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2012-06-12

たばこ問題

| 13:12 | たばこ問題を含むブックマーク たばこ問題のブックマークコメント

5月31日は世界禁煙デーでしたが、どらねこの職場周辺ではそんな話題はトントでませんでした。どらねこは医療・介護に関係するようなところで働いているのですが、そういった施設の職員に喫煙者が多いと謂う話を見たことがあります。以前は喫煙と健康の問題にかかわる医師の喫煙割合が高いのはいかがなものか、という事でタバコ対策が講じられ、医師の喫煙割合は改善されているようですが、直接患者や利用者の処遇にあたる職員の喫煙は未だ高い水準にあるとも指摘されております。

(あ、この記事は禁煙週間にアップする予定でしたがころっと忘れて放置してました)


■ちょっと比較してみた

では、高齢者ケア施設における喫煙者の割合は本当に高いのだろうか? ということで、すこしデータをあたってみました。

岡山の高齢者施設の従業員を対象としたデータ*1は三徳和子「施設における高齢者ケア従事者の職業性ストレス要因とその特徴((三徳和子「施設における高齢者ケア従事者の職業性ストレス要因とその特徴」川崎医療福祉学会誌18巻1号 p.121-128 (2008)

))」より引用し、同じ調査年である2005年のJT全国喫煙者率調査の平均喫煙率と並べた表を作成しました。(調査方法が異なるものを比較という事でその点は注意してみる必要はあります。ただ、岡山の喫煙者の割合は全国平均と離れていないようなので比較対象としては問題ないかと思います。)

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ちょっと何かを述べたくなるようなデータではありますね。もし、職種により喫煙者の割合に大きな差があるのだとすれば、それはどんな理由によるものか、ストレスなのか、それとも仕事の中身なのか、もしかしたら所得が関係しているのか・・・などなど色々と想像がかき立てられます。


■身近な例とか観察範囲から

どらねこは今までに何回か仕事を変えておりますが、喫煙者の割合が多く、若い子にも喫煙者が多い職場が幾つかありました。そうした職場には共通点があるような気がします。あくまでもどらねこの印象にすぎませんが、ちょっと考えてみたいと思います。

どらねこは仕事場に於いてたばこを吸ったことは一度も無いのですが、喫煙所に入ったことは何回かあります。それはどういうケースであったかと謂うと、仕事に一区切りついたときに上司からどらねこにちょっとした話があるときでした。例えば、仕事のやり方や向き合い方についてどらねこにちょっとした話があるときなどでした。ホレっ、とジュースを渡され、一息ついた状態でダメだしやちょっとしたアドバイスや人生訓みたいな話が行われたりしたのですね。

ところで、どらねこはタバコが嫌いなのですが、どうして喫煙所に入ったのでしょうか? それは、喫煙所でのちょっとしたトークが自分にとって役に立つものであったり、上司と話をする行為自体にメリットを感じていたからでしょう。つまり、タバコいやだを上回る誘因となっていたワケなのですね。本当はタバコ無しで手に入れることができればそれに越したことがないのですが、断りにくい雰囲気と相まって喫煙所へと一緒に向かうことになったわけです。その際に吸わなかったのは本当に嫌いだったからです。


■断れる?

どらねこは嫌なことについては「だが断る」と謂えるタイプの猫なのですが、皆が皆そうとは限りません。特に新入職員の場合は尚更でしょう。ストレスフルな新しい職場・・・しかも、医療や介護現場のようなところであれば、愚痴の一つも謂いたくなるところです。しかし、患者や利用者、家族の居る前でそんな事をこぼせません。そんな時、センパイがちょっと休憩しようか?とタバコのサインを出し、誘ってきたらどうだろう? 色々教えて貰っている手前もあるし、お話しもしたいので断るためのハードルは高いかも知れません。どらねこの状況と同じですね。

職場によっては大事な情報は喫煙所でないと手に入らないなんて話もあったりもします。必要な情報を収集するために喫煙所に集う・・・そんな状況がもしあるのだとすれば、それを放置して喫煙者の割合を下げるのは難しいのではないでしょうか?


■どうしたら良い?

従業員の健康を考えるのもまた、事業者の役割の一つです。健康を守るはずの施設ですから、こうした状況の改善を図る必要があるでしょう。改善案*2をどらねこなりに考えてみました。


喫煙所は一度に1人しか入れないように定める。喫煙者が多いのであれば、ローテーションを決める。

新入職員がセンパイとお話しをするために喫煙習慣を持つきっかけをなくすことが出来るでしょう。また、喫煙所が情報交換の場として活用されるのは非喫煙者の不利を是正する意味も持つでしょう。ですが、こうした提案を受け入れてもらうためには、タバコの害に対する認識がしっかりしていないと難しいでしょう。こうした現場では一般に比べ、タバコを受け入れる傾向が強いと考えられますので、実現へのハードルは高そうなのが残念です。


労働環境を改善し、職員同士グチをこぼさなくて良い職場をつくる。

できりゃせわねーよ、と謂われそうですが大切な事です。所謂ブラック体質の劣悪な労働環境を是正しない職場に対し、No!という意思を多くの方が示すことで、労働環境の改善が進み、結果的に喫煙者の割合を低くできるかもしれません。原因を除去せずにタバコを止めろといって、ストレスばかり増大させ、結局止められないのなら本末転倒だからです。

大変な状況にある人が、タバコをやめられず、更に健康を害すような状況を放置しないよう、国にはしっかりと対策を行って貰いたいとどらねこは考えます。


■おまけ

抗酸化ビタミンと謂うと、健康に非常に良さそうなイメージを一般に広くもたれていると思いますが、こと喫煙者についてはこれが当てはまらないのではないか?と謂う知見が集まりつつあります。

がんの再発予防を目的とする、β-カロテンの投与は喫煙者については却って再発リスクを高めるという疫学調査があります。こうした傾向は他の調査でも見出されております。また、ビタミンEサプリメントについても、効果がないばかりか喫煙者については肺がんリスクを高めそうだ、という研究*3が発表されるなど、がんリスクの高い人に対して、抗酸化サプリメントを奨めることにはより慎重になる必要があるでしょう。



Slatore CG,et al. White E.Long-term use of supplemental multivitamins, vitamin C, vitamin E, and folate does not reduce the risk of lung cancer.(2008)より

Supplemental vitamin E was associated with a small increased risk of lung cancer (HR, 1.05 for every 100-mg/d increase in dose; 95% confidence interval [CI], 1.00-1.09; P = 0.033). This risk of supplemental vitamin E was largely confined to current smokers (HR, 1.11 for every 100-mg/d increase; 95% CI, 1.03-1.19; P < 0.01) and was greatest for non-small cell lung cancer (HR, 1.07 for every 100-mg/d increase; 95% CI, 1.02-1.12; P = 0.004).

タバコを吸っているからビタミンを十分摂って健康に気をつけなきゃ・・・という健康への配慮がかえって健康を損なう事になっては勿体ないと思います。健康に配慮をするのであれば、思い切って禁煙へと踏み込んで欲しいところです。


*1岡山県内の特養、老人保健施設グループホーム従業員、計114施設、2720人を対象とし、うち、109施設、2178人からの回答

*2:最初の提案はどらねこ日誌の頃にも書いてますが、反応さっぱりでした

*3:Slatore CG, Littman AJ, Au DH, Satia JA, White E.Long-term use of supplemental multivitamins, vitamin C, vitamin E, and folate does not reduce the risk of lung cancer.Am J Respir Crit Care Med. 2008 Mar 1;177(5):524-30. Epub 2007 Nov 7.

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