つぶやき

このブログについて、これでは書評になっていないというクレームが入った。もちろん「書評」なんかじゃない事はよく承知している。
それはあなたの勘違いだと言っておこう。
対象とした本の内容をよく理解し、それに評を加えたものでものでは無いのだ。
それを何度も言ったのに理解してもらえなかった。
「違うって、違うって」と言っていたのに。
このブログはあくまでその本を読んで発想したアイデアの可能性について語っているのであって、それは私の現在の関心で動いている。
一般を対象としていないのだということが理解してもらえない。
イニシアチブをとっているのは、今を生きる関心によって発動されたものなのだ。
それは現在に根ざしているが故にリアリティーがあると信じている。現実をどう捉えているかは、各人によって多様であると言ってしまえばそれまでだが、状況とは一体何かに集中したものなのだ。

ジャーナリズムなんかじゃない。

そう言われればそうかもしれないが、時事問題と解釈しているわけではないので、そこは違っている。
世間にある政治的、文化的枠組み(こういう問題はこうとらえなさいという強制)などというものは、はなっから手にしていないから、より自由に自然体で発想しているつもりだ。

あえて言う。
このブログは書評じゃないと。
書評が欲しければその分野の専門家のブログを探せばいいのだ。
何を新しく発想し、何と繋ぎえたか、それにかかっている。

糖質制限食に反動の波がやってくる

NHKのクローズアップ現代糖質制限をしていてトラブルを起こした症例を紹介しているのを偶然みた。寝ようと思って入った寝床で見たものだから、メモできなかったのだが、これは明らかにカロリー制限してフラフラになったのだと直感した。つまり飢餓状態。栄養失調なのさ。

翌日、当然江部先生はぼやいているだろうとブログを検索。

http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3881.html

おっしゃる通りですな。

ところで、この番組に登場していた、高橋久仁子先生というのは『「健康食品」ウソ・ホント』で1998年以来の講談社ブルーブックスで何かと参考にさせてもらってお世話になってきた本で、最近刊の2016年版を含めて3冊ある。

高橋久仁子先生に就いて江部先生はこう述べている。


「番組出演の群馬大学名誉教授の栄養学者の高橋久仁子さんが、

『ダイエットブームは、たいてい1〜2ヶ月、長くても半年で終わるが糖質制限食は年単位で続いているのが不気味です。』

と述べておられました。

私の回答は、不気味でも何でもなく、糖質制限食はブームではなく真実であるということです。

すなわち、糖質制限食は生理学的事実に基づく基礎理論と、RCT研究論文・コホート研究により裏付けられたエビデンスがある科学的な食事療法なのです。

江部康二」


高橋先生は今回の版では糖質制限について直接の言及はない。しかし、しかし、FER(脂質からのエネルギー比率)を言い出していることからして、批判的であるのは間違いないと思っていたので、番組での発言を訊いてヤッパリかと思い、がっかりしたのは否めない。



フードファディズムに果敢に挑戦してきた人にしてこれか? という失望は隠せない。ポイントはここでも「バランスのいい食事」という言葉と「主食」という幻想だ。おかずは副食とは言わずに「主菜」と突っ込まれないように言い換えているが、穀物、糖質、ここではやっぱり米=ごはんという白米幻想だろう。主食なんてものはないということが理解されていない。

まして、科学者として無作為比較試験によるデータが出ているのに認めようとしないのは情けなくなってしまった。

ほんとここ何年かで、これまで常識が逆転して革命が起こっていることについていけないんだよね.


ヘリコプターマネーについて

今話題になっている、バーナキンのヘリコプターマネーについて考えてみた

財政ファイナンスではない政府への資金の供給ということ。

国債中央銀行が直接買い取る財政ファイナンスではないということ。

日本の場合は財政法5条で禁止されている。
(ただし、国会の議決があれば可能)


ベン・バーナキン氏はブログでヘリコプターマネーと呼んでいる
http://www.brookings.edu/blogs/ben-bernanke/posts/2016/04/11-helicopter-money?rssid=Ben+Bernanke


日本語で解説してくれた市川レポート
http://www.smam-jp.com/documents/www/market/ichikawa/irepo160427.pdf

市川レポートの解説を読むと中央銀行は金融政策目標(30~40兆円あるというデフレギャップの解消)を達成して、政府は債務が増えないのでWin、Winの関係だというが、債務もないし、担保もないお金ということであるなら、これはもはや市場経済ではない、贈与経済(つまり寄付、ないし賄賂、お小遣いの部類)だ。
法的にはどう整合性を付けるのだろうか。

それをMFFPsと言った。
マネーファイナンス財政プログラムと名付けている。


別に市場経済だけが経済ではないから、贈与経済があっても構わないけれど、その使い道が減税50%公共投資50%というのはあまりに能がない。デフレギャップを解消したいならBIをやるべきだ。
ちょっと待った。

それより消費税をゼロにした方が早いんじゃないの?
一気に8%可処分所得がふえるじゃない。



糖質制限の胆は

1糖質を減らす
2しかし、全体のカロリーは減らさない。

に尽きるでしょう。つまりタンパク質、脂質でカロリーを取るということだ。

もちろん、野菜も必要。

糖尿病でもないし、医師でもないのに何かいいことがあるのかというと体重は確かに減少するが、集中力が高まったとか、疲れを感じないとか、睡眠がうまく取れるようになったとかはない。変わらない。

じゃあ、なぜするのというと何となく胃腸が楽になったような気がするのと本当は面白そうだからということに尽きる。

何が面白いのか?

