[]藤井隆「わたしの青い空」

わたしの青い空

わたしの青い空

 藤井隆は、本人でさえ生ではたいがい自滅しちゃう(でもその音程が外れ声が掠れるのがまた魅力な)堀込高樹のメロディーを完璧に歌いこなす(しかも踊りながら!)のだから歌唱力はあるし、今どき松本隆の妄想に付き合える、ピュアさと真面目さと無邪気さとキモチワルさを持ち合わせた貴重な存在なのに(『ロミオ道行』は歌い手の日常なんかがまったく透けて見えない、完全に松本隆の詞世界のagentになりきった「アイドルポップス」の傑作…それ以前に、松本隆、筒美京平、堀込高樹、田島貴男って名前が同時に並んでるだけで、ポップス・ファンにはたまらなかった)、「ナダカンダ」「アイモカワラズ」のイメージがついちゃってるのが勿体ない。

 ポップに表舞台で活躍する一方で裏では渋い作品を作ってるのって格好良いんだから(本業は医者の作家みたい)、売れなくて良いのに、ニュー・アルバムが売れ線作家陣(小室哲哉、横山輝一、林田健司、Fayray)なのは、吉本興業の悲しさか。でも、この趣味全開のアレンジ(カイリー・ミノーグもといWinkを狙ったらしい…確かに!)の渋い曲(背伸びしてる17歳の少女に援助交際中の夢見る中年男性が贈ったような歌)がシングルになるんだからまだ捨てたもんじゃない、か。

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doofrats
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