コンピュータ系の人のための数学ブックガイドまとめみたいなもの 

 
 コンピュータを体系的に学んでいくと、数学の考え方・問題解決力がほしくなってくる。でも数学は昔に根付いた苦手意識より勉強しづらいしなあと思っていたのだけれど、最近数学ガールやら読んでいたら段々楽しくなってきたので調べてみた。とりあえず自分の色々な本やブログ、サイトを参考にして調べてみた。見やすいように数種類にカテゴリ分けをしてみたけれど、厳密に分けている分けではないのであしからず。

数学の概観・歴史

  • 虚数の情緒
  • 数は科学の言葉
  • 数学−その形式と機能
  • カッツ 数学の歴史


虚数の情緒―中学生からの全方位独学法
数は科学の言葉
数学 その形式と機能


 虚数の情緒―中学生からの全方位独学法は副題として「中学生からの全方位独学法」とか付いてる。なので数学の歴史だけではなく、勉強に対する心構え的なこともかかれてたり。副題のとおり中学生からを読者層としてターゲットしているため、非常にわかりやすく数学の歴史をたどれるようになっている。数学だけではなく、物理にも及んでいるので物理の読み物としても楽しめるようになっている。
 次に数は科学の言葉なんだけど、まだ読み途中。途中までの感想としては、なんだろう「数の哲学」みたいな感じで結構難しい。なぜ買ったかというとオビの「アインシュタイン絶賛」に惹かれてしまったからで。
 数学 その形式と機能は、各数学の分野がどのような形で関わりあっているかが記してある。数式がバリバリでてきて数学初心者向けの本ではないと思うのだけれど、一度は無理して読んでみたい。
 この数学の歴史を読んでどんな風に数学が発展していったのかを理解しておくと今後の数学の勉強の理解も深まりそう。


数学的思考法とかの本

  • いかにして問題を解くか
  • 数の悪魔ー算数・数学が楽しくなる12夜
  • 『パンセ』数学的思考
  • 生き抜くための数学入門
  • 数学脳
  • ゲーデルエッシャー・バッハ
  • 1冊でわかるシリーズ 数学


いかにして問題をとくか
生き抜くための数学入門 (よりみちパン!セ)
 いかにして問題をとくかプログラマの皆様にとっては非常に有名な本だと思う。この本を中学生の時に読めていたら証明問題で苦労することはなかったんじゃないかとちょっと後悔の念が沸いてきます(笑)。
 『パンセ』数学的思考 (理想の教室)は、哲学者パスカルの『パンセ』を数学的な見地で読み解こうという本。「理系のための哲学入門」が謳い文句。
 生き抜くための数学入門 (よりみちパン!セ)は、中学生あたりを読者層にターゲットした本。「数学なんてクソの役にも薬にもならねー」と思っている人は読んでみてほしい。数学的な思考の重要性などがわかりやすく書いてあります。

離散数学


コンピュータの数学
数学ガール (数学ガールシリーズ 1)
数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2)
数学ガール 上 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
離散数学「数え上げ理論」―「おみやげの配り方」から「Nクイーン問題」まで (ブルーバックス)
 離散数学とはコンピュータで扱えるような、中間のないとびとびの量(離散的な量)を扱う数学の一分野。
 コンピュータでの離散数学で網羅的に書いてあるのはコンピュータの数学がオススメできる。どこぞのアメリカのコンピュータ学科の数学の教科書で非常にわかりやすく、かつ実際の例題とかも豊富。でも値段が高いのがネックかな。
 もっと気軽な読みものとしては数学ガール (数学ガールシリーズ 1)がおもしろい。著者の結城浩さんの本は非常にわかりやすいものが多く、中でもこの数学ガールは物語になっているので、途中にでてくる数式がわからなくても楽しめるようになってる。巻末の参考文献も充実していて深く掘り下げて勉強できるようにもなっていている。
 数学ガール離散数学に興味を持ったら離散数学「数え上げ理論」―「おみやげの配り方」から「Nクイーン問題」まで (ブルーバックス)がオススメ。この著者の野崎昭弘氏は詭弁論理学 (中公新書 (448))で有名な方。この本では母関数や差分方程式などがわかりやすく解説してある。
 順序としては、数学ガール離散数学に親しんで→離散数学「数え上げ理論」で数学ガールで難しかった所を補完→コンピュータの数学で本格的に勉強する、というステップで勉強すればやりやすいんじゃないかと思う。
 これらの本を読むことによって、アルゴリズムを扱う際に、うまりアルゴリズムを見つけることができるようになったりするんじゃないのだろうか。

