲派も集会や講演会を開いたようだが、そこで大江健三郎は、大江健三郎としての「最後の挨拶」を行ったようだ。


私は、思想的には改憲派であり、従って昔から護憲派の言動には違和感を持っており、決して同調できないのだが、カントの『永久平和論』の文脈で、戦争権を放棄した「日本国憲法」を論じる柄谷行人の護憲論と同じように、新人時代の『厳粛な綱渡り』以来、一貫している大江健三郎天皇論にも護憲論には関心を持っている。


逆に言えば、改憲派のオバサン右翼=櫻井よしこらの威勢のいいだけの、無知丸出しの改憲論には、何の関心もない。櫻井よしこ等の改憲論に興味があるとすれば、ただ批判するために読むだけである。


「世田谷食品」とかいうインチキ会社のテレビコマーシャルでお馴染みの舞の海某が、日本人力士が弱いのは憲法前文に原因がある、と珍説を展開して、失笑を買ったそうだが、櫻井よしこ田久保忠衛の「中国脅威論」と「憲法改正論」も同じようなものだろう。今や昔。改憲論も堕落したなー、と思うだけだ。


つまり、今や、「改憲論」こそ、典型的な「従米属国論」=「日本植民地化論」に他ならない。米議会での安倍演説もまた、「従米売国演説」に過ぎない。米議会の議員たちが、拍手喝采するはずである。日本を米国に売り渡す事を確約する演説だったのだから。しかも、ゴーストライターが書いたカンニングペーパーを見ながらの棒読み演説。


産経新聞によると、大江健三郎は、「護憲派集会」で、激しい「安倍演説批判」をやったそうだが、大江健三郎の演説にも一理あると思われる。どちらが本物の「ナショナリスト」なのか?言うまでもなかろう。

(続く)


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■緊急連絡■


今週=発売中の「週刊金曜日」に、「保守論壇のスターたちの憲法観ぶった切り」を書きました。ご一読ください。


櫻井よしこ八木秀次等の「トンデモ憲法論」について批判的考察を行い、その「口から出任せの稚拙な憲法改正論」を徹底批判しました。(訂正。八木秀次天皇批判が掲載された雑誌は「世界」ではなく「正論」でした。)






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