駄文蔵出ししときます


 ええ、J-WAVE出局前のひととき。自分で自分のWEBコラム読み返してみる四十路終盤。雨まじりの金曜日。なんとなく5年前の駄文再掲載。意味はありませんが、おトイレのお供にでも。
 番組で人気部署の投票やってメールで「会社のルール」を募集した週の原稿。そう思って読んでくだされ。

渡辺祐駄文蔵出し「ねずみ穴はやったんべえな」】


「これでいいのだ」


 会社です。人気部署探ります。今週のテーマです。e-STATIONの。ワタシも会社員だったことがあります、ただし、不良社員(笑)。いや〜、いいんでしょうか、こんなこと書いちゃって! やりますよ、今週も、e-VOTE、参加、どんどんお願いします。待ってますよ、あなたの一票! 忙しいぞ! 御投票感謝!


 と、ここまでの原稿は「ジョン・カビラさん的話法の文章化研究」‥‥でした! ジョンさんの気分を出してもう一度読んでみよう!


「はい、それじゃあ、この“みよう!”のアナじりでジングルぶつけて、そのままCMへ。CMあけはFAX呼び込み、逆キューで曲行きます、イントロ15秒で曲フリね!」


 会社や組織のあるところに必ず出現するのが符丁、隠語、業界用語の類であります。メディア業界で言えば、例えばMCのしゃべりの最後の言葉が“アナ尻”。知らない人が聴いたら、もの凄い想像をするに違いありません。後ろにスケジュールが詰まっているのは“ケツカッチン”。固そうです。“ゲーセン”と言えば、ゲームセンターではなくて“5千円”のことです。もう誰も使ってないけどね(笑)。そう言えば他にもいっぱいあるなぁ、使わなくなった業界用語。編集業界では、“ゲタをはかせる”っていうのがありますね。これは悪筆でヒジョーに読みづらかったり、特殊な漢字が使われたりしている文章を活字に組むときに、その不明な部分に“〓”という活字をとりあえず入れておくこと、であります。“ここに何か入る”って意味だと思っていただければいいでしょう。で、そのとりあえず入れておく活字がゲタの歯みたいだからさ、“ゲタをはかせる”なわけですよ。ま、現在では、まず直筆原稿ってものが絶滅してます。ごく一部の先生を除いて。なので悪筆で読めないっていう事態も激減。しかも原稿をテキストデータでメールってことがあったりまえになっておりますからして、漢字のヌケもないわけですよ。もの凄い過去の遺物ですね、ゲタ。きっとこれから編集業につく方は“誤植”なんて言葉も使わないんだろうなぁ。植えないもんね、活字とか写植とか。なんて言うのか、“誤打ち”ですか? “文字化け”ってことで統一か? 懐かしいなぁ、活版時代。やり場にこまるなぁ、オレ様の写植の歯送りの知識。ついつい文字の大きさのことを“Q数”って言ってたりするしなぁ。それって、いまだに、TVのチャンネルを“回す”って言ってるのに近いな。みんしるさんはカメラのことをたまに“写真機”と言います。


 と! おやじの愚痴はともかく、皆さんの会社&組織の面白い用語の使い方、会社だけのルールを大募集! あなたの会社では昼食に行くとき、ホワイトボードになんて書きますか? “めし”ですか、“昼食”? “しーめ”ってことはないか? J-WAVEの社員の皆さんはどうやら“L”って書くらしいとの情報もあり! ランチの“L”か!? じゃあ、夜は“D”なのか? “寸外”“西麻布”“半蔵門”“直”“NR”‥‥ホワイトボードは独特の嵐だぞ!


(初出:2002年4月@J-WAVE e-STATION TASKBAR)