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下総ミリタリースクエア このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-02-20

今さらだけど、「内張り装甲」の定義

21:19 | 今さらだけど、「内張り装甲」の定義を含むブックマーク 今さらだけど、「内張り装甲」の定義のブックマークコメント

 もう旬が過ぎてしまった感があるネタなれど、「内張り装甲」の定義について、未だにネット界隈(おまけに雑誌でも)で見かけるので、いい加減定義論争に止めを刺したいと思います。

 もう散々色々なところで書かれたことですので事の経緯は省きます。週刊オブイェクトさんの「内張り装甲とは結構、分厚いもの」や、本ブログ「ガラパゴス化しているのは彼なのか?」を読んで頂いた方が確実ですが、要約すると軍事ジャーナリストの清谷信一氏が内張り装甲の存在を知らず、見当外れなことを書いたことに対し、週刊オブイェクトブログ主であるJSF氏が突っ込んだ訳です。

 ところが、この突っ込みを受けてか「軍事研究」2009年3月号の清谷氏の記事に以下の一文が。


「車体は鋼鉄製で、レーダー反射率を下げるため車体の角は丸められており、全周的に七・六二mm弾や砲弾破片に耐えられる。また内部には跳弾や装甲の剥離を防ぐためにスポール・ライナーが張られている(スポールライナーと内部装甲はよく混同されるが、別物である)。」 by 清谷氏


 これを受けてJSF氏は「「見た事が無い」のに「別物である」と断言」と突っ込み記事を出します。


「つい最近、内部に取り付ける装甲について「見た事が無い」と告白した人なのですから、「内部装甲って何ですか」と問われて説明出来る筈がないですし、「内部装甲の定義を言ってください」と問われて答える事も出来ないでしょう。つまり清谷氏の言う「別物である」という断言は、何の根拠も無い思い込みであると言えます。思い込みではない、ハッタリじゃないと仰られるなら、内部装甲とは何か、定義の説明をお願いします。」 by JSF


 まさに正論だと思います。ただ、JSF氏の判断は以下の様な若干の推測が混じっております。


「なお私が技本発表会で展示された「内面取付型付加装甲」をスポールライナーであると判断したのは、材質がFRPであると説明ボードに書いてあったからです。これはスポールライナーに使われる素材と同じです。」 by JSF


 以上の様に、以前当ブログで掲載した技本発表会の写真の内容から判断された様です。

 ただ、定義論争に終止符を打つ最良の方法は定義を示すこと。それさえすれば終わりです。では、「内張り装甲」の定義は存在するのでしょうか?


答え

 内張り装甲

 内張り装甲とは、装甲裏面に内張りしたアラミド繊維(ケブラーなど)とプラスチックの複合材などである。装甲裏面からの剥離物を受け止める耐弾性向上効果(スポールライナー)のほかに、図1.5.2-12に示すように破片の飛散角度を小さくするといった残存性向上効果(スプラッシュライナー)が存在する。

― 弾道学研究会編「火器弾薬技術ハンドブック(改訂版)」財団法人防衛技術協会刊 ―


 「火器弾薬技術ハンドブック」は、「戦後わが国の火器弾薬の専門知識を集約した唯一の資料」を謳っており、日本の火器弾薬技術の基礎技術向上を目的とする弾道学研究会により編纂された、わが国における火器弾薬技術の集大成と言える本です。少なくとも日本において、これ以外の定義は無いと言っても過言ではないと思うのですが、これでも清谷氏は別物と言い張るのでしょうか。ミスや勘違いなど、誰にでもあるのだから、潔く訂正するのが最良でしょう。

 それとも、この定義も「ガラパゴス化」した日本の定義と主張するのか、はたまた定義を自分で作ってしまうのでしょうか。「定義を変える程度の能力」って、神にも等しいと思うのですが、どうでしょう?

 以上で論争に終止符は打たれたと思います。今後、このネタを当ブログで取り上げることはないでしょうし、日本上から論争が消滅することを望みます。

JSFJSF 2009/02/21 03:40 \(^o^)/論争オワタ

dragonerdragoner 2009/02/21 09:57 JSFさま
 コメントありがとうございます。
 これ以上この論争にリソース割くのは、多くの人にとって無益だと思いますので、これにて論争が終われば幸いです。
 あとは氏がどう出るか……。私はもうこの件にタッチするつもりはないですが、クロージングは見守りたいです。

アルバイターアルバイター 2009/03/04 23:49 火器弾薬技術ハンドブック売ってるところって見かけませんね
防衛技術ジャーナルは毎号買ってますが

あとキリ番間近ですな

dragonerdragoner 2009/03/05 00:04 アルバイターさま
 コメントありがとうございます。
 火器弾薬技術ハンドブック(改訂版)は初版数千冊(詳しい冊数は忘れました)刷ったそうですが、初版はかなり早い時期に売り切れたと聞きました。少し増刷はしたと記憶しております。
 販売当初は神保町の書泉でも売っていたんですけどね。最近見た記憶はないです。

 おかげさまで当ブログも10万ヒット達成できたようです。
 ご覧の皆様、誠にありがとうございます。
 これからも当ブログを宜しくお願い申し上げます。

きるろいきるろい 2009/06/30 10:44  旬が過ぎ去った話でアレ(の上に燃料を投下するようでそれもまたアレな話)ですが、今月発売のコンバットマガジンでキヨタニせんせえ、この件を蒸し返しておりました。

 ただなあ…ざっと目を通したんですが、以前の主張を変えてはおりませんな、何と言うか、懲りない人と言うか。

dragonerdragoner 2009/07/01 23:49 きるろい様
 コメント頂きありがとうございます。
 コンマガ読みましたが、オブイェクトでJSFさんが適切な反論していらっしゃいますし、今後定義論争に関わるつもりはないとこのエントリで宣言したつもりですので、この件はノータッチで行こうと思います。それ以前にキヨタニ氏の反論が予想の斜め下過ぎたのもあるんですが……。
 もっとも、あのコンマガの記事は他にも突っ込みどころが多いので、まあ色々考えております。