Dr.マッコイの非論理的な世界 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2006-09-02

[] 安部氏、総裁選に出馬表明

とうとう安部氏も出馬表明して時期自民党総裁候補が出そろいました。河野太郎が出るとか言ってましたが、やめてほしいものです。それはともかく、安部氏については以前はかなり立派な人だと私は思っていて総裁にぜひなって欲しいと考えていたのですが、最近はどうも保守と言われる方々からの批判が多く、しかも私からみて真性保守と思える人ほど安部氏から離れているように見えます。

最近では首相になるという目的の障害になりそうな事は極力避けているようにも見え、亡き父の果たせなかった「首相になること」だけが目的になってしまっているのではないかと、靖国問題などを見ると、そう思えることすらあります。

おそらく安部氏がまだ若いのに総裁候補にまでなれたのは、小泉首相がこれまでの自民党の慣習をぶちこわして、首相選びに世論を反映させること、支持率を反映させることに成功したからでしょう。

しかし、そうなってくると、政権基盤や政権の安定的運営というのはいかに世論の支持を集めるか、ということになってしまいます。それは、実はかなり危うい政権基盤であり、安定的な政権運営というのは至難の業だと思います。

そして、世論を味方に付けるために、どうしても情報統制、言論弾圧、とまでは行かないまでも、浮ついたパフォーマンスだとか、「わかりやすい言葉」とか「短いキャッチフレーズ」「サプライズ」などに頼らなければならなくなってしまいます。

しかし実際にそれらはどういうものであったかと言うと、間違いだらけウソだらけの空疎な文句にすぎませんでした。なぜそういうものに飛びつく人が多かったかと考えてみると、やっぱり「劇場型」だからでしょう。

小泉政権の劇場型と言われる手法により、政治に関心を持つ人が増えたと言ってもてはやす人がいますが、そういう人たちが政治に関してまともな判断力を持っているとは私には到底思えず、実際にそのことが郵政選挙で証明されました。したがって、現状では世論が反映されればされるほど、政治には絶望するしかなくなになります。

ワイドショーや週刊誌の記事とかバカなニュースキャスターの言葉や新聞の見出しくらいしか見ずに政治を判断するような人間が圧倒的多数ということで、しかも表面的な言動で政治を判断してしまうというのは恐ろしいことです。まさに民主主義のレベルがどん底にあるのは間違いないでしょう。

現状における世論とはたんなるマスコミ誘導の結果にすぎないものであったり、コロコロと変わる大衆の一時の流行・その場限りの気分・私的な欲望の集積などなど、ろくでもない代物です。

それはともかく、ずいぶんと話がそれてしまいましたが、ようするに安部氏の政権基盤が「世論」であるかぎり、その政治はろくでもない代物になるか、もしくはごく短期間のうちにポッキリと折れてしまうか、どちらかだと私は思います。

<自民総裁選>安倍氏、出馬を正式表明 改憲に強い意欲

 安倍晋三官房長官(51)は1日、広島市内のホテルで記者会見し、自民党総裁選(8日告示、20日投開票)への出馬を正式表明した。同時に新憲法制定や教育の抜本的改革を掲げた政権構想「美しい国、日本。」を発表した。外交面では日米同盟、小泉純一郎首相の靖国神社参拝で冷え込んだ中国・韓国両国との信頼関係の強化を明記。格差を固定しない「再チャレンジ」を重点施策とするなど小泉改革路線の修正も意識した。

 安倍氏の政権構想発表で既に出馬表明した麻生太郎外相(65)、谷垣禎一財務相(61)を含め3氏の政策が出そろったが、安倍氏の優位は揺るぎない情勢だ。

 政権構想は、「政権の基本的方向性」として(1)新たな時代を切り開く日本にふさわしい憲法の制定(2)教育の抜本的改革(3)イノベーションによる経済成長――など4分野13項目を挙げた。これに基づき「主張する外交」など6分野で具体的な政策を示し、首相官邸主導体制の確立▽行政機構の抜本改革・再編▽学校、教師の評価制度導入▽米欧豪印との連携などを掲げている。靖国問題は盛り込まなかった。

