異常快楽殺人

異常快楽殺人 (角川ホラー文庫)

異常快楽殺人 (角川ホラー文庫)


平山夢明祭りその1。図書館で借りました。実は予約した時点では小説と思っていたのですが、シリアルキラーを題材にしたノンフィクションでした。エド・ゲイン、ヘンリー・ルーカス、ジェフリー・ダーマーといった超有名なシリアルキラーばかりだったので、そんなに目新しいネタはないだろうと思ったらそんなことなくて色々面白かった。ジェフリー・ダーマーのフェイヴァリット映画が「エクソシスト」とかw。ただこれらのネタが全部事実かと言うと違う気もする。作者もそれを分かってワザと不確かな情報をそのまま載せたんじゃないかなー?

Sinker-沈むもの

Sinker―沈むもの (Tokuma novels)

Sinker―沈むもの (Tokuma novels)


平山夢明祭りその2。図書館で借りました。96年に出た長編処女小説。連続猟奇殺人事件を解決するために、刑務所にいる別のサイコキラーにアドバイスを求めるというプロットは「羊たちの沈黙」そのまま。それに加えて超能力を持ったキャラが登場したり、警察内部の縄張り争い等が絡むのが特長。殺人犯がジェフリー・ダーマーのようなことをするのはご愛嬌。「異常快楽殺人」同様ヘビーな内容なのでその筋の方にのみオススメ。

「超」怖い話フィクションズ 平山夢明の眼球遊園-Episode1「大日本ノックアウトガール」


平山夢明祭りその3。レンタルで見ました。

冷血な叔母から、姉の死を聞かされ親族の縁を切られた竜子(水崎綾女)は、職場の上司(森羅万象)からセクハラを受けた挙句、失職してしまう。そんな中、キトウ(笠原紳司)という男が竜子に近づいてくる。キトウは姉を死に追いやった自殺ゲームの真相を語り、そのゲームへ竜子を誘う。
セクハラを受けた上に失職するなど社会から酷い仕打ちを受けた竜子は、覚醒。彫順(真藤順丈)に頼み拳に刺青を入れ、夜な夜な酔っ払い相手のノックアウト強盗へと変身してした・・・


上のあらすじを読む限りそんなに目新しい話ではないんだけど、とにかくヒロインのルックスが凄い。これに関してはid:tada-woさんの解説が的確なのでまんま引用。

竜子の通り魔活動でのユニフォームが秀逸。右手の甲に竜のタトゥーを彫り、ぬいぐるみを改造したグローブを左手にはめ、Tシャツにホットパンツ、そして頭には「エレファントマン」みたいに麻袋をズボッと被るという、ナニをモデルにしたのかサッパリわからないが、ただ異常さは十分に伝わるという出で立ち。それに加えて、タトゥーの彫り師から譲り受けた、中指部が金属になっている、どこかの国の解放軍が作ったというグローブを着用。相手の頭部に中指を叩き込む、殺人デコピン(「必殺!」シリーズみたいにレントゲン風で暴力を描写。

狂った日和


↓こんな感じ。「13日の金曜日パート2」みたい。


前半のド不幸娘から、ノックアウトガールに覚醒する流れが痛快で最高。そして色々あった末のラストも因果応報とはいえ、せつなさ全開。


平山氏といえば「怖い話」「グロいホラー」を連想しがちですが、この作品に関してはそんなことはなく(ヒロインの奇天烈な格好と、悪役が全員すごく濃いことをのぞけば)全うなアクションものなので、ホラー苦手な人にもオススメ。