集合論の本

新装版 集合とはなにか―はじめて学ぶ人のために (ブルーバックス)

新装版 集合とはなにか―はじめて学ぶ人のために (ブルーバックス)

集合についてはホントさっぱり何の本も読んだことがないので、入門書として、集合とはなにかをあげておきます。

論理の本

詭弁論理学 (中公新書 (448))

詭弁論理学 (中公新書 (448))

数学の基礎体力をつけるためのろんりの練習帳

数学の基礎体力をつけるためのろんりの練習帳

これらの本がわかりやすく、論理の入門書としては読みやすかった。
 あとたまたま目に入ったのがプログラマのための論理パズル 難題を突破する論理思考トレーニング。いろいろな論理パズルが載っていておもしろそうである。

数学を応用している分野の本

「得た知識は応用しないと身につきませんよね〜」とゲーテ先生もおっしゃっているので、コンピュータで応用できそうな本など。

数学で犯罪を解決する

数学で犯罪を解決する

この本では犯罪を数学を使って解決している海外ドラマ「NUMBERS」を本にしたもの。特にこの本の「法律における数学の扱い方」は興味深く読めた。翻訳者の山形浩生氏による

の分野のブックガイドが巻末に乗っていて、興味のでてきた分野へさらに掘り下げることもできるのでオススメ。


 調べていてわかったことだが、先のような数学を応用していろんな問題を解決しようとしている分野を「数理工学」というらしい。なので、この数学書がおもしろいより、数理工学関係の本を抜粋してみた。

ニューメリカルレシピ・イン・シー 日本語版―C言語による数値計算のレシピ
 どれ一つとして読んだことねえ(笑)。個人的に、数理工学への誘いは読んでみたい。数学を応用している分野を概観できそう。もう少し手軽そうな「数理工学最新ツアーガイド」と一緒に読んだら、結構数理工学のことがわかるんじゃないかなあと考えている。本格的にコンピュータで試そうと思ったら、数値解析関係の本が必要になってきそう。実践的な数値解析の本としては、ニューメリカルレシピ・イン・シー 日本語版―C言語による数値計算のレシピが有名なんじゃないかな。[色んな数値解析の問題をC言語で解説してある本です。こういう風に見てみると、カオス関係の本が多いなあ。線形な数学さえ理解してきれていない私にはまだまだ到達できなそうではあるが、入門書ぐらいは読んでみたい。この数理工学の本を読んだら、Rなどを使ってデータ解析してみるもよし、物理数学を学んでシミュレータを組んでみたりしても勉強になりそうだ。


まとめ
 全体として入門書は、ブルバックスシリーズの本がわかりやすくいいんじゃないかと思う。しかし、参考文献が載っている本が少ないというのがブルーバックスの弱点である。さらに読んだ本の分野を掘り下げたい時には、以下の参考文献をあたるとか、Webcat Plusで探したりするしかなそう。


参考文献:

改訂新版 コンピュータの名著・古典100冊

改訂新版 コンピュータの名著・古典100冊

この本の数学/OSの項を参考にさせていただきました。

この数学書がおもしろい

この数学書がおもしろい

「実現象の数学」、「実用を通して学ぶ数学」の項を参考にさせていただきました。