「ちくわ」と「ちくわぶ」の違いについて

私はてっきり「ちくわぶ」の「ぶ」は、「ちくわ」という名詞に対する地域的な接尾語だと思っていました。
しかし、今日「ちくわ」のつもりで買ってきた「ちくわぶ」は、「ちくわ」とは似て非なるものだったのです。
わたくし、この歳にしてこれら二者の相違を知りませんでした。
両者の違いについて、調べた結果を以下にまとめます。


ちくわ(竹輪)

  • 魚肉をすり身とし、竹などの棒に巻き付け、これを焼いて製した食品
  • 製法ゆえ、細長く、穴が開いている
  • 多くのものは製造時に塩が加えられ、魚肉の味と相まって味が付いている
  • 細く切ったキュウリなどの棒状の食品を穴に挿入することにより、「ちくわキュウリ」などの新たな創作料理が可能


ちくわぶ(竹輪麩)

  • 小麦粉を練って竹などの棒に巻き付け、これを蒸して製した食品(生麩の一変種)
  • 製法ゆえ、細長く、穴が開いている
  • 多くのものは製造時にグルテン化のために塩が加えられているが、あまり味がしない
  • 細く切ったキュウリなどの棒状の食品を穴に挿入することにより、「ちくわぶキュウリ」などの新たな創作料理が可能かもしれない


で、せっかく「ちくわキュウリ」を作ろうと思って買ってきましたので、「ちくわぶキュウリ」でもたいして変わらんだろうと考え、作ってみたのです。
こんなかんじ。
chikuwabu


おいしくない。あじしない orz


さて、ここで気になるのは、おそまつ君の「チビ太のおでん」の一番下が、「ちくわ」なのか「ちくわぶ」なのかということです。

形状から想像するとこれはどう見ても「ちくわぶ」だろう、と思ったのですが・・・
これは、ウィキペディアには、ナルト巻きとあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%93%E5%A4%AA
うーん。ナルトをおでんに入れるのか・・・


(結論)「ちくわ」と「ちくわぶ」は強烈に違う。決して混同してはならない。ちくわぶキュウリはおいしくない。


しかし、この日記の読者は幸せだと思います。
なぜなら今後「ちくわ」と「ちくわぶ」を間違えて、「ちくわぶキュウリ」を作らずにすむからです。
大変紛らわしいこの二者、区別が容易なように法で規制したほうがいいかもしれません。
知らない人は大混乱するでしょう。え、オレだけ?

ヘリウム

500 MHz NMR の液体ヘリウム充填作業をしようとしたら、中で霜が凍り付いていました。
空気中の湿気が隙間から入り込んで固化したものです。
室温なら水は「ほっときゃ蒸発するよね」で何の問題にもなりません。
しかし、液体ヘリウム温度では、沸点に達するまでに 370℃も温めなければならない、硬度のきわめて高い鉱物なのです。
ガチガチで、始末悪いんです。
どこからでも入り込んでくるし。


植村直己の本だと思いましたが、「極地でカメラレンズに付いた埃を取ろうと息を吹きかけたらレンズ上で凍りつき、まったく使い物にならなくなった」というくだりがありました。
低温での霜はどうしようもなくしつこいです。
拭いても拭いても落ちません。


さて、液体ヘリウムは非常に高価な液化ガスで、液体窒素との対比でしばしば Scotch and Water と表現されることがあります。
液体ヘリウムは並みのスコッチウィスキーぐらいの値段がしますが、液体窒素ならミネラルウォーター程度です。
しかも、みるみるうちに蒸発してしまいます。
きっちり断熱を取ってやればそこそこいるんですが。


今回の作業のトラブルでオレが何リットル分のスコッチを蒸発させたのか、それについては問わないでください。
だってさ、Ultra Micro Nikkor 28mm F1.8 が買えるような額が、あっという間に雲散霧消(まさにこの言葉がふさわしい)してしまうんですよ。
もったいないったらありゃしない。


液体ヘリウムが高いのは、断熱液化にものすごく手間とエネルギーが必要なのと、その希少性ゆえのためです。
液体空気の分留でもわずかに採取できますが、大部分はアメリカ、ワイオミングやカンザスのガス井から出てくるものを採取して分離しています。濃度の高いところでは数%に達するという話です。
ガスでも鉱産物資源なんですね。