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I Get Around The Media 楠見清のメディア回游 このページをアンテナに追加 RSSフィード

 

2015-02-17 MITAKUYE OYASIN

すべてのものは連環する

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アーツ千代田3331で開催中の「3.11映画祭」に、「引き倒し」&「引き興し」のアーティスト加藤翼のアメリカ遠征プロジェクトを追ったドキュメンタリー映画「ミタケオヤシン」(江藤孝治監督、2014年)が出展されます。その上映会終了後のトークショーで加藤翼さんと対談します。

東日本大震災の被災地でのプロジェクトを経て、太平洋の向こうへ。アメリカ社会に潜むネイティヴ史探訪など、アーティストを知らなくても文化的冒険のためのドキュメンタリー映画として誰もの胸を打つはず。昨年末から全国各地で開かれていた単館上映も終了したところなので、未見の方はお見逃しなく。

3.11映画祭「ミタケオヤシン」上映会+トークショー:加藤翼(現代美術家)×楠見清(美術編集者/評論家)

日時=2015年2月21日(土)13:00-15:30

会場=アーツ千代田3331(千代田区外神田6丁目11-14)

チケット=当日1000円・前売800円

イベント詳細リンク

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ちなみに「ミタケオヤシン」とはネイティヴ・アメリカンの言葉で「すべてのものは連環する」の意。美術の話としては、関係性の芸術(リレーショナル・アート)も連想させるが、加藤翼は対象にフックを打ち込み、ロープを掛け、人を集め、声を掛け合って力を合わせ、引き倒し/引き興すことで、その場の光景を転倒/倒立させ、ものの見え方や価値観を倒立させる。対象を倒壊させると同時に倒立させる──破壊と創造が表裏一体になった立体のかたちを造形的につくりだす能力には驚嘆させられる。

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ところで、江藤孝治監督の前作は、人類史の起源を辿る「グレート・ジャーニー」に挑戦したことで有名な探検家の関野吉晴の活動を追ったドキュメンタリー映画「僕らのカヌーができるまで」。僕は以前から、美術という制度の外へと逸脱し前人未到の領域に乗り出していくアーティストたちを一種の「冒険家」として見ているので、江藤監督の関心にも共感するところが大きい。

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加藤翼さんは今週から新作個展「リーチアウト」を開催中なのでそちらもどうぞ。

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