桜庭一樹 『Gosick』

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

富士見ミステリー文庫の方針変更後の作品のはずなのに。
意外なほど真っ当な、直球のミステリ。
一次大戦終了後の、欧州を舞台にした冒険譚。
その後に執筆された作品やエッセイ、インタビューを見ればそちらへの志向もあったということで、
今になってみれば真っ当であるということにそれほどの意外性を持った作品というわけではない。
名探偵はツンデレ、なんだろうな。
主人公がワトソンなのはお約束なのだろう。
この後のシリーズを読んでいるわけでは当然ないが、おそらく二次大戦の接近という陰鬱な雰囲気が、
この後の作品を覆うのであろう。