人間にとって、健康になる、というのが願いでそれに取りつかれている姿を見るのが面白。
金科玉条のように食事はバランスよくといって、糖質を60%タンパク質20%脂質20%と強調する栄養学がここに三年ですっかり変わってしまったというのが、面白い。

と同じようにケトン体だ。

ケトアシドーシスの危険を吹き込まれてきた身としては、この常識がひっくり変えるというのがおもしろい。(昔、研修で何度も言われた)

というように人間はすでに本能では生きられないので、知識を持ってしか生きられないのに固定観念に陥っているという姿が革命をおこしているのだ。ここが面白い。

そういうことでケトン体へ考察を進めないといけない。

その前に、なぜ糖質制限食にいろいろあるのかということ。

糖質制限実施中?で述べたように釜池説、江部説、山田説、とあるのはどのような基準に基づいているのかということ。

http://d.hatena.ne.jp/dokusyoin/20160527

これは要するにケトン体の血中濃度が上がるか上がらないかによっている。
(120g以下になるとケトン体が増えるため)
そして120gという山田説はケトン体には血管の内皮細胞を傷つけるというデータがあるのでケトン体が増加しない最低量にした。これは本当か?

鳩山邦夫が亡くなって、それが糖質制限食が危険と騒がれて


鳩山衆議院議員が亡くなって、たまたま糖質制限食をしていたとして、それ糖質制限食が危険とTVが騒いでいる。

これまで糖質制限についてブログをアップしてきているので、何かコメントを出しておかないといけないだろうと感想を述べる。

なぜ糖質制限について触れたのかわからないが、報道では十二指腸潰瘍が死因だといっている。いまどき十二指腸潰瘍などで死ぬかなあ? という疑問もわくが詳しく報道されないのでわからない。ともかく激やせしていたから、或る意味糖質制限がダイエットに効果があることは認められているということを証明してみせた。皮肉ですなあ。

ただし、やはり基礎疾患があったのではないかと疑う方がただしいでしょう。
江部康二も質問をうけてブログでこのように回答しています。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3848.html

糖質制限の積極的な喧伝派ではない私にとっては擁護することもないのですが、こう考えたらいいのではないか、と思います。



つまり、そもそも「健康にいい」なんていうことは、どこにもない。
ただし、悪いということはある。
たとえば極端な偏食、たとえば呑みすぎ食べ過ぎ。
やらない方がいいということはあると。
糖質も取りすぎはいけない。



現代人は運動が少ないのに、糖質を取りすぎているんだと。


このように考えれば、単にアルコールの呑みすぎに注意しましょう、ということと変わらない。糖質の取りすぎは危険ですということです。現代人が普通と考えている量は多すぎる。
多くても1日130gまで。

糖質が旨いからと言って、取りすぎないようにしましょう。というのが糖質制限の極意だと思うんです。
(糖尿病などの疾患のある人はこれは治療ですから、別の問題です。)

山田悟『糖質制限の真実』(幻冬舎)


おもしろがって糖質制限の本を読んでいる。
今回は、山田悟『糖質制限の真実』(幻冬舎
その一でも触れたように、緩やかな糖質制限食で紹介された山田悟先生の新書である。さすがに学術的な内容で、これまでの疑問に答えてくれるようでうれしい。とくにエビデンス(科学的根拠)について詳しく述べているので、なぜ糖質制限が正しいのかについてみてみよう。そしてそれはここ10年で真逆になった栄養学の常識からスタートする。悪者扱いされてきた脂質が善玉に変わったなど。

「栄養学のこの10年間の激変ぶりについて述べてきました。そうなると、皆さんが決まって心配するのは、この10年でかつて正しいと思われていたことが間違いであるとなったのであれば、今正しいといわれていることも、10年後には間違いといわれ覆る可能性があるのではないか、ということです」(p−60)

一度ある事は二度あるとまた逆転するのではないかという疑問に答えているが、それはエビデンス(科学的根拠)にはレベルがあって一番信頼のできるエビデンスで証明されているから大丈夫だと言う。
そのレベルをどう階層化しているかと言うと次のようになる。

