映画『ロラックスおじさんの秘密の種』について


ドクター・スース原作の絵本『The LORAX』の映画化作品がUSで大ヒットしたようです。

『怪盗グルーの月泥棒 3D』のスタッフによるアニメーション映画『ロラックスおじさんの秘密の種』が10月に日本公開されることが決定した。全米では今年3月に公開されるやいなや子どもも大人も夢中にさせ、アニメーション作品としては実に『塔の上のラプンツェル』以来、約1年半ぶりとなる2億ドル(160億円)のヒットを記録した作品だ。

『ラプンツェル』以来の大ヒット!アニメ『ロラックスおじさんの秘密の種』が公開決定! - シネマトゥデイ


↓トレーラー


スース原作の映画化というと、ジム・キャリーが主演した『グリンチ』はUSで大ヒットしたものの、続くマイク・マイヤーズ主演でダコタ・ファニングも出演した『ハットしてキャット』は日本ではDVDスルーとなり、USでもラジー賞にエントリーされ大失敗しました(私は好きですけどね)。実写を諦めてCGアニメにした『ホートン ふしぎな世界のダレダーレ』もそこまではヒットしなかったようなので、とりあえずめでたい。


ドクター・スースの絵本は、ほとんどがナンセンスな言葉遊びでできていて、その中にちょっぴり風刺を含ませるといったモノが多いです。しかし『The LORAX』に関してはかなりストレートに環境破壊の危険を訴えた内容になっています。


『The LORAX』のストーリーは、「ONCE-LER」という人物(といっても人かどうかは分からない)が少年に昔話を聞かせる形式で進んで行きます。以前この場所には「The Truffula Tree」という変わった木がたくさん生えていたのですが、「ONCE-LER」はその木を切って「Thneed」という製品を作り出し売り出すことにしました。これが飛ぶように売れたので「ONCE-LER」は木を切り続け事業を拡大していきます。そこに現れたのが「LORAX」で、彼はこれ以上木を切る事をやめるよう訴えます。


↓こいつがLORAX


↓映画版ではこんな感じ。原作では手しか見えなかった「ONCE-LER」がちゃんとした人間として登場。


映画版のトレーラーを観る限りは原作にはなかった要素もたくさん登場するみたいなのでどういう内容になってるのかは分かりませんが、原作自体はちょっと説教臭いイメージはあります。あと、個人的にはドクター・スースの絵柄ってああいう3Dアニメと相性良くないように感じるんですよねぇ。


70年代には『The LORAX』は30分のアニメにもなっていて、こちらはかなり原作の雰囲気にとても忠実で、また絵本通りの韻を多く踏んだ言葉遊びが楽しめるので非常にオススメです。


Dr. Seuss' The Lorax - Part 1 of 2


Dr. Seuss' The Lorax - Part 2 of 2


この言葉遊びを日本語に翻訳するのが難しいせいか、スースの絵本はあまり日本版が出ていません。ゆえに知名度も今ひとつですが、単純にイラストがかわいいので興味をもった方はぜひ。映画版もLORAXの声をダニー・デヴィートが演じたりと面白そうな要素もあるので楽しみです。あと、スースの自伝映画をジョニー・デップ主演で映画化するという噂もあるのでこちらも楽しみ。


『ロラックスおじさんの秘密の種』オフィシャルサイト


(その他)
ドクター・スースの世界「ぞうのホートンひとだすけ」

見るべきなのは子どもじゃなくて親-「ホートン 不思議な世界のダレダーレ」


The Lorax (Classic Seuss)

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ハットしてキャット スペシャル・エディション [DVD]

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ドクター・スースの素顔―世界で愛されるアメリカの絵本作家

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