drinkmeのブログ。

2013-10-30

「『便利な』保育園が奪う本当はもっと大切なもの」

08:10

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「便利な」保育園が奪う本当はもっと大切なもの (著)長田 安司

という本を読みました。キンドル版も出ているようです。「女性活用」とか「保育所の充実を」「待機児童の解消を」と叫ばれている昨今、そういう主張に逆行するような内容の本です。タイトルどおり「便利な保育園」によって子ども(と親)の成長が適切に進行しなくなっており、その結果として社会が変貌を始めている、というのが大まかな内容です。

本書の主張は、主に3つあります。

1)規制緩和民間企業が保育事業に参入を始めた。その結果、便利な「駅前保育」を売りにした「認証保育所」「無認可保育所」が大量に出現した。このような保育事業を行う企業が「ニーズ」として捉えているのは、あくまでも「母親・親(法的な保護者)」のニーズであって、「子ども」のニーズではない。企業にとっての顧客は「親(法的な保護者)」である。が、実際に預かるのは「子ども」である。この結果子ども」の視点が完全に蔑ろにされ子どもが結果的に「超・長時間保育」「0歳児保育」「病時保育」等の犠牲になっている。

2)「超・長時間保育」「0歳児保育」が必要なのは、日本企業独特の異常な長時間労働のせいである。「少子化」の本当の原因は「保育所が足りない」ことではなく、超長時間労働のせいで、子どもを産んでもまっとうに育てることができないからだ。

3)このような「便利な保育所」による「超・長時間保育」「0歳児保育」等の本当の影響は、今から15年〜20年後に出てくる。そういう子どもたちが、成長して社会に出てくる時期だからだ。今の保育園児や小学生・中学生の抱える問題を、現場で見るにつけ、明るい未来があるとは思えない。

「待機児童解消」「女性活用」というとき、そこで完全に無視されているのは「子ども」の視点です。これは私も 「誰の視点」が欠けているのか。  というので一度書きました。私自身が、かつては「フルタイムで働く母の子ども」だったという経験から、「0歳や1歳2歳の子どもが、1日に10時間も12時間も、保育園で過ごしたいわけがない」「1分でも早く家に帰りたい」「1秒でも長くお母さんと一緒にいたい」という気持ちは、はっきりいって、今こうやって書いてても泣けてくるぐらいよくわかるのです。そんなわけで「女性活用」とか「女性の社会進出」とかいう美辞麗句で「働く母を礼賛する」という記事にも主張にも、どうしても賛同しかねるのです。

そして、私自身が、やはり「働く母」をほんの数ヶ月やったわけですが、そのときの体験も含めて、待て次号です。

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