A無作為比較試験
B観察研究
C症例対照研究
D症例報告
E専門家の意見、コンセンサス
動物実験や細胞実験のデータ

一番信頼度の高いのはもちろんレベルAであってBやCをもち出まして批判するのはおかしいと言っている。そこには思い込みや誤解を含んでいると。

少し注釈すると、Fの動物実験の結果はそのまま人間に適応することはできないと言うことであり、Eの専門家の意見と言うのも、それは主観であってエビデンスとしてはかなり低いということだ。B,C、Dは同じようだがこういう例がありましたよという報告であってやはりレベルAには勝てないと言う。このレベル上で立証された事実だけが信頼のおけるものであって、それ以外はそうそういうことも言えるし、そうでないとも言えると言う世界なのだ。
そしてこのレベルAである無作為比較試験と言うのは
「研究対象者をランダムに2つのグループに分け、一方には研究しようとしている治療を行います。そしてもう片方には異なる治療を行い、一定期間後に治療効果などを比較して、介入の効果を検証する方法です」(p−98)
ということだと言う。

こうして得た結果のみが信用に値すると言うのです。

そして得られたレベルAのエビデンス糖質制限で示された。すでにいくつもの報告が出てきている。それをいまだに糖質制限は危険なのではと言ったりする人がいるのは、このEBM(科学的根拠に基づいた医療)ということを知らない人だと結論づける。

今回の要点は以上だけれども、ひとつだけつけ加えておきたいことがある。「正しい栄養バランス」なんて存在しないと言っていることだ。すぐに正しい栄養バラスを考えましょうと言う人がいるが、万人にとって正しい栄養バランスなんていうものはないと言っている。(p−105)その人の個体の状況に合わせて検討するしかないわけで正しい栄養バランスで食事をしましょうというのは嘘だと言うのです。使いやすい言葉だけれども少なくとも医療従事者は口にすべきではないと言っている。

このことはわが意を得たりで心強い。
私も「絶対に正しい食事」と言うもはないのじゃないかと考えるようになってきたからだ。何度も、述べているように、だからと言って偏食をしてもいいと言っているわけではないのだが。

結論が出ているのは糖質を減らした方がいいよというのみだからだ。
そしてそれについてはエビデンスが出ている。
糖尿病でない人は、あまり神経質にならずに糖質制限をしたらいいというぐらいのことだ。
(ただし、子供はそんなことする必要はないともいっているので注意しよう。)

糖質制限実施中 その四 番外一日一食


最近はやっている糖質制限ダイエットとは別にもうひとつ「1日1食」というのがある。これがダイエットをうたっているかどうかは知らないけれど、帯にある「好きなものを食べても太らない」というコピーを見る限り少しはうたっているのだろう。
今回は番外ではあるけれども、1日1食を取り上げる。

取り上げたのは三枝成彰『無敵の「1日1食」』である。そこには絶大な効果があって、「疲れをしらずで頭が冴える」「いつまでも年を取らない奇跡の食事療法」などの言辞が並ぶ。いいことずくめのようだけれど、そこにある説得力は薄い。本当かなという気がしないでもない。でも、あの人もやっているし、この人もやっていると有名人の名が連なる。

通読して思うのはやはり一種のカロリー制限なのだろう。それはこの食事法と1年1回の断食をおこなっているということとも関係している。たえず身体を飢餓状態に置くことによる活性化ではないだろうか。もちろん飢餓状態だから何を食べてもおいしいだろうし、太ることは無いだろう。

三枝成彰の人生哲学は別にしても、いかにも何かをなすための食事法(みずから何か一般と違うことをしているのがお守りのように)のような気もする。それは信仰にも近いと邪推するのだが、自らを律して仕事をしていこうというのであるから、それ自体を批判してもしかたがないだろう。

どうもこれが一番いいという食事法というのはないのではないかと最近考えて初めているので、どちらでもいいわけだ。
極端な偏食でなければ、ヒトは柔軟に対応しているということではないだろうか。ここしばらく糖質制限に就いて考えてきてそんなように思う。
ところで、三枝は糖質制限については反対のようで、危険だというグループに属する。また自らの断食を実践する保養所のドクター石原結實との対談でもそれを強調している。その主張の中心は、糖質は地球上に最初にできた栄養源であって、人間にとって一番大切なものだという。石原いわく、
「基本的にヒトは糖分(糖質)と塩分と水があればいきていけますからね」という発言がそれを象徴している。これなど医師が発言するような言葉を象徴している。高濃度のブドウ糖液をベースにした中心静脈栄養の発想で、生きていくことは生きていけるけれども、〈食べる〉ということはこのエネルギーの補給とミネラル、水だけではない。生きていけることは生きていけるだろうが、それは生命を最低限維持するということであってそれほど長くもつものではない。まして食べる楽しみは完全にすてさられている。

糖質制限は糖質をゼロにしろと言っているわけではない。制限しようと言っているだけことなのだ。摂取しすぎだから。

まとめ

それはブドウ糖の体内でのインスリン爆発をできるだけおさえようということだ。とくに現代人は過剰に糖質を接種しすぎだから。それを1日1回にして制限しようということなら、これもまた糖質制限食ではないかと思えてしまうのだがいかがなものか?