2010-09-02
■[ゲーム]PC・半端マニアソフト 『Indigo』(2010年/日)
古い物から新しい物まで何でも発掘がモットーの当ブログ。
今回はこの夏完成した最新PCノベルタイプアドベンチャーゲームのご紹介です。
製作の半端マニアソフトは以前から同人界でも高いレベルの集団として認識されておりましたが、本作はディレクター木緒なち氏のもと、尚一層の高みを目指してグラフィック・BGM・デザインなどの全てにおいてレベルアップを図り商業作品と本当に区別がつかない完成度を実現しております。ほんとにね、なんかもうね、キレイ。綺麗。
でも物語は、殺人鬼ばっかり出てきます!
現代の架空の街、十峰町。藍色の空に染まる夕暮れ時に殺人鬼志望の少女が幽霊に出逢う―。十年前同じ街では一人の殺人鬼が6歳の少年に殺され、その少年はこの街に戻ってきた―。隻腕の女子高生は自分を傷つけた人間への復讐に向かう―。
これだけ読むと救いのない話に見えますが全然そういう感じでは無いです。コメディ要素も十二分に堪能出来ます。
見所はシナリオ担当の渡辺僚一氏によるセンスとひねりのきいた文章、全てのキャラクターを生かすべく作り込んだプロットの収束能力でしょう。文章追ってて楽しい。登場人物の多視点は楽に書けるものではないのですが、前作といえる『冬は幻の鏡』の経験を生かして隙の無いシナリオを積み上げています。信頼度高いです。
本作は音楽やキャラクター・背景・演出等も良く全体の雰囲気を盛り上げます。
おそらく商業を呑み込むくらいの気概が無いとこのレベルの作品を作ることはできないでしょう。
携ったスタッフの心意気を感じる今が旬の大作インディゴ。あなたも是非体験して下さい!
■[漫画]狩撫麻礼 原作/たなか亜希夫 画 『ボーダー』(1986-89年/日)
"漫画原作者"といって思い浮かぶのは人様々でしょうが、少なくとも俺にとって狩撫麻礼というのは殆ど唯一無二の存在です。近年では土屋ガロン名義で韓国映画の原作ともなった『オールド・ボーイ』を書くなど、いまだに複数ペンネームで精力的に活動されているのは本当に嬉しい限りです。
氏の作品はぶっちゃけ面白いのでどれから読んでいただいても結構なんですが、ここでは代表作のひとつである『ボーダー』をご紹介致します。
中近東やインドなどを旅してきた男・蜂須賀は無頼でありながら現在は貧乏アパートの便所で暮らす無頼人。これに同じアパートに住む優男の久保田・勤労浪人の木村などが加わって先の読めない都会的風俗の中でエロありゲロあり時々シリアスの上品とは真逆のコメディを繰り広げます。
80年代バブルの金がある時代に敢えて金のない人間を描き、文化の中身が希薄だった時代にわざわざ精神性をぶつけた潔さがこの作品を特異なポジションへと押し出しています。
ニール・ヤングやザ・ブルーハーツ、そしてボブ・マーリー&ウェイラーズといった魂のミュージシャンが多く登場するのも感涙を誘います。
最近読む物はどれも薄いなあ、と思ったら是非狩撫麻礼をお求め下さい!


