「KRAZY!」展フォトツアー

バンクーバー美術館で開催中の企画展「KRAZY!:アニメ+コミックス+ゲーム+アートの熱狂的世界」のディレクターであるブルース・グランヴィルさんから会場風景の写真が送られてきたのでここに紹介します。展示空間デザインはアトリエ・ワンによる。



▲まずは会場入口。「K」スペリングのクレイジーは、ジョージ・ヘリマンの「Krazy Kat」(1913-43)やアンダーグラウンドコミック誌『Krazy』(1976-)など、北米のサブカルチャーを象徴する言葉といえる。クレイジーには直訳的な意味から”狂気”っぽい印象をもつ人もいるかもしれないが、それをいうならむしろ”熱狂”に近いマニア系の雰囲気をもつ言葉。日本語でもたとえば「ヤバイ」同様、本来のネガティブな意味とは逆に面白く先鋭的な価値観を表すものでしょう。


カートゥーンアニメーションの展示コーナー。


グラフィックノベルの展示コーナー。


▲展覧会の後半では日本のマンガに焦点があてられる。アトリエ・ワンのオリジナル家具「マンガ・ポッド」にコミックスやコミック雑誌が開架展示されている。
「マンガ・ポッド」は青山ブックセンター本店にも常設されているが、通常通り馬蹄形型に設置されるものかと思っていたがこういう展開型を見るのは初めて。



松本大洋鉄コン筋クリート」の展示。壁面左には日本版のコミックスの入ったカプセル・ケース。


▲岡崎能士「アフロサムライ」の展示コーナー。同人誌『ノウノウハウ』から始まった「アフロサムライ」は、黒人の侍というクールな設定に惚れ込んだサミュエル・L・ジャクソンが映画化権を買って一躍メジャーに。おそらくはジャクソン自らが主演するつもりであろう実写版に先行してGONZO製作の米国アニメ版が昨年日本でも凱旋公開された。


ミュージアム・ショップ風景。


図録は日本でも紀伊國屋書店BookWebでの取り扱いが始まっている。意外に安いかも。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/booksea.cgi?ISBN=0520257847


ちなみにこの展覧会、2009年3-6月にニューヨークのジャパン・ソサエティにも巡回することも正式決定した模様。これ実は昨年同館ディレクターのジョー・アール氏に会った際にプロポーザルした成果です。さらに願わくば日本凱旋展をどこかで……。