 記者会見で安倍氏は、憲法改正について「任期中に少しでも進めたい。リーダーシップを発揮して方向性をしっかりと出したい」と強調。「公教育の再生に取り組んでいく」とも述べ、憲法改正と教育改革を最重要課題に挙げた。

 また、集団的自衛権の問題に関しては「日米同盟の機能を向上させるために個別具体例を検討したい」と述べ、現行憲法のまま解釈変更で行使を容認できないか検討する考えを改めて示した。首相官邸の機能強化の一環として、日本版NSC(国家安全保障会議)の創設にも含みを持たせた。

 中韓両国との関係改善については「(靖国神社に)行くか行かないかによって首脳会談ができる、できないというのは間違っている」と従来の主張を展開。ただ、「首脳会談を復活させるためお互いに努力していかなければならない」とも述べ、中韓との首脳会談の再開に強い意欲を示した。

 消費税率引き上げに関しては「上げざるを得ないのはその通りだが、今の段階で何%と言うことは適切ではない」と具体策に踏み込まなかった。

 一方、自らの派閥離脱については「総裁に当選することができれば、当然派閥(森派)を離脱する」と明言。内閣・党役員人事は「派閥の意向を聞き取り、反映することはしない」と述べ、小泉流の人事方針を踏襲する考えを示した。

【中西拓司】

(毎日新聞) - 9月2日1時22分更新

上の記事によると、安部氏の「政権の基本的方向性」は以下の3つのようですね。

(1)新たな時代を切り開く日本にふさわしい憲法の制定

(2)教育の抜本的改革

(3)イノベーションによる経済成長

私は、この3つは実にすばらしい事だと思います。特に「新憲法制定」と「教育基本法の改正」は遅すぎるくらいです。しかし!しかしですが、今これを安部氏がやることに正直私は不安を感じます。なぜかと言って、小泉内閣での自民党の新憲法の草案をざっと見ましたが、滅茶苦茶な代物でしたし、今議論されている教育基本法も、大いに問題あり、というか現行の教育基本法の根本的な問題にすら気づいていないのではないかと思えます。

安部氏のとりまきには明らかな媚米派やら戦後民主主義で育ったうさんくさい若手議員などが揃っていて、彼らが関与して新憲法や教育基本法が議論されたのでは、おそらくろくでもない代物にしか成り得ないと思えるからです。機会があればくわしくまた取り上げたいと思いますが、実際あまり期待できません。

また(3)でイノベーションというのが何をイノベートするのかわかりませんが、少なくとも経済成長をめざすというほうが財政削減よりも私はまともな方法だと思うので、これには期待したいと思います。

財政削減のほうが実は頭を使わなくて良いという点で簡単なのです。役所の抵抗など物理的な障害があるのみで、実際は財布のひもをとじるだけですから、力任せのバカのやることです。

経済成長を成すのは難しいですが、これがうまくゆけばすべて解決します。問題は本当にそれができるかどうかですが。景気が回復して経済が成長すれば税収も増えます。増税も不要となります。というか谷垣氏のように安易に増税すれば、景気が低迷して逆に税収は減る可能性だってあります。

ただ一つ心配なのは、昨日の報道ステーションのインタビューで、「IT産業などに積極的に投資する」と言っていました。それはやめてほしいものです。ITなど国の基幹産業にはなりえません。ITバブルもとっくに崩壊しています。全く投資するなとは言いませんが、もっと他に力を入れるべき産業があるでしょう。

中小企業対策などをやるべきです。日本のものづくりの技術を支えているのは実は中小企業なのです。小泉政権では徹底的にボロボロになってしまいました。

それから、安部氏が全面に出している「再チャレンジ支援」ですが、私はこのネーミングはなんだかなあと思いますね。

ようするに再チャレンジがなぜ必要かと言えば、今の日本社会に、やたらと失敗する人が多いからでしょう。そういう社会にしてしまったのです。そうであるなら、まず改善すべき点は、やたらと失敗しやすい社会のほうだと思います。

