不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

休日派訃報日記

 すっごい気持ち悪い夢を見たせいか、起きたら頭痛。いい天気なのに、ぐったり。浅い眠りだったので、まだうとうとしていたら、中川昭一氏死去を後輩のメールで知り、睡魔がぶっ飛ぶ。急いでテレビをつけたが、その時はどこも通常放送中だった。
 昼過ぎまでうだうだしてから、何の考えもなく外出。とりあえず新宿に向かってから、「早稲田青空古本祭」が開催中だった事を思い出す。穴八幡は改築中。会場で向井さんと少し談笑してから、棚を見て回る。頭痛が残っていたので、イマイチ集中できず2冊だけ。いつもと変わり映えしない本、もっと幅を広げたい。
 見たい映画の時間に間に合ったが、大事をとって帰る。途中、喫茶店に入りコーヒー一杯。頭痛薬も飲む。あまり飲みたくなかったが、ちょっと辛くて。ぼんやりと時間を過ごし、頭痛が少し引いてから家に戻る。
 素麺ゆでながら、ニュースを見る。番組では酒や精神安定剤睡眠薬といった単語が飛び交っているが、酒はともかく薬は半分以上メディアのせいだろ。たしかにあの出来事はおかしな事だったけれど、狂ったように同じ映像を使い、批判し、笑っていたのは誰あろうメディアだ。むろん、視聴者も同じだけれど、あのバッシングの嵐の醜さは、本当にひどかった。あれだけやっておいて、白々しく検証したり、冥福を祈られても、何の説得力もない。メディア、特にテレビはいい加減、自分たちの無神経さを反省しろよ。視聴率が何で落ちているのかなんて、すぐわかるだろ。信用できんからだ。
 実は仕事関係で何度か会った事があるが、頭のいい、ダンディな人だった。無念だったろう。残念。
 家にあるものを少し整理する。まずは台所関係と冷蔵庫の中、それと薬関係。なんやかんやと結構あった。生活一新とまでは行かなくても、ちょっとずつでいいから変えていくぞ。

エレカシ作品感想「夢と生活の狭間で足掻く」

 『浮世の夢』の後に出てきたのが『生活』って辺りがエレファントカシマシのおもしろさ。「生活」って軽いタイトルなのに、とにかく重い、暗い、疲れる。7曲と少なめだが、内5曲は5分以上の長尺曲で、何度聴いても聴きなれるという事がない、気軽に聴く事ができないエレカシ史上もっともヘビーなアルバム。
 前作で出来上がった(というより出来上がってしまった)スタイルをさらに深化させ、文学青年の苦悩と悶絶、憂いの独白のような歌詞。詞ではなく、詩と言った方がいいかもしれん。コンセプトアルバムでもないのに、全曲同じテーマで貫かれている。
 宮本浩次のギターと声ばかりが聴こえてくる。ソロアルバムに近い作業だっただろうな。
 喜怒哀楽の「怒」「哀」をぶちまけるかのような叫び声。売り上げさっぱりで、一部音楽関係者以外は誰も認めてくれない。暗闇の中にいた。くだらなねぇ世の中だ、世捨て人になりてぇな、俺は孤独を求めている、世界を斜めに見る。《憎しみと愛 入り混じった目で世間を罵》っていた宮本浩次24歳。*1
 しかし、結局、青年は何かになりたい、何かを残したい、何かを成したいと強く思って、模索し、苦悩し、求め続けていた。その悲痛な叫びを、叫びのまま録音したのがこのアルバム。諦めのため息と、明日への決意表明が共存している。
 気軽に聴けない、と書いたが何故かと言うと、宮本が本気過ぎるから。本気で怒って、本気で悩んで、本気で苦しみ、本気で歌っている。古語文体で、きっつい叫び声と狙った部分はあるものの、内容には全く嘘がない。だから聴く側にも覚悟がいる。このアルバムを、宮本以外のメンバーは何を感じ、どう思い、考えて演奏をしていたのだろう。そこがいちばん気になる。
 名盤か、駄作かと問われると答えに窮してしまうが、最高か最低かと問われれば、迷わず「最高」と言える一枚。日本人は日本のバンドがこれを作り出した事を誇っていい。

生活

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*1:“俺たちの明日”の歌詞より。