好きな映画

そういえば自分が好きな映画としてあげるとしたらなにがあるんだろうと考えてみたら、意外とすんなりとタイトルが出てこないことに気づく。
好きな映画好きな映画、としばらくかけて自分の中で探し物をして見つかったものがいくつかあったので記録。
ゴールディ・ホーンさんがうっかり軍隊に入る映画、ゴールディ・ホーンさんがうっかりアメフトチームの監督かコーチになる映画、ゴールディ・ホーンさんがうっかり政治家になる映画、ゴールディ・ホーンさんがうっかりママ母になる映画。
それから、ヴァル・キルマーさんが脱走したりギター弾いたりバイクに乗ったりする映画、ヴァル・キルマーさんが大学の寮で勉強する映画。
タイトルは最初から順にゴールディ・ホーンさんの「プライベートベンジャミン」「ワイルドキャッツ」「アメリカ万歳(Protocol)」「潮風のいたずら(Overboard)」、ヴァル・キルマーさんの「トップシークレット」「天才アカデミー(Real Genius)」。
そういえばそんなタイトルだったなあと記憶が蘇ったところで、夫に「私の好きな映画がなにかわかったんだよ」と話す。
ゴールディ・ホーンさんがね、うっかりアメフトチームの監督かコーチになる話なんだけど、どっちだろ監督かな、コーチかな、どう違うんだろ」
「どっちでもえんちゃう?おんなじようなもんやし」
「ええ、そんなこと言わずにちゃんと教えてよ、どうやらくんアメフトしてたんじゃけん知ってるんじゃろ」
「いや、ほんとに、おんなじようなもんだから」
「そうなん?じゃあ、スーツを着てるのが監督でスーツ以外のときはコーチと思ってもいいの?」
「うん、いい、いい、それで合ってる」
なんだか騙されているような謀られているような気がするが、そこはまあ置いておこう。
「どうやらくんが好きな映画は、何かすぐに思いつく?」
「うん、七人の侍
「ああ、そうなんだ、私も『七人の侍』は面白いと思うけど『好きな映画』とはまた別枠なんだなあ。他には他には?」
「ショーシャンクのはたのもと」
「えーと、それは、ショーシャンクの空の下?空の下と書いて『はたのもと』って読むんだっけ?」
「あ、ちがった、みそきちが正しい。なんとなく雰囲気で覚えてるだけだから」
「私も今なんとなく雰囲気で、『はたのもと』に合わせて『空の下』って言ったけど、あの映画は『ショーシャンクの空に』だと思う」
「ああ、そうだったかも。まあ、あれあれ」
「あの映画はたいへんによくできた映画だとは思うのだけど、プリズンもの(刑務所もの)でしょう?私プリズンもの苦手だからなあ」
「そう?おれ、どっちかというと得意。今日のCSIもハマったなあ」
「ああ、あれはどうやらくんにしては珍しかったねえ、どうやらくんがCSINY(ニューヨークの科学捜査班のお話のアメリカドラマ)をあんなにまじめに見るなんて」
「だって、ツカミがうまかったじゃん、刑務所内で場面が二転三転して」
「ツカミの段階で私に『これオチはどうなるん?』って訊いてきたのはいかがなものかと思ったけど。そんなん私もまだ知らないよ」
「みそきちならもう何回か見て知ってるかと思ったから」
「今回のCSINYは刑務所が舞台だったから、私はちょっと苦手だった。『ショーシャンクの空に』も刑務所でしょ」
「うん、ハラハラドキドキして面白い」
「ええー、私はハラハラドキドキ以前に、刑務所に入る必要のない人が刑務所に入るところからしてグッタリする」
「え?そうだったっけ?」
「そうだよ、たしか、記憶が曖昧なまま刑務所に入るの。しかも刑務所の中で散々な目に遭うじゃん」
「えー、そうだっけー」
「そうよー、私がすごく苦手な刑務所内レイプの被害に遭うじゃん。それにね、彼の無実を知っている男の子が同じ刑務所にいたのに彼の無罪を証言するといけないからかなんかで刑務所内で抹殺されるじゃん」
「なんかそれ別の映画の話なんじゃない?おれ、そんなストーリー全然記憶にないんだけど。どうやって脱獄するのかな、ハラハラドキドキワクワクのお話だと記憶してるのに。今度DVD借りてきて見なおしてみようかなあ」
「うん、好きな映画なら見なおしていいと思うよ。あとは他に何か好きな映画ある?」
千と千尋の神隠し
「ええっ、そうなん?そんなこと全然知らなかったよ」
「あれはよくできた映画だと思う。何度見ても面白い。何回でも見たい」
「それはたしかによくできた映画だとは思うけど、好きな映画かというと私の場合はちょっと違うなあ、何度も見たいかというとそれも少し違うかんじかなあ。でもどうやらくんがそんなに好きなら、ちょくちょく地上波で再放送しているのを今度からは気がついたら教えてあげるね。今までそんなこと全然知らなかったから、テレビで千と千尋をやっててもどうやらくんが好きな映画だと思ったことがなかった」
「おれもみそきちが好きな映画、どれひとつとして見たこともなければ聞いたこともない、そして今後も見ることなさそう」
「えー、そんなん言わんとレンタル屋さんで見つけたら借りてきて見てよ」
「んー、よう見つけんと思う」
これまで私達夫婦はお互いの好きな映画について、結婚前も含めて、語り合ったことがなかったのだろうか、語り合ったことはあったけど忘れているのだろうか。
こういう話をするたびに、知りあう余地というものはたくさんあるものなのだなあ、と思う。