年功序列・終身雇用が守られていた頃は再チャレンジなどそうそう必要なわけではなかったのです。

あいかわらずベンチャースピリットとか起業なんかを持ち上げるつもりなのでしょうか。ああいうのは失敗を恐れていてはできませんから。

再チャレンジできるから、もっと冒険しろと言っているようなものなのではないでしょうか?いや「再チャレンジ支援」の中身については私はあまり知らないのですが。

しかし「再チャレンジ」には失敗することが前提にあるのは間違いありません。そんな危なっかしいことを推進するなんて、そもそもがどうかしているとしか私には思えません。

もちろんベンチャーとか起業とか、そういうのも全否定まではしませんが、こういうのは結局秩序の混乱をもたらし、成功するのはごく一部ということで二極化の推進にも繋がるでしょう。

そもそも国民の圧倒的多数が安心・安定して仕事につける社会を目指すべきであって、国民が次々に失敗して、毎回新しいことにチャレンジしなければならない社会なんて、私は恐ろしいものだと思います。

一つのことを生涯かけてコツコツと続けてゆくことの大切さを守ってゆくべきだと思います。

従って、すべき事は、無駄な失敗をしなくてすむ社会、だと思います。

再チャレンジ支援の対象が、小泉政権下でないがしろにされたリストラ組や中小企業や地方だと言うなら、当然必要なことなので、それならば支持します。

(・・・というか、安部氏の再チャレンジ支援策の中身についてちゃんと調べてから書くべきだったかも。実はほとんど知りません。)

さらに靖国問題と「A級戦犯」に関する安部氏の認識についてですが・・・。

昨日の報道ステーションでの古館のいやらしい質問

「A級戦犯は犯罪者ではないというのは安倍さん個人の信念ですが・・・」

みたいなバカを言ってましたが、それに対して安部氏は、「A級戦犯」(BC級も含めて)はすでに戦争犯罪人ではないというのが公式な扱い方なのであって、安部氏の個人的な見方ではないのだという事をなかなかしっかり説明していました。

このあたりの事に関しては小泉首相とは安部氏は違ってきちんと認識されているようです。

講和条約が発効すれば国際法によればそれ以後には戦犯裁判は失効するものであるという事や、サンフランシスコ講和条約で受諾したのは東京裁判の判決の刑の執行に関してであるということ、東京裁判その他の戦犯裁判で有罪とされた人たちは国会の決議で公務死(法務死?)として扱い、恩給や遺族年金が支払われている、すなわち犯罪者にはこれらは支払われないものであるので、すでに犯罪者として扱わないことになっている等々。

ここからは安部氏は触れていませんでしたが、さらに加えるならば当時は4000万人もの署名があって実現したことであり、まさに国民と国会が決めたことなわけです。

それを今になって都合が悪かったからといってセカンドレイプさながらに再び犯罪者扱いするほうがどうかしているのです。

こういう事を視聴者に詳しく説明するのは、本来はニュースキャスターの側の仕事であり、そういう事を報道する責任こそマスコミにあるのだと私は思います。古館はバカです。

いずれにしろ、こういうことをきっちりと理解しているにもかかわらず靖国参拝を避けるというのであれば、安部氏はある意味小泉首相よりたちが悪いのではないかとすら思えます。

靖国に関してはもう繰り返しませんが、少なくともこの問題を見る限りは、安部氏の「闘う政治家」というのは「看板に偽りあり」としか思えません。そこが残念なところです。

とにかく、いわゆる保守の側が安部氏の妥協なり変節なりを批判しないで弁護ばかりしていたのでは、安部氏は支持をひろげるために世論に迎合したり左方面にどんどんと流されてゆく可能性があります。

そこを忘れず、保守を自認する論客や、ついでに言うならブロガーたちも、マンセーばっかりするのではなく、言うべき事はしっかりと言って頂きたいと思います。

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