聖書の言葉 幼稚園保護者向け

2023年3月までの文章は菊池牧師、2023年4月からは小林美恵子牧師による文章です。

2017年 12月

「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」
                    ルカによる福音書2章14節

 今から凡そ25年程前のことです。クリスマス直後から私はパリにいました。ある修道会が年に一度開く、ヨーロッパの大きな集会に参加していました。世界中から数万人の若者が集まり、パリの様々な教会の礼拝に参加しました。その時、私たち日本人は10名程度でしたが、世界の一番遠いところからやってきた方々と紹介されました。教会の礼拝は世界中の言葉で聖書が読まれ、共に賛美し祈りました。私は日本語で聖書を読み、一万人もいたかもしれない人々の前で話をさせて頂きました。勿論日本語で(笑)。プロの通訳がそれを英語にして、英語から各国の通訳が自分達の言語に直して伝言ゲームのようにして人々に伝えるのです。実質的には私は3分位しか話しませんでしたが15分位かかりました。良い思い出です。多くのフランス人と友達になり、ロシア人と一緒に就寝し、ポーランドの司祭とも友達になりました。来年はポーランドでこの集会を行うので、是非来てくれと招待状まで頂きました。でも、全て自費参加でしたから、結局願いは適いませんでした。(笑)

 ヨーロッパは1月6日までクリスマスです。(勿論、日本もそうなのですが)12月31日の夜に特別な礼拝を守り、礼拝の途中に新しい年となって、それから教会の大きな集会室に集まって、あたかも「国別対抗歌合戦」のようになりました。私たちも日本の讃美歌を歌いましたが、でも全く敵うわけもなく、私の思いでは、最も力強く最も凄いと思ったのは、フランスのメンバーではなく、イタリアからの人々だったように思います。彼らは肩を組むようにして、本当に嬉しそうに、楽しそうに、喜びが爆発したかのように、笑顔で声高らかに歌っていました。国民性というのでしょうか。本当に凄いと思いました。
天の大軍が現れて御子イエスの誕生を声高らかに歌ったこの歌「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」どんなにか心のこもった、また喜びが爆発したような、羊飼いや、寝静まっていた動物たちも飛び起きる程の歌声ではなかったと思います。なぜそんなに喜ぶのか、御子イエスが誕生されたからです。私たちのこの地に平和をもたらそうとして、神様のご計画が動き出したからです。天に栄光は既にあります。だから「地に平和」を願ったのです。「御心に適う人にあれ」とは、神様は全ての人々を御自分の思いに適うそのような一人ひとりにして下さるという意味です。

 私達の世界は未だ、まことの平和が来ているとは言えません。平和どころか、どの国も賛美ではなく、軍備に夢中です。軍備に夢中になっている人々がこの世の指導者と言われているのは、とても皮肉です。軍事力では決して平和はもたらされません。でも、だからと言って全世界の武器を無くしても平和がもたらされるわけでもありません。人の心に怒りや、悲しみや、悔しさ、妬みと言ったものがある限り、平和ではないのです。本当に平和がもたらされるために必要なのは心の問題です。どんな時も「互いに幸いを喜び、隣人を愛する心、」で溢れることが求められているのだと思います。神様が、御子イエスをこの世に誕生させた目的は、私たちが本当に幸いになるためであり、地に平和がもたらされるためだと私は信じます。だから、私たちはどんなことがあっても、「幸い」に生きていきましょう。

 「いと高きところには栄光、地には平和」とクリスマスのこの時期だけでもなく、毎日をそのような心で、そのような歌声で、神を賛美し、隣人を愛していきましょう。